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イギリス入国に向けての準備から割烹料亭

2016年11月16日(水曜日)
【オーストリア】 ザルツブルク ~ シュタイアー









あまりに入国審査が厳しいという噂から、前回行くのを諦めた国、イギリス。


4年前、シェンゲンのオーバーステイで強制退去をくらった俺は、イギリスに行くのを超絶迷った。


イギリスはシェンゲンじゃない。そして日本人ならばビザなしで6ヶ月の滞在が可能だ。

シェンゲンから逃げるには場所も近いし、もってこいの国。




が、調べれば調べるほどイギリスという国がとんでもなく入国審査が厳しいということがわかってきた。




アウトチケットを持っていなかったらさようなら。

滞在中のホテルを予約してなかったからさようなら。

審査官の質問にちゃんと答えられなければさようなら。



中にはツアーで訪れてるのに、団体さんの中で1人だけ入れさせてもらえなかった、なんて話もある。




あの時、金もなく、ボロボロの格好で、しかも強制退去から逃げるためにイギリスに行くというのはどう考えても厳しすぎた。



ビートルズ、ストーンズ、クィーン、フェイセズ、ずっとずっと夢中になって聴き続けた憧れのロックの聖地を目の前にしてイギリスに行かない?

音楽やっててイギリスに行かない世界一周があるのか?

音楽やってなくても、イギリスという世界屈指の有名国、歴史と由緒のある大国に行かない選択肢があるのか?




でも俺は行かなかった。


迷いに迷い、イギリスを諦めてカナダに飛んだ。


怖かったんだよなぁ…………そしておそらくあのまま無理やりイギリスに行っていたらきっと入国拒否をくらってさらに取り返しのつかないことになっていたはず。


あの時の選択は間違っていなかったはず。


そして今回の選択も。










あの入国が厳しいイギリスに行くために、今回様々な準備をしている。



まずは空港。

イギリスに行く人は一般的にロンドンインが多いと思うけど、ヒースロー空港よりもガトウィック空港のほうが比較的、審査がゆるいという情報だ。




滞在予定は10日ほどということにして、4日分のホテルの予約はすでに済ませている。

あとはカンちゃんの友達が住んでいるので、そこに泊まるとかを付け足せばいいだろう。






入国審査にのぞむ格好は、前回の旅中にはもっていなかったジャケットだ。

ジャケットに革靴。


入国審査は見た目8割り。

綺麗な格好で臨むのは必須条件。






そして所持金。

10日間滞在するのならば、滞在に必要な充分なお金を持っているのか?という質問はよくあること。

前回の旅中は小学生のほうが持ってるんじゃないかってくらい貧乏だったけど、俺たちは今充分なお金を持っている。


イギリスは厳しい国なので、銀行の口座残高の提示を求められるかもしれないので、これも準備しておくに越したことはない。








そして1番大事だと踏んでいるのがアウトチケット。

イギリスを出るための飛行機のチケットだ。



実際にどれだけいるかはまだ今のところわからない。

楽しかったら何ヶ月も回るだろうし、全然面白くない上に寒くて死にそうだったら早めに切り上げてどこかに飛ぶかもしれない。


滞在期間のケツは自由にしておきたい。そのための捨てチケットが必要になる。



これもまぁ色んな情報がある。


お隣のアイルランドに飛ぶ激安の飛行機チケットを提示して大丈夫だった人もいれば、あなたがこの飛行機に乗るかなんて誰もわからないでしょう?と言われて入国拒否をくらった人もいる。



俺たちが用意しているのはイスタンブール行きのチケットだ。

イギリスからトルコにはかなり安い飛行機が飛んでいるし、距離的にも信憑性がある。


さらに俺たちは万全を期すために、その飛行機チケットにプラス料金を払って20キロの預け荷物追加をしている。


荷物の追加料金を払ってるチケット、こいつは威力ある。

捨てチケットとは思われにくいはず。




そして今回はカンちゃんと一緒だというのもある。

ヨーロッパで結婚式をして新婚旅行がてらビートルズとストーンズの聖地を見て、トルコに飛んで美味しいご飯食べて遺跡を見て日本に帰りますーって、幸せオーラ全開で薬指の指輪をこれ見よがしに見せつければ、平和なアジア人カップルの出来上がりだ。







って、普通に平和ですけどね…………




なんかこうして書いてると、ものすごい一大ミッションを遂行しようとしてるみたいだな…………




対策を練って練ってイギリス入国に臨まないといけない。

練っても練っても練りすぎることはない。



もし入国拒否をくらったらオーストリアに逆戻り。

そうなったら二国間協定のリミットはわずか2日。


2日以内にチケットをゲットしてシェンゲンから脱出しないといけない上に、すでにイギリス滞在を見越してイギリスでの色んなものを予約しているので、イギリスに入れなかった場合、全てをキャンセルして大金を失うという爆笑パターンが待っている。




なんとしても、なんとしても!!!!!!

イギリスに間違いなく入国しなければいけない!!!!!

入国拒否くらったらマジで終わり!!!!!!






勝負の日は12月1日。

それまでカンちゃんと入国審査官との質問シミュレーションを頑張るぞ。

























ホテルで朝食を済ませてから外に出ると、朝のザルツブルクは都会の喧騒に包まれていた。

賑やかな街の中、車に乗り込んでアクセルを踏む。

助手席にはカンちゃん。いつものポジションに戻って安心する。





今日は前々からの約束で、とある人のお家にお邪魔させていただくことになっている。

結婚式が終わってすぐだけど、人と会う約束がとめどなくて、予定を組むのがなかなか大変。

でも人と会うのは本当に楽しいこと。


大好きな人から初めましての人まで、この縁このタイミングを大切にしよう。












というわけで車を走らせること3時間ほど。

シュタイアーから山に入った田舎道を走っていくと、やがて民家が散らばる小さな集落が現れる。





そんな中、1ヶ月前にも訪れたお家にやってきた。


大自然の中にたつ大きなお宅。


ピンポンを押すとドアが開いた。




「おー、ようきたなー。まぁゆっくりしとってや。今お茶淹れたるからな。」




台所でご飯を作っていたのはイケダさん。

シュタイアーの路上で声をかけてくださった、オーストリア在住40年の大阪のおじちゃんだ。


日本食が恋しくなったらいつでも遊びに来たらええよーと誘っていただいてから、前回挨拶に来て、ようやく今回こうしてお邪魔させていただくことになった。


飾らない笑顔で迎えてくれるイケダさんの大阪弁を聞くと、すごく和む。









相変わらずオシャレなお家。

広々とした空間にセンス溢れる絵画やアート作品が散りばめられており、ちょっとしたギャラリーみたいだ。






これはイケダさんの奥さんの趣味なんだろうなと思ったら、なんとこの前衛的で洗練されたオブジェ。


これイケダさんの手作り。

山の中で、岩に木の根が絡みついている様子を見てインスピレーションを受けて作ったんだそう。


感受性ハンパない。








そんなイケダさんと奥さんの手にかかったらただのテーブルの上ももうただの芸術作品。





今夜のお食事のためにランチョンマット、ナプキンが並べられているんだけど、あまりのセンスの良さにここは高級料亭か?と思えてくる。


テーブルの上に紅葉を散らすとか素敵すぎる!!!!




「ほな、今夜はここで寝てな。布団あとから持ってくるから。」



そして今夜俺たちが寝させていただく部屋。





これ………………










ただの日本っていうか高級旅館。

















畳の部屋、縁側、日本庭園。


うわあああああああああああ!!!!!

畳の匂いが!!!!畳の匂いがああああああああああああああ!!!!!


















それからはもう何度気絶しかけたことか。





シュタイアーに住んでいるオーストリア人の旦那さんと日本女性の新婚さんご夫婦もやってきて、6人の賑やかな晩ご飯が始まったんだけど…………………




「はいよー、まず前菜からなー。」













あ、あれ?



なんか、すごいのが見えるんだけど……………



ちょ、ちょっと疲れてるのかな………………







そうそう、ヨーロッパでタコの酢味噌和えとか出てくるわけないよね!!

ウナギを巻いた卵焼きとか笑っちゃうから!!

きぬさやのピーナッツ和え?

松の葉で黒豆を刺したりして、こんな粋な盛りつけがオーストリアで見られるわけないよね!!

しまいにはあえてのカリフォルニアロールですか!!



いやー!!とりあえずカンちゃん箸で思いっきりほっぺた突き刺して貫通させてくれないかな!!

目の前のことがとても現実とはオモエナイ!!!!!



















もう本当美味しい。

あんまり冗談書けないくらい美味しい。



味付け全部究極。

盛りつけさらに究極。


しかもグラスは全部、ガラス細工職人であるイケダさんの手作り。

美しすぎる切子。














前菜が終わったら次は天ぷら様のご降臨ですよ。

チンプラじゃないですよ?天ぷらです。




しかもなんと揚げて大皿に乗せて一気に持ってくるやつじゃないです。


一品一品、揚げたてをお皿に置いてくれる高級店のあれです。



「天ぷらは揚げたてじゃないと美味しないからな。」


























オクラ、ナス、きぬさや、ゴボウ、蓮根、エビ。


奇跡。


もうただの奇跡。









しかもちゃんと天つゆに大根おろしですよ。

そりゃイエスタデイはポールが歌ってるのが1番ですよ。

お母さんいい加減あなたの顔は忘れてしまいましたは遠藤ミチローしか歌えないですよ。


代用はきかないですよ。



天ぷらと天つゆ………………日本人、マジで偉大……………











もうこれだけで廃人になっていたのに、トドメのメインディシュが運ばれてきた。



ああああ!!!!!

ああああああ!!!!!

眩しすぎて見れない!!!!

神々しすぎて見れない!!!!





なにこの芸術品。

完全にアートだよ。





ちらし寿司。

豪華な上の具だけにとらわれてはいけない。

ちらしの中に高野豆腐入っとる……………

シイタケがちゃんと甘辛く炊いてある……………




そして横には茶碗蒸し………………




ぐあああああああああ!!!!!!

日本思い出すうううううううううう!!!!!





この箱の中にどれほどの手間が詰め込まれていることか。


今回お邪魔させていただく日に合わせて、イケダさんがたくさん準備をしてくださっていたことが想像できた。


お土産くらいじゃ到底割にあわないよなぁ……………




イケダさんマジでオーストリアで日本料理屋さんやったほうがいいと思います!!!

中国人がだいたいで作った物が日本食って思われているこのヨーロッパで、この超ハイクオリティな日本料理屋さんは必ず流行る!!

もうVIPとかめっちゃ来るはず!!!!



「ははは、奥さんにもそう言われるんやけどなぁ。まぁお茶いれようか。」








美味すぎる日本料理を心の底から堪能して、それからもみんなでワイワイといろんなお話をした。


もう40年オーストリアで暮らしているイケダさんなので、すごくリアルなヨーロッパのお話が飛び出す。



スロバキアとかから出稼ぎに来てる労働者は、土木関係の仕事をして月に400ユーロくらいしかもらえない。

しかし中東から流れてきてる難民の人たちは、難民申請をすることによって800ユーロの生活費が支給され、さらに生活する上で必要な語学学校へも無料で行けるんだそう。



普通に移り住んできている外国人たちは高いお金を払って語学学校に通って頑張って習得しようとしているのに、そうした難民の人たちは無料だということもあって真面目に覚えようという気の人が少なくて、勉強の邪魔になったりするそうだ。

そうしたこともあって逆差別だということで社会問題になっているらしい。






他にも驚いたのは、チェルノブイリの話。

ウクライナのチェルノブイリ原子力発電所の放射能漏れ事件なんて、歴史上の出来事くらいのイメージだったけど、これってイケダさんがオーストリアに住み始めてから実際に起こった出来事だったんだよなぁ。そうだよなぁ、1986年に起こったことなんだもんな。



「なんか、あの日は雨の雰囲気が違うなぁって感じたんやわ。ボタ、ボタ、って感じで。」



「政府はすぐに事件のことを教えなかったわ。そしてしばらくしてから、いきなり牛乳、ほうれん草、レタスは口にしないでくださいって言い出したのよ。オーストリアでは多くの人たちが病気で死んでるけど、きっとチェルノブイリの影響もあるはずよ。」



ウクライナでの放射能漏れがオーストリアにも影響したということは、その間にある東欧諸国は全て被害を受けたってことだよな…………


日本もこれから病気の人が増えてくるって言われているけど、一体どうなってしまうんだろうな。















この夜はビールと美味しいシュナップスを飲み、遅くまでみんなで語りあった。



いやぁ、今日ほど日本食の偉大さを感じた日はなかったわ……………

ヨーロッパのご飯も悪くはないけど、この日本食の繊細さに比べたら遅れてるとしか言いようがない。


あー、日本が世界に誇れるものだよなぁ。



割烹料亭、イケダ


オーストリアのシュタイアー近郊でめっちゃ運が良かったら食べられます!!!

イケダさんありがとうございます!!









~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


東京のホテルをアゴダでとってくださったかたがいました!!


ヨンチャでいつもの仲間とぐだぐだしたいー!!


どうもありがとうございます!!!



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