スポンサーリンク 夜の帝王からのメール 2016/11/7 2016/09/07~オーストリア②, ■彼女と世界二周目■ 2016年10月27日(木曜日)【オーストリア】 ブレゲンツよっしゃ久しぶりに雨降ってねぇぞおおおおおおおおおおとおおおおおおおおおおお!!!!!!もうこの2日間、何にもできなくて死にそうだった!!!何もしてないとケツを拭く紙よりも役にも立たないクソ野郎みたいな感覚になってしまって、生きてる実感が薄れてしまう。いつもなんかしてなきゃ体の力が抜けていって堕落して凹んでしまう。今日からしばらくは思いっきり晴れの予報。歌いまくりまくってやるぞおおおおおおお!!!!!!というわけでオキムスさん!!!カンちゃんが興奮しすぎて稲中みたいになってる!!そんな大好きな韓国料理屋さんで注文したのはビビンパ!!!!イヤッホゥ!!超美味い!!!!スープも死ぬほど美味しかったー!!これで8.7ユーロ。1000円!!オキムスさん最高!!お腹いっぱいになって戦闘態勢は整った。いざ町の駐車場にやってくると、この2日間ずっと雨降りだったせいか、大きな駐車場がほぼ満車という混み具合。みんなようやくお買い物に出られるぞといった感じで賑わっていた。そんな駐車場の中にウジャウジャいるのがジープスたち。今日も新聞を手に持って車に声をかけまくっている。安全面を考えても、誰がどの車に乗ってるのか覚えられるのって結構抵抗あるけど、この町ではこれが日常的な光景なのかな。駐車場の端っこにはボロいバンが止まってある。ちょっと仲良くなったジープスの1人が言ってたけど、彼らもあのバンの中で寝てるみたいだ。何人あの中で共同生活してるんだろな。6~7人はいるだろうなぁ。たくさんの人が行き交うショッピングストリートの真ん中に陣取り、演奏を開始した。今日は気温も暖かいので目の前のカフェのテラスにはたくさんの人が座っており、早速お客さんの1人がやってきたCDを買ってくれた。人もみんな足を止めてくれ、なかなかいい感じだ。歌えなかった鬱憤を晴らすために思いっきり集中!!が、なかなか集中できないのがジープスたちのせい…………もはや申し合わせているかのように俺の周りに集まってきて、歌を聞いてくれてるお客さんに金をせびって回ってる。みんなせっかく笑顔で歌を聞いてくれているのに、そこに詰め寄られて、顔をしかめて歩いて行ってしまう。せっかくの観衆を蹴散らしてしまう。特に女ジープスたちがひどい。ノシノシ歩いてきて、横柄な態度で金をせびり、しつこくつきまとっている。金をくれないと何か捨てゼリフみたいなことを吐き捨ててまた次の人へと向かう。こいつら……………だいたいみんな太ってるってどういうことだよ。何にも困ってねぇじゃねぇか。インドの子供たちとはまったくわけが違う。彼らにはまだ応援したくなる純真さがある。ヨーロッパのジプシーたちはものすごく横柄だ。でもここは天下の路上。誰が何してもいいはずだ。俺の路上ではない。彼らがこの場所でやりたいんだったら仕方ない。腹がたつのは、俺が休憩に入ったらどっかに散らばっていき、また演奏を開始すると集まってくるという彼らの魂胆。あーもう!!!!その時、俺の前で歌を聞いてくれていた人の良さそうな兄さんにジプシーの女が近寄って行った。金がないのよーって太った体で訴えている女ジプシーの話を微笑みながら聞いている兄さん。するとその兄さん、ポケットから財布を取り出した。まぁあげる人もいるわなーと思っていると、なんとその兄さん、5ユーロ紙幣を女ジプシーに手渡した。優しさが溢れる笑顔で。マジですげぇ!!と歌いながら驚いてしまった。女ジプシーはそそくさとその場から離れていった。いやぁ、5ユーロ紙幣はすげぇなぁ…………と思っていると、間髪入れずに今度は男ジプシーがその兄さんに寄って行った。こいつはくれる奴だ、と踏んだんだろう。兄さんに寄って行き、あいつにもあげたんだから俺にも、みたいなジェスチャーをしている男ジプシー。するとまた兄さんは財布を取り出した。まぁ、優しいこの兄さんならあげるかぁと見ていると、なんと!!10ユーロ紙幣をその男ジプシーに手渡した兄さん!!!!ちょっ!!!マジか!!!!おい!!マジか!!!この兄さん一体何もんだ!!??男ジプシーもそそくさと去っていき、兄さんはまた笑顔で俺の演奏を聴き始めた。すげぇ人がいるもんだなぁと思っていると、また、また兄さん寄っていくジプシーが。おい、いい加減にしとけよ!!と思ったら、なんと寄って行ったのは最初に5ユーロをもらった女ジプシーだった。こいつはくれるやつだから絞れるだけ絞ってやろうといったところか。いつまででも吐き出しやがるぞ、と。その横柄さに呆然としてしまったんだけど、さすがの聖人である兄さんもこれには顔をしかめてしまい、ジプシーから逃げるように離れていってしまった。マジで、これだけもらったのにまたもらいに行くて、どんな神経してやがんだよ……………でもここでイラつきを表に出してはいけない。路上でお金をいただく1番大事な要素。それはポジティブな空気。ポジティブなものを人に、町に与えることがストリートパフォーマーの役割であって、そこで初めてチップが生まれる。ネガティヴを売り物にして金を得ている物乞いとは正反対の位置にある。いいパフォーマンスをしないと。そんな時、すぐ横で子供が大声で泣き始めた。なんだ?と見てみるとお婆ちゃんと小さな孫2人、その後ろに自転車に乗った小学校低学年くらいの男の子がいる。小さなお孫さんがワンワン泣いており、自転車に乗った男の子が心配そうな顔をしている。どうやら自転車の男の子が小さなお孫さんとぶつかったようで、それでお孫さんがギャン泣きしてるみたい。怪我もなさそうで大したことではないようだけど、お孫さんはまぁ大泣き。心配してなんとか泣きやませようとするお婆ちゃん。驚いたのは、その小学校低学年の男の子が近寄って行き、お孫さんの背中を心配そうにさすってあげてるところ。こんな小さな子供にそんな優しい行動が出来るのかと感心してしまった。でもどうしても泣きやまないお孫さん。すると、横にある化粧品屋さんの中からお姉さんが出てきて、お孫さんに何かを渡した。商品のオマケの小さなアメニティみたいなやつなのかな。それをもらうと、お孫さんはピタリと泣き止んでアメニティを手に持ってご機嫌さんになった。最後まで心配して近くにいてあげていた自転車の男の子も、それで安心してまた走って行った。一連の何気ない出来事。登場人物、全員愛しかない。ヨーロッパの人たちの落ち着いた人間味が本当に本当に大好きだ。向かいのパン屋さんが差し入れのパンをギターケースに入れてくれたり、周りのお店の人もみんなチップを入れに来てくれ、後半になるにつれどんどん人だかりが増えていく。なんかわかんないけど今日は赤ちゃん連れのお母さんが多くて、ワラワラとバブーたちが集まってきた。俺の周りを奇声をあげながらぽてぽてと走り回ったり、地べたに座って手拍子してくれたりして、最後のほう、ここだけ幼稚園みたいになってた。お母さんたちもこのシンガーの歌を聞かせておきましょうってな感じで、ママたち同士でおしゃべりしており、俺がバブーの世話してるくらいの状況。歌のお兄さんじゃないんだけどなぁと思いながらもまんざらではなくて、町行く人たちも、そのほのぼのした光景に微笑みながらチップを入れてくれる。木でできた三輪車とかカッコいいの乗ってるね!!ポジティブなものを人に、町に与えることがストリートパフォーマー。今日はすごくいい空気を作れたと思う。あがりは3時間で284ユーロ。32300円。めっちゃ美人姉妹!!この日はそれからシャワーを浴びようと、この辺りで唯一この時期でも開いているキャンプ場に行ってみたんだけど、なかなか汚いキャンプ場で、オーナーのおばちゃんは英語喋れない、楽しみのひとつである料理がしたいのにキッチンもない。ワイファイなんてなんですかそれ?くらいの感じで皆無。こんなにも宿泊施設としての設備が整ってないキャンプ場も中にはあるんだなぁ。シャワーだけのために2500円とか払うのはもったいなくてキャンプ場をあとにした。さぁ、あと2日。あと2日このオーストリアのどん詰まりで歌ったらもと来た道を走ってシュピッツに帰って俺とカンちゃんの人生の大イベントである結婚式だ。幸いこの週末は晴れ予報で思う存分歌えそう。心の底から素晴らしい出会いと絶景を堪能したこのチロル地方。でも実はまだハイライトが残っている。数日前にとある人から、今どこだーい?と連絡があった。それはあの人からだった。メールを見た瞬間からすでに波乱の風が吹き始める…………あれは世界一周目にドイツのミュンヘンにたどり着いた時。とある縁で、大阪で何店舗もお店を持つケーキ屋さん、パティスリーフラワーのグランドシェフである植松さんと出会わせていただき、たくさんご飯をご馳走になり、まだ旅が始まったばかりでお金も信じられないくらいなくて毎日野宿してた俺にとって、本当に泣けるくらい贅沢な2日間だった。何もお礼ができなくて、せめて歌を聞いてもらいたくてホテルの前で植松さんと大熊さんに演奏を聴いていただいたんだけど、すでにみんなでお酒を飲んだ帰りだったので声がヘロヘロで情けない演奏だったのを今も覚えてる。不甲斐ない声だったなぁ……………それでも植松さんと大熊さんは笑顔で拍手してくださり、本当に本当に嬉しかった。その時に突然植松さんの名前を呼ぶ日本人の方が現れる。ウエマッちゃーん!って。なんとまさか、植松さんのお知り合いが偶然ミュンヘンに仕事で来ており、偶然あの広い町の片隅でバッタリという奇跡。しかも植松さんのことをウエマッちゃーん!と呼ぶなんて一体どんなすごい人なんだ!?ってびっくりした。いやぁ偶然やなぁ!ということで、それからみんなでまた飲みに行った。植松さんたちは早めにホテルに戻ったんだけど、俺はなぜかその男性と2人で飲みに行き、ミュンヘンの街をウルトラベロベロになるまで飲み歩いてクラブに行ったら俺がサンダル履きなのがドレスコードに引っかかって入れてもらえず、そこら辺にいた地元の兄ちゃんの家に行って靴を借りてクラブ行って死ぬほど踊り倒して記憶ない。あのスーパー過激な夜は今も海外でのハチャメチャな夜の遊びランキングで上位に君臨し続けている。そう、あの日出会った夜の帝王。その名も豆澤さん!!!後から知ったんだけど、豆澤さんは実は日本のとある大企業の社長さんだったというとんでもない人。俺なんか口もきけなさそうな立場の人なのに、そんなことを全く感じさせない親しみやすい人で、本当に面白くてカッコいい兄貴って感じ。社会的な立場とか関係なく、分け隔てなく誰に対しても等身大で、さらに遊びの達人なので一緒にいてすっごく楽しい。そんな豆澤さんとはミュンヘンのあともフランスのストラスブールでまた再会してその夜もクラブでやらかしまくり、日本に帰ってからも政治家とヤクザしか行ったらいけないんじゃないか、みたいな超高級なレストランとかに連れて行ってもらい、もう本当に子孫三代に渡っても返せないくらいの恩をいただいている。そんな豆澤さん。カンちゃんもすでに一緒に飲みに連れて行ってもらったことのある仲で、本当に良くしてもらっているので、是非俺たちの結婚式に来てもらいたいと思っていた。仕事でヨーロッパに行く機会の多い豆澤さん。タイミングを合わそうとなんとか日程調整をしてくれたんだけど、残念ながら参加は無理と返事をいただいた。超多忙なかたなのでこれは仕方ないこと。残念だったけど、日本に帰った時に挨拶に伺わせていただくことにしていた。そんな豆澤さんから突然のメールが数日前に来た。これは………………フワリ………と風が吹く………波乱を告げる風が……………「この週末予定がないからそっち行くよー。楽しみにしてるで。」あ、あの豆澤さんがわざわざオーストリアから出られない俺たちのためにここまで来てくださるなんて…………………チロルのハイライト。とんでもないことになる予感しかしない…………とりあえずカンちゃん極寒のシャンプー!!!「いやあああああああああああああ!!!!!シャカシャカシャカシャカシャカシャカ!!!!」~~~~~~~~~~~~~~~~~~台湾のホテルをアゴダでとってくださったかたがいました!!小籠包食べたい!!でも今回は台湾は行くかなぁ。悩みどころです。どうもありがとうございます!!