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人生賭ける勝負の日。の前夜に飲みすぎ

こんにちは!神田です。



もう、朝晩の風が涼しくなって来て、朝起きて窓を開けたら家の中よりも外が涼しくて
びっくりします。

夏がほんとにあっという間にすぎて、もう秋が見え隠れしてます。

涼しい季節になると、必ず毎年フミくんは切なくなってます。
隣で歩きながら、そりゃあもう切ない感じです。

いろんなことに想いを馳せて、昔の恋人とか、思い出とか、歩いた町とか。

そんなフミくんの横で、私は今日は食べようかなーとかのんきに考えてたりします。



おわり






「あ、こんばんはー。金丸さん!!昨日はすみませんでした!!僕だけ高台に逃げちゃって!!」



「あ、ソウさんー、台風全然なんともなかったですよー。」



「いやぁ、海めっちゃ荒れてたから怖くなっちゃって…………」



昨日高台に避難していたソウさんが次の日来てくれました。


めっちゃ面白くて話も途切れなくて、お店をクローズした後はみんなで晩ご飯食べながら飲み直しです。






「いやぁ、アイヌのお城とかすごかったですよー、それも百名城でした。」



「へー、アイヌのお城も百名城入ってるんですねー!!」



「まぁ別にお城に興味ないんですけどね。ていうかやっぱり旅してると各地の方言とかすごいですよね。カンちゃんも宮崎の方言とか全部わかりますか?」



「んー!最初は全然わからなかったけど、今はだいたい聞き取れるようになってきた!!」



「千葉はあんまり方言ないですよね。飯島さんもほとんどないし。」



「あ!!飯島さんブログの人ですよね!!」



「親指上げゲームあるじゃないですか。あれなんて掛け声ですか?宮崎では、せーの、です。せーの2!!とか。」



「大阪では、いっせーのーで、かなー。いっせーのーでー3!!」



「千葉ではうーです。」



「え!?なに!?なんですか!?」



「うーです。うー1、うー4。」



「うーて!!ウケる!!」



「それタイミング難しくないですか!?千葉やべー。」




いやー、ソウさん面白いなぁ。








さてさて、そんなソウさんが来ている時に、僕らにとってかなりビッグなお客さんが美々津に来てくださいました。


めっちゃお世話になってる社長さんです。




「おー!!めっちゃ良いやんけー!!ええ雰囲気やー。頑張っとるなぁ。フミ、カンちゃん。」



「こんな遠いところまでありがとうございます!!!」




今進めている新ビジネス。

水面下で進めてはきましたが、そろそろマジで佳境に入ってきています。


といっても資金調達編の佳境ですが。



これで融資が確定した瞬間、僕らはスーパー借金大魔王です。


それと同時に新ビジネスの内容も公表できるってわけです。






今回、社長に美々津に来ていただいたのは理由がありまして。



実は僕ら今回のビジネスを始めるにあたって、ソッコーで社長の元に飛びました。


スタート資金をお借りできないかと思ったからです。


社長は前々から僕らのことを応援してくれてて、何か必要な時はいつでも相談しろよと言ってもらえてました。


なので電話ではなく、直接お会いしてお話させてもらおうと思い、お店の定休日にソッコーで飛行機に乗りました。









が、結論から言うと、社長は僕らにお金を貸してくれませんでした。


自分たちでやってみろ、と。






マジでめっちゃガックリきました。


貸してもらえなかった…………


もう新しいビジネス始められない…………


こんなコッキンで融資を受けたばっかりでまだ開業して1年経ってなくて元本据え置き期間中のやつらにさらに融資をしてくれる金融機関なんて存在せんやろ…………


む、無理だ…………




ここまで2秒です。



そして3秒後にはポケットからケータイ取り出して知人に声をかけまくって、知ってる金融機関に問い合わせました。



うん、こんなところで諦めてどうするの?

お金借りられなかったからギブアップ?

想いそんなもん?

そんなもんで諦められるほど簡単な想いなの?




いやいや、そんな即席の想いで社長に会いにきたわけじゃねぇだろ?


1回ダメだったとしても2回目3回目に突破口は開けるかもしれんよ?


全力尽くす前に諦めたら、それってチャレンジしたことにすらならんよ?


そんな修羅場、数え切れないほど旅中にくぐり抜けてきたやん。


諦めずに、粘り強く、しつこくねじ込みまくったら必ず活路は開けるってあれほど経験してきたやん。





とにかくそっから色んなことを調べまくりました。


宮崎の中小企業支援制度は利用できないか、

地域おこしという観点から攻めて市の助成を受けられないか、

なんなら県知事のところに突撃プレゼンかましにいくか?




事業計画も1から練り直しました。


数字をさらにシビアに計算し直し、下調べを繰り返し、根拠と裏付けを固め、隙のない計画書を作っていく。


足を使い、コネを使い、どんな角度から攻められても答えられるように情報を集める。




そうしていく中でひとつの金融機関が僕らに興味を示してくれました。


担当さんは僕らの事業計画にかなり乗り気になってくれ、こうした若い人たちを応援したいんですよねと言ってくれ、何度も打ち合わせを重ねました。





前回お願いしたコッキン、日本政策金融公庫とはやり方がまるで違う。


コッキンの時は、まだ僕らは開業前。

なので将来性だけを見てくれたんだけど、今回はすでに開業しているので、過去の実績の開示が必要になってくる。


本当は過去3年の確定申告書、納税証明なんかの業績を見せなければいけないんだけど、ひなた屋はその時点でまだ8ヶ月しか営業してない。


普通はそんな開業したてで新しい融資なんて前代未聞。



しかし今しかない。

やるなら今しかない。


今しかない理由も説明。



そんな前代未聞をひっくり返すために、担当の人と綿密な打ち合わせを繰り返す日々。



それにしても、まあーーー、専門用語が難しい。

専門用語っていうか大人の世界の単語。



留保金がどうこう、

専従者給与の金額がどうこう、

減価償却費がどうこう、

雑所得、その他諸々、色んな経費が1円までピタリと合ってるか、






低学歴バカにしてます?


低学歴のピテカンは骨持ってウキャー!!って飛び跳ねることしかできません。





「というわけなんですが、金丸さん、こちらはどうなってますか?」



「…………え!?な、なんですって!?!?あ!?え!?サメの話でしたっけ!?!?いやぁああああ、サメはいいよおおおおお~。」





もうね、謎を通り越して心頭滅却ですよ。


担当さんとカンちゃんが話してる横で全てを悟ったような顔でアルカイックスマイルしてました。



完全なる無。




心頭滅却心頭滅却…………





の、野宿の場所探しのコツとかなら結構詳しくご説明できるんですけど………





そんな中、担当さんはとてもポジティブに僕らの事業内容を受け止めてくれました。


ここ最近のブログにも書いているように、サラリーマンみたいな勤続年数がたくさんある真面目に社会人やってきた人じゃなくても、これまで一生懸命何かに打ち込んできたことは評価してもらえるんだってことを実感しました。


好感触な気がする…………


期待薄だった道に光が射しつつある…………



こ、これはもしかしたらいけるかも…………しれ…………ない…………?






リフォーム工事が必要になってくるので、業者さんに見積もりを頼み、ひなた屋の合間を縫って現地を視察し、業者さんとも打ち合わせを重ね、


近隣の調査をし、


さらに細かく裏付けを進めて進めて、




とうとう事業計画書が固まった。




よし!!!ついに本チャンの申し込みをかける時が来たのではないか!!!???


クラファンの写真集の編集とか、色んなことと重なって時間がかかってしまったけど、そろそろイケるんじゃないか!?!?





しかし、


この段階にきた時に、担当さんからあの言葉が出てしまいました。




「金丸さん、今回の融資にあたって保証人をつけていただきたいんです。できれば2人。」



保証人…………


そ、そうですよね…………

保証人いりますよね…………


社会のルール的なアレですよね…………





ぐおおおおお…………

頼める人いねええええええ…………


こんなめっちゃ大金の保証人やってくれる人なんてマジでいないっていうか、お願いすることすら口にできねぇ…………


保証人なんて、人生でどんな仲のいい友達であってもトラブルの元なんだから受けちゃダメだよって教わるもんじゃないですか。


それでもし飛ばれてしまったら借金全部背負わないといけない。そこんとこ覚悟してシクヨロって言うのと同じようなもんですよ。



言えねええええええ…………

しかもそれを2人とか無理いいいいいい…………



でも!!!


世の中にはそうした事情を考慮して保証協会なるものが存在するらしいです。

中小企業向けに融資の保証をしてくれる協会。



ぬおおおあおお!!!!

人生で初めて文字にしたぞ保証協会!!!

なんだその便利な協会は!!!!


よおおおおおおし!!!ではその保証協会の保証付き融資、通称マルホで融資いっちゃおうかああああああああああああああああああ!!!!!




「金丸さん、申し訳ないのですが保証協会はダメなんですよ。個人の保証人でお願いします。」




担当さんんんん………………

ダメなのおおおあお…………




こんなこの前までナメクジ甘噛みしてたようなふざけたやつの借金の保証人になってくれる人なんてこの太陽系に存在せんやろ…………





誰か……誰かいないか…………

めっちゃ恩を売ったことがある人…………


17年前に京都で母親の病院行かないといけないけどお金がなくて……って言われて電車賃あげた寸借詐欺のあのおじさんはどうだろう…………


もらったことすら覚えてねぇか…………






えーっと…………






誰か…………







誰かいないか………………







ぐううう…………頭フル回転させても恩を買ったことばっかで売った人のことが出てこねぇ…………




ああああああああああ!!!!

どうすればいいんだああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!












「フミ、俺なってやるぞ。」






え…………?





ええええええええええええええええ!?!?!?





そう、あの社長さんでした。



「ま、マジですかああああああああ!!!!」



「フミ、俺がお前たちに金を貸すことは簡単や。でもな、俺がポンと貸してそれでビジネスやってみぃ。2人のためにならんやろ。ここまでめっちゃ勉強したんちゃうか?」



「はい…………あれからめちゃくちゃ色々勉強して事業計画練り直しました…………」



「せやろ。それが俺が2人にしてやりたかったことや。」






ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!


社長おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!

カッケエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!



絶叫しながら全裸になって日向灘にダイブ!!!!


からのテトラポットに吸い込まれて牡蠣で身体中ズタズタ!!!!!



ぎえええええええええええええええええええええええあえええええ!!!!



「マジでありがとうございます!!!ありがとうございます!!!!男金丸!!!命をかけてしっかり返済します!!!もしあれの時は腎臓売りまくります!!!角膜も!!!!」



「コケたらしばくで♫」





音符怖ええええ………………


社長の音符マジ怖ええええ…………









というわけでの社長の今回の来美々津となったわけです。


明日は社長と一緒に金融機関に本申し込み。


マジ決戦。


関ヶ原。


この数ヶ月の準備が全て試される。



金融機関も、保証人がちゃんと実在する人なのか、どういう繋がりがあるのか、などなど、僕との関係を確認するための面談も行いたいとのこと。

社長が宮崎ではなくて県外の人なので、そこへん慎重になるんだそうだ。



しかし連れて行くのがそんじょそこらのサラリーマンの親戚のおじさんではなくビビるほどのスーパー大社長。

年商数十億というとんでもない人。


確実に金融機関の人たち、な、なんでこんな田舎のナメクジ甘噛み野郎がこんな凄い人連れて来れるんだ!!??詐欺出たか!!!って騒然となるはず。


僕も正直なところ、どうだ!!ってめちゃくちゃ胸張れます。


ここぞとばかりに虎の威を借りまくりまくりましょう。




「ま、保証人2人って言われてるけど、俺1人で充分やろ。」



「頼もしすぎます…………あ!!忘れてた!!明日に向けてヒゲ剃らなきゃ!!」



「フミ、ヒゲ剃ったらあかんで。そのままでええ。スーツも着らんでええ。普段通りのフミで行くからええんや。そのかわり俺がスーツ着てきたからな。普段俺はほとんどネクタイせーへんけど、今回はネクタイ持ってきたからな。俺がちゃんとしとけばフミはいつものままでええからな。」



「うおあおお!!!マジでありがとうございます!!!!」



「あ!!自分なりたけでラーメン作ってました!!」



「お!!パリでもやっとったん?俺パリのなりたけ行くことあるで。」



「はい!!パリ支店でも応援で働いてたことあるから僕が作ったラーメン食べたことあるかもです!!」






ソウさん参戦。




指。






「明日勝負だーーーーーーー!!!!」



「緊張するううううううう!!!!」



「よっしゃ、ホナ飲むでー。ワインのボトル出してなー。」







飲んで飲んで、





飲んで飲んで、











朝4時まで飲んでました…………




明日勝負っていうかあと6時間後なんですけど…………















そして朝。




完全に二日酔い。


4時間しか寝てなくて頭朦朧。


顔むくみすぎ。


カンちゃん丸顔。



こ、こんな状態で事業内容の説明できるか…………?


い、いや、こんくらいリラックスしてるほうが逆に良かったりしちゃったりとか…………?





あ、朝ごはんは美味しい…………







そして3人ともまだめっちゃ酒くさい状態で、金融機関に突撃。




そして個室に通される。



一瞬で部屋の中、酒臭くなってたはず。




横にはスーツをビシィッ!!とキメた社長。


目の前には金融機関の担当さんと支店長ともう1人。


無表情に俺たちの事業計画書に目を落としている。





張り詰めた空気。





ふうっと深呼吸。






支店長が口を開く。





「金丸さん、今回の事業に関しての想いを聞かせてもらえますか?」




勝負。































「社長、本当にお世話になりました。いい報告ができるように頑張ります。」



「おう、また近いうちに遊びにくるなー。チキン南蛮まだ食べてへんしなー。ホナなー。」


いつもの爛漫でご飯を食べ、空港で社長を見送る。


融資が出るかどうかの結果はおそらく数週間以内。


もうサジは投げられた。



融資が決まったら、ついに新しいビジネスの始動。



もう止まれんぞ。


行くとこ行ってやる。




はあああああああああ!!!!


人生賭けるぞおおおおおおおおおおおお!!!!


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