スポンサーリンク 2002年、始まりの旅 2021/9/8 ■初めての日本一周■ ↓↓↓田舎暮らし&古民家改修&双子子育てyoutube始めました。2002年、9月1日。日曜日始めてのサウナで、高校時代からの夢だった日本一周の旅の初日が終わろうとしている。隣で妊婦さんよりもお腹の膨らんだスキンヘッドのオッちゃんがフローリングの床にゴロリと横になった。その上を眠そうな顔をしたオッちゃんたちがまたいで歩いていく。規則的に並べられた背もたれイスに、黄色と水色のガウンを着た人たちが眠っている。40席ほどある背もたれイスは満席で、あぶれた人たちが壁際の床にゴロリゴロリと転がっている。俺もその中に混じって眠ろうとしている。宮崎市内を出発したのは夕方の19時だった。日付は2002年、9月1日。ヒッチハイクで2台を乗り継ぎ、鹿児島市内の天文館にたどり着いて、少しでも金を稼いでおこうとアーケードの中で歌ったんだけど全然お金が入らない。歌い疲れて眠れる場所を探して歩き出したのが深夜の2時頃。西鹿児島駅の前でカップラーメンと餞別にもらったオニギリを食べ、このサウナに転がり込んだ。もう4時半だ。明日は昼の11時起き。今日はすごく疲れた。もう眠ろう。眠ってしまえば、この悲惨な雰囲気のサウナの部屋にも溶け込めるだろう。翌日、サウナを出て西鹿児島駅前の観光案内所に荷物を預け、颯爽と歩き出した。ていうか荷物が重すぎる…………あんなんじゃ町歩きなんてできやしない。そんなに詰めてないはずなのになぁ。沖縄行きのフェリーは18時発。まだ結構時間があるのでブラブラしよう。黒岩ラーメンってとこが美味しいって聞いていたので行ってみたが休みだったので、アーケードをうろうろしながら美味しそうなところを探したがどこが美味しいかなんてわかるわけねぇ。テキトーに「こむらさき」っていうラーメン屋に入った。かなり美味しかった。歩き疲れたころにいい時間になったので、観光案内所に荷物を取りに行き、フェリー乗り場に向かった。ターミナルの待合室には俺のよりもはるかに大きなリュックを抱えた人たちがたくさんいて、その中には昨夜、俺と同じように天文館の路上で歌を歌っていた2人組の兄ちゃんたちもいた。みんな沖縄に行くんだな。出港するころにはすでに日も落ち、薄暗い空にそびえる桜島をぼんやり眺めながら汽笛を聞いた。シャワーを浴び、カップラーメンを食べ、一眠りしてからデッキに上がると、すでに鹿児島の灯りは真っ暗な空に昇っていた。満点の星空だ。暗闇を切り裂きながらフェリーは進む。暗闇に白い飛沫を浮かび上がらせながら。体の芯まで響く重低音と振動。吹き荒れる風によろめきながら、俺の心は驚くほどに穏やかだ。確実に踏み出した一歩を、染み入るように実感していた。↓↓↓田舎暮らし&古民家改修&双子子育てyoutube始めました。