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バッハウには愛が溢れてる



こんにちは!神田です。




もともと、私は人の目をものすごく気にする人でした。



友達とうまくやりたい。人に嫌われたくない。っていう気持ちが人一倍強かったんだと思います。

そしてその気持ちが強すぎてめちゃくちゃききわけのいい人みたいになった時期がありました。

カンちゃんは何しても怒らないとか言われたりして、今度はそれってどうなんだろうとか思い出したりして、わがままの言えない自分がいやになった時期もありました。



逆に今はフミくんになんでも言えすぎてだめだなーと反省する日々です。

最初の頃は、なんでも言えて嬉しい!わがまま言えて嬉しい!とか思ってたのになー。



人生何事もバランスですよね。






おわり










2017年9月13日(水曜日)

【オーストリア】 メルク ~ デュルンシュタイン ~ クレムス ~ シュピッツ





朝ご飯、焼き飯。





海外のインスタントライスなのであんまり美味しくなかった。


もちろんカンちゃんが限られた材料の中で頑張って作ってくれたものなので感謝してるけど、カンちゃん自身不本意な出来で、これが限界かなぁって嘆いてる。



カンちゃんのご飯はなんでも美味しい。

なのでいつも美味しい美味しい言ってる。


でもたまにハズレがあった時にはちゃんと、これはイマイチだったかなーって伝える。正直に言ったほうがいいと思う。



なんでも美味しい美味しいって食べてあげる優しい旦那さんにはなれないなぁ。



いやぁ!!マジ最高ゲロ美味いジャンこれ!!フオオオオ!!美味えええええ!!!!って塩と砂を間違えたご飯を根性で食べる甲斐性はないです。





日本に帰ったら豚バラが入った美味しい焼き飯をカンちゃんに作ってもらおう。


もしその時に、ウチのお母さんの焼き飯の味はさぁ!って言ったらお嫁さんって傷つくのかな。




「そうやって言われたらカンちゃん傷つく?」



「うーん、タイミングによるかなー。」




お母さんのご飯を食べてきたのは20年くらい。

でもこれからカンちゃんのご飯を40年くらい食べる。


それは女性側の、神田家で受け継がれてきた味だ。カンちゃんのお母さんの、さらにお母さんから。


てことは娘がいなかったら、味を伝えていってくれる人がいないってことか。



うちのお父さんも、そうやってお母さんのご飯に慣れていったんだな。



お父さんは男兄弟のみ。

婆ちゃんが死んだ今、金丸家の味は受け継がれてない。


俺も男兄弟のみ。

うちのお母さんの味も受け継がれないけど、ちょっとだけカンちゃんに覚えてもらえたらいいな。



そして子供が出来れば、カンちゃんのご飯が今度から実家の味だ。















車の整理をして走り出すと、左手に大きな川が出てきた。

あぁ、懐かしいな、ドナウだ。


雄大にたゆたうドナウが蛇行しながら谷間の向こうへと続いている。




そしてしばらくして目の前に大きな大きな黄色のお城みたいな建物が見えてくる。






世界遺産のメルク大修道院だ。

俺たちの海外の故郷、バッハウ渓谷の玄関口。





こんなに日本から遠く離れたヨーロッパの小国、その片隅にある小さな地方がこんなにも心を落ち着かせてくれる。


まるで地元を走るかのようにハンドルを切って町の中へと入る。


5年前に初めてこの町にたどり着き、何もわからないまま見上げたメルクの大修道院。

そしてドナウ沿いの公園の中で野宿をした夜。



あんなに心細かった町が今や故郷のように思えるなんて、本当どうなるかわからんよなぁ。



そういう場所を見つけられたことがとても嬉しい。

















メルクにあるいつもの道路沿いの無料パーキングは満車だった。

9月になったけどまだ結構観光客いるんだな。


でも大丈夫。


もはや地元なので無料パーキングの場所は何ヶ所も把握している。



少し離れるけど駅裏の広い無料パーキングに車を止め、そして駅でトイレに行き、準備はバッチリ。





メルクの中心部に行くと、ホコ天をたくさんの人が歩いていた。









みんな手にマップやパンフレットを持っている観光客で、サイクリストたちもすごく多い。


世界遺産、バッハウ渓谷は片道40キロの区間で、広大なワイン畑の中に美しく可愛い小さな集落がポツポツと点在している。


それらを巡りながら自転車で走るのがとても人気で、マジでこの辺りはサイクリストたちの一大聖地みたいになってる。


このメルクはそのバッハウ渓谷の起点にあたり、美しい大修道院と古い町並みでいつも観光客でごった返している。



さてー、久しぶりのバッハウ。

のんびりやろうかな。














石造りの趣ある町にゆっくりと音を響かせながら1時間半。


あんまり反応が良くなくてギターを置いた。


うーん、やっぱり観光客ばっかりだとこんなもんかなぁ。


お店の人とかが入れにきてくれるけど、入れてくれるのはそうした地元の人ばっかり。


小さな町なのでローカルの人も限られてるし、この辺が限界かな。

















「まだ時間あるし、デュルンシュタイン試してみる?」



「あそここそめっちゃ観光地だから反応悪そうだけどねー。」



「まぁでもデュルンシュタインでやるってのが楽しそうだからやってみようかな。バッハウにこんだけいるのにまだデュルンシュタインでやってないのももったいないし。」




車に戻ってドナウ沿いを20分ほど走っていくと、川沿いの山の上に大きな古城の廃墟が見えてくる。






















その古城の足元にささやかに広がる町が、バッハウ屈指の観光地、デュルンシュタイン。


バッハウに来た人は必ずここに行くって場所だ。






























ぶどう畑が広がる中に古びた城壁が現れ、その中に入るとおとぎの世界にタイムスリップ。









有名なブルーチャーチがドナウに浮かぶように佇み、見上げれば廃墟のお城がいびつに立ち尽くしている。

町の中には何百年も前からの家並みがのび、細い路地が一本まっすぐに真ん中を貫いている。


なんとも美しい、絵本の中の町だ。


ウルトラ観光地なのでお土産物屋さんがわんさかあるけど、どれもバッハウ名産の物ばかりなので楽しく見て回れる。












そんなデュルンシュタインの町中は相変わらずかなりの観光客たち。


中国人はそんなに多くなく、このあたりは日本人勢力のほうが強い。


日本人の上品そうなおじさまおばさまがチラホラと歩いている。










いつかやろうと思いながらずっとできてなかったデュルンシュタイン。


この古い町並みと歴史漂う路地。

完全に生ギター向きのシチュエーション。


よーし、それじゃあいってみよう!!!













「ジャーン、ジャーン。」



「ちょっとちょっと、音が大きすぎるわ。それにここはライセンスがいるわよ。」





2秒。


2秒でお土産物屋さんのおばさんに怒られる。




どうやら向こうのほうにある建物で路上演奏のライセンスが取れるらしいけど、今日はもうクローズしたとのこと。



それにしても初めての町の1曲目なのでかなり気を使って静かに静かに、囁くように演奏したのに音が大きすぎると言われてしまった…………


歩いてる人の会話くらいの音量だったのに………………



こりゃダメだ。

やっぱりデュルンシュタインは観光地すぎるわ。色々厳しい。
















もうこうなったらおとなしく切り札のクレムスに行くか。


これまで何度もやってるホーム中のホーム、クレムス。

バッハウ渓谷の反対側にあって、この辺りでは1番大きな町だ。


美しい旧市街、賑やかな新市街、教会やモニュメントがたくさんあり、程よい大きさでめちゃくちゃやりやすいクレムスで最後にちょっとだけ歌うかな。




というわけでデュルンシュタインから車で10分。


あっという間にクレムスにやってきて、いつもの駐車場に車を止めたらすぐに新市街へ。









立派な門をくぐるとまっすぐのびる石畳の町並みはこれぞオーストリアといった麗しさ。


お店もたくさんあって、人もめっちゃいっぱい歩いてる!!!


やっぱりクレムスすげぇ!!!





そしてこんな賑やかな町なので他のパフォーマーがたくさんいるんじゃないか?と心配していたんだけど、これが1組もいない。


いつもいる銅像パフォーマーのおじちゃんもいないし、ジプシーの新聞売りもいない。


この美しい町の路上がガラ空き状態。



マジで最近締めつけが厳しくなったのかなぁ。オーストリアに戻ってきてパフォーマーもジプシーも全然見かけないな。














いつものスパー前でギターを鳴らした。





日常生活の変わらない風景の中に、いきなりポンと珍しい路上ミュージシャンが現れる。


何気ない毎日。

町の同じ風景。


石畳の上を流れる穏やかでぼんやりした空気に、ほんの少しの変化と明るさが出る。



ここで生きてる人たちは、俺がいなくたって当たり前にここで生きていく。


路上はいいなぁ。
みんなが笑顔でコインを入れていってくれる。











こうして色んなところに行ってから帰ってきてクレムスでやって思うのは、この町の人たちがみんなすごくオシャレだということ。


特にお爺ちゃんお婆ちゃんがすごく上品。


髪の毛を綺麗にセットし、優雅に上着をはおり、これぞエレガントっていう感じだ。


さらにそんなお爺ちゃんお婆ちゃんですら英語で声をかけてくれ、知的で教養あるオーラをまとっている。



この前のヴェルスは労働者の町って雰囲気だったので、ものすごい大きな違いだ。


流麗な町並み、センスあるお店、それらもあいまって町全体が品に満ちている。










するとその時、視界にボロボロの服を着たおじさんが入った。


こっちに近づいてくるそのホームレスのおじさん。


そのおじさんが去年、5ユーロ札を入れてくれたホームレスのおじさんだということはすぐにわかった。


こんなにボロボロの格好をしていて、お金なんてまず持ってないであろう人なのに、おじさんは5ユーロなんていう大金を路上ミュージシャンのギターケースに入れてくれた。


そのことにものすごく感動して、何度もお礼を言ったのを覚えてる。




そのホームレスのおじさんが、今日もまたギターケースにコインをバラバラと入れてくれた。



ちょっ!!!



驚く俺におじさんはニカっと笑った。


何ヶ月も洗っていなさそうな髪の毛、黄ばんだヒゲ、穴の空いた服、汚れてくたびれた靴。


ヒゲの間から見えた口には黒ずんだ歯が見える。








おじさんは横にあるベンチに座り、缶ビールを開けてゆっくりと演奏を聴いてくれる。


俺にとっていつもはお金をせびってくる存在であるホームレスのおじさんが、お金を入れて音楽を聴いてくれてることにたまらなく責任を感じる。


おじさんに楽しんでもらわないと。

俺にできるベストの演奏をしないと。







するとまたしばらくしておじさんが缶ビールを置いてこっちに近づいてきた。


俺の前には演奏を聞いてくれてる人だかりができていた。


ボロボロの格好をしたホームレスが近づいてきたことで、観客の人たちが警戒心を顔に出した。



この人はこの路上ミュージシャンのお金を盗ろうとしているんじゃないか?



そういう疑いを持ちながら眉をしかめておじさんを見ている人たち。




違う、おじさんはそんな人じゃない。

俺は知ってる。




でもおじさんの見た目で、そう見られてしまうのは仕方ないことだと思った。


見た目ではなく、心で人を見なければいけない。


言葉で言うのは簡単なことだけど、それができる人なんて世界中でもそんなにいない。

俺ももれなくそのできない側の1人だ。







おじさんはポケットからしわくちゃの10ユーロ札を取り出して俺のギターケースに入れた。


その瞬間、観客の顔がガラッと変わって驚きの表情になった。


疑った自分を恥じるような表情が混じり、その後に痛快なものを見たような弾ける笑顔になった。




それを見て嬉しくなったんだけども、それ以上に俺はもう気が気じゃない。


今度は10ユーロ札だなんて!!!!

いくらなんでもこんなのとてももらえない!!!!



いつもいただいてるから大丈夫です!!!
となんとか断ろうとしたけど、おじさんはまたニカっと笑ってベンチに戻り、缶ビールをあおった。





難しくてしょうがなかった。


ここで俺がおじさんの10ユーロ札を断る?

音楽を楽しんでくれて、何かしら感じてくれて、おじさんはその対価で10ユーロもの大金を入れてくれた。


これがカッコいいスーツを着たビジネスマンならば俺は遠慮するか?


俺が遠慮しているのはおじさんがホームレスだからだ。


見た目で判断しちゃいけないのはわかってる。

おじさんの気持ちを断る行為もまた、おじさんを盗人と疑うくらいめっちゃ失礼なことなんじゃないか。



だといっても、おじさんからこんなにチップをもらっていいものか……………




いい演奏しなきゃ。

パフォーマンスで返すことがパフォーマーの俺にできる気持ちと思わないと押しつぶされてしまう。



それから1時間半演奏し、ギターを置いた。


ベンチに行くと、おじさんが缶ビールを飲み終わったところだった。


ダンケシェーンとお礼を言うと、おじさんはニカっと笑って手を差し出してきた。


黒ずんだ手を握ると、おじさんはグッと力を込めた。


めっちゃ力強くて、たくましい握手だった。
















「なんかお返ししなくて良かったかなぁ。」



「ねー、ビールとかね。」



「それ考えたんだよなぁ。おじさんビール好きだし、ビールの差し入れとかどうかと思ったんだけど、おじさんからもらった金でビール買って返すなんて変だしさぁ。あー、わからん。」



車に戻ってエンジンをかけ、ドナウ沿いを走りながらそんな話をした。


もらう側の俺がお返しだなんて身の程知らずだよなぁ……………


わからん。でも、やらなきゃいけないことは、おじさんに返せないならば、次の人にこの気持ちを回していくってことだ。


おじさんからもらった気持ちを必ず次に回そう。



















「フミーーーー!!!ナオーーー!!!ウェルカムバーーーック!!イタリアはどうだった!?何か大変なことはなかった!?」



オーストリアの故郷、シュピッツに行き、4ヶ月ぶりにいつもの家の前に車を止めるとイングリッドおばちゃんが出てきて俺たちを抱きしめてくれた。


大きなイングリッドおばちゃんに抱きしめられると、背伸びをしないといけない。


おばちゃんの暖かさに心が安らぐ。




家族っていいなぁ。


お母さんとハグなんか一度もしたことないもんな。

帰国したらしてみようかな。


いや、やっぱり恥かしくてできんかな。








俺たちがいつも車を止めてるスペースにはふたつのペットボトル。

それを見ると胸が熱くなる。





去年、ここに車を止めている時に、動物のテンにエンジンまわりのケーブルを噛み切られたことがあった。


その次の日からおばちゃんが俺たちの車の前後にこのペットボトルを置いて動物が近づかないようにしてくれていた。


優しいイングリッドおばちゃん。




ずっと俺たちのためにここにペットボトルを置いてくれてたんだ。














家の中に入るとさらに胸が締めつけられた。


俺たちがいつも寝させてもらってる寝室の入り口の壁に、新しい絵が飾られていた。






自転車に乗った若い男女が手をつないでいる後ろ姿の油絵。


雰囲気のあるとてもいい絵。






「これ去年はなかったね。いい絵だね。」



「そうでしょう。これはねフミとナオなの。この髪の毛、まるでフミみたいでしょ。ナオの後ろ姿も似てると思ってこの絵を買ったの。ここに飾っていたらいつも2人が家にいるみたいに思えるわ。2人がどこに行っても、ずっと一緒よ。」




もう泣きそうになった。


イングリッドおばちゃん、本当に本当にありがとう。



こんなにも俺たちのことを思ってくれてるイングリッドおばちゃんとレイモンドパパに俺たちができることってなんだろう。


もうすぐ俺たちはオーストリアを出る。


今回ヨーロッパを出たら日本に向けて進んでいって、帰国になる。


そうなれば次にいつ会えるだろう。



カンちゃんとの新生活が始まるので、そう簡単にはヨーロッパまでは来られないはず。


これが最後の別れとは言わないけど、俺とカンちゃんがイングリッドおばちゃんたちを大好きだというこの気持ちをできる限り伝えたい。


なにか考えなきゃな。









「どう?本当に元気だったの?トラブルはなかった?」



「なんにもなかったよ。でもひとつだけ死ぬほど大変だったトラブルがあったよ。それはね……………………」



「………………………ホアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!なんてこと!!!!アーハッハッハッハッハ!!!レイモンド聞いてよー!!フミったらねー!!」




この前のナメクジ事件のことを話したらめっちゃ大盛り上がりになった。




いやぁ、体を張っていいネタ作ったわ。








~~~~~~~~~~~~~~~~~~


大阪のホテルをアゴダでとってくださったかたがいました!!


この前大阪のことを知ってるオーストリア人が、大阪にはジャパニーズシュニッツェルがあるよね!!あれは最高だよ!!って言ってました。

串カツのことです。
オーストリア人、串カツ好きだろうなぁ。


どうもありがとうございます!!

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