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まさかあの旅人と道端でバッタリ


こんにちは!神田です。



フミくんには地元にユウキくんていう親友がいます。


もうかなり付き合いも長くて、フミくんのいいとこ悪いとこ全部知ってますっていう大事な友達。


すごくマメなユウキくんは、自分からなかなか人に連絡しないフミくんに旅中でもしょっちゅう電話を掛けてきてくれます。


私が初めて宮崎に行った時も、文武の彼女が大阪から来るやとおおお!!!て言って空港まで一緒に迎えにきてくれたくらい仲良しです。



フミくんを大事に思ってる人の存在を知ると嬉しくなるな。




おわり









2017年12月28日(木曜日)

【シンガポール】 




指いったい…………





指先に血豆とかギター始めたとき以来じゃないかな…………




でもここまで来ればもうすぐ。


この血豆が破ければ、その下に固い皮膚ができているので、そこからはもうプラスチック状態だ。

全然痛くなくなる。



人間の体ってすげぇよなぁ。痛めつけてたらそのうち順応していくんだもんなぁ。


幽遊白書にそんな人いたよな。ダメージ受けたら硬くなる人。きびだんご食べるやつ。






ていうか、もーーーー我慢できん。




弦がちゃんと鳴ってないのは指のせいもあるけど、カポのせいでもあるし!!!!


インドで700円で買ったこのクソショボいカポ!!!

粗悪すぎて使いもんなんならねぇ!!!!


これまでヘアゴムをくくりつけてなんとか使って来たけど、いちいちクソ面倒くせぇし、どうやっても少しはミュートするし、やってられっか!!!!


なにこのヘアゴム!?!?

カポにヘアゴムつけてる人類絶対俺しかおらんし!!!


もう新しいの買う!!!!

ちゃんといつも使ってるカイザー買う!!!



フミ君すぐに新しいの買うーってカンちゃんに言われるけど、もうこれはゴメン!!!!買わせて!!!

















というわけで、ホーカーでご飯を食べたら街に出発。


ローチャーの近くに知ってる楽器屋さんがあるのでそこを目指すことにしたんだけど、今日は趣向を変えてバスで街に行ってみることにした。


ウチから駅までは歩いて7分くらい。

でもバス停はマジでアパートの目の前にある。


今日は雨も降ってるし、バスで行けるんだったらめっちゃ楽だ。




それにシンガポールの路線バスはインドみたいに謎に包まれていない。


インドだとグーグルで調べると、バス停の位置も、バスの番号も、バスが来る時間も、全部嘘が出てくる。

それを鵜呑みにして歩いてたら一生目的地にはたどり着けない。


よくこのインターネット時代にそんなデタラメな情報が出せますね?って逆に関心するくらい。





それがシンガポールなら全てが確実に正確に出てくるので、なんの問題もない。


バス停で待っていると、スムーズにバスが走って来てスムーズに停車した。


ドアもちゃんと閉まるし、走ってる途中で飛び乗る必要もないし、エアコンも効いてるし、全てがピカピカだ。


けたたましくクラクションを鳴らしながらバイクとリキシャーと人と牛を押しのけて進むあの世界の終わりみたいなバスではない。


いやー、先進国素晴らしい。






あと乗ってみて思ったのは、乗客があんまりいないこと。

電車だとめっちゃ混むのでまず座れないんだけど、これならヨユーで座れる。


そしてかなり路線が網羅されているので、家の前から行きたいところまでピンポイントで行けるし、電車と同じカードで支払いができる。


しかも安い!!

電車よりも安いんじゃないかな?


アンモーキオからローチャーあたりまで乗って1.2ドルくらいだった。100円。



道路も混雑しておらずスンスン進む。


インドみたいにハイパー渋滞&誰も交通ルールを守らないみたいなカオスではないので、糞詰まりなんてもちろん起こらない。



インドで路線バス恐怖症みたいになってたけど、シンガポールでは電車よりもバスのほうが快適という新たな発見だ。











というわけでめっちゃ快適な移動でローチャーにやってきて、そこから歩いてやってきたのはシティーミュージック。









ここは前にシンガポールの友達に連れてきてもらったところで、良い店だった覚えがあるんだよな。


さてー、カポはどこかなー。









めっちゃある。

カイザーのカポめっちゃある。


アコギ用、クラシック用、エレキ用、12弦用、なんならドロップチューニング用とか、低音弦のみを押さえるカポとか、めっちゃ種類あるし!!!


カイザーすげぇ!!




しかもなんとクリスマスセール中で全商品20パーセントオフ!!!


通常25ドル、2100円のカポが、18ドル、1500円!!!クソ安い!!!

ついでに弦も購入したんだけど、通常8ドル、680円が、6.4ドル、540円!!!クソ安い!!!



ヨーロッパの楽器高かったよなぁ…………

弦が1300円とかしてたよなぁ…………


いやー、ここ品揃えもいいし、良いお店だ。


















よっしゃ!!

カポも手に入れて気分一新したところで、さぁ今日はどこでやろう。


せっかく街に出てきたのでこのあたりでどこかやれるところはないだろうか?


そう思って地図を見ると、ここからすぐ近くにリトルインディアがあるのを見つけた。



お、リトルインディア…………

ここどうだろ…………



リトルインディアで路上やった人の話とかきいたことないし、インド人って結構路上にチップを入れてくれるし、ここってもしかして穴場なんじゃないのか?



リトルインディアはシンガポールの中でも労働者のインド人が居住しているエリア。

貧しい人が多く、治安もあまり良いとは言われておらず、従って物価も安いのでだいたいバッグパッカーが泊まるような安宿はリトルインディアにある。


今まで特に興味もなかったので足を踏み入れたことはなかったけど、せっかく近いから様子を見に行ってみるか。































ていうかめっちゃインド人おる!!!!!

ウケる!!!ここだけマジインド!!!!


このインド人の全てをインドに染め上げてしまう感染力の強さ半端なさすぎる!!!!






















通りに流れる甲高いインド女性の歌、お香の香り、

あの首飾りや髪飾りのお花を売るお店、日用品店やスーパー、宝飾店、それらが全部あのインドの景色だ。


シンガポールの中なのに、ここだけめっちゃ建物がボロいし、汚れてる。


インド人が住むと汚すっていうのは、これはもはや遺伝子の問題なんだろうな…………






















ビール&ビリヤニのセットとかインドじゃ絶対見らんな…………






ただ面白いのは、そんなインドの街並みの中に漢字がたくさん見られるところ。


容れ物は中華風なのに中身がインドという光景が、このリトルインディアを特殊な街並みに作り上げている。





そんな異文化感を求めてたくさんの観光客が歩いているし、ホコ天のお土産物通りなんかもあった。


ボロい建物の向こうにそびえる近未来の超高層ビル群。


いやー、やっぱシンガポールは面白いところだ。
































シンガポールに住んでるインド人の多くは南インド、タミルナードの人が多く、ちょうど俺もタミル語の歌を歌えるし、イケるんじゃないかなと思ったけど、あんまりいい場所が見つけられなくてここでの路上はやめといた。


もしかしたらいい感じかもしれないけど、んー、読めないなぁ。



結局ぼちぼち歩いていつものドビーゴートの石段にやってきた。


ここも最近はあんまり反応良くないんだけどなぁ。

なんか古巣みたいな感じがして、ついここに来てしまった。






どうだろうねぇ、とカンちゃんと話しつつ、タバコに火をつける。



人通りはまぁまぁなんだけどなぁ。

車道からの音も大きいし微妙かなぁ。


ギターはまだ閉じたまま地面の上。






と、その時だった。




すごいことが起きた。




「まぁカポ変えたからなぁ。気分も変わって、もしかしたらいい反応もらえるかも。」



「そうだねー、でもやっぱりここって音聞こえにくいよねぇ。」



「ねー。…………ん?………………か、カンちゃん………………あれ、あの人どっかで見たことあるような………………あれ!?!?」




何気なく人の流れを見ていると、向こうのほうから背中にギターを背負い、スーツケースを転がした男の人が歩いてきた。


人ごみに混じって、チラッと顔が見える。




日本人だ。


ていうか見覚えあるぞ?



えええ!!あ、あの人あれだ!!!




「あ、あ、あの、すみません、バスキングして旅してるかたですよね?!ブログ書かれてましたよね!?」



「え?あ、はい……………………え!?…………金丸さんですか!?!?すげええ!!!」




そのギターを抱えた若い男性、甘いマスク。



間違いない!!!!



ちょっと前までランキングにいた俺の世界放浪記っていうブログを書いてた太一さんだ!!!


バスキング世界一周を掲げ、日本を出発して現地でギターの弾き語りをしながら旅していて、また面白い人が出てきた!!と彼のブログを楽しみにしながら読んでたんだよな。


途上国でもガツガツ路上してて、気合い入ってるなぁっていつも思ってた。



そんな太一さん、東南アジアを旅してインドに渡り、少ししてブログの更新がなくなってしまい、現在どこにいるのかわからなくなっていたけど、まさかこんな道端でバッタリ遭遇するとは!!!!



「インドに入ってからワイファイがあんまり良くなくなってブログ上げられなくなっちゃって。一応日記は書いてはいたんですけど、なんかもうこれ俺の旅だよな?って思えてきてずっとブログやってないんです。ていうか金丸さんだ!!すげぇ!!ブログ見させてもらってます!!ていうかマジでたまたまなんですけど、昨日も金丸さんのブログ読んでたんですよ!!今から路上やるんですか!!ヤベェ!!見させてください!!」



太一さんってブログの文面では結構ヤンチャそうな、俺は俺だぜ、みたいな良い意味でツッパった人なのかと思ってたけど、実際めっちゃ腰低い。


そんで人懐こくて柔らかい雰囲気で、爽やかだけど旅人特有の骨太な感じもある。


なんかお互いブログで存在を知ってたこともあって一瞬で距離が縮まって、今日飲もうよ!!ということに。



「太一君、ウチのアパート今誰もいなくて貸し切りだから良かったらウチで家飲みしない?」



「マジですか!!僕今ちょうどめっちゃ孤独なところだったんですごい嬉しいです!!」



「そうなんだ。今もずっと1人で旅してるの?」



「あ、そうです。でもシンガポール在住の日本人の彼女がいます。」



「そうなんだ!!すごいね!!そりゃ彼女も一緒にみんなで飲み……」



「もう別れそうなんですけどね。」



「え………………」



「2年付き合ってたんですけど、今回シンガポールに会いに来てすぐにケンカになって、もう無理かもしれないです。」



「そ、そうなんだ…………」



「だからめっちゃ凹んでて、このタイミングで金丸さんたちに会えて嬉しいです。やったー。」





ど、どう声をかければいいのだろう………………


すごいタイミングの人と出会ってしまった………………



本当ならば楽しいシンガポール滞在になってたであろうところなのに、今の太一君から溢れ出る力のない表情はそういうことか…………




お、俺たちに出来ることは何もないけど…………


で、でもこうやって旅先でバッタリ出会えたんだから、せっかくだし楽しく一緒にお酒飲もうよ!!




「俺今から始めるところだから、まだ声も全然出てこないし、恥ずかしいなぁ。」



「あ、じゃあ僕ちょっとそこらへんで歌ってくるんで、後でまた見にきます!!それでは!!」



そう言って切なげな笑顔を残して歩いて行った太一君。



太一君にとっては大変な時期だけど、でも他の旅人と会うことに飢えていた俺たちからしたらめっちゃ嬉しい。

しかも同じバスカーで、ブログで知ってた人だもん。

こりゃ話したいこといっぱいあるわー。


今夜は楽しく飲めそう。













というわけで石段で張り切って路上開始!!!









うん!!やっぱり反応全然ダメ!!!


ああああ!!もう!!せっかくなんかいい感じのモチベーションなのに、どうしても稼げん!!!


カポはめっちゃ良くなった。ていうかいつも通りの使いやすさで弦のビビリは一切なくなった。

これで装備は充分だ。


でも反応悪いなぁ…………



こりゃオーチャードの地下道に移動しようかな。



太一君はここに戻ってくるって言ってたけど、彼もオーチャードのほうに歩いて行ってたし、向こうのほうで見つけられるだろうと荷物を担いで歩いた。









そうしてしばらくオーチャードのメインストリートを歩いて行くと、近代的なビルが立ち並ぶラグジュアリーなショッピングエリアのど真ん中でギターを弾きながら歌ってる太一君を発見した。





おお、マジか、クソ気合い入ってるな。



横断歩道の真横のスペースにマイクを立て、アンプに繋いで演奏している太一君。


信号待ちの人たちがガッツリ立ち止まる場所だけど、怖じけることなくしっかり歌ってる。



やっている曲はなんとシークレットベース!!


この場所でまさかのゾーン!!



歌もギターも上手で、どっちかっていったらバンドのボーカルっていうテイストがある。

でもアコギ1本で歌い上げる姿にも堂々としたものがあり、これまでやり込んできた年季が感じられた。


おお、めっちゃバスカーだなぁ。







よっしゃ、俺も負けてられん。


太一君に向こうの地下道でやってるねと伝え、いつもの場所にやってきて演奏開始。









反応はボチボチだけど、ここは生でも音が響くのでしっかり演奏できる。


がならずに済むから丁寧な演奏を心がける。




すると少しして路上を終えた太一君がやってきた。

少し離れたところから遠慮気味に拍手をくれる太一君。



あんまりずっと見させ続けてるのも悪いし、せっかく会えたばっかりなんだから早いとこ飲み始めようと、ほどほどでフィニッシュした。


まだリハビリ中なのでカッコいい演奏ではなかったけど、どうだったかな…………


太一君が鼻ほじりながら、ふーん、そんなもんスカ、みたいな感じだったらどうしよう…………




とビビっていたら、近づいてきて5ドル札を入れてくれる太一君。




「ちょ!!ダメだよ!!同業者なんだからこれはナシだよ!!」



「いやぁ、ヤバイっす…………金丸さんの話って色んな国で出会う人に聞いてたんですよ。バスキングやってるんだったら金丸さんに会ったことある?って。台湾でも尾崎ヨシノブさんに会って、金丸さんの話聞いてて。正直なところ、金丸がナンボのもんじゃいって思ってたんです。でも…………実際見たらスゴイっす…………」



「もうー、そう言ってもらえて嬉しいよ。ありがとうね。」



って言いながら本当は死ぬほど指が痛くて心の中でヒイイイ!!って絶叫してるのを必死に我慢して平然を装う36歳なりたてホヤホヤ!!!













というわけで路上を終えたらアンモーキオに移動し、ビールを買い込んでホーカーでオカズを調達。









現在同居人がいないアパートは俺たちの完全な借り切り状態になっていて、リビングスペースのソファーに座ってパソコンでユーチューブ繋いで音楽流しながら宴会スタート!!!



ぐおおおお!!!これやりたかったあああああ!!!!!


友達招いてパーティーしたかったあああああああああ!!!!!







「太一君って路上は基本日本語なの?」



「そうですね、英語の曲ってなんか上手く歌い切らなくて。日本語の有名な曲と、自分のオリジナル曲と、あとはリクエストです。中国語の歌もちょっとやります。」



「そうなんやね!!中国語ってマンダリン?」



「あ!!それってどういう意味なんですか?中国語のおじちゃんとかからマンダリンの曲は出来んのかとか言われるんですけど、え?なにそれ?楽器?ってなるんですよ。」




ちょ!!それマンドリン!!!


マンダリンって中国語の標準語!!


太一君いいネタ持ってる!!!









そんな太一君は岡山の倉敷市出身。


俺のお婆ちゃんは岡山の川上町っていうところに住んでいるので、子供の頃から倉敷には何回も行ったことがあったし、1人で旅を始めてからもよく遊びに行ったりしていた。


倉敷の美観地区ってめっちゃ綺麗だよなぁ。

本当、中国地方を代表する美しい町だと思う。





岡山の話、旅の話で盛り上がり、酒も進んでくると、お互いミュージシャンなのでやっぱり音楽の話に花が咲く。


最近あんまり音楽の話をする相手がいなかったので、カンちゃんもフミ君良かったねーってニコニコしてる。




「太一君の音楽のバックグラウンドってなに?」




「そうですねー、ザ・フーとか◯◯◯とか、◯◯◯も好きですね。日本だったらイエモンとか。」

(太一君ごめん……あの時すでに酔っ払っててあんま覚えてない…………)




「じゃあ、太一君にとってのこの人っていう音楽のヒーローは?」




「んー、いっぱいいますけど…………やっぱ色々考えると、ジョンレノンかなぁ。」




おお、そこジョンレノンなんだ。


ジョンレノンが好きって言う人って、だいたい音楽にどっぷりイッてるかなりの変態ってことが多いと思う。変態で真面目。でロマンチストで内向的。


でも太一君って一緒にいてすごく周りを楽しくさせる人だなぁって思った。


気配り上手だし、人当たりが柔らかいし、色々程よい。距離のとりかたとか。


あー、めっちゃいい人と出会えたなぁ。




「え、じゃあ好きな女の子のタイプは?」



「それはもうタレ目で巨乳ですね。タレ目で巨乳は裏切らないです。」




太一君めっちゃ面白い!!!


ていうかなんつー靴下はいてんだ!!!





「あーもうー!!人の家にあがるなんて思ってなかったから油断してたー!!」



恥ずかしそうに足を引っ込める太一君。


うん!!年上からモテそう!!!




















それからもひたすら飲みまくって、お互いの好きなアーティストのユーチューブ流しまくって、気がついたらすでに23時すぎ。


太一君の宿方面に向かう最終バスの時間が近づいてきた。



「太一君、そろそろ最終バスだよ。行ったほうがいいね。」



「えーっと、ですね………………バスとか…………もういいかなぁ………………楽しい夜には替えられないんで…………まだいてもいいですか?もしご迷惑じゃなかったら。」



「モチのロンだぜコノヤロウ!!!イエエエイ!!太一君の好きな女の子のタイプは?」



「小顔タレ目色白巨乳ケツでかめが最高です!!いやー!!金丸さん!!マジで日本帰ったら岡山で対バンしましょう!!」





























結果。






太一君がいつ帰ったかほとんど覚えてないです。


15回くらい吐きました。


すごく楽しかったです。




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