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最上川舟唄を聴きながら







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2005年 9月15日 【山形県】





最上川といえば舟下り。


日本一周してるならここはさすがに外せないよなぁ。


お金はかかるけど。






というわけで、最上峡沿いに4つある舟下り会社のうち、1番元祖の芭蕉ライン観光株式会社にやってきた。


値段に関してはどこの会社も大差なくて大人2000円なんだけど、これがコンビニで買うと1800円と200円安くなる。


しかし、芭蕉ライン観光は下った先から戻ってくるのにバスを使わないといけないのでプラス400円かかる。

つまり2200円。


他の会社では出発した地点までぐるりと戻ってくるコースなどがあり、バス代がいらないんだけど、まぁ200円の差だ。


元祖にしよう。






舟は約1時間ごとに出ていて、毎回20人乗りくらいの舟が3~4艘出て行く。


俺が乗るときにも観光バスの集団がわんさか押し寄せ、人気の高さがうかがえる。


焼き魚や酒、つまみなどが売店で売っており、舟の上で楽しめるという塩梅だ。









いざ舟に乗りこむと、ジジババがぎゃーぎゃー騒ぎながらなだれ込んできた。


猫まで抱えてきてるおばさんもいる。


うーん………静かに風流に、って想像してたんだけどな…………






舟には案内担当と運転担当の船頭さんが2人。


芭蕉ライン観光には39名もの船頭さんがいるらしい。



「えー、小舟ですけんど大船に乗ったつもりでお楽しみください。」



「ギャハハハハー!!」



「今日はお若い方ばかりだスなー。」



「ウヒヒ!!」




さすがというかマニュアルどおりなのか、船頭さんの軽快なおしゃべりに舟が揺れるほどジジババ大爆笑。


なにがそんなに面白いんだ?


俺はお前らとは違うぜ、と斜に構えてカッコつけながら舟に乗っていたら、いきなり船頭さんからクイズコーナー。




「はい、あスこの滝。あの看板の字が読める学のある方はいらっしゃいますかい?」



『轡滝』



ぬ、ぬううう……………


俺漢字そこそこ得意なんだけど読めない…………







「くつわですかね。」



涼やかな顔で答えるおじさん。


見事正解でおじさん一躍舟のヒーロー。




お、おじさんすげえええええ……………


全然わからんかった……………


カッコつけてたのがめっちゃ恥ずかしい……………




正解ということで船頭さんからいいものをプレゼントされてたおじさん。


舟下り行く人は勉強してから行くべし。






「いやー、もう話すこともなぐなっだはげぇ、唄さ歌わせでケレ。」



「わー!!」




パチパチパチ!!!!




一気に盛り上がる船上。


どうやらみんなこの唄を楽しみにしてきているようだった。







ほどよく冷たい風が気持ちいい。


森の緑と緩やかな川のせせらぎ。


船頭さんの歌う、世界三大舟唄の1つ、最上川舟唄が谷間にろうろうと響く。




ああああ、いいなぁ。

めちゃくちゃいいなぁ。




何もないけど、それがいいんだよな。


これが伝統の舟下りか。


高い金払ってしかと満喫!!












約1時間で11キロの下流に到着し、そこからバスで元の場所に戻ってきた。


もっと色々聞きたくてしばらく船頭さんたちにお話をうかがった。





もともと最上川は物資の運搬でにぎわっていた場所。


陸路がなかったために、庄内~新庄間は物資も旅人もみな船で運ばれていた。


渡し舟は大正時代まで続いたが、道路が通ってからは舟もなくなったとのこと。


だが峡谷の紅葉の美しさが評判になり観光客が押し寄せるようになり、当時職を失っていた船頭たちが、これらをターゲットに舟下りを始めたそう。




以来細々とやっていたが、昭和38年に会社を設立。


昭和58年にドラマ『おしん』で舟下りのシーンが放送されると一気にブーム到来。


20人乗りの舟が毎時間20艘も出るという恐ろしい人出で、最上川は舟で埋め尽くされ、1日中舟唄が響き渡っていたという。




今はだいぶ落ち着いたものの、やはり1番人気の紅葉の季節には全盛期並の混雑になるらしい。


船頭さんのお勧めは雪に閉ざされる静寂の冬。


そして昼は混むので1日の最初か最後の便がいいとのこと。


下手したら船頭さんとマンツーマンになって、川渡しをやっていた時代の旅人の雰囲気を味わえるそうだ。












鮎川村の山奥、小杉地区にいるトトロを(ここマジでトトロいそう)見に行ってから一路、新庄へ向けて走る。


山形県の海側から山間部を越え、都市が連なる内陸部にやってきた。


町の大きさにしては活気があり観光案内も充実してて好感大。


しかし名物のトリモツラーメンはムネヤケおこしそうなので勘弁。








ここまで来ると宮城県との県境はすぐそこなので、今夜は仙台の友達のとこに会いに行く約束をしている。



山越えをする前に風呂に入っとこうと寒河江にある市民浴場へ。


今日はこの町のお祭り。


この日のために照準を合わせていたのだ。




よーし、早く祭りを見に行くぞーーと、風呂を上がって服を着ていると……………







あれ……………?








え!!?








………………金がない。






全財産の5000円がない!!!



うそだろおおおおおおおお!!!!


鬼のような顔で探すがどこを探してもない!!!!


脱衣所ドロボーーーーーーー!!!!!!!










………………もう祭り行かねぇ。







何もやる気がなくなって祭りを無視して仙台に向けて走った。














この翌日は仙台の友達の家に泊めてもらい、ヨチヨチの息子君と一緒にみんなでドライブしたりして遊び、その翌日に山形に戻ってきた。


あー、いいリフレッシュになった。


子供可愛かったなぁ。




よっしゃ!!!ガンガン進むぞー!!!とまず向かったのは瀬見温泉郷へ。


ゆうべは久しぶりに石巻で歌ったおかげで1万円をゲットしているので、古木屋という旅館でのんびりと湯舟に浸かった。



「あんた、あんまりあがってこねさげ、おぼれ死んでんであんめがっで思っでぃあ。」



こうやって日本一周をしてるとつくづく思うんだけど、日本は全国に腐るほど温泉地があり、さらに腐るほど宿泊施設がある。


そんな中、たまの旅行の宿泊に選んでもらう確率なんて奇跡に等しい。


青荷温泉はランプで有名、金田一温泉はザシキワラシで有名。


よっぽどの売りがないかぎりやってくのってかなり難しいんじゃないかと心配になる。



しかし、この瀬見も別にすごい名物があるわけでもないのに結構な数の旅館がある。


昭和の観光ブームのころはお客さんが溢れかえって、イケイケドンドンでホテルや旅館が建ちまくっていたんだろうなぁ。


それが時代の流れで地方の産業は衰退し、人口も減っていってる。


景気のせいにして何も努力しなければこれからドンドン潰れていくんだろうな。









新庄の繁華街、あけぼの町は猫の足音も聞こえそうなほど静まり返っていた。


でもしょうがない、やるしかない。


ギターの音が路地という路地に滑り込んでいく。


そして歌が街に降り注ぐ。


風邪で鼻がつまって息苦しいが構ってられるか。






頑張って歌っていると、どこからともなくワラワラと人が集まってきた。









『メーカーズボックス』のオーナー、今日ライブをやってきたという東京のバンドの人たち、新庄出身のバンド『ジェシー』の兄さん、けばい夜の蝶たち、そして俺の足元には久しぶりの大台22000円。



どんなに無理そうな状況でも諦めなければ必ず道はひらける。






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