2005年12月3日 【関東後半 埼玉県~山梨県】
目を覚まして時計を見たら10時だった。
ぬおおおううう!!!!
飛び起きてソッコーでエンジンかけて急いで秩父市内に入っていくが、すでに町の中は大混雑になっていた。
駐車場はすべて満車。
中心部からかなり離れたところにある臨時駐車場も全部満車。
まいったなぁ…………と思っているところに目に入ったのはスーパーの駐車場。
おそるおそる止めてみると、周りにはあきらかに祭り見に来ましたっていう県外ナンバーばっかり。
なるほどラッキー。
無料だ。
他の駐車場はどこも1500円はしてたもんな。
もううううううううううううう、すごい人出!!
出店の数もハンパじゃない!!
秩父神社に行ってみると、境内で今まさに山車の宮参り中だった。
うごめく人の頭。
絢爛豪華な巨大山車。
黄色く色づいたイチョウの木と青空と山車の原色がなんとも鮮やか!!
テンポの早いお囃子が気分を盛り上げる。
300年の歴史を持つこの秩父夜祭。
日本三大曳山祭りの1つで、2日間でこの小さな町に30万人の観客が押し寄せるという。
うー!!楽しみ!!!
重要無形民俗文化財の屋台芝居を見て、しばらくして日も暮れはじめてくると、観客は道路際の歩道に陣取り、山車の運行を今や遅しと待ちわびている。
俺は後ろのほうでベンチに座っている。
始まる前はみんな期待が高まってて躍起になって場所取りをするが、そんなの最初のうちだけだ。
今までの経験上、祭りってのは1時間もすれば警備もルーズになるので、それからいい場所に入っていけばいい。
何時間もぎゅうぎゅう詰めにならなくても、そのうち見られる。
しかしそんな中で我先にと道路に飛び出したり、横断したり、子供を突き飛ばしてまでカメラ構えたりしてるやつらはほとんどジジイだ。
年取ると自分を制御できなくなるんだろうなぁ。
浅ましい。
19時。
夜空に花火が開き始めると、ようやく山車がやってきた。
極寒の中でずっと待っていたので体の芯まで震えながらデジカメを構える。
すごい、さすがに立派!!
並みの神社くらいの大きさの山車が勇壮な掛け声とお囃子に乗せて曳かれていく。
歩道を埋め尽くすカメラマンたちのフラッシュの嵐で照明をつけっぱなしにしているようだ。
花火も勢いを増し、夜空を染め上げる。
連発が最高潮に達し、観客の歓声が叫び声に変わり、のぼりつめていく。
そして夜空が爆音とともに真っ白に染まり、フィニッシュ。
「いやー!!素晴らしい!!」
「サイコー!!」
大満足の歓声と拍手が湧き起る。
いやー、こりゃいい祭りやった………………
しかし花火はそれからも止むことはなく、結局スーパーの駐車場に着くまで花火は上がり続けた。
山奥の町、花火、豪華絢爛な山車、御伽噺のように幻想的で、自然に囲まれたスケールのでかい祭りだった。
秩父夜祭、堪能!!
翌日。
朝イチ、カメラ屋で現像した夜祭の写真を開店前の『おていちゃん』のポストに入れた。
おばちゃん、地元のおじちゃん、この写真見て、あの宮崎の子だわって気づいてくれたらいいな。
ご飯ご馳走になってありがとうございました。
さぁ山梨県だ!!
140号線で奥秩父、滝川の渓谷を眺めつつ山をズンズン登っていく。
しばらくして大自然の中に二瀬ダムとループ橋という巨大な人工物が現れる。
人間ってすげーなーと思ってると何かフロントガラスに当たる…………
みぞれだ!!
標高が上がっていくにつれてみぞれは雪に変わっていき、深い山々の木々が真っ白く閉ざされたころ、長い長い雁坂トンネルに突入。
秩父から山梨に抜ける道はこれしかない。
有料710円。
この雁坂峠。
江戸の昔から街道はあったもののあまりの難所に誰しも通るのを避けたという。
平成10年にトンネルが開通したことによりものすごいショートカットにはなっているが、豪雪の難所であることには変わりない。
さっきもスリップして突っ込んでる車があった。
この近くに百名瀑の七ッ釜五段の滝があるのだが、歩道を3時間も歩かないといけない。
さすがにこの雪でそれはキツい。
諦めて先に進もう。
途中、大きなダムがあって、そこの広場に写真が展示してあったので車を止めて見てみた。
これは広瀬ダムというダムで、こいつが出来る前、ここには広瀬という集落があったんだそう。
ボロボロの水車や萱葺きの民家が昭和60年ころまで残っていたようだが、ダムのおかげで湖底に沈んだ。
こうやって消えた集落が日本中一体どれくらいあるんだろうな。
今日は塩山の町でストップした。
あー、寒いなぁ。
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