帰って参りましたーーーーーーー。
帰ってくる家があるって素敵です。
しかもこんなすてきなお店兼お家。
帰ってきて、家のドアを開けた瞬間、なにこの素敵な店！！！て毎回感動できる私たちって
幸せ者。
しっかり休んだ分、また仕事頑張らないと！！！！！！
て思いながら来年のおやすみはどこ行こっかなーとかもう考えだしてます♩
おわり
この前、ひなた屋にお坊さんが飲みに来てくれて、お喋りしてました。
お坊さんって博識で、しかも人に説法をするような人だから話がとても面白いんですよね。
噛み砕いて、必要なストーリーと要点を簡潔にまとめ、さらに例を用いて分かりやすくしてくれる。
するする入ってきます。
そんなお坊さんが言ってました。
仏教にもキリスト教にも戒というものがあります。
不邪婬、不悪口、不妄語、不殺生、とか。
何々をしたらいけない、何々を守らないといけない、何々しないとダメ、そんな感じ。
でもそれを完全に守ることなんて相当ハイレベルな高僧じゃない限り無理。この世に生きてる限り。
では戒の存在意義とはなんなのか？
これは、戒を守れない自分を知りなさい、ということらしい。
日々、戒を破りながら生きている自分自身を見つめなさい、と。
なるほどなぁ。
自分自身がどういう人間なのかを知り、弱さを受け入れることで、生き方が誠実になっていく気がします。
俺って戒を破りまくってるじゃん…………って罪悪感を抱く必要はないんですよね。
あるがままに、でも少しだけ頭の片隅に置いて日々に心がける。
そんな丁寧な毎日がおくれたらいいもんです。
「カンちゃんーーー！！パンツ入れたあああああ！？！？」
「入れましたよー。」
「カンちゃーーーーーん！！！！携帯の充電器入れたあああああああ？！！」
「バッグの上のポケットよー。」
「カンちゃんーーー！！！Eチケットは！？！？」
「プリントアウトしてますよ。」
「カンちゃーーーーーんんん！！！！」
「なにー？」
「喘息のシュコシュコ入れた！？！？！？」
「喘息の薬も結石の薬もアレルギーの薬も入れてるよー。痛み止めも。」
「河内長野が生んだ天才！！！！」
はい、というわけで海外短期旅行に出発する朝。
ついにきたああああ……………
この日のためにずっと準備を進めてきました。
いやー、お店を2週間も休むなんてマジで大丈夫なのか？と不安で仕方ないわけですよ。
まだオープンして1年経ってないのに。
正直、自営業だから休みを勝手に決められる自由さはあります。
でもだからって好き放題休んでたらお店の信用がなくなります。
1番心配なのは、売り上げが2週間なくなるとかその辺ではなく、町の人たちの反応ですね。
ひなた屋は2週間休んで海外旅行、しこたま稼いでる、自由気ままでいいわねぇ、この前新車買ったばっかりなのに、って感じで田舎の噂はマジで怖いです。
そういったふうに思われないように、なるべく目立たないように…………なるべく下手に出て…………なるべく隅っこを歩いて…………僕らなんて本当フナムシみたいなもんなんで…………
っていう姿勢です。
ホント、お店休むのも町の人たちの許可をもらわないといけない、くらいの感覚です。
そんくらい田舎の人間関係はシビアです。
そんな中、大丈夫行っちゃおーーー！！というカンちゃん。
カンちゃんもだいぶ田舎の流儀は分かってきてますが、いい加減そろそろ耐えられないみたい。
昔から年に2回は海外旅行に行ってたくらい旅行好きのカンちゃんからしたら、1年半も海外に行ってないのが不思議なくらいみたい。
「フミ君！！ホラ！！チケットこれ！！あとはボタン押すだけ！！さぁどうだ！！」
「えー、うんー、来年じゃダメなの？まだオープンして早すぎじゃない？町の目がなぁ。」
「大丈夫！！ひなた屋はそういうお店だからっていうイメージにもっていけば今後も行きやすいから！！さぁボタンはこちらになります！！あとは押すだけ！！さぁどうだ！！」
「うーん、いいよ。」
「ポチッ。はい買ったーー！！買っちゃったーーー！！何着て行こかなー。ルンルン。」
ていうのが2ヶ月前。
そしてついに出発の日！！！！
僕ほとんど準備しませんでした！！！イヤッホゥ！！！
カンちゃんがここ数日かけて色々必要なものとかまとめてやってくれました。
航空券も取ったし、インドビザも取ったし、ホテルもそれぞれ予約してるし、
ホント、旅慣れしてる人がいると助かりますなー。
僕なんか、あ、行きたい、よし行こう、って感じで行きたくなったらとりあえず手ぶらで行けばいいと思ってるんで、スピードは早いけどその分後で大変な目に遭います。
そして奇跡的な展開が起きてなんとかなってウケるーっていういつものアレです。
それはそれでめっちゃ面白いんだけど、でもやっぱり慎重に色々段取りしてくれる人がいるとなんでもスムーズでいいですなー。
いやー、楽チン楽チン。
「ホラー、フミ君、服は大丈夫なのー？」
「あ、服ですか？えーっと、これとこれと……はい出来ました。」
「ちょっ！！服選ぶの早い！！私何来て行こーー！！困るーーー！！荷物全然入らないーー！！」
今回の飛行機なんですが、え？サービス？何それ？食べられるの？っていう、LCCの鑑みたいな航空会社に乗りますので、それはもうさすがの内容ですよ。
預け荷物ナシの持ち込み荷物7キロというエグさです。
2週間外国に行くのに荷物7キロとかマジ笑かしてくれますよ。
まぁ僕は気合い入れたら500グラムくらいでいけますけどね。
カンちゃんは女の子なのでドライヤーとかコテとか化粧品とか色々あるんで、7キロはさすがにキツイです。
でもまぁなんとか荷物を全部詰め込みました。
お店の電話も17日までお休みしますーって録音して留守電設定オーケー。
雨戸を全部閉めてお店の入り口にも張り紙オーケー。
生ハムを台ごと実家に持って行って数日おきに油で拭いてねってお願いした。
この数日、なるべく食材を全て使い切るように計算して買い出ししてたけど、それでもちょっと余った冷蔵庫の中の使い切れなかった生物は全部実家行き。
隣のおじちゃんにも変な物音したら退治してくださいってお願いしといたし、
多分準備はバッチリ。
ていうか出発前日に隣のおじちゃんが常連さんたちと飲みに来てくれて、そこで旅費の話ができたのはよかった。
インド行こうと思ったら何十万もかかるじゃろ？って言われたのでここぞとばかりに答えました。
宮崎から東京、東京からインド、インドからタイ、タイ国内で移動、タイから福岡、福岡から宮崎
この全部の移動で1人68000円くらいです。
めっちゃ安いです。
でもスカイスキャナーとか使えばすぐ出てきます。
田舎の年配の人たちは飛行機がめちゃくちゃ高い時代のイメージが強いですからね。
東京行くのも片道3万、海外だったら往復30万みたいな感覚ですよ。
2人でインドに行く。
そしてインドの物価を知らない人が多いのでホテル代も結構かかると予想する。
それで2週間なら下手したら100万近くかかるはずよ、あらまぁ、儲かってるわねぇ、って思われる。
いやいや、ぶっちゃけ飛行機代もホテル代も現地での生活費も全部合わせて2人で20万くらいです。
さすがにバッグパッカー時代のようなマジ底辺旅はしないので少しはいいホテルに泊まるしいいご飯も食べる予定だけど、それでもこんなもんです。
海外ってそんなもんで行けるんですよってことを町の人に伝えられたのは良かった…………
あれ？30年後の俺？
明日インドなのに空港でカレー。
さて、というわけでサクッと東京到着。
「きゃああああああああああああああああああああああああああああああああああ！！！！！カンちゃん！！！そ、空がない！！！！ビルが！！
コンクリートジャングルが！！！！怪物がくるうううううううううううう！！！！地面が動くうううううううう！！！！大丸怖えええええええええええええええ！！！！！！」
「ひいいいいい！！！道聞いても無表情！！！！あ、そちらになります、って淡々としてる！！！！三越怖いいいいいいいいいいい！！！！」
「カニがいねえええええええええ！！！！」
東京にはカニがいません。
家の中入ってくるカニ。
恐ろしすぎる。
「いやああああああああ！！！！宮崎空港の袋持ったまま銀座のデパート入らせないで！！みんなが僕を見て失笑してる！！！クスクス、見て見て、なにあの空港の名前、ブーゲンビリア空港だってダサくない？まずは自分のとこの空港名をどげんかしたほうがいいと思うけどね。クスクス。」
「ハウうっ！！歩いてる人全員パーティ行くような格好してる！！バッグ背負ってるのが恥ずかしい！！！」
いやー、田舎代表選手からしたらもうマジで異次元ですね。
とんでもないほどの大都会ですよ。
建物が大地を埋め尽くしてます。
とてつもなく巨大なビルがウニョウニョひしめいてて、中に入ればピッカピカ。
人間すげぇ。
ギャップ半端なさすぎます。
美々津まだ神武天皇がお船出した夜とほぼ風景変わってないですよ！？
タイムスリップですよもはや。
死にたいくらいに憧れた東京のバカヤローが知らん顔して黙ったまま突っ立ってるって長渕先生、九州代表の例えです！！
さて、というわけでケツの座りの悪い都会で憤りの酒をたらせば半端な俺の骨身にしみるっていうことで三茶到着。
うわぁ…………懐かしい…………
この辺りをウロウロしてたのがもう4年も前なのか…………
本の編集で学研に出入りして、ラジオ局とか喋りに行ったり、あちこちでライブしたり、偉い人とご飯食べ行ったり、チラシ配りやったり、世田谷区民会館ででっかいライブやったり、
なんか東京が染みついてたよなぁ。
都会の季節も、今考えたら悪くなかった。
そんな町がひとつでも東京にあることが嬉しい。
三茶は僕の東京の拠点。
そんな三茶の三角地帯の1番奥にあるお化けビルに入って、地縛霊が取り付いてそうなふざけたエレベーターで5階に上がると、あの店がある。
最近リューアルしたみたいだけど、どんななってるかな。
うん…………この時点でふざけてる感じがやっぱりあいつだなぁ。
レストランウェディングするとこ？
入り口に食券て。
飲み放題のボタンしかない券売機。
「ウェーイ、久しぶりー。」
カッピー久しぶり！！
「元気にしてた？」
「元気だよー。」
「シェアオーナーのやつうまくいってるの？」
「えー？わかんない。まだ計算してないし。なんとかなってんじゃない？あ、イエーガーマイスター買ってこなきゃ。」
エジプトで初めて出会って、その後世界各国で遊んだカッピー。
日本に帰ってからは俺のことマネージメントしてくれて一緒に色々やって、まぁいっぱい破茶滅茶なことしたなぁ。
カッピーのお店、四軒茶屋はアーティストとか広告代理店の人とかレコード会社の人とか、業界の人が集まるお店で、ここで面白い出会いもたくさんあった。
毎晩のようにここで飲んだくれてた。
んで俺は世界2周目に行き、その後帰国してすぐに宮崎に戻ってひなた屋作って、あっという間に4年。
三茶で面白いことにチャレンジしていたあの期間は本当、楽しかった。
なんか心の中のムズムズと葛藤しながら、愛想笑いが上手くなりながら、変な期間だったな。
この4年でカッピーも色んなことやってて、よんちゃ離れてフラワーの支店やって、なんか劇団の代表かなんかやってて、ハワイでTシャツ屋さんやるとか岐阜行くとか熱海行くとかよくわからんこといつもやろうとしてて、相変わらずふらふらしてるのがカッピーらしいな。
最近、一緒に経営してた出町君が体調不良でお店を辞めたのをキッカケによんちゃに戻り、思い切ってよんちゃを大改造。
大幅にリノベーションして、システムもだいぶ実験的な感じに。
今よんちゃの店長さん、30人います。
カッピーの周りにいる無名から有名まで様々なジャンルのアーティストたちが日替わりで店長をやって、それぞれの個性を活かした営業をやるっていうブッとんだシステム。
ミュージシャンの店長はライブやって、マジシャンはマジックやって、料理得意な人は料理出して。
値段は飲み放題2000円。
入り口に飲み放題のボタンしかない券売機。
いやー、カッピーは面白いことやるなぁ。
あの頃つるんでた奴らとか、売れて有名になるんだって頑張ってたやつらとか何してるんだろうな。
「あ、どうも、金丸さんの話よく聞いてます。」
「あ、フミ君、こいつホームレスのマサオ。」
「あ、どうも、ホームレスやってます。」
またへんなやつおる…………
「………………あ、あー！！マサオって、あの靴磨きの！！植松さんがヒッチハイクで乗せた子だよね！！」
「はい、植松さんに乗せてもらって。」
「ホームレスってことは、野宿とかもしてるの？」
「あ、いや、前は野宿してたんですけど、もう靴磨きで月20万以上稼げてるんで野宿とかしてないですね。僕のこと泊めたいって人のところを泊まって歩いてます。路上で靴磨いてたら泊めてくれるんで。」
「あぁ……そう…………ていうかギターも弾くの？」
「フミ君、このギター伊藤親分がマサオにあげたんだよ。昨日。ほんで明日路上出るらしい。」
「昨日もらって明日ぁ！？」
「あ、はい、とりあえずコード4つ覚えたんで。」
「え、ど、どこで路上やろうと思ってるの？」
「渋谷っす。ギターって結構難しいっすね。」
ホント、頭悪いやつが集まるよなぁ…………
よんちゃは………………
そっからは仲のいい友達集まっていつもの感じ。
「イェーイ！！カン&パイ！！カン&パイ！！」
飲んでるのイエーガーマイスター。
この前カッピーがよんちゃのリノベーション費用の足しにするためにクラウドファンディングやってたんだけど、このイエーガーマイスターはクラファンのリターン。
1500円の支援のリターンだったかな。
僕がイエーガーマイスターをショットで一気します、っていうリターン。
ナメたリターンだよなぁ。
面白いなぁ。
他にも50万の支援のリターンが、僕があなたのいる方角に毎日5回祈りを捧げますっていうのだったり、
300万の支援のリターンが、あなたの町によんちゃを作りますっていうのだったり、
とにかくふざけたやつが多すぎて、でもそれがカッピーの魅力。
ホント、いい意味でブレない男だわ。
「ロ、ロニー君、明日大丈夫！？！？」
「たった今終電が終わりました！！さぁどうしよう！！」
「よし！！はいどうぞ！！」
「カン&パイ！！カン&パイ！！」
「よし！！マサオ！！明日の路上の前にここで1曲披露しろ！！」
「え、マジっすか。わかりました、聞いてください、スタンドバイミー。ウェンザナイッ！！ハッカーム！！フフフーンフーンフーん！！！」
「おい！！お前ギター最初のGとEマイナーしか弾いてねぇじゃねぇか！！！しかも鼻歌じゃねぇか！！！この路上のスーパー大先輩の前でよくそれできんな！！フミ君なんか言ってやって！！」
「明日その路上、ものすごく見たい。」
「いやー、フミ君、このマサオはすごいんですよ。最初は整体やってたんですよ。どんな整体って、いきなり人の家にピンポンして、整体しませんか？って言いにいくの。頭おかしいでしょ？それを6万軒ピンポンしたらしいよ。ガチで頭おかしいの。それから次は靴磨きしようって思って、ハンカチと水持って路上出て靴磨き始めたらしいです。それで今20歳ですから。末恐ろしいですよこの男は。」
「そんな状態から今靴磨きで月20万以上稼ぐところまでやってるんだもんなぁ。多分路上もすぐにものにするだろうね。マサオは無茶振りしても本当にそれやっちゃうから。」
「実行力が半端ないんですよ。」
いやー、マサオすげー…………
恥ずかしいからしないとか、笑われるからしないとか、どうせできないからやらないとか、そんなのがゼロ。
すげー面白い。
人生一度だよ？やんなきゃ損だよ？ってカッコつけて人生語ってる大人の2億倍すごいよ。
いいキャラ捕まえたなぁ…………
フミ君このナメたやつにホントの路上の歌を聞かせてやってよ！！ってギター渡されたのでめっちゃ久しぶりにちょっと歌った。
マサオ大号泣。
「ヤベェ……なんかスゲェッす……うわ、なんでだろ…………」
「マサオ！！これが本当のホームレスの歌やぞ！！！16年放浪してた人間は説得力が違うんだぞ！！」
褒めてるのかけなしてるのかどっち？
ロニー君、ピアノの下で死亡。
ちょっ！！！ロニー君段ボールの使いかた上手い！！！
この前まで世界一周してて野宿しまくってたロニー君。
スーツは着てても段ボールが似合う。
はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ………………
佐とう………………
久しぶりすぎる家系………………
うっま！！！
うますぎる！！！
なにこれヤッバうっま！！！
みんなで美味い美味い騒ぎながら深夜のラーメンを堪能しました。
バイバイーって解散したのが朝の4時。
俺呼ばれてるから行くわー！！じゃあね～！！ってそこから西麻布に飲みに行くショータ君。
この時間に呼ばれてるとか相変わらずショータ君の交流の広さ尋常じゃないよなぁ…………
俺たちはカッピーの家にお邪魔して爆睡。
「あ、あれ？そういえばロニー君どうしたんだっけ？」
「大丈夫だったかな？」
「んん、まぁ大丈夫じゃない？多分。」
ロニー君、次の日仕事行けたかな…………
東京、行きたいところ会いたい人、他にもめっちゃたくさんいるけど、時間なさすぎだった。
また次の機会にみんなに会いに行こう。
さぁ、明日はインドだ。
