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タオルミナで稼げるか



2017年6月8日(木曜日)
【イタリア】 タオルミナ





目がさめると目の前に広がるアドリア海。




なんて贅沢な車中泊だろ。


ここはシチリア島の保養地、タオルミナの高台。








憧れのシチリアにやってきて2日目。

昨日は早速海水浴もしたことだし、今日は路上やってみよう。


この高級保養地で路上なんてできるのかわからないけど、とにかくチャレンジだ。
















太陽がサンサンと降り注ぐ中、坂の多い町を朝から汗だくになってギターを担いで町の中心部にやってきた。


歴史的な石の門が町の入り口になっており、中に入ると一瞬でタイムスリップ。













古くからこのあたりの街道になっていたのか、長いホコ天がどこまでも続いており、反対側の門までの数百メートルの間にたくさんのお店が並んでいる。


ちょうど真ん中に教会と展望台の広場があり、カフェやレストランが散らばり、とにかく洗練された大人の観光地だ。



歩いてる人たち全員もれなくお金持ちオーラバリバリで、お店も高級なセレクトショップが多い。


紳士服のお店のショーウィンドウには10万を軽く超えるジャケットがマネキンに着させられている。



























日本人の姿もたくさん見られる。


たださすがにシチリアに来る人たちはファッションも違っていて、短パンにサングラス、靴下を履かずに革靴というスタイルの人たちが多い。



みんなシチリアに来るってことでオシャレしてきてるんだろうなぁ。



とりあえずバッグパッカーは1人もいない。



















そんな町の中を歩いていると、不思議なキャラクターをあちこちで見かける。


まずこいつ。






怖えええ!!



どう考えてもホラー的なキャラにしか見えん…………





これはシチリアの州旗にも描かれているシンボルで、トリナクリアと呼ばれるキャラクターなんだそう。


お土産物屋さんでもこいつのマグネットとか売ってるけど、怖すぎて夢出てきそうやわ。










そして同じく町の色んなところで見かけるこの男女の顔の像。




植木鉢になってて、よく民家のベランダに置かれてる。


いかつい鼻ひげの男性と美しい女性がセットになっていて、きっと昔の王様と王女様がモデルにでもなってるんだろうなぁと思いつつ調べてみた。







約千年前、シチリアはイスラム帝国に支配されていたようで、中でも西部の港町、パレルモはイスラム文化が花開いた美しい町として現在でも世界有数のイスラム建築が残る町として知られている。



昔々、そのパレルモを1人のアラブ男性が歩いていたところ、民家のバルコニーにいる美しいシチリア女性を見かけた。


当時女性は外を出歩いてはいけなかったようで、退屈そうにバルコニーにいたらしいんだけど、あまりにもその女性が美しかったのでアラブ男性は猛烈にアタック。



女性はアラブ男性を家に招き入れ、2人はベッドを共にする。





しかし翌朝、アラブ男性には妻と娘がいることが発覚。


すでに恋に落ちていた女性は、アラブ男性を離したくなくて首を切ってしまったそう。



そして何を思ったかその首をバルコニーに置いて頭にバジリコを植えるという荒技に出る。


するとバジリコはぐんぐん成長。



通りかかる人たちも、おお、その植木鉢めっちゃ育ちがいいやんけ、と生首であることをオール無視で人気爆発。


パレルモの陶器工房にはアラブ男性の頭の植木鉢の注文が殺到。



女性は、これであなたといつも一緒ね、1人で家にいても寂しくないわぁ、とご満悦になった、ということ。





いやー、美しい言い伝えですね、ってなるか!!!!


怖すぎるやろ!!!!!!


そこらじゅうの民家のベランダにこの植木鉢が置かれてるけど、見るたび怖いわ!!!!






いやぁ、シチリア、怖いです。



















というわけで路上かましてみましょうか。





通りのお店に邪魔にならないように場所を吟味して演奏を開始すると、早速観光客からコインが入った。


コンスタントに入っていくチップ。


おお、やっぱりイタリアは観光地だなぁ。



道幅もちょうどいいので声が響いてやりやすい。










そんな路上で気になるのは、物売りの人たち。



肌の黒いインド系の人たちが地面に布を敷き、その上にオモチャやケータイバッテリー、セルカ棒を並べている。








みんな手に柔らかいスライムを持っており、それを地面に置いた板に投げるとぺったんこと潰れ、ゆっくりムニュ~と元の形に戻るというオモチャを売っている。



みんなこのぺったんこを売りまくっている。





それがマジでビビるくらいおりまくる!!!



10メートルおきくらいにホコ天に陣取ってぺったんこぺったんことスライムを投げている。




そして面白いのは全員めっちゃキョロキョロしてること。

ものすごい周りを気にしている。



違法行為丸出しですオーラをほとばしらせながら、ぺったんこぺったんこと投げ潰している。






そうして向こうから警察がやってきた瞬間!!




商品ごと布を丸めて全部抱えて1秒で跡形もなく姿を消した。




警察が通り過ぎたら、また路地裏からキョロキョロしながら出てきて、すぐに布を広げて品物をセッティングしてぺったんこぺったんこ。



セッティング時間短すぎ。







この前アルベロベッロにもいたということは、きっと彼らはバングラデシュの出稼ぎの人たちなんだろうなぁ。


みんな仲間なので、それぞれが携帯で情報を流しあっており、うまいこと警察に見つからないよう稼いでるんだろう。





ていうか警察が気づいてないわけないよなぁ。


見て見ぬ振りしてあげてるんだろうな。




そんなことを考えながら歌ってるとまた警察が向こうからやってきて、瞬きの間に消え去るバングラデシュ人たち。



警察、俺の前は素通り。



みんな苦労して稼いでる。



















日が昇って影がなくなり、死ぬほど熱くなってきたところで町はシエスタに突入して、俺もここで休憩することに。



タオルミナは観光地なのであんまりシエスタは関係なさそうだけど、それでも店がたくさん閉まるので人通りも減る。


なにより頭が焦げそうなくらい太陽がキツイのでやってられない。



シチリアの太陽半端じゃない。















そんでカフェに入ってエスプレッソ飲みながら作業していたら、ここでカンちゃんの得意技が出た。



秘技、ワイファイパスワード当て。





もうカンちゃんのこのワイファイパスワード当ての確率がすごすぎてビビる。


鍵のかかってるワイファイにあてずっぽうでパスワードを入れて解読するとか、ほぼ奇跡ですよ。



それをカンちゃんはだいたい月1くらいで繰り出します。





カンちゃんが言うにはちょっとしたコツがあるらしく、店名からの2017、というのが1番多いパターンなんだそう。


例えばcafe siciliaって店だったら、cafesicilia2017って感じ。



もちろん当たる確率は低いけど、どうしてもワイファイに困ってる時はお試しください。












広場にいる2人組みの地元パフォーマーさん。





ケセラセラとか古い有名な曲を明るく演奏してるんだけど、シチリアの太陽と良く合ってすごくカッコイイ。







小さな町では三輪オートが大活躍。






















お昼ご飯というか早い晩飯にピザを食べ、シエスタが終わる17時くらいになったら後半戦スタート。


今度はメイン通りからのびる人通りの多い脇道のほうでやってみることに。



ここなら周りにお店がないのでのびのびやれるぞ。



















近所の人たちや向こうで絵を売ってるおじさんたちに声をかけてもらったりしながら、ほのぼのとしたいい路上。


ああ、タオルミナいいなぁ。



警察にも注意されないし、地元のお店の人たちもすごくウェルカムだし、行き交うのは毎日入れ替わりの観光客。




有名観光地なのでどうかなとは思ったけど、ここは馬鹿騒ぎのお祭りシティーなんかではなく、どこまでも優雅で上品な大人の保養地。


みんな笑顔でサッとお金を入れて行ってくれる。




花が咲き誇り、古い石造りの建物が並び、オシャレなレストランが散らばって、本当に心から平和なところだ。


誰もがこのシチリアの特別な空気を満喫して、穏やかな顔をしている。




その空気を壊さないよう、ポロポロと雰囲気を重視してアレンジしながら演奏した。




まぁ、死ぬほど暑いんだけど………………



太陽に焦がされ、暑さにチューニングが狂いながらも根性で歌った。









お婆ちゃんでもオシャレやなぁ…………素敵だ。




















「素晴らしいよ。もしよかったら今夜ご飯を作るから僕らの泊まってるホテルに遊びに来ない?」



歌ってるところに声をかけてくれたのは中国人のご夫婦だった。


美男美女のお2人で、きっと中国でもお金持ちなんだろうなってのがわかる教養のあるオーラが漂ってる。


奥さんが料理を作るからホテルに遊びに来てねということだ。





いや、ていうかまだロクにお互いのこと話したりしてないのに、いきなりそんなお誘いしてくれるなんて結構驚いた。


もちろん断る理由なんてないけども。




20時に路上を終えると、迎えに来てくれた旦那さんと一緒に2人の泊まってるホテルに向かった。


今日のあがりは3時間で111ユーロ、13700円。

















ホテルは市街地の門のすぐ外という好立地にあった。




アットホームな感じのところで、室内にキッチンやシャワーもあり、長期滞在できそうないい部屋だ。




「2人はどこに泊まってるの?」



「あ、俺たちはレンタカーに泊まってるよ。」



「ワオー!ニーハオニーハオ~!!」




英語の喋れない奥さんがそれを聞いて興奮してる。




「いやー、ワイフもそういうことをしてみたいって言ってるよ。まぁ彼女には無理だと思うけどね。」



「うん、やめといたほうがいいと思うよ。ところでこのホテルって1泊いくらなの?」



「125ユーロだったかな。でもこの町では安いほうだよ。」




1泊15500円…………


ぜってーこの2人金持ち……………
























奥さんが作ってくれた料理はどれも最高に美味しかった。


慣れない食材や調味料を使いながらでもちゃんと中華風になっていて、家庭料理の味にすごくホッとした。



中国を旅していた時のことを思い出すなぁ。


みんなで食卓を囲んで食べたあの味だ。





本当は今日はレストランに食べに行くつもりだったという2人。


それを俺たちを見かけてからスーパーに食材を買いに行ってくれ、お誘いしてくれたという。


優しすぎるよ…………











2人は深圳に住んでいるという。


旦那さんのジミーはウェブデザインの仕事をやっており、奥さんのウーピンちゃんは輸入ワインの販売をやってるとのこと。



うおお、いい仕事してるやん。




「中国の人ってワイン飲んだりするの?」



「んー、今どんどん一般的になってきてはいるけどまだまだかな。ワインを飲んでたら上流階級、ってイメージ。それに赤ワインをありがたがる傾向だから僕たちが白の良さをこれから広げていかないといけないんだ。」



「ニーハオニーハオ、マーボードーフ!!」




英語がまるでダメなウーピンちゃん。


でもひるむことなく普通に中国語でガンガン喋るのが可愛い。



まずジミーに言って通訳してもらう、って流れではなく、そのまま俺たちに中国語で話してくる。


明るくて元気で、きっと周りから好かれる人気者なんだろうなぁ。






ジミーはゆっくりと丁寧に喋る冷静で知的な雰囲気。


でも俺たちの写真を撮るたびに、これ1枚10ユーロだけど買うかい?なんてジョークを言ってくるユニークな人。



2人ともすごく柔らかい空気で、なんだか昔からの友達みたいな感覚ですぐに仲良くなった。




「僕らは人と会うのが大好きなんだ。新しい出会いは素晴らしいよ。」




最初はいきなり誘われてちょっとビックリしたけど、この2人と話していたらすぐに納得した。



あー、めっちゃ楽しいやん。


この2人好きだわー。

















ご飯を食べ終わったら夜の町に散歩に出かけてみた。


これだけの保養地。そりゃ夜になればロマンチックに盛り上がってるんだろうなとは思ってたけど、実際来てみるとそれはもうロマンチック界のラスボスみたいなことになっていた。











もう歩いてる人たち、全員ジョージクルーニーとぺネロペクルス。


ジョージとぺネロペが暖色の街灯に照らされながら旧市街を優雅に歩いていた。




みんな昼間のカジュアルな服装とは違ってドレスアップしており、高級そうなジャケットとドレスでマジで住む世界が違いまくる。


葉巻をくわえたオッさんがブロンドのエロエロした若い女の子を連れて歩いていたりするけど、きっととんでもない金持ちが愛人連れてシチリア旅行っていう構図なんだろうなぁ。



うわー、ヨーロッパあるあるだったりするのかなぁ。











中央の広場に行くと、たくさんあるレストランが全て生演奏を繰り広げており、あっちでジャズ、あっちでピアノ弾き語り、向こうでサックスと、もうすっごい賑やか。


でもそこはタオルミナ。


クラブミュージック垂れ流しで発狂してるような若者は1人もおらず、おじさんおばさんが上品にワイングラスを傾けながら拍手している。




似顔絵を描いてもらってるカップル、

ジェラートを食べる家族連れ、

サッカーボールで遊んでる地元の男の子たち、




人通りはとにかくハンパじゃなくて、もうなんかお祭りか?ってほどに溢れかえっており、誰もがこの気持ちのいいシチリアの夜に酔いしれていた。





「フミたちはローマ劇場には行ったの?」



「え?なにそれ。」



「えええ!?タオルミナに来ててローマ劇場知らないの!?フミたちが歌ってた路地の先に大きなローマ劇場の遺跡があるんだよ!!ホラ、これが写真。」




ジミーに写真を見せてもらうと、巨大な円形のローマ劇場が写っていた。


古びて半分崩れてはいるけど、規模はかなり大きなもので、劇場の背後には高台からの海が広がっていた。




ちょっ!!どうやらこれがタオルミナの観光の目玉!!!


俺たちなんも知らない!!!


なんも知らんで明日出発しようとしてた!!!






すげえええ…………こんな山の上に海を見渡す劇場が作られていたんだ。


しかも海を背後に。


タオルミナって古くからの格式ある保養地だったんだなぁ。




「いやー、少し前にここにG7が来てたんだからすごいよねぇ。」



「え?どういうこと?」



「ちょっ!!10日前にG7の代表がこのローマ劇場に来てたこと知らないの!?」





ええええええ!!!!!


マジで知らんし!!!!



てことはトランプとか阿部さんとか来てたの…………!!!


こんな小さな町に!!???



タオルミナすげぇ!!!!











いやー、タオルミナ。

山の上に築かれた隠れ里のような高級保養地。


中世の美しい町並み、

映画の撮影が行われるような美しい海、

ものすごい数の美食レストラン、


さらにはローマ帝国時代の劇場跡があって、山の上にはお城の廃墟まである。




観光地だけど、地元の人たちの暮らしが普通に垣間見られるし、そんなにケバケバしていないのが嬉しいし、なんだタオルミナめちゃくちゃいいところやん。











夜風が気持ちいい。

月が輝き、海に落ちて溶けている。


広場ではカップルたちが寄り添って抱き合っていた。



















まだ飲み足りなかったので、それからもう1本白ワインを買い込んでホテルに戻り、遅くまでお喋りした。


2人が住んでいる深圳は香港の真横にある大きな都市で、俺も香港に行く時に電車の乗り換えで歩いたことがある。


モダンなビルが立ち並ぶ洗練された都市だった覚えがある。






でも昔は裕福な香港が真横にあることで、香港の金持ちたちが深圳にセカンドハウスを買い、さらに美しい女を囲っていたんだそう。


深圳の人たちは仕事を求めて香港に行こうと泳いで渡っていたらしく、多くの人が警備の人たちに撃ち殺されたりしてたみたい。





それが時が流れて今では香港は経済がガタガタ。


香港の人たちが深圳に仕事を求めてやってくるような時代になったんだそうだ。



面白いなぁ。


こんだけ巨大な中国だもんなぁ。国中に面白い話が溢れてるんだろうなぁ。





「俺、前に中国で体調を壊してズタボロになってる時に、現地の人に助けてもらったことがあるんだよ。ご飯を食べさせてくれて、泊まるところを提供してくれて。本当に感謝してる。中国は大好きな国だよ。でも未だに中国のこと悪く思ってる日本人がいるんだよなぁ。」



「メディアがコントロールしてるよね。中国でも日本のこと嫌いな人はいるよ。でもそんなのバカバカしいことさ。僕のお爺さんは戦争で日本兵に殺されている。でもそれは過去のことだよ。」





その事実にドキッとしてしまったけど、ジミーは冷静に知的に、そう話した。


人と出会うことが大好きだというジミーの言葉がすごく重く感じられたような気がした。




「フミはブログをやってるんだ!!なら僕たちの写真も使ってね!でもハンサムなのだけ使ってくれよ。それか写真を送ってくれたら僕がフォトショップで編集するよ。はははは。」





結局24時近くまで一緒に飲んでた。



あー、めっちゃ楽しい。







~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


カザフスタンのホテルをアゴダでとってくださったかたがいました!!


ちょ!!カザフスタンとかビビる!!!中央アジアはまだ行ったことのないエリアだからカザフスタンがどの辺なのかも全然わからん!!

あー、いつか中央アジア突破やってみたいなぁ。


どうもありがとうございます!!

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