こんにちは!神田です。
髪がひどいです。
前に髪を切ったのが去年の9月。
1年以上美容室に行ってないなんてそりゃあひどい髪になるわけです。
フミくんはもはやセミロングです。
どこかでばっさりやりたいと思いながらも現地美容室はこわいし次行くのはインドやし・・・。
去年インドでフミくんは、この街1番のスタイリストさ!て紹介された人に切ってもらってウォーズマンになりました。
おわり
2017年9月14日(木曜日)
【オーストリア】 クレムス ~シュピッツ
オーストリアの実家、イングリッドおばちゃんの家で目を覚ました。
いつも寝室。フカフカのベッド。
あああ……………気持ちいい………………
スイスのザビエルの家以来だから、40日ぶりのベッドだ……………
でもちょっと首が寝違えたみたいになってる。
うん、車中泊じゃないとちゃんと眠れない体になってます。
ベッドで寝ると逆に熟睡できません。
日本帰って生きていけるかな………………
家あるのに寝るときだけ車庫の車に行くみたいなのも悪くなさそうだけど。
「フミー!!ナオー!!ちょっといいーーー!!???聞いてええええ!!」
起きてそのままベッドでゴロゴロしていると、イングリッドおばちゃんが大興奮しながら寝室にやってきた。
「ど、どうしたの?」
「フミ!!ヘリコプターよ!!ヘリコプターに乗りましょう!!」
「え、えぇ?ど、どういうこと?」
「私の友達のパイロットがね!!今日お客さんを乗せて飛ぶのよ!!それの帰りのフライトに乗せてもらえるの!!今日は天気も最高だから素晴らしいわよー!!イヤッフー!!」
英語がそんなに得意じゃないイングリッドおばちゃんはドイツ語と英語をごちゃ混ぜにして喋るのでよく分からないことになるんだけど、どうやらこんな感じのことを言ってるみたい。
このバッハウ渓谷にはヘリコプターで上空を飛んで絶景を楽しむというお金持ちツーリストのためのアトラクションがあるんだけど、普通に乗ったら30分で700ユーロ、93000円というナメクジを食うようなやつは内臓売らないと乗れないような高価なもの。
それがイングリッドおばちゃんがパイロットとお友達らしくて、正規のお客さんを乗せる合間に無料で乗っけてくれるということらしい。
ま、マジでぇ!!???!???!??
「ほ、本当に無料なの!?そんなことできるの!?ナメクジ食うやつがそんなことしていいの!?」
「もちろんよー!!じゃあ10時に出発するから準備してね!!ビューティフルドナウー!!」
イングリッドおばちゃんには外国人の友達が何人もいて、そういう人たちがバッハウに遊びに来るたびにこのヘリコプターアトラクションに連れて行ってる。
おばちゃんがヘリコプターに乗ってる写真はこれまで結構見てきた。
ヘリコプターのパイロットさんからしたらイングリッドおばちゃんはお客さんを連れてきてくれる存在だからたまにこうしてサービスで乗せてあげたりしてるのかな。
それにしてもすごすぎる!!!!!!
ヘリコプター乗るとかランボーしかやったらいかんやつやん!!!
そしてだいたい落ちてるやんランボーのやつ!!!!
こ、怖い!!!!
「カンちゃん!!ヘリコプターだって!!ヤバイよ!!ヘリコプターだよ!!!ランボー怒りの脱出やん!!!」
「ヤバイね!!迫ってくるゾンビをプロペラで全員グチャグチャにするやつやね!!!」
ロマンチックな例えが出てこないカップルです。
というわけで急遽ヘリコプターに乗ることになるという謎の展開に朝から眠気吹っ飛んでイングリッドおばちゃんの家を出発。
イングリッドおばちゃんのお姉さんの旦那さんも一緒に行くようで、4人でドナウ沿いを走っていく。
そしてクレムスの町を過ぎて郊外の山の中に来たところで道を曲がると、そこにミニ空港みたいな滑走路が現れた。
おおおお…………マジで飛行場やん……………
すでに顔見知りらしく、スタッフのみんなと挨拶しているイングリッドおばちゃん。
そこにパイロットのトーマスさんがやってきた。
「ハロー、僕はトーマス、よろしくね。ヘリコプターは初めてかい?」
「は、は、は、はい、タケコプターなら知ってます。」
「緊張しなくていいからね、フライトを楽しもうか。」
「と、トーマスさんは、今までどれくらい飛んでるんですか?」
「ん?世界中で4000時間飛んでるよ。だから任せといて。」
ベテランパイロットのトーマスさんについて格納庫に入ると、そこにはまさに映画で見てきたあのヘリコプターがあった。
おおおおお!!!!ピカピカやし!!!!
こんな間近で見たの初めて!!!!!
ゾンビに襲われて、なんとか命からがらヘリコプターが待機している救出場所までたどり着いたのに、順番に乗り込まないといけないところで自分勝手なバカがウワーイ!!俺だけ逃げるうう!!っていきなりヘリコプターにしがみついてヘリコプターがバランスを崩して墜落して唯一の逃げる手段が終わってしまうというゾンビ映画あるあるですか。
ゾンビ映画は楽しいです。
「フウウウウウ!!フミ!!ナオ!!写真を撮るわよ!!ほら!!こっちからも!!もう1枚いくわよー!!」
大興奮して喜んでるイングリッドおばちゃん。
おばちゃんはもう何回も乗ってるので慣れた感じだけど、俺はもう気が気じゃない。
俺は飛行機がめっちゃ苦手。
大きな飛行機に乗ってる時ですら、フワッと揺れるだけで手汗をかいて心臓がドキドキする。
飛行機超怖い。
それがこんな小さなトンボみたいなめっちゃ落ちそうっていうかランボーだったらだいたい落ちてる乗り物に乗るなんて信用できない!!!
「アハハハハー!!フミは臆病ねー!!よくそれで世界一周なんかできるわね!!トーマスは素晴らしいパイロットだから大丈夫よ!!」
「さぁ、それじゃあみんな、ヘリコプターに乗り込むよー。」
格納庫からヘリコプターを手で押して外に出すトーマスさん。
ヘリコプターってそうやって動かすんだなぁ。
そして外で色んなドアを開けて機体の動きやメモリをチェック。
入念に点検をしているトーマスさん。
毎回必ず行う大事な作業なんだろうな。
ちなみにこのカッコいいヘリコプターの値段は160万ユーロ、2億円らしい。
めっちゃドキドキしながらヘリコプターに乗り込むと、走り屋がするような頑丈なシートベルトを体に巻きつけられ、そしてヘッドフォンとマイクを装着。
今からベトナムに向かうんですか?
ドアを閉めてトーマスさんがエンジンをかけ、大きなサイドブレーキみたいなレバーをゆっくりと引いていく。
するとヘリコプターのプロペラが回りだし、どんどんどんどん加速していく。
加速するごとにものすごい音が機内に充満し、こりゃヘッドフォンとマイクをつけていないと会話なんかとてもできない。
や、やべえええ…………
こんなプロペラが高速で回るだけで空を飛べるのか?
世界ってそんな原理でできてるの?
人間って頭いいよなぁ。
ちなみにタケコプターで空を飛ぼうと思ったら、力学的に考えるとあまりにもパワーが強すぎて頭がもげるそうです。
しばらくして、ヘリコプターがフワッと浮いた。
うわあああ!!!マジで浮いた!!!!浮いたし!!!
きゃあああああああ!!!!!浮いたああああああああああああああ!!!!!
とパニック起こして暴れてヘリコプターがバランスを崩してゾンビが待つ地面に墜落ということもなく、順調に高度を上げていくヘリコプター。
飛行機とは全然違う!!!
飛行機はものすごいジェットエンジンで加速して一気に飛び上がる感じだけど、ヘリコプターはその場でフワッと浮いて、近所の家の屋根やベランダを眺めながらシューっと上がっていく。
景色がめっちゃ近い。
そのままフワーッと飛び上がって、進んでいくヘリコプター。
真下にはどこまでもぶどう畑が模様を変えて広がっている。
ドナウ川が雄大にたゆたい、山々の隙間を貫いて向こうへと続いている。
これがバッハウ渓谷だ。
上から見るとこんなにも地形が頭に入ってくる。
それにしても眼下のドナウ川にあの有名なドナウクルーズの豪華客船が浮いてるのを真上から見下ろしてるなんてすげぇ!!!!
俺たちバッハウサイクリングもバッハウクルーズもしてないのに、階段5段飛ばしくらいでいきなりヘリですか。
金持ちしかやったらいけないやつなのに、ヘリですか。
「いやぁ、バッハウクルーズって最高だよねー。え?バッハウクルーズしてないの?あそこまで行ってやってないの?それってウィーン行ってオペラ見ない的なアレじゃないの?あー!!ドナウの風が懐かしいなぁ。クスリ。」
って誰かに笑われたら、いやー、僕ヘリしか乗ってないんですよねー、マジでクルーズ乗ってみたかったー、リーズナブルやしー、って言おう。嘘、嫌われるから言わない。
ヘリの動きに少しだけ慣れてきたところで、ドナウ川にドュルンシュタインが見えてきた。
古城と城壁と青い教会が川沿いに寄り添っており、上から見ても良くできた組み合わせだ。
ここでゆっくりと高度を落とし、シューっと地面に近づいていき、ドュルンシュタインの横にある公園の芝生の上へと降りていくヘリ。
地面に近づいていくと、芝生やまわりの木が風でブワーー!!っと動きまくり、落ち葉が舞い上がっている。
映画でよく見る風景!!
飛行機が地面に着地する時って、ドスンってバウンドするけど、ヘリコプターはそんなこともなくスッと地面に降りた。
シートベルトを外し、ドアが開けられて外に出たら、そのまま腰をかがめて猛ダッシュ!!
乗り込む時にパイロットのトーマスさんから注意を受けていたんだけど、降りた時に手をあげたりジャンプしたり絶対にしちゃダメだよということだった。
欧米人とか興奮してテンション上がってフー!!って飛び上がったりする人いそうだもんな。
そんなことしたら回ってるプロペラでミンチです。
俺たちがヘリから離れたら、そこに待機していた欧米人の家族が代わりに乗り込んでいった。
そう、彼らが本当のお客さん。
9万払ってヘリに乗るというリアル金持ちたち。
彼らはここから周遊をするだけなので、飛行場から飛んでくる間の往復でついでに俺たちを乗っけてくれたというわけだ。
あの家族、俺たちがタダで乗ってるとは夢にも思わんだろうな………………
お父さんが笑顔で手を振ってくるけど、振りかえすのが心苦しい………………
それから30分、デュリュンシュタインの川沿いでお茶をして広場に戻ると、少ししてバタバタバタバタとヘリコプターが降りてきた。
風が巻き起こる中、降りてくる家族と代わり、また俺たちが乗り込む。
これから飛行場に戻るんだけど、せっかくなので少し遠回りして帰ってくれるみたい。
飛び立ったヘリコプターの窓からバッハウの谷を見下ろした。
山の隙間をゆるやかにカーブしながらのびていくドナウ。
その周りを埋め尽くすぶどう畑。
古城も集落もとても小さくて、作り物のジオラマみたいに見えた。
はるか向こうまで続く丘陵のうねり。
森と牧草地と畑はそれぞれに色が違い、パッチワークのように大地を彩り、かすんでいる。
そんな大地にパラ、パラっと小さな集落が散らばっている。
わずかに50軒くらいの集落で、きっとほとんどが農家なんだろう。
そんな小さな小さな家々の集まりが、寄り添うように大地の上にある。
見晴らすとどこまでも遠く、等間隔にそういった集落があって、それらを糸くずみたいな道が繋いでいた。
人の営みが、大地に模様を描いていた。
不思議だな。
人間って儚いな。
みんな寄り添って生きてる。
そしてあっという間に消えていくんだ。
20分くらいかけて飛行場まで戻ってきて、飛び立った場所にドンピシャリで着地したヘリコプター。
こんなに素晴らしい経験をさせてくれたトーマスさんには感謝の言葉もないんだけど、フライトが終わるとトーマスさんは、ご飯食べていかないかい?と言ってくれた。
君たちはゲストだからこれはサービスだからね、とニコリ。
タダでヘリに乗せてくれただけでなくご飯までサービスしてくれるなんて、ここまでくるとさすがに心苦しくなってしまうけど、イングリッドおばちゃんがニコニコしながら食べましょうー!!と言ってくれ、みんなで横にあるレストランでお昼ゴハンを食べた。
ここのシュニッツェルが今まで食べたシュニッツェルで1番美味しかった。
トーマスさん!!何から何まで本当にありがとうございました!!
これが多分人生で最初で最後のヘリコプターだと思います!!
一生忘れられない思い出になりました!!
今日は最高の天気だったおかげでこれ以上ないフライト日和ではあったんだけど、同時に最高の路上日和ということでもある。
こんなに気持ちよく晴れてたらクレムスの町にはめっちゃたくさん人が出てるはず!!!
イングリッドおばちゃんは12時には帰ってこられるからねー、って言ってたけど、すでに時間は15時。
ヘリコプターは最高だったけど、もう時間がない!!!!
今週もまたあんまり稼げてないので、こんな晴れた日に歌えないなんて犯罪!!!
というわけでシュピッツの家に帰ってきたら、ソッコーで車に乗り込んでダッシュでクレムスに戻ってきた。
うおおおおお!!!!歌うぞおおおおとおおおおおおおおお!!!!!!
雨&暴風。
なんでなの………………
今さっきまで快晴やったやん………………
町に着いた瞬間、空がものすごい真っ黒になって信じられんくらいの暴風が吹き荒れてる。
雨は小雨なのでとりあえずなんとかやってみようとギターを構えると、ズゴーーー!!っと突風が吹いてギターケースが浮き上がって飛んでいきそうになった。
ぬおおおううう!!
ギターケースが浮いた!!!!
色々入ってるギターケースが!!!!
バタンバタン!!バタン!!!
通りに出ているお店の看板が軒並みぶっ倒れまくって、歩いてる人もあおられてコケそうになってる。
うひょおおおおおお!!!!!天気最高おおおおおおおおおお!!!!!
足でギターケースを抑えながら気合いで2時間。
さすがにこんな天気だと人もほとんど歩いておらず、すごすごと引き上げた。
ぐううう…………午前中あんなに最高のコンディションだったのに……………
あの時間帯に来てたらめっちゃ稼げてたはず……………
でもそのおかげでヘリコプターに乗れたんだもんな。
今のこの暴風じゃ絶対飛べてなかったはずだし。
素敵な経験をさせてもらえたことに感謝。
ても今週もまた稼げてないなぁ。ヤバい…………
それからシュピッツに帰り、ずっとサボっていた車の中の大掃除をした。
荷物を全部下ろして隅々まで拭き掃除をしたんだけど、まぁ汚い。
この中で暮らしてるので色んなゴミがあちこちにあるし、髪の毛とかホコリがいっぱい溜まってるし、そういう汚れを一気に掃除した。
まぁどうせレンタカー返却した後に車内清掃費っていって7000円くらいとられるので別に気にしなくていいんだけど、あんまり汚して返すのも申し訳ない。
また返却する前にもう1回くらい綺麗に掃除しよう。
それから冬服と夏服の入れ替えをし、いらない荷物をイングリッドおばちゃんのところに置かせてもらい、さらにインドビザ申請のために申請用紙を家のパソコンでプリントアウトさせてもらった。
よし、これで準備は万端。
明日また出発だ。
が、もうひとつどうしても気になることがある……………
晩ご飯を作って食べ、レイモンドパパとワインを飲み、お喋りしながらパソコンでアレを調べてみた。
アレ………
ローリングストーンズのライブチケット。
ライブは明後日だ。
もうチケットがあるはずないよな。
そうそう、あるはずないよ。
いや、あるやん。
思いっきりあるやん。
1番安い自由席のやつがあるやん。
値段は100ユーロ、13300円。
2人で26600円か……………
高いけど、どうやらこれが公式の値段みたいだ。
分かってる。
この値段でストーンズのライブに行けるのならば買いの一択。
世界一周中に、長く滞在しているオーストリアで、あのストーンズがヨーロッパツアーでやってきて、車で4時間のところで野外ライブをやる。
そのチケットが目の前にぶら下がってるのに行かなかったら何しに旅してるの?って状況。
行くしかない。
でもやっぱり何度試してみてもカードが切れない。
インターナショナルカードだからダメなのかわからんけど、そのせいでチケットが買えない。
ちくしょおおおお………………
まぁどっちにしろ明後日に会場には行く。
おそらくダフ屋がいるだろうからそこでチケットを買えるはず。
でも万が一そこで法外な値段を言われたらどうしよう…………………
野外なので会場の外にいてもライブは聞こえるはず。
でも会場の中に入らずしてストーンズのライブに参加したことにはならん。
あの永遠のロックヒーローであるミックとキースとロニーとチャーリーに会えないままでいいのか?
この千載一遇のチャンスに?
ぐううう……………!!!!
マジでどうしよう!!!!!
するとその時、カンちゃんがネットで別のチケット販売サイトを見つけた。
「あ、フミ君これ…………もしかしたらイケるかもしれない。」
「どれどれ?………………1枚120ユーロか……………」
「そうだね…………仲介サイトだから手数料が発生してるね。そして郵送はもう間に合わないから、明日ウィーンのチケットオフィスまで取りに行かないといけないみたい。」
2枚で32000円……………
旅中の身からしたら相当痛い……………
しかし相手はストーンズ。
神がこのオーストリアに降臨するのに、指くわえて見てるのか………………?
会場に行けばダフ屋がいるはず。
もっと安いかもしれん。
でももっと高いかもしれん。
わからん!!
「か、カンちゃん…………取っちゃう?」
「と、と、とと、と、取っちゃう!?」
「うわああああああ!!!取ろう!!これで取らなかったら一生後悔する!!!ライブ直後にキースが死ぬかもしれん!!取ろおおおおおおおおお!!!!!」
そして………………………
チケット取ってしもた…………………
明後日、ストーンズに会います。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
オーストラリアのホテルをアゴダでとってくださったかたがいました!!
オーストラリアといえばACDC。ACDCのライブもめっちゃくちゃ楽しそうだよなぁ。
いつか行ってみたいけどアンガスヤングも超爺ちゃんなのでヤバいです。
どうもありがとうございます!!