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ついに夢にまで見たシチリア



2017年6月7日(水曜日)
【イタリア】 ビラサンジョバンニ ~ タオルミナ






高速道路のサービスエリアで目を覚ました。






大きなトラックが並ぶ駐車場に俺たちのシュコダがある。


目を覚まし、トイレで歯を磨き、さぁ心の準備はできている。


ついに夢にまで見たシチリアだ。

















サービスエリアを出て走っていくと、すぐにブーツのつま先にある港町、ビラサンジョバンニのインターに着いた。


もはや海の向こうに島が見える。




あれだよおおあおお、あれがシチリアだよおおおおおお、



ニューシネマパラダイス、ゴッドファーザーなどなど、数多くの映画の舞台になっているこの島。



映画好きにとったら聖地というか、外国の小さな島でありながら画面の中で何度もその風景を見てきた故郷のような場所だ。






そしてもちろん、ここは地中海に浮かぶ島。



美しい海が広がり、太陽が降り注ぎ、レモンの木がしげり、世界中の美食家たちを虜にする料理に溢れている。


あーもう、シチリアは今回の南ヨーロッパ旅のメインの場所といっても過言ではない。

















さああああ!!!!シチリア行くぞおおおおお!!!!と高速のインターを降りた。




え?あれ?料金所は?




え?もう一般道に出たよ?






まさかの高速道路無料という大盤振る舞いですかドンコルレオーネさん。





「カンちゃん!!高速料金ういたよ!!これで今夜なんか食べちゃう!?」



「私たちすぐ調子に乗る!!でも食べたいいいいいいい!!!!」




20ユーロくらいに覚悟していたのにまさかの無料!!



よっしゃ今夜は浮いたお金で美味しいシチリアグルメいっちゃうかああああ!!!!


うん!!!調子に乗りすぎ!!!!そんな稼げてないのに!!!!



まぁいっか!!シチリアやし!!!!



シチリア来て美味しいもの食べんかったら犯罪やわ!!!!!

















ビラサンジョバンニのインターから港まではすぐ近くで、坂道を下りていくとあっという間にフェリーポートに着いた。


まずは道路脇にある機械でチケットの発券。


予約番号を入力したらすぐにチケットが出てきた。



チケットの値段は車と大人2人、往復で9700円。


3ヶ月間のオープンチケットで、いつ帰ってきてもいいってやつだ。
















そうしてフェリーポートの奥に進んでいくと車の列ができており、後ろに並んでゆっくりとフェリーに乗船。



イタリア本土からシチリアはとても近くて、わずか20分ほどで渡ってしまうんだけど、あんまり楽しみなので車から出て甲板に行ってみた。




ゆっくりと進んでいくフェリー。


下を見ると、海が驚くほど鮮やかだ。


青い!!!











たくさんの人が手すりから体を乗り出して写真を撮っている。


みんな、シチリアに渡ることに興奮しているのが伝わってくる。



















船はあっという間に対岸に到着した。



さああああああ!!!!シチリア上陸だぞおおおおおおお!!!!



やべえええええええ!!!!ここシチリアーーーーーー!!!!!







着いたのはメッシーナという港町で、ここがシチリアの玄関口だ。






うわあああ!!!すっごい昭和!!!!

建物が古い!!!







古いといってもヨーロッパの中世的な古さではなく、公営住宅みたいなくすんだコンクリートのアパートだ。


ベランダの手すりがさびついて、外壁は水あかでいっぱい。








そんな足元を走っていくんだけど、まぁ道が狭い。

みんな無法地帯くらいに路駐しまくっており、町自体もゴミゴミしていて、走りにくい。




道路脇では軽トラの移動販売が魚や野菜を売っている。


値段を書きなぐった紙がいっぱい並べられ、そこで人々がお買い物をしていた。











憧れ続けたシチリアの最初の風景はそうした雑然としたものだった。


それがあまりにもノスタルジックだった。


どこか懐かしい昭和の風景。







シチリアは洗練された地中海の島?

いや全然違う。


島の人々の素朴な暮らしがそのままに残る、飾らない田舎の島なんだ。


それがうれしくてたまらなかった。




写真を撮っていたら屋台のオッちゃんがこっちに親指を立ててきた。


人があったかいなぁ。






















「よっしゃー、まずはタオルミナ行ってみようかー。」



「いえーい!それなに?」






海沿いの田舎道を南に下っていく。



これからこのシチリア島をどうやって回っていこうか。


いや、そりゃもう決まってますよ。



ニューシネマパラダイスのロケ地巡りに決まってるじゃないですか!!!!





シチリアの奥地、西側の山の中に、あのシネマパラディソの村が現在も残っているらしい。


映画館があった小さな広場、人々が水汲みをしていた水場、アルフレードの家、



あの寂れた小さな村は、この島に実在している。



行くしかねぇ。

もうそれが唯一最大の目的。







あとはのんびり気の向くままに色んなところに行き、美しい海で泳ぎ、美味しいシチリアのご飯を食べることができたらそれでいい。


無理してたくさんのところに行くよりかは、気にいったところに何日か滞在してじっくり地元の人たちの生活を見てみよう。





まず向かうのはタオルミナという町。


シチリア、海、と検索をかけたらまず最初にこの町の名前がでてきた。


なにやらあの有名な映画、グランブルーの撮影が行われた場所らしく、リゾート地になっているんだそうだ。



まずは手始めにそこからスタートしてみよう。


















ていうかシチリア島民、イタリア本土よりさらに運転が荒い!!!!






マジで平気で信号無視して突っ込んでくる!!!



こっちが優先道路とか一切関係なく飛び出してくるから危なくてしょうがない!!!




優先道路ならば普通こっちが道を譲ってあげる決定権を持ってるけど、譲らなかったら事故るタイミングで、はいどうもーって出てくる。





車は何十年も前のオンボロが多くて、そんなの最近見たことないわ!っていうようなレトロなやつが普通に走ってる。


運転してるのもジヤンばっかりで、のどかっちゃのどかだけど、島ルールの運転をしてくるので相当危ない。





狭い町の中では、ジヤンが道の真ん中に車を止めて対向車のジヤンと横に並んで窓を開けてお喋りしている。


後ろに車がつかえてるのに、お友達とのお喋りが優先される島ルール。




いやぁ、危ないけど、こういうところ島空気だよなぁ。















「あー、なんか懐かしくなる道やわー。ここ淡路島?」



海沿いの田舎道は確かに日本の南国の島の雰囲気。


もともと淡路島で生まれたカンちゃんがそう言ってる。






そうしてしばらく走っていくと、急な上り坂になり、木々がしげる山の上へと入っていく。



くねくねのカーブが連続する細い坂道の両側に古めかしい民家が並んでおり、こりゃ本当に瀬戸内のどっかの雰囲気にそっくりだ。


カーブの向こうに瓦屋根の日本家屋が現れてきそう。



どうやらこの山の上に築かれた小さな町がタオルミナのよう。















山の上の斜面に作られた町なので道はどこも生活路地くらいに狭く、車2台がなんとか通れる細い細い道。



そんな道を何度も曲がって奥のほうへと入っていくと、パッと視界の開けた場所があった。



お、ここに車止められそうだな。



町の中心部から程よく離れているのでとても静かだし、ここならゆっくり眠れそう。


よし、タオルミナの寝床確保。







ていうか車を止めた目の前に広がる景色!!!






タオルミナは海に面した山の上にあるので、遠くまで景色を見晴らすことができ、あまりにも美しい!!!


山々と海、砂浜、散らばる民家、


いつか夏休みで家族に連れて行ってもらったどこかのビーチみたいに、心に触れるこの風景。




「カンちゃん、これもうイッちゃう?」



「イッちゃいますか?こんなに天気いいし!!!」




というわけで、もうこのままソッコーでビーチに行ってしまうか!!ということに。


イヤッホゥ!!ビーチ行こうぜって言って、目の前に最高に綺麗なシチリアの海があるっていう、なにこの幸せすぎる状況!!!













俺たちが車を止めたのは町とビーチを繋ぐ道のちょうど真ん中あたりで、水着を着てのんびり坂道を下りた。



もうただの歩道ですらたまらなく綺麗。




何気ない生活路地、輝く色とりどりの花、坂の下の海。


マジで心の琴線に触れるいつかの夏休みの風景。



虫かご持って、カブトムシ捕まえて、木の実かじってたあの頃がふわっと浮かんでくる。


















なんだろう、この自由感。


ここではなんでも許されそうな、とてつもない開放感に飛ばされそうだ。



あー!!シチリアやばすぎるぞ。
























民家の軒下をくぐって、野良猫を触ったりしながら坂道を下りてくると、いくつかの商店が並ぶ車道にでてきた。




あちこちで水着とかゴーグルとか帽子なんかが売られてて、すでに上半身裸のオッちゃんとかが歩いている。


いやぁ、こんなのもまた田舎の海水浴場って感じだなぁ。



まだご飯を食べてなかったので、そこらへんの小さな食堂でパスタをお持ち帰りしてビーチで食べることに。


ジェノベーゼパスタ、5.5ユーロ。680円。

























古びた石段をくだっていくとそこにはワクワクしてくるようなビーチが広がっていた。



おおおおー!!海きれいーーー!!!



カフェのパラソルがいくつも波打ち際に並び、欧米人観光客たちが優雅に日光浴をしている。



いやぁ、素敵だなぁ。



っておおおおおおおおおおおおおおおおおおい!!!!





「カンちゃん!!カンちゃんアレ!!大変だ!!!」




ビーチで寝転がってる女の人がオッパイ丸出しになってる!!!!


しかも超スタイルのいいモデルみたいなど美人!!!!




「カンちゃん大変だよ!!!オッパイ丸出しでみんなに見られてるよ!!!教えてあげないと!!!!そのうち揉まれてしまう!!」



「大丈夫やよー、フミ君。誰も揉んだりしないからね。バリにはトップレスの人とか普通にいるよー。」




はぁはぁ…………焦るわー……………



あんなに人のオッパイ丸だしなの久しぶりに見たわ……………











もうちょっと奥のほうに行くと小さな森の島がポコンと海に浮いているところがあり、その周りでたくさんの人たちが寝そべったり泳いだりしていた。

















ここが有名なイゾラベッラだ。


確かに海は綺麗だけど、まぁそれほどでもないし、なにより小ぢんまりしたファミリービーチって感じだ。魚もいない。



アドベンチャー感は皆無の、平和な空気に包まれたリゾートビーチ。






俺たちもそんなビーチに座り、ジェノベーゼパスタを食べながら冷えた炭酸水を飲んだ。



あー、炭酸水美味しい。

イタリア料理と炭酸水の相性最高やな。































それからカンちゃんとパチャパチャ泳いだ。


さすがにまだ水温は低くてずっと入っていられないくらい冷たかったんだけど、降り注ぐ太陽のおかげですごく気持ちいい。



あー、今俺たちシチリアの海で泳いでるー。


憧れのシチリアの海だよおおおおお…………







少しして海から上がって岩場で温まっていたら、アジア人のおばちゃんが近づいてきた。


なにやら古びた小冊子を見せてきて、俺の肩をモミモミしてくる。



このおばちゃんはマッサージおばちゃん。


よく見るとさっきのパラソルのところやビーチをたくさんの中国人のおばちゃんたちがウロウロしており、海水浴客にマッサージしないかいーって声をかけて回っていた。






うーん、ちょっとしてもらたい。


アジアのおばちゃんってだけでマッサージが上手いような気がする。



が、ここで値段を聞いたが最後。


おばちゃんパワーで半端ない勧誘の嵐が始まった。



値段は20分で15ユーロ。1800円。


うーん、微妙な数字…………





「オッケーな~!!オッケー!!オッケーオッケーな~!!」




全然オッケーじゃないのに俺たちの手を引っ張ってビーチに寝そべらせようとしてくる。



もうちょっとまけてくれないと嫌だよーって言っても、すでにロックオンされている。


めちゃくちゃ強引に勧誘してきて、俺たちのそばから一切離れない。



周りの欧米人たちも、このアジア人同士の決着はどうなるんだろ?とニコニコしながら見ている。



うーん、まぁ運転で疲れてるっちゃ疲れてるからなぁ。




「おばちゃん、じゃあ20分で10ユーロはどう?」



「マルゲリータマルゲリータ、マッサージ。」




おばちゃん英語皆無。


イタリア語はちょびっといけるみたい。



中国人のおばちゃん、パワフルやなぁ。









「オッケー!!オッケーな!!10ユーロ!!オッケー!!」




俺たちもそんなにお金ないので譲らずにいたんだけど、ついにおばちゃんが折れて20分10ユーロ、しかも俺とカンちゃん10分ずつという契約成立。


とうとうビーチに寝そべる俺たちを見て、周りの欧米人たちも、あー、おばちゃんに押し切られたかーと、みんな向こうを向いてこっちを見なくなった。








んで結局マッサージなんだけど、おばちゃんの手が荒れててガサガサしてて全然気持ち良くなくて、しかもオイルを塗りっぱなしで拭いてくれないのでベトベト、さらに10分ずつなのに4分とかで切り上げようとするので、ストップウォッチを見せると苦笑いしながら続けてくれたけど、それでも6分くらいで終了。



ちゃんとして!!!!



タオルミナのビーチでおばちゃんマッサージはしないほうがいいです。



















イゾラベッラのビーチはそんなに大喜びするほどのクオリティーではなかったけど、シチリアの海で泳げたって事実に大満足して、公共シャワーを浴びて車に戻った。


そして服を着替えたら今度はタオルミナの中心部に行ってみることに。



車が1速とかでグイイインと登っていく細くて急な坂道を歩いて行くと、少しして賑やかなエリアに入ってきて、その真ん中に古めかしい石の門が現れた。





そしてその門をくぐると、中は歴史あるホコ天の中心部だった。



















かなり長い距離にホコ天が伸びており、どこまでもたくさんのお店が並んでいる。


オシャレで洗練された小物やお土産物、高級そうな洋服屋さん、とにかく優雅の一言。




どうやらここはお金持ちたちの、大人の保養地って感じのところらしい。


































ホコ天の中心には大きな広場があり、教会の前が展望スペースになって、広がる水平線をどこまでも見渡すことができた。

















タオルミナはかなりの高台にあるので、どこを見ても目を見張るくらい景色が綺麗だ。



カフェのテラスにはたくさんの欧米人のおじさんおばさん夫婦が座り、ビールやワイン、エスプレッソを飲んで、水平線を眺めている。




女優帽、サングラス、ルイヴィトン、トイプードル、そんなののオンパレード。



広場には絵描きの人たちが何人もおり、タオルミナの景色を描きながら、観光客の似顔絵も描いてあげていた。




レストランのオープンテラスではピアノの生演奏がエルビスのイッツナウオアネバー。



柔らかい潮風、暖かい太陽、地元の子供たちが駆け回る声、





うわあああああ、タオルミナすげえええ……………



なんて完成された大人の観光地なんだ…………
























それにしてもこの町、レストランの数が尋常じゃない。













町のあちこち、路地裏という路地裏、階段の途中、どこもかしこもレストランまみれだ。



ここはシチリア、しかも高級保養地のタオルミナ。


世界中の金持ちたちが美食を求めてやってきてるのはわかるけど、ここまでレストランまみれの町も珍しい。



ウェイターさんも服装がバッチリきまってて、映画の中にそのまま出てきそうなくらいカッコいい。



















まぁおかげでどのレストランも激高ですけどね………………


ちゃんと食べようと思ったら余裕で50ユーロ超えてしまう……………




それはちょっと手が出ませんよ……………






エスプレッソで2.5ユーロ、カプチーノで4ユーロとかする……………



イタリアのカプチーノって1.5ユーロとかだよ?



この町、めっちゃ金持ち価格やん……………







とりあえず歩いてみた限りではバッグパッカーが行くようなボロいゲストハウスなんか皆無。


これぞ地中海って雰囲気の洗練されたホテルとかビラしかない。



きっとゲロ高いんだろうな……………
















多分タオルミナが特別物価が高い場所なだけであって、田舎はもっと地元民価格でなんでも安いはず。


それならここでほどほどの物を食べるより、田舎で良いもん食べたほうがいい。




というわけで今夜はまぁピザで節約しておくことにした。


ピザでも充分贅沢だけどね!!










あー、夢にまで見たシチリア。


明日はこのシチリアで路上やるぞー!!

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