スポンサーリンク 俺の知らないカンちゃんの過去 2017/7/24 2017/06/26~ フランス, ■彼女と世界二周目■ 2017年7月6日(木曜日)【フランス】 パリ昨日どうやって車まで帰ったかあんまり覚えてませんね。カンちゃんがいなかったら地下鉄の中で爆睡してどっかわけわからんところまで行ってゲイに襲われてたか、住宅地の中で迷子になって、あれ?ここが家ですか?つってバス停のベンチで寝ていたかどっちかです。カンちゃんのおかげで無事車の中で目を覚ますことができたんだけど、ここのところ気温が下がったままなので本当に車中泊しやすい。もう本当にこのまま秋に入っていくんじゃないかな。きっとシチリアは今も灼熱の太陽が降り注いでいるんだろうな。あー、またあの隠れビーチで泳ぎたいな。ていうかこの宝石はなんですか?神しか食べれんやつですか?地位と名誉を持った一握りの支配者層の人しか食べられないやつですよね?出汁イイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!味噌オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!しかも旅中ということを配慮して保存のきく粉末タイプという、もう神通り越してYAZAWAですか?Aちゃん本当ありがとう!!!!!何か日本から持って行きましょうかー?って言ってくれてて蚊取りスプレーだけお願いしたのに、こんなにたくさんのものも一緒に持ってきてくれるなんて。俺たちがイタリアで買っきたお土産くらいじゃ吊り合わないよ。これで味噌汁できるやん。味噌ラーメンできるやん。炒め物とかに出汁入れて日本の味にできるやん。もう本当無敵。本当ありがとうAちゃん。そんなAちゃんのお土産に朝からゲロ吐くくらい感動しながら荷物をまとめる。昨日友達のAちゃんと会ったんだけど、パリではもう1個、人と会う約束がある。昨日は俺の友達、今日はカンちゃんの友達だ。友達というか元上司。カンちゃんは以前、日本のウェディング業界ではかなり有名な会社で働いていたことがある。ウェディングフォトといえばあそこ、ってくらい有名なところ。なのでカメラマンさんとかの友達がめっちゃ多いんだけど、今日お会いする人も腕利きのカメラマンさんだ。なにやら働いていた会社が数ヶ月前にパリに支店を出したらしく、そこを任されて日本から来ているんだそう。パリ支店を任される、なんて相当バリバリの人なんだろうな。というわけで今日ランチをご一緒させてもらうわけなんだけど、カンちゃんは久しぶりの再会でも俺はもちろん初対面なのでひっそりと、ただひっそりと影のように、存在を限りなく薄くしてついて行きましょう。いやぁああああああ!!!!どうも、俺の神田の旦那、シクヨロ、とか言わずにひっそりと。うわぁ………奥さんの前の友達と会う時ってどんな顔すればいいんだろう。大人しくしすぎたら、私の友達と会うのそんなにつまんない?ってカンちゃんに言われてしまうし、かといって出しゃばるのもなんかダメ。む、難しいなぁ……………男はそういうところ下手だと思います。でも夫婦なんだからすごく大事なことですよね。さて、車のエンジンをかけたら住宅地を抜け出してパリ市内に向けて走った。ここからパリまで電車に乗ると2人で往復して14.2ユーロ、1800円もかかってしまう。約束はランチだけなのでおそらく2時間くらいだろうから、それならパリ市内に駐車したとしても1800円以上はしないだろ。ちなみにこの内側の灰色がパリ市内エリア。ここからなら昨日買ったカルネチケットで乗り放題だ。が、やっぱりパリはなめたらいかん。この灰色エリアに入った瞬間から駐車場なさすぎ!!!どこもビッチビチに詰まってて、タダで止められるローカルのスペースなんて皆無。なんとか探し出そうとぐるぐる走り回ったけど、マジでどこにも止めるとこがなくて、約束の時間が迫ってくる。やっぱりパリなめたらいかんわ…………これならさっきの住宅地から電車で行ったほうが良かったんじゃないかな…………その時、ようやく街の中にある地下駐車場を発見し滑り込んだ。値段は………………15分で0.6ユーロ。1時間で300円か。まぁそんなもんか。あー、都会大変。とにかく車を止めたらすぐに約束していた待ち合わせ場所に向かった。地下鉄に乗り込むと、パリ名物の地下鉄バスカーが腕をふるってる。いきなり車内に音楽が鳴り渡るもんだから、外国人からしたらなかなかビックリな状況だけど、これがパリの日常だ。オーディションもあるくらいちゃんとしたカルチャー。そんな地下鉄バスカーの演奏を楽しみながらやってきたのはオペラエリアのビジネス街にあるコリアンレストラン。スーツを着た仕事のできそうなフレンチサラリーマンたちがたくさん歩いている。うー、緊張するなぁ。カンちゃんがチーフと呼ぶその上司さん。カンちゃんは以前の職場でだいぶ一緒にチーフと働いていたらしいので仲良しさんだけど、俺どうしてればいいだろ。パリ支店を任されるような人なので、篠原涼子みたいなバリバリのビジネスウーマンみたいなクールビューティーなんじゃなかろうか。いやぁ、こうなったらもう神田の陰に隠れて心頭滅却して素数を数えながら、ご、ご、ごご、ご趣味は?とかキモい質問してくれようか?「あー!!ごめんごめんー!待ったー!?カンちゃん久しぶりー!!」「わー!!チーフやー!!お久しぶりですー!!」そこにやってきたのはめっちゃ小柄なショートの似合う可愛い女性。うお!!相当イメージと違う!!!カンちゃんよりも背が小さくて明るい気さくなかただった。いきなりカメラの三脚で頭殴られなくてよかった!!!「ハイこれ、頼まれてたやつね。」店内のテーブルに座ってチーフが出してくれた箱を開けると……………カンちゃん、iPhone5ゲット。ていうか今さら5!!!インドでiPhone6を盗まれてからずっとオンボロのiPhone4を使っていたカンちゃん。もう不憫になるくらい動きが遅くて、アプリを開くのにタップして5秒くらいかかってた。それを1年使ってたカンちゃん、尊敬します。でもこの前ついにカンちゃんがiPhoneを床に落として、画面が崩壊。もうダメだということで、メルカリで調べてみたらiPhone5が7000円であったのですぐに購入。そしてすでに会う約束をしていたチーフのところに数日前に発送してもらっていたという流れ。「いやああああああああ!!!!これでストレスなくiPhone使えるうううう!!!!」でもiPhone5だけどね!!!帰ったら7買っていいからね。そしてそれだけじゃなくこんな素敵すぎるお土産も!!!!チーフありがとうございます!!!!iPhoneと一緒にカンちゃんのお母さんが日本から送ってくれた品々。喉を重点的に心配されすぎ!!!でもこれは俺じゃなくてカンちゃんの喉のためなんですけどね。なぜか俺より喉を痛めやすい神田さん。「久しぶりやねぇ、まだ旅してるんやねぇ。カンちゃん旅好きだもんねぇ。」レストランの中に入って2人のお話を聞かせてもらったんだけど、俺の知らないころのカンちゃんの話が出てきてすごく新鮮だ。カンちゃんはチーフと同じ会社で働いている時も、短い休みを利用して海外旅行に行っていて、会社の同僚さんたちからしたらカンちゃんは旅好きの女の子って感じだったみたい。その会社での仕事は大変だけどものすごく楽しかったみたいで、カンちゃんも充実した日々を過ごしていたらしい。そうしてあっという間に4年が経ったころ、カンちゃんはラオスに旅行に行った。そこで、このまま過ごしていたら10年なんてあっという間に経ってしまうんだろうな、って思ったんだそう。仕事は楽しい、同僚もみんないい人、この上なく恵まれた職場環境。でもカンちゃんは、自分のやりたい旅をしよう、と決心して会社を退職。6ヶ月間のアジア1人旅に出た。そうして1人の旅を満喫している時、マレーシアのクアラルンプールで焼き鳥食ってる日本人と出会ったわけです。そんな昔のカンちゃんの話を聞いていると、まだまだ俺の知らないカンちゃんがたくさんあるんだなって思った。めっちゃ美味しいコリアンフードを俺までご馳走になってしまい、緊張したけどとても楽しいランチタイムだった。感動の再会にお邪魔させてもらったけど、もう旦那なんだから邪魔とか言ってたらダメなんだよな。カンちゃんの友達はみんな友達。大袈裟じゃなく。チーフはこれからオフィスに戻り、また夜にウェディングフォトの撮影が入ってるみたい。夜景の写真を撮ろうと思ったら、夏のヨーロッパは暗くなるのが22時過ぎなので、それから撮影したら帰るのは24時過ぎになるんだそう。腕で勝負する技術職は怖い。でもやり甲斐がある。パリで写真撮って仕事してるなんてカッコいいなぁ。チーフ、これからもパリでのお仕事頑張ってください!!ご飯ご馳走さまでした!!チーフと別れたら、最後にもうひとつ、カンちゃんがどうしても行きたかった場所へ。それはシティーファーマシー。薬局。カンちゃんが使ってる化粧品にフランス製のやつがあるんだけど、ここパリの、特にこのシティーファーマシーだと日本の3分の1の値段で買えるんだそう。お店に入るともうすっごい混雑で、女の人たちが我先にと化粧品を買い漁ってる。すごい勢いで買い物カゴに山ほど色々ブチ込んでるおばさん。お化粧品ってそんな買いかたするんですね…………やっす!!やっす!!これめっちゃ有名なブランドなのにやっす!!ってカンちゃんは興奮してるけど、まぁ男なのでなんもわかりませんね。これ見てる女性読者さんの中にも、え?!こんな安いの!?って思ってるかたもいるかな?女性のみなさん、パリに行ったらシティーファーマシーでお買い物オススメです。車に戻ったら結局駐車場代が13ユーロ、1700円くらいして、もうパリ怖いからソッコー脱出することに。パリ観光はしません。この前もテロあったばかりやから、あんまり長居したくないです。そんで車を走らせたんだけど、パリでかすぎです。信号多すぎで全然進まないし、フランスって他の国と交通ルールが若干違うのでストレスがたまる。普通ラウンドバウトって中を回ってる車が優先なんだけど、フランスでは進入する車が優先のラウンドバウトがある。なので相当気をつけてないと突っ込んでくるのでかなり危ないし、向こうから中指立てられたりする。他にも、右側進入優先とか謎のルールがあったりして左側を見ないで突っ込んできたり、とにかく気を張ってしまう。そんなパリの中で最強にカオスだったのが凱旋門のラウンドバウト。多分世界で1番有名なラウンドです。せっかく近くなので走ってみようかーって行ってみたんだけど、ここマジでヤバい。まず超デカいのでラウンドの中に車が何十台も回ってて、中に飛び込めない。そしてこんなデカいくせに車線がないので全員やりたい放題に入り乱れてインド状態。さらにその上で進入優先という、一体どこを見とけばいいんだ!?っていう複雑さ。よくこれで事故起きんわ。パリを出る前に、あとひとつだけ寄っておきたいところがあったので、地図を見ながら15区にやってきた。せっかくパリにいるんだから、美味しいスウィーツを食べたいなぁと思ってフラワーの植松さんに聞いたら、そこはもうパリの達人。パリ中のスウィーツ屋さんを食べ尽くしてる人なのですぐに返事が来た。「スウィーツよりここのバゲット絶品だからねー。」スウィーツよりフランスパンをオススメされました。というわけでフランスパン食べましょう。あ、いやバゲットですね。ここ。パン屋なのにディスプレイが宝石屋さん。なにこの、めっちゃ貴重品を陳列してる感じ。もう本当フランスってディスプレイがパナい。ディスプレイに全て注ぎ込んでるくらい金かけてる。服屋さんもスウィーツ屋さんもクリーニング屋さんも、みんなめっちゃオシャレ。やっぱりフランスはオシャレの格が違う。超キョドりながらお店に入ってしげしげと眺めていると、英語が堪能な女の子店員さんが、今日は何をお探しですか?みたいなレベルで声をかけてくる。ふ、普通のバゲットなんですけど……………でも意外と安かった。バゲットが1.3ユーロ、165円。お、もっと5ユーロとかとんでもないこと言われるんじゃないかと思ったけど、そこはやっぱり庶民的なものなんだよな。エッグタルトも悶絶ものだよーって植松さんが言っていたのでこっちも購入。エッグタルトは4ユーロ、510円。あのフラワーの植松さんから直々に教えていただいたパン屋ってことは、多分パリで1番、ということは世界1のフランスパンをゲット。うわぁ、これが世界1のバゲットかああああ。大切に食べなきゃ!!ホラホラホラあああ~~って店内でやったら殺されるかもしれないので外でこっそりやりました。ていうかさっきコリアンレストランで死ぬほど食べたばっかりなので何も入りませんよね。明日の朝ごはんにすることにしました。後からそれを植松さんに言ったら、「なんてことをー!!バゲットは新鮮さが命なんだよ!!」って怒られました。う、植松さんのお店のパン、次の日が美味しいくせに!!「女の老化30年は、パンの老化1日に匹敵するのです。」名言いただきました。みなさんもバゲットは焼きたてを新鮮なうちに食べましょう。エッグタルトはめっちゃ美味しかったです。やることを全部終わらせたら車を走らせたんだけど、パリがあまりにもデカすぎてまったく車が進まず、いくら経っても市街地から抜け出せない。おかげでガソリンがなくなってしまって、しょうがなくパリの中で給油したら、なんとリッター1.89ユーロ。245円。たけすぎる………………アホなの…………?とりあえず10ユーロ分だけ入れてそれからも走り続けたんだけど、マジで市街地を出るのに数時間もかかってしまった。都会嫌い!!!!田舎でのんびりしたい!!!!ようやく少し街の中を抜けてきたなというところで、風景が変わった。なんだか古ぼけた建物が多くなり、落書きやらゴミやらが目立ち始める。そして歩いている人たちの8割りくらいが黒人さんになった。黒人さんだけじゃなくムスリムやインド系の人もいる。完全に街の様子がスラムになった。ここが20区のあたりだ。貧しい移民の人たちが暮らすエリアってわけだ。黒人さんたちが犯罪をおかす、なんて決めつけはしたくないけど、やっぱり移民の貧しい人たちがいるエリアだと警戒心が上がってしまうのも事実。実際いろんな犯罪が起こってるからこそ、パリの人たちはここに行ったらいけないって口をそろえるんだろう。そんなスラムの中に、すごい光景を見つけた。道路脇にズラリとなにか異様な車が止まっており、その周りにたくさんの人がいた。なんだろう?と思って見てみると、歩道の手すりや街路樹なんかに洗濯物が干されており、子供がすっぽんぽんで体を洗っている。路上で。火を起こして料理している人の姿も。何十台も並ぶ車の中にはものすごい荷物が詰め込まれており、どうやらこの車は人々の家のよう。車中泊で暮らす人々がこの道路脇を占拠して、ひとつの住宅地みたいになっていた。すげぇな……………完全なる無法地帯だ…………みんな毎日ここから街に仕事に出かけているんだろう。物乞いか、エッフェル塔のキーホルダー売りか、それともビルの清掃とかの肉体労働か。人々はご近所さんと楽しそうにお話しながら路上にテーブルや椅子を出してリビングみたいにしてご飯を食べていた。これもまたパリの顔のひとつだ。やっとこさパリを抜け出して東へと走った。楽しかったフランスもあと少し。明日はどこまで走ろうかな。