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オーストリア車旅周遊スタート!

2016年9月21日(水曜日)
【オーストリア】 メルク ~ アムシュテッテン





イングリッドおばちゃんにドイツ語の歌を教えてもらった。





これからオーストリアにまだ2ヶ月は滞在するので、1曲くらいドイツ語の曲をレパートリーに加えておきたい。



でもどの曲がいいのかなんて1ミリもわからない。

ドイツ・オーストラリアのアーティストなんてモーツァルトとベートーベンとスコーピオンズくらいしか知らない。

スコーピオンズはやめとこ。





「この曲がいいわよ。ニックPの有名な曲で、たくさんのアーティストがカバーしてる曲よ。ドイツ、オーストリアだったら誰でも知ってるし誰でも歌えるものすごく有名な曲だから!!」



イングリッドおばちゃんの家にはこのニックPというシンガーソングライターのポスターがたくさん貼ってある。


ドイツ語の分かりやすいポップスを歌う人なんだけど、顔がどう見ても堀内孝雄にしか見えない。


というわけでドイツの堀内孝雄の有名曲を教えてもらった。




「違うわよ、ここは、シュテュアルン、シュテュ、よ。」



「シュ、シュテ、シュテュ、」



「違う!ここはウーバーじゃないの。üよ。ただのUじゃないの、ウーとユーの中間の発音よ。ウェ~。」



「ウ、ウェ、エィ……」



「そこは喉から出すの!ナクゥフト、ナフゥト、喉からクアアア~~こするように。」



「ナフゥ~~……ナクゥフ~~………なくふ………オラアアアアアアアア!!!!!!できねえええええええええええええええええ!!!!!!」







ボールペンへし折ってテーブルに頭打ちつけそうになる!!!
ドイツ語の発音難しすぎる!!!!


なんでこんなに言語って違うの!?

その発音のしかた大変じゃないの!?




でもこれが彼らの普通であって、誰でも喋れる言葉なんだもんなぁ………不思議だよなぁ。




「イングリッド、これはなんて読むの?ワチト?」



「バフゥトよ。バグフゥト。喉から出すのよー。」



朝の光の中、イングリッドおばちゃんに発音を教えてもらいながらノートに歌詞を書き落とした。

















それから今度は車の掃除をした。





2人ともめんどくさがりで、レンタカーを始めてから3ヶ月間、一度も掃除をしていなかった。

ガレージにある車用掃除機で車内の小さなゴミを取り、色んなところに散らばってる要らないものを捨てた。


これはノルウェーのあそこで手に入れたやつ、これはフィンランドで見つけたもの、あの時は何かで使うかもと思ってとっていても、実際はずっとほったらかしでシートの下に隠れていたりする。









水洗いもしたんだけど、まぁ汚れてる。


特にフロント部分がひどい。

ラップランドを走ってきたので、車のバンパーがもう羽虫たちの墓場みたいになっている。

羽虫たちがこびりついて乾燥しておりなかなか取れない。



でもそれ以外は傷もないし、とりあえず3ヶ月間、無事に車でヨーロッパを旅することができた。


あともう少しこの愛車とヨーロッパを旅するぞ。



















ピカピカになった車に荷物を積み込んでいく。

またイングリッドおばちゃんの家には戻ってくるので必要なものだけ乗せて、いらないものはおばちゃんの家に置かせてもらっている。

おかげで荷物でパンパンになることもなく、夜の寝床作りも楽そうだ。



「これからどんどん寒くなっていくから風邪ひかないようにね。暖かくして寝るのよ。チロルは本当に美しいところだから楽しんでね。」



本当にお母さんのように俺たちのことを心配してあれこれと不安そうに世話を焼いてくれるイングリッドおばちゃん。



パンはいらない?飲み物は持っていく?寒かったらいつでもすぐに帰ってくるのよと、言うおばちゃんに大丈夫だよ、と答えながらハッと驚いた。


おばちゃんの目に涙がたまっていた。





ちょっとおばちゃん…………


たった1ヶ月ちょっとの別れ。1ヶ月ちょっとしたら戻ってくるのに、お願いだから涙なんか見せんでよ……………こっちまで泣きそうになるやん。



すぐにおばちゃんの目から涙がこぼれ、ハグをした。


こんなにも俺たちのことを思ってくれてるなんて、胸がしめつけられる。



泣いているイングリッドおばちゃんの肩を抱くレイモンドパパ。




2人に見送られながら車に乗り込んでエンジンをかけた。


窓を開けて、11月に戻ってきます!!と手を振り走り出した。


バックミラーを見ると、2人はいつまでも家の前に立って見送ってくれた。






さぁ、オーストリア、ぐるっと回ってみようか。



















穏やかなドナウ川沿いを走りながらオーストリア旅のルートについて話し合った。


途中、日本の友達と会う予定ができたこと、チロル地方はあんまり後半に持っていくと雪が降り出すことなんかを考慮して、まずはリンツ周辺をじっくり周り、それからハルシュタット、ザルツブルク、そしてチロル地方に攻めこもう。




ついに念願のチロル。

オーストリアの国土で、下のほうにピョコンと飛び出している細い部分がそうで、アルプスに抱かれた美しい景色のオンパレードが待ち受けている。



いやぁ、山って冒険心があおられる!!

この山裾の、山奥の集落にはどんな文化が育まれているだろうとか考えたら、地図を見てるだけでワクワクしてくる。


そしてそんなチロルを車でじっくり回れるなんて完璧すぎる!!


アルプスの少女ハイジそのまんまの大自然があるんだろうなぁ!!


ていうか名前がチロルってどういうこと!!かわいすぎるやろ!!
















チロルに行ったらスカイダイビングとか有名なんだろねぇ、でも値段高いだろうねぇなんて話をしながら車を走らせ、すぐにメルクの町にやってきた。


今日は出発の準備で遅くなってしまったので、ここメルクでスパッと2時間くらい歌ってからバッハウとさよならすることにしよう。






いつものフリーパーキングに車を止め、勝手知ったるケバブ屋さんに行ってドネルを食べ、いつものショッピングストリートでギターを構える。



メルクは本当に小さな町で、お店もちらほらあるくらいのささやかなショッピングストリートだ。

観光客がいなかったらかなり寂しいことになる。



まだギリギリ観光客やサイクリストたちの姿が見られるけども、これから10月に入ったらオフシーズンになってゴーストタウンみたいになるんだろう。




長いバッハウの冬がもうすぐ始まる。









目の前のブティックのおばちゃんが出てきてお金を入れてくれた。


隣の雑貨屋さんのおばちゃんも向こうから親指を立ててくれる。


反対側のカフェのテラスでコーヒーを飲んでたおじさんがテクテクやってきて、お金を入れてくれながら、エルビスをやってくれとニヤリと笑い、また席に戻ってこっちを見ながらコーヒーを飲んでいる。


人は少ないけど、メルクの路上は静かでゆっくりしててすごく好きだ。バラードがよく合う。



今日はスタートが遅かったので人がはけるのが早く、1時間半でギターを片づけた。

あがりは85ユーロ。9700円。


















これから1ヶ月半の車中泊旅なので食料などのお買い物も楽しい。






















ホームセンターでガス缶を買い、ディスカウントスーパーでビールを買い、大きなスーパーではトムヤムクンヌードルをゲット。






あぁ、もはやあの北欧の白夜の生活が懐かしく思い出される。

辛ラーメン食べ過ぎだったよなぁ…………




「最近、町の中とかばっかりだったから、久しぶりに景色のいいところで寝ようか。車旅の醍醐味!!」



「うん!!レンタカー旅の前半で畑の中に車を止めて寝た日があったやん。あれがすごく良かったなぁ。だからあんな素敵な場所で寝たい!!」




よーし、じゃあ素敵な景色の場所で寝ようかー!!











とはいってもあんな場所を探し当てるのなんてヤマカンしかない。


完璧な場所なんて見つけられないけど、でもたまたま見つけた感じってのが面白かったりするんだよな。












夕闇が迫る田舎道。

畑の丘の中を一本道がどこまでものびている。


夕日が眩しく雲を染め上げ、怪しいピンク色になっている。














なんとなく脇道に入ると、それは農道みたいな細い細い道で、ヘッドライトで照らしながら作物の間をすり抜けていく。



農道は坂道になっており、うねる畑の中をのぼっていく。

あぜ道に立てられたキリストの磔刑姿がヘッドライトに浮かび、草原はどこまでも分厚い風に覆われていた。













丘の頂上あたりに来た時に、広い空き地があった。

雑草が生えてるだけの場所で、ここなら車も止められそうだ。

しかも目の前は下り坂になっており、眼下に広がる大地と、ポツポツと散らばる民家の明かりが見えた。



胸が痛くなるような、何気ない生活の明かりが散らばっている。


あぁ、いい場所だな。










真っ暗な中、車のヘッドライトに照らされながらカンちゃんが久しぶりにガスコンロでご飯を作ってくれた。

あぁ、この感じももはや懐かしい!!!

トムヤムクンヌードル美味しい!!




さすがに夜になるとなかなか寒く、2人で車の中で麺をすすりながら温まっていると、向こうの坂の下から1台の車がのぼってきた。



お、こんなところを車が通るか?こんな時間に。


するとその車は俺たちの横で止まった。



窓を開けると向こうも窓を開け、おじさんがなにやら声をかけてきた。

英語喋れますかー?と聞くと、何してるんだーい?と英語で帰ってくる。


キャンプですー、景色いいので!と答えると、マジかいみたいな感じで笑い、さらにどこから来てるんだい?どこの国出身?これからどこに行くんだい?と質問してきた。


きっとこのあたりの地元の家族なんだろう。

不審者じゃないか質問して確かめたいって感じなのかな。



こんなパーキングでもなんでもない畑道のど真ん中でキャンプしようとしてるやつなんてまずいないので、それはまぁ怪しまれても当然か。


そのあとも世間話といえなくもない質問をいくつか受け、やがて満足したようで、おじさんは笑いながらグッドナイト!と手を振って走り始めた。




後部座席に乗ってた小さな女の子が、窓越しにジッとこっちを見ていた。


暖かい家に帰るんだろうな。

幸せでいてほしいな。














ご飯を食べ終え、車の後ろをセッティングし、ビールを飲んだ。


車の外はどこまでも暗闇で、その中に2人っきりだ。


広大な広大な暗闇。



まるで宇宙を漂う宇宙船のコックピットにいるような感覚になる。

閉塞感と孤独感、静寂。

車中泊の夜ってそんな感じだ。




それを2人で出来てるってことに未だに驚く。




横になって寝袋にくるまって足を絡める。

ちょっと寒いけど、2人だからなんてことはなかった。








~~~~~~~~~~~~~~~~~~


フランスのホテルをアゴダでとってくださったかたがいました!!


今回はフランス行かないけど、もしかしたら来年………と狙っています。モンサンミッシェル行ってないもんなぁ。


どうもありがとうございます!!

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