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シンガポール絶不調。そして加川良が死んでしまった



こんにちは!神田です。



シンガポールに来て以来毎日作ってるチャイが、インドのチェンナイでだんとつ美味しかったブハリのチャイに少し近づきつつある気がしてご機嫌です。


美味しいものを口にできるって幸せですよねー。


食って本当に大事!


アジアごはんはやっぱり私たちの口に合うものが多いのでアジア旅はほんと食には困りません♪


今日は何食べようかー:)って毎日フミくんと悩むのが幸せです。




おわり








2017年12月26日(火曜日)

【シンガポール】 




このままじゃマジでヤバい。


なんとかしてシンガポールで稼ぐ方法を見つけないといけない。



まずは早いところ喉と指を本来の調子に戻すことが先決。


そしていい場所も見つけないといけない。

このシンガポールの中に、まだバスカーがやりまくってない、いい場所が必ずどこかにあるはず。


あー、なんとかしなきゃなぁ。
























家の近くにある、よく行列のできてるラクサ屋さんでラクサを食べ、電車に乗ってやってきたのはブギス。


若者の街であり、シンガポールの路上パフォーマンスといえばここ、というスポットだ。


そんな激戦区のど真ん中で生音でやってイケるのか……?

めっちゃ怪しいところだけど、とにかくまだやったことのない新しい場所をしらみつぶしに試していくしかない。











ブギスのメインストリートにはたくさんの人が溢れていた。


クリスマスも終わり、あちこちに新年と書かれたお祝いの看板が立てられ、お店もニューイヤーセールをやってるところが多い。


干支や占星術の運勢占い看板も出ており、人々は足を止めて自分の運勢を食い入るように見つめている。

その横では、世界のことなんでもお見通し、みたいな顔をしたインド人女性の占い師が、サリーをまとって道端に座っている。


賑やかなホコ天の通りは原宿のようでもあり、浅草のようでもある。





そんなブギスのメインストリートを一通り歩いてみたんだけど、どこにも路上をやってる人がいない。

まだシンガポールに来てちゃんとやってる人を見てないんだよなぁ。


どうしたんだろ?もっと地元の人とかたくさんいた気がするんだけどなぁ。




とにかくやってみようとギターを取り出し、痛む指でGを押さえる。


クソー、カポが悪すぎて音がミュートして弾きにくい…………


ただでさえ指が痛くてギターを鳴らしにくいのに、これじゃあろくにストロークもできんやつみたいだ。


それでもなんとか頑張って歌う。












もう本当どうしよう。


ビビるくらい無反応。


誰も俺のこと見えてない。



こんなにたくさんの人がいるのに、誰も見向きもしない。

目の前には占い看板があってみんなそこで足を止めているのに、こっちを振り返る人はいない。


嘘だろおいー…………


こんな感じだったか…………?


いや、俺の実力不足なのはわかってる。


ちゃんと上手い人はちゃんと稼ぐ。


でも3年半前に来てた時と条件は同じなのに明らかに稼げなくなってるのには何か理由があるはず。


やっぱりみんな日本人バスカーに慣れてしまってるのかなぁ…………



でもそんなの諦める理由にはならん。

たくさんいるならいるで、その中でも稼げるように工夫しないと。











かといって人が足を止めることもなく。


グッタリしてギターを下ろす。


しょんぼりした目でカンちゃんを見ると、元気出していこーと元気付けてくれる。


余計切なくなるううううう!!!

元気出していきたいよおおおおお!!!






ぬああああ!!!

まだまだこっから!!!!




ギターを担いでビルの谷間を歩き、ドビーゴートの階段、その横の通路、さらにオーチャードの地下道、色んなところで歌いまくった。














































しかし反応はどこも似たようなもの。





クラクラっときてしまう…………




こ、これもしかしたらシンガポールを出たほうがいいんじゃないのか?という思いが頭の隅にチラつく。

いやいや、アパートは1ヶ月取ってるんだし、今さら短縮したところで返金なんかされないし、どうあがいてもこのシンガポールで稼いでいくしかない。


でもこの薄い反応。

ま、マジか…………




どうすればいいんだああああああ!!!!



きらびやかな街。

そそりたつ近代的なビル群。

モダンな服を着た世界各国の人々。


その中であがいてる俺。なんとも滑稽に。



いや、1時間やって5000円近くはいってるんだからそこまで悪くはない。

ていうかさすがシンガポールだと思う。



でももっと良い反応がもらえるはず。

こんなもんじゃないはず。





あああああ!!!!


でも一応スターウォーズで遊んどくううううううう!!!









ジャバザハット好きいいいいいいいいい!!!!































オーチャードから電車に乗り込み、アンモーキオに戻ってきて、本当はへこたれそうだけど、根性振り絞って商店街でまたギターを取り出す。


汗だくの体にさらに汗を流して声を枯らして歌った。

しかし反応は同じ。


指はもう限界を超えてるくらい痛くて、もう風が吹いても痛いほど敏感になっている。


傷口に針を突き刺してる感じ。


喉は多少声が出るようになってきてるけど、まだまだ本調子には程遠い。






指の痛さにコードが抑えられなくて、情けなくてギターをしまった。


ガックリきてるのをカンちゃんに見せないよう、俺平気だもんねー、みたいな態度を装ってご飯食べて帰ろうかーと強がってみる。


心中、本当に凹んでるけど、カンちゃんはそんなこと当たり前に分かってて、俺を悲しませないよう励ましてくれる。





なんとかなる。

なんとかする。

必ずなんとかできる。


でもどうやったらいいかわかんなくて、そこそこ絶望的になりながらアパートに帰った。














ご飯を食べ、ベットの上で日記を書く。


が、思うように進まない。


なんとかしなきゃ、なんとかしなきゃと焦っていると、なかなか言葉も出てこない。



気分転換でもしようとネットをいじる。




その時、何からそこにたどり着いたかわからないけど、加川良、いいシンガーでした、みたいな文字が見えた。


え?どういうこと?と思って検索をかけた。



そして愕然とした。






え…………?








加川良が…………死んだ?








う、嘘だろ?









信じられなくてすぐに調べた。






加川良が急性骨髄性白血病…………


今年の4月…………


69歳…………




iPhone持ったまま呆然としてしまった。

あの加川良が。

あの日本フォークの大樹が。







色んな思いが頭の中を渦巻いた。


日本中のライブハウスで何回も見てきた加川良さんは、いつもとても元気だった。


ライブミュージシャンの大先輩として、フォークの巨匠として、どれだけ学ばせてもらったか。

どれほど影響を受けたか。



あんまり他のミュージシャンを心の底から認められない性格の俺だけど、加川良さんはマジでスゲェって素直に思えていた。

恥ずかしながら、握手をお願いしたこともあるくらい本当に好きだった。




日本語の言葉の美しさと深さをこれでもかと昇華した詩。

その選択は大胆で繊細で、突拍子もないようでこれ以上ないほど必然的。


シンプルで潔く、それでいて力強いギター。


歌はまさに語りであり、フォークの真髄とはこのこと、といったスタイル。


加川良の存在自体がフォーク。そんな偉大なミュージシャンが死んでしまった。










よく日本のライブハウスを回っている時に、打ち上げとかで色んなツアーミュージシャンの話になる。


あの人は相変わらず元気とか、あの人は久しぶりに来てとても良かったとか、あの人は前評判ばっかりだねとか。


古今東西、有名無名のたくさんのミュージシャンが日本のライブハウスをグルグルグルグル回ってるので、結構繋がりが多かったりするんだよな。



そんな中、もちろん加川良さんの話にもなる。


そしていつもふた通り。

加川良は素晴らしい、という店と、加川良はロクでもない、という店。


色々理由は聞いていた。なんでそう言われるのか。

でもそのたびに、あんまり納得いってなかった。




深く関わればそうなることはあるかもしれん。

人間誰でも対立することはあるかもしれん。


でも俺の中での加川良はフォークの偉人。

誰がなんと言おうと、俺は加川良が大好きだ。


だから、訃報を知って悲しかった。







ユーチューブで今晩はお月さんを聞いた。


研ぎ澄まされた言葉の羅列。

コード進行、ハーモニカ、オルガン、全てのアレンジが完璧でいて危うくて、これぞフォークの金字塔だ。



この歌に憧れて、たくさん曲を作ってきた。


こんなふうに、真実を言葉にせず、空間を作り上げて真実を突きつけるような作詞の技術が欲しくて、いっぱい詩を書いた。


作ってはぶっ壊し、作ってはぶっ壊す。


その中に壊れないなにかが残る。







俺はまだギターを弾いてる。

作ってはぶっ壊し、作ってはぶっ壊し、シンプルななにかを見つけるために、今も歌ってる。



明日も歌う。明後日も歌う。


先が見えんくても、アホみたいに歌ってやる。




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