スポンサーリンク ゴキブリでもちょっとはいい歌うたえるぞ!! 2017/7/3 2017/05/29~ イタリア, ■彼女と世界二周目■ 2017年6月15日(木曜日)【イタリア】 タオルミナそれにしてもイタリアのガソリン代、リッター1.8ユーロってどういうことだよ…………223円て…………あの北欧よりもはるかに高いやん…………多分世界で1番ガソリン代高い国やわ…………安いところで1.44ユーロとかだからなぁ。180円。高速に乗らないと下道だと町が多すぎて全然先に進まないし、イタリアの車旅はマジで金がかかる。でも逆にありがたいのはパーキングに金がかからないこと。路駐天国なので町の中でも少し外れたらどこでも止め放題。さらに少し離れたら公共のパーキングが整備されてるので安心して車中泊できる。あと公共の水場がそこらじゅうにあるのも本当に助かる。おかげでペットポトルシャワーを浴び放題なのでシャワー問題もない。一長一短。総合してイタリアは過ごしやすいけど、あとはこれで路上が稼げたらいくらでも滞在できるんだけどなぁ。イタリア人、路上にお金入れてくれない。さて、そんなイタリアで今の所ここは稼げる、という町、タオルミナに戻ってきた。お金持ち大人たちの高級保養地であるこのタオルミナ。海に飛び出した山の上にある古い古い町で、小ぢんまりしているけども世界中から観光客がやってくる町だ。しかもここに来てる人たち、ほぼ全員金持ちというおそろしいところ。多分俺たちが1番貧しい…………ブランド品をまとったセレブたちが闊歩して、レストランで美食を堪能し、テラスで海を眺めながらワインを飲んでジャズの生演奏を聴いてるという、なんかもう本当ゴキブリでごめんなさいって路地裏に素早く隠れたくなるこの町。ここでシチリア最後にキッチリ稼いで本土に戻るぞ。ゴキブリでもちょっとはいい歌うたえるぞ。というわけでいつもの場所に車を止め、坂道を登って石の門をくぐり、タオルミナの旧市街にやってきてカフェでエスプレッソ飲もうとしたら2.5ユーロ。310円。ゴキブリ並みにすごい勢いでお前の顔に飛びかかるぞコノヤロウ!!!!!た、高ええええええ………………やっぱタオルミナは他の町とはワケが違うわ…………とにかく路上やるぞ!!!人通りは今日もバッチリ!!!石造りの麗しい旧市街の中をたくさんの観光客たちが優雅に歩いている。日本人の姿も多い。よっしゃああああ……………日中はクソウルトラ暑いけどシエスタに入る前に根性で2時間だ。いつもやってるローマ劇場に続く観光通りの段差は思いっきりひなたで死ぬほど暑いんだけど、周りのお土産物屋さんとも離れていてやりやすい場所。路上ミュージシャンなんだから暑さ寒さはお友達だ。熱中症かかってきやがれ。そんなヤワじゃねぇぞ。ウオラアアアアアア!!!気合いいいいいいいいい!!!!!10分後。茹でアジア人、一丁あがり。死ぬ…………マジで死ぬほど暑い…………シチリアの太陽エグすぎる…………日陰だったら全然汗もかかないくらいなんだけど、太陽の下に出るとマジで焦げるほど暑い。根性だー…………根性だぞー…………と歌っていると、そこに1人の地元のおじさんがやってきた。あ、前回やった時も声をかけてくれたおじさんだ。するとおじさん、俺たちの前にキンキンに冷えたお水のペットボトルを置いてくれた。神いいいいいいいいいいいい!!!!!!このタイミングで冷えたお水の差し入れとか神いいいいいいいいいいいい!!!!!!「また戻ってきたんだね。ところでグレイトフルデッドでなにか演奏できないかい?」ぐおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!イタリアでグレイトフルデッドのリクエストもらったフオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!テンション上がるううううううううううううううえううええうえええうううう!!!!!!!あああ、老化止まるううううう………………「フミ君、老化が止まるってどういうこと?」「ほーらほら、僕の手に触れごらん~~。ズギュウウウウウン!!直は素早いんだぜ、パワー全開だぁ~~~~、グレイトフルデッドの直ざわりはよおおおお!!」というわけでカンちゃんをシワシワのお婆ちゃんにしてしまったところで、今度は1人のおばちゃんがコインを入れながら声をかけてくださった。「あなたの歌、ベリ~ッシモよ!!ベリ~ッシモ!!」はっ!!!!このおばちゃん…………まさかベイビィフェイスの本体!!!!!「いやぁ、あなたの歌はベリ~ッシモだわ。ところでこちらの本を見てもらえないかしら。この中であなたの好みはどれかしら?」「きゃあああああああ!!!!!」と、無数のキスのパターンが載った本を見せられておばちゃんと舌を絡ませた変態みたいなキスをしないといけなくなったところで、CD買っていただきました!!おばちゃんありがとう!!!いやぁ……………イタリア、ジョジョネタの宝庫だわー…………………地元の絵描きのおじさん、トトっていうトイプードルを飼ってる近所のおじさん、みんな、おー!戻ってきたんだね!って笑顔で声をかけてくれる。向こうのほうにあるパスティツェリアのお姉さんは、いつもユアソングになるとお店の外に出てきて一緒に口ずさんでくれる。町の人たちみんながすごくウェルカムで、こんな世界中から観光客がやってくる観光地なのに優しく受け入れてもらえたことがすごく嬉しかった。でも中には受け入れられてない人たちもいる。それは路上の物売りさんたち。肌の浅黒いバングラデシュの出稼ぎ移民の人たちなんだけど、みんな路上でぺったんこのスライムやセルカ棒、ケータイバッテリー、サングラスなんかを売っており、それがタオルミナの小さな町の中にマジで10メートルおきとかに陣取っている。何十人もいる。見てると結構売れてるし、ここならかなりいい商売なんだろうけど、みんなめっちゃキョロキョロして警察が来ないか警戒しながら隙を見て売ってる感じだ。実際警察が向こうからやってきたら、2秒で品物をまとめて裏路地に逃げ込み、またすぐに戻ってきて何事もなかったようにぺったんこぺったんこを始める。ここまで怯えながらやるのって精神的に嫌だよなぁと思いながらいつも見てるんだけど、今日はまたすごいことが起きた。俺が歌ってる場所の目の前にも彼らバングラデシュの人たちがサングラスとセルカ棒なんかを売ってるんだけど、まぁお互い路上の人間なので干渉することなくやっていた。見てるとケータイバッテリーとかぺったんこスライムとかよく売れている。彼らはお金を受け取るとキョロキョロしながらすぐに懐にしまっていた。その時、向こうからスクーターに乗った警察2人がブイイイイイインとやってきた。私服警官だったことで、気づくのが遅かったバングラデシュ人たち。スクーターが目の前に来て注意されて初めて気づき、慌てて品物をかかえて裏路地に逃げ込んで行った。これがまた追い払われる犬みたいな目で怯えながら逃げるもんだから、なかなか見てられない。そしてスクーターがどっかに行くと、ビビることにまた出てきて地面に品物を並べるバングラデシュ人。今の今でよくまた続行するよなぁ………………根性が違うわ……………そして30分くらいしたところだった。スクーターがすごいスピードで走ってきた!!あまりのスピードと、ちょうどお客さんが食いついてるところだったので逃げ遅れたバングラデシュ人!!!品物をほったらかして自分だけ裏路地に走って逃げていった!!!すると私服警官さんは残された品物を足で蹴っ飛ばし、拾い上げて全部横のゴミ箱にぶち込んだ。あまりの出来事にあたりが軽く騒然となった。お客さんだった女の人が、ケータイバッテリーを持ちながら、これどうしたらいいの?って顔をしてる。買おうとしてたらいきなり逃げ出したからどうしたらいいかそりゃわからんわ。私服警官が、持ってけ持ってけと手を振り、女の人は困惑しながらもバッテリーを持って歩いて行った。その間もずっと目の前でイエスタデイを歌ってる俺。イエスタデイの悲しいメロディを背に走っていくバングラデシュ人の哀愁半端なかった…………俺もいったら同じ路上で稼いでる人間。でも何も言われないんだから、きっと彼らはもう何十回、何百回も注意されながらずっとずっとやり続けてるんだろうなぁ。俺はいつもすぐやめるようにしてるけど、本当、稼がなきゃいけないっていう覚悟が違うわ。汗だくで1時間半やってお昼の部を終了。あがりは60ユーロってところかな。やっぱりこの町はお金持ちばっかりなのでチップの単価が高い。それからパスティツェリアに入ってお昼ご飯&ネット作業。エスプレッソが2ユーロ、250円。ほうれん草とモッツァレラのパンが3.5ユーロ、430円。高いなぁ………………田舎のローカルなら全部半額だよ。でももうこの町にはこれ以上安いところはないのでそこで集中して作業し、日が陰ってきたところで後半戦スタートだ。18時からまた1時間半!!!もう日陰になってるから茹で上がることもなくがっつり!!!!シエスタが終わって人通りが増えてきたんだけど、俺が歌ってるのはローマ劇場に続く観光通り。営業時間が終わったら観光客は歩かなくなる。だいたいここで20時まで、1時間半。あがりは順調に60ユーロくらい!!ああ、ご飯こんなんばっか。ケバブ食べたい…………よーし、今日はまだ終わらんぞ。夜になり旧市街に街灯がともり、ロマンチックな雰囲気に包まれているメインストリート。人々は誰もがディナーに行くためにドレスアップしており、なんかもう町全体がファッションショーですか?ってくらいに上品なことになってる。お婆ちゃんもドレス、お爺ちゃんもシャツに素足革靴だ。このメインストリートでやらかしたらどうなる?かなり怖い。こんな耳の肥えた大人たちに歌を聞かせていい反応がもらえるのか?ただのゴキブリ扱いで殺虫剤を吹きかけられるか?暖色のオレンジで、イタリア映画の中みたいに美しく浮かび上がるタオルミナのメインストリート。ふぅ、やるしかないよなぁ。やるしかない。もうすでに3時間やってるし、太陽で疲れてしまっているけど、このタオルミナで稼いでおかないとこの先のナポリやローマでお金が尽きてしまう。気合いだ。そして雰囲気を壊さないようにロマンチックさを演出すること。店が閉まったメインストリートでゆっくりとギターを鳴らした。マジ大フィーバー。コイン舞う舞う。お札舞う舞う。常に人だかりができ、多くの人が周りに腰掛けてカップルで寄り添って演奏を聴いて行ってくれる。もうガッチリはまった。この暖色にライトアップされた旧市街にポロポロとソフトな演奏が完璧マッチしてた。高級保養地でただの弾き語りに何ができる?と思ってしまいそうだったけど、いい仕事ができたと思った。残念ながら上のアパートのお爺ちゃんから、ごめんやけどそろそろ終わってなと優しく注意されてしまったので、50分で終了。場所選び大事。今日のあがりは日中が3時間で124ユーロ、夜の50分で95ユーロ、計219ユーロ、27200。うおらああああああああああああああああああああ!!!!!!イタリアで200超え出したぞコノヤロウオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!人通りはまっだまだいくらでもあるけど、今日はもう疲れたのでこの辺で終わることに。明日はもう無理して日中に死ぬほど焦げながら歌うよりも、夜一本で絞ったほうがいいかもな。やっぱりイタリアは夜だわ。観光地の夜。やっと見えてきたけど、これがイタリアの路上だ。「カンちゃん!!今日はもう飲ませてください!!冷えたやつ飲ませてください!!!」「フミ君お疲れ様!!今日は冷えたの飲んでください!!!あそこの商店で買ってくるね!!……………フミ君!!ビール3ユーロだって!!」「た、高え!!!!普通1ユーロで買えるのに!!!でももう今日はいい!!やっちゃおう!!!!」イタリアってスーパーマーケットで冷えたビールが買えないんだよな。なので冷えたのが飲みたかったら商店とかパスティツェリアで買うしかないんだけど、そうなると高い。こう暑いとやっぱりどうしてもキンキンのビールが飲みたいよ!!!!時間はすでに24時過ぎ!!水場で水を補給したらいつもの寝床から移動して東側に壁のある駐車スペースを探し出してそこに寝床決定!!これで朝日の陰になるから快適に眠ることができる!!!車を止めて、サイドブレーキを引き終わるか終わらないかくらいでアル中の勢いでビールらっぱ飲み!!!!ぬおおおお!!!美味すぎて死ぬ!!!!!!あんだけ太陽浴びて汗だくになった体に冷えたビールがただの麻薬!!!!そして車の陰で全裸になって火照った体にペットボトルの水をぶっかける!!!!ひゅおおおおおおお!!!!気持ちいいいいいいい!!!!!ああああ!!!!イタリアやっとつかめてきたぞおおおおおおおお!!!!