スポンサーリンク





町おこしは簡単ではない

こんにちは!神田です。



店をオープンして初めて、フミくんががっつり体調壊して店を臨時休業しました。

でも週末を閉めるわけのはあまりに恐怖だったので、土曜日のランチはなんとかひとりで
店をまわして、夜はお義母さんが手伝いにきてくれて二人で営業しました。

そんな時に限ってありがたいことに店が忙しいいいいいいいいいいいい

お義母さんとひいひい言いながらなんとかやりました。


昨日からフミくんは復活してなんとかまた二人で営業を開始しました。

二人でやってるこのお店、ひとりが欠けるってほんとに大きいです。

これから帰省ラッシュの始まる美々津は、お盆は大賑わいです。
二人で体調をしっかり整えて、ゴールデンウィーク以来のランチ&夜の恐怖の連続営業に
立ち向かうぞーーー。



おわり






こうしてひとつの場所に定住してみると、今までの根無し草生活では縁のなかったルールというものをたくさん学べます。


特に田舎のルールってやつはなかなかレベルが高い。



一応僕こんな人生送ってきましたけど、そんなに一般的な常識からはかけ離れていないと思うんですよ。


でもやっぱり知らないことばかりで日々勉強だなぁと感じる毎日。














先日、僕らの店の斜め前の家に忌中の張り紙が出ていました。



あ、誰か亡くなったんだ。



もちろんすぐそう思ったわけですが、その家に住んでいたのはお婆ちゃん1人で、あまり家にもおらず、顔を合わせたのは一度きり。


1年前に、お店始めるのでよろしくお願いしますーと挨拶に伺ってから一度も会っていませんでした。



僕とカンちゃんの感覚では、不幸があった際に葬式に行ったりするのは、自分たちの身内か、友達の親族とかそれくらい、というもの。


なのでほとんど付き合いのない人の不幸に関してはあまり敏感にはなりません。



その日も僕らはいつもどおりお店をオープンしました。








そして19時くらいになって、隣のおじちゃんが飲みにきました。



「あ、◯◯さんのところ、誰か亡くなったんですか?」



「おー、大将忙しいと思ってまだ言っちょらんかったとよ。◯◯さんが亡くなってな。やっぱり大将も通夜に行ったほうがいいやろうな。」




その時お店営業真っ最中。



い、行くべきなのか?

全然知らない人…………だけど…………




「あー、大将はまだ若いからわからんやろうけど隣保班やからな。行っといたほうがいいわ。」



「わ、わかりました。行ってきます。お香典は3000円くらい、かな?」



「いや、隣保班やから5000円くらい包んどいたほうがいいな。そんで明日の葬式は1万円やな。」



「え!1万円……ですか?ていうか明日も行ったほうがいいんですか?」



「隣保班やからな。精進上げがあるから。まぁ大将はまだわからんやろうけど、田舎はそんなもんやとよ。」





わからん言葉が多すぎる…………





結構衝撃でした。


通夜かお葬式のどちらかだけでいいんじゃないか?


どちらにも行って、さらにそこそこのお金を包まなきゃいけないっていう今までの人生では全然知らなかったルール。



もちろん、美々津のことを知り尽くしている隣のおじちゃんが言うんだから間違いはない。



というかリンポハンってなんなんだ?



調べてみると、隣保班とは村社会の中で相互扶助のために受け継がれている伝統らしく、両隣り10軒ほどで構成される組織とのこと。


こうした不幸などがあった際には受付をしたり出棺をしたりと、手伝いをするのが習わしなんだそう。



し、知らなかった…………

リンポハンとか今までの人生で聞いたことのない文字の組み合わせ…………


精進上げって言葉も知らんかったし…………





そのルールが本当にピンとこなくて、カンちゃんが大阪のお義母さんにこんなことがあったんだけどって聞いたら、お義母さんは、大阪のこの辺じゃそんなのないよ、そんな風習が今でも残ってる場所が日本にあるんやねぇ、って驚いていた。


でも美々津に住む僕のお母さんに聞いたら、あぁ、そんなもんよ、私でも1回も口を聞いたことのない人の葬式に行ってご飯作ったりするんやから、って言ってた。









美々津でお店をやる以上、美々津のルールに従うのは当然のこと。


営業中だったけどカンちゃんにお店を任せて隣のおじちゃんにカンちゃんのボディーガードをお願いして車を走らせて隣町の葬祭場にお通夜に行きました。



「あぁ、金丸さん、お忙しいのにすみませんね。明日は精進上げの用意をしてますから10時までに来てくださいね。」




精進上げってのはどうやらお葬式の後に用意されてるお食事のこと。

それが隣保班の家全部の分が、何も言わずにすでに用意されていて、義務的に参加しないといけないよう。






もちろん、もちろんご近所さんが亡くなるのはとても悲しいこと。


美々津の歴史を作ってきたお婆ちゃんが1人いなくなってしまった。


遺影にうつるこのお婆ちゃんは、僕の知らない美々津をたくさん知ってた。


まだ耳川に橋がかかっておらず、渡し船が行き交っていた時代を知っている人。


大事な大事な先輩。


















翌日、喪服を着てお坊さんのお経を聞きました。


隣のおじちゃんもいる。


町の顔見知りの人たちがたくさんいる。


お坊さんも、よくウチに飲みに来てくれるかただ。





その時、ふと家族のように思えた。


小さなコミュニティで暮らしていると、それはひとつの家族になる。


家が隣接し、同じところにゴミを出し、同じ道を歩いて公民館に行く。


その家族が1人消えた。


町は、こうした生と死を繰り返して歴史を紡ぎ、土地の上に大きな生き物みたいに横たわってる。


人間ってすごく深いなって、なんか心の底から感じた。

人の死って、なんてあっけないんだろうって悲しくなった。





学ぶこといっぱいある。


田舎で生きる上で知らないといけないことがいっぱいある。


というか、これってごく自然なことなんだろうな。


小さなコミュニティがひとつの家族になり、助け合いながら生きていくんだ。



旅なんか目じゃないくらいディープだわ。

人間を学ぶって意味で。




これからお葬式に行く機会めっちゃ増えるだろうから、お香典積立もしていかなきゃねって、その夜カンちゃんと決めました。





















そんなことがありながら、これまたつい先日のこと。


なかなか驚くことがありました。



1人のおじさんにこんなことを言われました。




「お前らは自分の店の稼ぎしか考えちょらんとよ!!」



小さな町だからそのおじさんがどこの誰かはもちろん知ってます。

子供の頃から知ってます。


お酒を飲むと絡みグセのある人というのも知ってます。


でもこんな声を荒げて言われたの、美々津に戻ってきてはじめてだったのでかなりビックリしました。




「祭りの宣伝もせんで、自分たちの店のことしか考えちょらんとよ!!馬鹿たれが!!」



「ちょ、◯◯さん、どういうことですか?」



「花火とか、祭りとか、色んな行事をほったらかして、どんげ考えちょっとか!!」





カチーンですよ。





「◯◯さん、僕ら花火大会のポスター作ったんですよ。自腹で。そんで自分たちで日向の町を回ってポスター貼って回ってるんですよ。美々津を盛り上げるためにやってるんですよ。自分たちの稼ぎのためじゃないですよ。」



「おー、お前らは正しいわ。正しいことをやっちょるわ。でもなぁ、それはみんながやりたいことやとよ。みんなお前が今やってることをやりたかったとよ。それをなぁ、いきなりお前が帰ってきて若い感覚でアッサリやってしまっとるとよ。反感買うのがわからんとか!!」



「はぁ…………」



「店やって、目立って、でもなぁ、そういうことばっかで祭りとか町の行事のこととかどんげ思っちょるとか!!花火大会の内情とかわかっちょらんやろが!!」



「僕、町の総会とか全部出てますよ。町並みを守る会の行事にも出てます。今年から御神輿も担ぎますしお大師様もやりましたし。盛り上げたいからポスターとかも作ったんじゃないですか。ちゃんと実行委員会の皆さんにも話通してますよ。ていうか◯◯さん、叩かれる痛みを知ってるなら叩かれる人間を応援しようとは思わないんですか?」



「おおおう!!俺は応援しちょるぞ!!ひなた屋を応援しちょる!!」




え?どういうこと?




「美々津のことをインターネットで調べたらお前の店のことばっかり出てくるわ!!アクセス数があるからな!!これからの時代はネットよ!!俺は店をやろうと思っちょるからな!!お前のインターネットのアレでウチのことも宣伝しろ!!タイアップしてだなぁ!!美々津を盛り上げるとよ!!」







自分の稼ぎやん。


たった今、お前らは自分の稼ぎしか考えちょらん!!とか言ったのにそれ何?





「◯◯さん、僕ね、出る杭は打たれるで叩かれて、そんな痛みで投げ出すようなしょぼい覚悟でやってるわけじゃないんで。」



「ハッ!!俺はお前らが大嫌いやからな!!!」




吐き捨てて去って行きました。



田舎怖え。




でも大多数の人たちは応援してくれてる。


旅の時と一緒だなぁって思いました。



大多数の人たちは応援してくれてるけど、中には批判的な人もいる。



そんな批判、死ぬほど受けてきましたからね。


旅中に僕のこと批判してた人たちって頭いいんですよ。

すごく論理的に分析して色んな角度から僕を否定してきてました。

めっちゃぐうの音も出らんくらい的を得た批判とかされるから、うーん、確かに……って反省したりしてました。


批判からも学ぶことはあります。

自分を省みる機会です。


なので多分、普通の人よりも批判されることには免疫があると思います。


もちろん頭きますけどね。






だから今回のこともちゃんと飲み込みます。

そういう人もいるってことを理解した上で突き進んでいかないといけない。


批判されて、あーあ!!そんなこと言われるんだったらもう町のことなんか1ミリも協力しねー!!ってスネたりなんか絶対しない。


できることなら、そういう人にも認めてもらえるくらいに成果を出し、信頼を得て、円満に、一緒に美々津を盛り上げていきたい。




だって家族のはずだから。

美々津っていう小さなコミュニティで暮らす家族のはずなんだから。



みんな全員おんなじ方向を向くのは難しいかもしれん。

でも誰かをないがしろにして、派閥作ってやっていく町おこしなんて町おこしじゃないって思いたい。



新参者だからまだまだ発言力は低い。


だから空気を読みながら、で過ぎた真似はしないように慎重にやっていかないといけない。


まだたかがポスター。


これは既成のコンテンツを強化するためのもの。


既成のものに頼るだけじゃなくて、新しいコンテンツをこれから生み出していかないといけない。


美々津まだまだ引き出しあるもん。

オシャレな後付けのものじゃなくても、まだ美々津がもともと持ってるポテンシャルでやれることいっぱいあるはず。


ポスターくらいでこんだけ言われるんだから、もっと目立つことしたらもっと色々言われるんだろうなぁ。


慎重にやらないとな。


自分を信じて、町を信じて、先人たちを信じて、これからもやっていくのみ。







でもさすがに頭にきて、もう一瞬うんこちんちんマンのポスター作って貼ってやろうかと思いましたけどね。


嘘おおおおおおおおおおおおお!!!!

そんなことしないからあああああああああああああああああ!!!!!




ていうかお盆怖えええええええええええ!!!!


今年のお盆、2週にわたってるから8月10日から18日まで鬼の昼夜連勤!!!!


お盆帰省ですでに予約たくさん!!!


前後の通常営業合わせたら13連勤!!!!




こんな灼熱の中、13連勤とか死ぬかもしれない………


どっか間で1日休みとんなきゃな…………







スポンサーリンク



ブログのランキングというやつをやっています。
よかったらクリックして下さい。
クリックが投票の代わりになります。

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 田舎暮らしへ
にほんブログ村



世界中のホテルが予約できるサイトです。
家族旅行もバッグパッカーも、ここから予約してくれたら僕にアレがアレなのでよろしくお願いします! ↓↓