スポンサーリンク オーストリアNo.1のアイスクリーム屋さんの横で歌おう 2016/10/3 2016/09/07~オーストリア②, ■彼女と世界二周目■ 2016年9月22日(木曜日)【オーストリア】 シュタイアー朝起きるとカンちゃんが鼻水をぐじゅぐじゅやっていた。「ちょっと体もしんどいわー。この旅の中で体壊したのインドのカデルの家以来やねー。そう考えるとすごい健康やけど。」イングリッドおばちゃんが風邪をひいていたのでそれがうつってしまったのかな。今日はそんなに無理せず早めに車に戻ってゆっくりしよう。それに、カンちゃんが風邪をひくのももちろん大変だけど、俺が風邪をひいてしまったら歌えなくなるので収入がなくなる。この旅では2人で一心同体。風邪だろうがキスもする。カンちゃん、早く良くなろうね。外に出ると、草原の真ん中に俺たちの車だけが止まっている。青空が広がり、眼下には海のようにうねる畑と、その間に散らばる集落の民家が見渡せた。朝から最高の景色を堪能して車に乗り込んでエンジンをかけ、丘を滑り降りた。すぐにシュタイアーに到着すると、運良く駅裏の川沿いに無料の駐車場を発見。静かそうで、木々に囲まれており、寝床としても最高だ。町の中心部にも近い。そしてこの景色がたまらない。青空の下に流れる川の対岸に大きな大きな教会がそびえている。古めかしい町並みが川沿いに城壁のように広がっており、緑豊かな山に囲まれたこのシュタイアー。4年前もこの景色を眺めていた。ザルツブルクを出て、テキトーにヤマカンで電車のチケットを買って町を転々としている時に、なんとなく選んだこのシュタイアー。有名でもなんでもないんだけど、たどり着いたこの町はとても静かな田舎の風情がありながら、川沿いに栄えた中世の町の面影をそのままに残しており、1発で気に入ってしまった。路上の反応も良かったし、4日くらい川沿いでテントを張って野宿しながら滞在した記憶がある。懐かしいなぁ。地元のオッちゃんに誘われて飲みにいったり、マクドナルドでずっとワイファイ繋いでネットしたりしてたなぁ。週末の夜にはフェスティバルのパレードに遭遇し、町の真ん中の広場でオーケストラが野外コンサートをやっていて、あぁ、俺ってオーストリアにいるんだなぁって感動に震えたもんだった。色んな場所に素敵な思い出がたくさんある。そしてあの思い出が消えることはない。新しい思い出をカンちゃんと作って、大好きな町をもっと大好きになっていこう。最高の眺めを堪能し、ギターを持って中心部に向かった。橋を渡って旧市街エリアに行くと、入り口に大きな門があり、それをくぐるとそこからは完全なる中世の町並みになる。石造りの重厚な通りを歩いて行くとパッと視界がひらけ、映画のロケ地かのような完璧なるヨーロッパの町並みが隠れるようにひっそりと広がっている。両側に並ぶ壁のような建物、中心に飛び出た教会の尖塔、立派な石像のモニュメントが立ち、その周りではマーケットの屋台が並んで人々がゆっくりと行き交っていた。広場からさらに奥に進んでいくと、通りが細くなり、そこからがホコ天のショッピングストリートになるんだけど、すでに広場にたくさんのお店があるので、ホコ天はそこまで長くないし人通りもそれなりだ。両側の建物に挟まれて谷底にいるかのような通りになっており、面白いことにその両側の建物の下にトンネルの小径がのびており、建物をくぐることができるようになっている。小径をのぞくと、階段が下のドナウ沿いに続いており、なんとも生活感があって風情が漂っている。前回もこのあたりで歌ったので今回もこの辺りでやってみようかなと歩いて行くと、ホコ天のちょうど真ん中あたりにぽこっと通りが広がってる部分があり、いつものように太ももを手で叩いてパン!と音を立てて響きを確認すると、いい感じに反響して歌いやすそうだ。そして何より、斜め向かいにかなりたくさんのお客さんを集めているお店がある。お店の前、そして通りの真ん中に椅子が出されており、たくさんの人たちがそのお店で買ったものを食べながら憩っていた。そのお店とはアイスクリーム屋さん。あ、これかと思った。前にノリさんのブログを読んでいて、ノリさんがシュタイアーにいた時に、アイスクリーム屋さんの近くで路上をしていてたくさんのお客さんがアイスを食べながら演奏を聴いてくれてとてもいい感じになったと書いてあったけど、まさにここのことだと思った。ノリさんいい場所チョイスするわ。俺もこのスペースでギターを取り出し、演奏を開始した。人通り自体はそんなに多くないんだけど、通りを歩いているほとんどの人がこのアイスクリーム屋さんでアイスを買うので、常にたくさんの人が周りにいる状態になる。行列を作っている人たち、テラス席の人たちから拍手が起こり、たくさんの人がアイス片手にチップを入れに来てくれる。音もすごくいい具合に響くので声を張り上げる必要はない。この、歩道が広がっているスペースにいる人たちにちょうどよく聞こえるくらいのBGMになる音量で静かにアルペジオで歌うと、どんどん人だかりが増え、またその人たちもアイスを買いに行き、戻ってきてチップを入れてくれる。周りのアパートの住人さんたちもわざわざ降りてきてお金を入れに来てくれ本当にやりやすい。それにしてもあまりにもみんながアイスを食べているので、ちょっと地元のお兄さんに話を聞いてみた。「そこのお店ってなんでこんなに人気なの?」「あー、あそこは全てナチュラルの素材で作っててね、この前アイスクリーム屋さんのコンテストがあったんだけど、それで1位になったんだよ。この国ナンバーワンのアイスクリーム屋さんなんだ。僕はバニラをオススメするよ!!」それすげぇ!!このアイスクリーム大好き人間たちばかりで数え切れないほどのアイス屋さんがひしめくヨーロッパでその国ナンバーワンだなんて、日本の比じゃない。こんな小さな町の小さなお店がその栄冠に輝いているなんて、もう地元の人たちからしたら町の誇りなんだろうな。美味しいアイス屋さんがある町って、ヨーロッパではものすごく重要な意味がありそう。お爺ちゃんもお婆ちゃんもイカついヤンキーも真面目な女の子も子供たちもみんな本当にいつもアイスクリームを食べている。ちょいと歩いて町に出て美味しいアイスクリームを食べる喜びってのが、ヨーロピアンの心の余裕を象徴しているようにも思える。いいなぁ。そんな優雅な憩いのひと時を邪魔しないよう、楽しんでもらうために丁寧に歌わないと。それからもいい感じで歌っていたら、なにやら向こうのほうから高所作業車がやってきてアイス屋さんの目の前で止まってブームを伸ばしはじめた。なんか工事作業でも始まってしまうのかな?だとしたら真横で大きな音がしてしまうから演奏できなくなってしまうかな………と不安になりながらギターを置いて様子を眺めていた。アイスを食べてる周りの人たちもみんなペロペロ舐めながら上を見上げている。なんの作業をするのかな?と思っていたら、先っぽのバケットにオペレーターのおじさんともう1人、どう見ても一般人の女の人が乗っている。あれ?なんの人だろ?とずっと見ていると、高所作業車はどんどんブームを伸ばして、3階の窓に寄っていく。すると女の人が窓を外から開けて、体を折り曲げて窓から家の中に入った。どうやら鍵をなくしたのかなにかで家に入れなくなり、高所作業車で窓から家に入ろうとしていたようだった。無事女の人は家に入ることができ、作業員さんにお礼を言うとブームはまた縮んでいき、周りで見守っていた人たちも何事もなかったかのようにお喋りを始めたり、歩き始めた。そんな日常の中にあるちょっとした出来事にすごくほのぼのとした気持ちになった。俺のパフォーマンスも、大きな事件じゃなくていいから、日常の中のちょっとした変わった出来事として人々の心を温かくできたらいいなと重なった。今日のあがりは3時間で257ユーロ。29200円。路上終わりはもちろんこいつ。ウッマ!!バニラを食べたんだけど、濃厚でコクがあってこいつは確かにめっちゃ美味い!!スモールのシングルで1.4ユーロ。160円。別の味を足してダブルにしたら0.8ユーロのプラスだ。お手軽にこんな美味しいものを楽しめるなんて、それだけで1日が楽しくなる。そんな小さな贅沢を与えてくれるヨーロッパのアイスクリームに感謝。この日は路上を終えてからのんびり町を歩いてマクドナルドに行って少しネット作業をし、カンちゃんがしんどそうなのでご飯を作るのはやめにして外食で晩ご飯を済ませた。駅裏にあるビッグバンバーガーっところ。ここもまためっちゃ美味しかった。いやぁ、シュタイアー、美味しいものがたくさんあってヤバイわ。毎日が楽しみだ。それから寝床に行って、早めに横になった。今週いっぱいはシュタイアーにしてカンちゃんにゆっくりしてもらおう。俺は明日も頑張って歌うぞ。~~~~~~~~~~~~~~~~~~アメリカのホテルをアゴダでとってくださったかたがいました!!アメリカ人って、どこ出身?って聞いたら、アメリカって言わずにテキサスとかテネシーとか州の名前言いますよね。俺が外国人にどこ出身?って聞かれて宮崎だよって、さも知ってて当たり前みたいな感じで答えるようなもんです。宮崎知ってる人がいたらビビるわ。どうもありがとうございます!!