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時の止まった町

2016年8月24日(水曜日)
【ドイツ】 ビスマル




幹線道路沿いのパーキングで目を覚ました。

さぁ、今日はどこに行こう。



日曜にベルリンに行けばいいので、まだあと2ヶ所は新しい町に行ける。


このベルリンから北の、ポーランドとの国境とバルト海に面したエリアにはいくつかの町が散らばっている。


そこまで大都市はないみたいだけど、見た感じちょうどいいくらいの地方都市といった感じだ。

港町も多いので風情がありそうだ。



どれがいいかなぁ。この地図で表示されている旧市街の町並みや大きな教会が、実際にはどんな光景なんだろうと想像すると、すごくワクワクしてくる。














悩んだ結果、ここリューベックから1時間くらいのところにあるビスマルという港町に行ってみることにした。


車の中の荷物を移動し、歯を磨いたら、晴れ渡る空の下、アクセルをふかした。












そして予定通り1時間くらいでビスマルの町が近づいてきたんだけど、また町の入り口にユネスコワールドヘリテイジの看板があった。


またここも世界遺産の町かよ!!ドイツすげすぎ!!

もう、世界遺産以外の町に行ってみたいもんやわ!!



















さぁ、そんなビスマル。一体どんな町だろうと旧市街エリアにやってきた。

ビスマルの町はリューベックよりも小さな規模だけど、教会の塔やお城みたいな巨大な建物が遠目から見えた。






石畳の路地に入っていくと、3階建ての建物が整然と並んでおり、どれもすごく古びている。


通りに面した側の壁が可愛らしい曲線を描いた装飾になっており、まるで何かのテーマパークのよう。

しかしその建物の壁には1650とか1720とかの年代の表記がある。



余裕で江戸。

日本が生類憐みの令とか言ってた時にはすでにこの町のこの姿は完成していたんだ。


















とにかく車を止める場所を探すのが、町について最初のミッション。

でも駐車場探しも上手くなったもんで、すぐに駅横のハーバー沿いに24時間4ユーロの広々としたパーキングを見つけた。450円。





もしこの町が気に入ったらこの駐車場がしばらくホームだ。

まずは手ぶらで町の散策に出かけた。















綺麗に整備されたハーバーにはおそらく倉庫として使われていたであろう年代物の木造の建物が並んでおり、それらがカフェやレストランとして利用されて外にたくさんの椅子が並んでいた。

ハーバーから旧市街への入り口に古びたレンガの門が口を開けている。


港についた人たちはここから町の中へ入っていってたんだろうな。










門をくぐると、旧市街の中には本当に何百年前に作られたものなの!?っていう家々が並んでおり、見事なまでに建物自体が歪んでいる。

これ大丈夫なのか?って心配になるほど歪んでる。









でももちろん現役の建物なんだからすごいよなぁ。















てくてく歩いていくと、旧市街のあちこちで古い教会に出くわす。

しかしそのどれもがズタボロの姿をしており、痛々しい壊れかたをしていた。





はっと思い出す。


そういえばリューベックの教会も再建されたものが多いと説明看板に書いてあった。

これは第二次世界大戦時の空爆によって破壊されたものらしかった。




しかしリューベックはその後再建し、当時の華麗な中世を再現するに至っているけど、このビスマルの教会は破壊された姿そのままで佇んでいる。


中心部にあるマリエン教会は特に激しく、教会のほとんどの部分が根こそぎなくなって塔の部分だけが寂しげに取り残されていた。


塔の壁に残っている傷跡を見ると、この教会がいかに巨大なものだったかがわかる。

それがこんなに戦後何十年も経った今も、痛々しい姿のまま立ち尽くしているなんて、すごく異様だった。


















聖ジョルジオ教会、聖ニコライ教会など、旧市街には他にも豪壮な建築物がいくつかあるんだけど、やはりそのどれもが古めかしく、壁は崩れ、柱には穴が開き、時の風化にさらされている。


なんだか、時の止まったような町だ。





































旧市街の中心部に行くと、ささやかなショッピングストリートがあって、ホコ天の通りをぱらぱらと人が歩いていた。







ていうか火事で消防車めっちゃおった。


あー、歴史的な建物が傷んでしまう…………









でもこんな災害がありながらも1600年代の建物にまだ人が暮らしてるんだよなぁ。

ヨーロッパ物持ちがいいよなぁ。




だから街角にはアンティーク屋さんが多い。























町の真ん中には大きな広場があり、周りの建物はすべてが白黒フィルムの中に出てきてもなんの違和感もないものばかり。

どこまでもおだやかで、夏の暑い日差しが石畳を焼いていた。


静寂の空に壊れた教会の塔がそびえる。


港から吹く風が町を眠らせている。



遠い記憶がふっと香った。
















一旦車に戻ってギターを持ったら、さっき目星をつけていた中華料理屋さんにやってきた。

このお店、値段めっちゃ安い。





オカズとご飯のプレートがドイツではだいたい7ユーロくらいなんだけど、ここは5ユーロ。560円。



そして注文して運ばれてきたら量がめっちゃ多い上に、味が濃くて美味しい!!!





あんまり量が多くて食べきれなかった。

こりゃカンちゃんと2人で1皿で充分だな。

しかもここフリーワイファイが飛んでるし、さらにコンセントで充電もできる。



いきなりいいお店見つけた!!
ビスマル来たらご飯はここで決まり!!!

















ご飯を終えてショッピングストリートに行くと、何やら歌声が聞こえる。


あ!もしかして他の路上パフォーマーか!?いや、それにしてはあまりにも美味すぎる。

こんなに完璧すぎる歌がこんなに田舎町の路上で歌われているわけがない。


どこかのお店から流れてるBGMかな…………













思いっきりパフォーマー。




ちょ!!うますぎる!!!


男性と女性の歌手、それにアコーディオン奏者の3人組で、素晴らしいオペラを奏でている。

マジで信じられないくらいプロフェッショナルな歌唱力!!



女性のソプラノと男性のテノールで、見事なハーモニーがこの時の止まった町に染み渡っている。


あまりのうまさに人々から大きな拍手が起こり、そりゃお金もガンガン入っとる。


これは入るわ。



いやー、困った。まさかこんな小さな町にこんな強敵がいるとは。

厳しい路上になりそうだ…………

















というわけで、オペラ歌手たちが通りのど真ん中の交差点で歌っておりかなり離れないと声が混じってしまうので、ショッピングストリートの端っこのほうにやってきてギターを出した。

ゆっくりと弦を鳴らし、町に歌声を流す。


早速コインが入った。


うん、俺もオペラに負けないように気合い入れて歌うぞ。



















通りを見渡すと、建物の上部の飾り壁が日に照らされて空に浮かんでいる。

それがとても特徴的で、まるで夢の中の現実味のない光景のよう。


メキシコのバハカリフォルニアのあの静寂を思い出す。




途中、ドイツのジャイアンにお前の物は俺の物といってギターを奪われる。




お腹もみもみしたらウキャウキャ笑う可愛いやつ。













そんな時、向こうのほうから1人の身体障害者が歩いてきた。

足が大きく内側に曲がっており、歩きづらそうに杖をついてひょこひょこ進んでくる。


その手には紙コップがあった。

どうやら物乞いのようだ。

顔つきですぐに中東寄りのジプシーだとわかる。



この足の曲がり方をよく覚えている。





あれはポーランドの田舎町。

路上で歌っていたら、足が内側に曲がったおばさんが紙コップを持って通りを往復しており、そのあまりの痛々しい歪みかたにたくさんの通行人がお金をあげていた。

そのおばさんは俺の前を通るたびにギターケースを覗きこんで、余裕の表情をしていた。


あの日、俺はまったく稼げなかった。



チクショー、物乞いのおばさんに負けてしまったなぁと思いながら路上を終え、歩いていたら、違う場所でさっきのおばさんとまったく同じ足の曲がり方をしたおじさんが杖をついてひょこひょこ歩いていた。


もちろん彼らはジプシー顔だった。





そして今、このビスマルの路上で目の前を歩いているジプシーのおじさんの歩きかたもまったく同じ。


さらにはそのおじさんのところに男女のジプシーたちが集まり、作戦会議みたいなことをして散ると、みんな同じ歩きかたで杖をついて通りを回り始めた。



もう、どんだけ同じ歩きかたなんだよ。

あれが1番簡単で、1番哀れに見える足の曲げかたなんだろうなぁ。




「カンちゃん、あの人たち普段は普通に歩いてるんだよ。あれ障害があるようにみせかけてるの。あれでバレないんだから不思議なもんだよなぁ。いや、ヨーロッパの人もさすがに分かってるか。分かった上でお金あげてるのかな。」



「えええ!?そうなの!?可哀想だなぁって思いながら見てたし!!自分があんな足だったらどんな人生だっただろうって考えてたし!!ひどい!!ぷんぷん!!」



「カンちゃんピュアやなぁ……………ホラ、あそこ見てみて。」




そこには同じ足の曲げかたでも気合いの入ってない中途半端な曲げかたのオッさんがいた。




「あ、あのおじさんの歩きかたは嘘っぽい!!ひどい!!本当にハンディキャップ持ってる人に失礼すぎる!!」




あんなクオリティで稼げてしまうんだもんなぁ。

インドの、両手両足がない奇形の人を台車に乗せて音楽流しながら見世物みたいに町を歩いている、この世の終わりみたいな物乞いさんがヨーロッパに来たらソッコーで家が建つだろうな。



















少ししてオペラ歌手さんたちの歌が聞こえなくなったので、あっちでやってみることにした。

通りの真ん中の交差点で、ちょうどいいスペースが花屋さんの前にある。


周りの角にはカフェが並び、人々が1番集まりこの場所。

ここで歌うのはなかなか勇気がいる。

しかもあんなハイクオリティなオペラ歌手さんたちの後だ。


でも、やらんで逃げたりせんぞ。

自分の歌を信じよう。

















ここめっちゃヤバい。

拍手巻き起こりすぎ。建物の窓からも拍手が起こる。

人々がたくさん足を止めてくれ、カフェのテーブルについて歌を聴いてくれるので、周りのお店が満席になった。


CDもガンガン売れ、コインが飛び、マジでこの交差点がこの町のベストポイントだ。




ただ、周りにお店が多すぎるので、あんまり連チャンでやりすぎるのは気が引ける。

ここは初日ということもあるので遠慮して40分くらいで切り上げた。


今日のあがりは2時間で178ユーロ。20100円。



















せっかくこんな素敵な町に来たんだから、どこか1杯飲みに行こうと町を歩いた。


すると、ハーバーから少し入った住宅地の角に、何やら怪しいオーラを醸し出しているお店を発見。


小さなお店で、窓に色んな飾りが雑然とほどこされており、日本でよく行っていたライブバーの雰囲気だ。

変わり者のマスターがやってる、汚い、でも面白いお店。



その懐かしい雰囲気に引き寄せられて、怪しい店のドアを開けた。






店内はさらに雑然としていた。









壁中に貼られたポスターや新聞の記事。

アンティークっぽい服とか帽子とか、旗とか、とにかく色んなものが飾りつけられている。

ごっちゃごちゃしてるんだけど、なんとなく落ち着くこの空間。







「ドイツドイツ、ソーセージ!!」



オッちゃんが1人でやってるお店のようで、ビールを注文した。

メニューなんて気の利いたもんあるわけないので値段は謎。







「ソーセージソーセージ!!イーストジャーマン!!」



オッちゃんはほとんど英語が喋れないんだけど、その言葉の中に東ドイツという言葉が聞こ取れた。


そしてオッちゃんは壁に飾られているもの全て東ドイツのものなんだぜ!!と言っているようだった。

確かに、軍帽や軍靴、国旗なんかのものが多いなと思った。



貼り付けてある新聞記事も、それっぽい内容のものなのかもしれない。



お店に飲みに来てるオッちゃんたちも英語をしゃべる人がいなかったのは、もしかしたらあえて喋ってないのか。

英語なんか喋るかい!って雰囲気なのかも。




そう、このドイツ北東部は思いっきりかつての東ドイツエリア。


どうやらこのバーはディープな共産主義の生き残りたちのたまり場らしかった。




「ソーセージビール!!シュトロハイム!!」



マスターにこっち来い!と言われ、外のテーブルに行くとそこではオッちゃんおばちゃんたちがワーワー言いながら飲んでいた。


ここに座りな!と言われて、それに混じらせてもらったんだけど、なんせみんな英語を喋らない!!

完全に分かってる。彼ら完全に喋れるくせにあえて喋らない!!





ドイツ語が飛び交い、みんなが大笑いしている中で俺たちもビールを飲む。


これが1人だったらなかなか気まずいけど、今はカンちゃんと2人だ。

あんまり構われすぎないのも気が楽。



オッちゃんが見せてくれたんだけど、これが西と東に分かれていたころのドイツの国土。

東ドイツのど真ん中、ベルリンに飛び地として西ドイツがあったんだなぁ。すげぇ。知らんかった。







するとオッちゃんたちの中に1人、積極的に英語を喋るおじさんがいて俺たちの横にやってきた。

優しそうなドイツ紳士だ。


ああ、良かった。このおじさんなら素敵な会話ができそうだ。




「ドイツで女性を口説く時に、また会えたらねって言われたらそれはドイツの女の子の断り文句なんだよ。ではオーケーの時はどうなのか。まず、今何時?って聞いた時に女の子が時計をポケットにしまったら、あなたに興味があるわという合図なんだ。そしてお酒を飲みに行かない?って誘って、女の子がコーヒー飲み行こうよって言ったらそれはチョメチョメオーケーっていう合図なんだよ。我が国の科学力は世界一。」



「へ、へーそうなんですね…………」



「ところで君はチョメチョメの時にコンドームはつけるのかい?」



「そ、そりゃつけますけども…………」



「おいおい!!チョメチョメのときにコンドームをするなんて、じゃあ君はチョコレートを食べる時に包み紙も一緒に食べるのかい!?紫外線照射装置イィィ!!」




ただのエロオヤジじゃねぇか!!







そっからはもうひたすら盛り上がって、飲みまくって大騒ぎして、エロオヤジたちに変なこと言われながらビールをあおり、ヘロヘロになってしまった。




ビールをカンちゃんと合わせて6杯飲んだんだけど、なんとお会計12ユーロ。1300円。

やしすぎる(´Д` )






「じゃあみんなモインモインー!!」



「オウ!!ジャパニーズたちー!!モインモインー!!」



「モインってドイツ南部で言ったら殺されるから気をつけろよー!!」





ヘロヘロで石畳の上を歩くと、足をくじいてこけそうだ。

カンちゃんもヘロヘロで愉快なことになっており、2人で抱き合って街灯の下を歩いた。



夜空に浮かび上がる教会の塔が物言わず暗闇にそびえている。


時の止まった町。

人々は今も眠りの中だ。








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チェコのホテルをアゴダでとってくださったかたがいました!!


もうすぐチェコ!!
プラハでパブハシゴしまくって飲んだくれます!!!!楽しみすぎる!!!


どうもありがとうございます!!



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