スポンサーリンク この瞬間の出会いを楽しもう 2016/7/5 2016/06/23~ デンマーク, ■彼女と世界二周目■ 2016年6月24日(金曜日)【デンマーク】 オーデンセメグミ姉さんの家の前に止めた車の中で目を覚ました。車で寝るのはまったく苦ではない。逆にベッドを使わせてもらってシーツを出してもらったりするのは申し訳ない。人の家にお泊まりさせてもらうのはそこそこ気を使うもの。でもシャワーを浴びさせてもらって生活用水の補給をさせてもらえたのはすごくありがたかった。なにやら今現在オーデンセではかなりデカい野外フェスをやっているらしく、4万人以上の観客が郊外にあるデカい公園に集まっているらしい。有名なアーティストも結構来てるみたいだ。ゆうべ夜遅くまでドンドン音が聞こえていたのはフェスの音だったよう。俺たちがオーデンセに来たのもフェスが目的だ。でもフェスはフェスでも野外フェスのほうではなく、メグミ姉さんたちが参加するアジアンフェスティバルのほう。町の中心部の広場でアジアの国々の屋台が出たりする小ぢんまりしたものが今日から開催されるみたい。このタイミングでフェスっていったらほとんどの人が音楽フェスのほうに行くのに、それを知らずにアジアンフェスティバル目的で来たって言うと地元の人に驚かれてしまった。今日は会場内の日本ブースの前で歌ってね!とメグミ姉さんから依頼されている。お世話になってるお礼に少しでも日本ブースを盛り上げるぞ。町に到着して車を止め、教えてもらっていた広場に行くと、すでにそこにはたくさんのテントが並んで、アジアのそれぞれの国の料理がたくさん並んでいた。インドネシア、タイ、ベトナム、パキスタン、そして懐かしい匂いがするなと思ったらインドブースもあった。チャパティや見慣れたカレーの数々。おおう…………この前までのインドのキツかった日々が蘇る。チャパティ毎日食べてたなぁ……………そういえば昨日カデルからメールが来てた。今現在カデルは日本に行っている。そんなカデルがゆうべ何していたかと言うと、俺が仲良くさせていただいてる社長さんに連れられて梅田のマハラジャに行っていたらしい。しかもVIPルーム。あの品行方正、酒もタバコもやらないベジタリアンの真面目なカデルがマハラジャのVIPて(´Д` )インドの素朴な田舎で大自然に囲まれて暮らしているあのカデルが(´Д` )いやー、想像しただけで面白いわ。青山社長!最高の思い出作りありがとうございます!!そんなテントの中に日本ブースもあり、メグミさんやたくさんの在住の日本人のかたが忙しそうに動き回っていた。「あらー!来たのねー!今日は1発頼むわね!!」このオーデンセにすでに25年住んでいるメグミ姉さんは日本人メンバーの中でも重鎮的な雰囲気だ。他のみなさんもみなさん笑顔で壁がなく、入り込みやすかった。みんなこうやって異国の地で助け合ったりしながら暮らしているんだろうな。というわけで早速日本ブースの前で歌わせてもらうことに。ちょうど着物の着付け体験のパフォーマンスもやるとのことで、カンちゃんがモデルに抜擢された。ギターを鳴らして日本の歌を歌う俺、その横で着物を着させてもらうカンちゃん。なんだなんだ?と集まってくる人たちで輪ができ、日本ブースを取り囲んだ。なにを歌おうかなと思ったけど、とっつきやすいように、風の22歳の別れ、村下孝蔵の初恋、それと上を向いて歩こうをやった。歌とともにカンちゃんの着付けも進み、いい感じのコラボレーションだった。着付けの終わったカンちゃんと一緒にたくさんの人たちから拍手をもらった。このアジアンフェスティバルでの演奏は完全なるボランティア。フェスティバルの活気に一躍買えたなら嬉しいけど俺も金を稼がないといけないので路上に行かないと。と、その前にデンマーク人の女の子がやるスーパーボールすくいが下手すぎるのでカンちゃんと日本人の実力見せつけてやることに。デンマーク人の女の子はみんなエイ!っと思いっきり水の抵抗を受ける方向に紙を動かすので当たり前に1秒で破れる。そしてハォアァ………と悲しそうな顔をしている。うんうん、じゃあ俺がお手本を見せてあげるからね。よく見ておくんだよ、力でイッたらダメなんだよ。そう、女の子を口説くときもそうだよね、強引にいったら頑なに断られるだけなんだよ。引くときは引き、押すところは押し、流れを読みながら絶妙なタイミングで一気に後ろから揉みしだくいて俺のスーパーボールが君の薄い紙を破いてもうやめましょう。91個。取りすぎ。「いやー、神田さんアレですか。お祭りで金魚を取りすぎてテキヤのおじさんに無理やり止められた派ですか。」「あらまぁ、金丸さんもですか、奇遇ですねぇ。」ブロンドの女の子たちに神を見るかのような目で見られながら会場を後にして路上に向かった。金曜日の町はとても賑やかで、そんな中を日本の浴衣を着たカンちゃんが歩くとなかなか目を引く。俺も日本の着物を着て路上やったら?って何人かにアドバイスで言われてきたけど、まぁそれは目立つだろうけどもちろんやるつもりはない。すでにやる人も出てきてるし。シンタロウさん、同じ路上パフォーマーとしてギターセットが見つかることをマジで祈ってます!!今日はいつもとうってかわってなぜか好調だった。面白いように人が足を止めてくれ、コインが入っていく。昨日とちょっと場所を変えたのが功を奏したみたい。やっぱり路上は10メートル場所をズレるだけで通行人の反応が変わるから難しい。でもそれがまた面白いんだけど。建物の分電盤みたいなのがちょうど腰の高さくらいにあり、そこに座って雰囲気よく歌った。周りのお店の店員さんもわさわざ入れに来てくれる。あー、やっとこさデンマークの人の心を少し開けられた気がするよ。またフェスティバルに戻らないといけないので今日は2時間半だけやって終了。あがりは1054デンマーククローナ、5ユーロ、16700円。デンマークの高校の卒業生たちはこんな帽子をかぶってる。荷物を片付けてカンちゃんと2人でアジアンフェスティバルに戻ろうかと歩き出したところだった。いきなりデンマーク人のおじさんが声をかけてきた。にこやかで穏やかな紳士で、とても綺麗な英語を喋る知的な人だった。そして、ほんの2、3の世間話をしたところでいきなりおじさんが言った。「もし良かったら今夜うちに泊まりに来ないかない?部屋が開いてるし、日本の人と話すのはとても興味深いよ。妻も喜ぶからね。」驚いた。さっきまで歌を聞いてくれていたそうだけど、それにしてもいきなりこうやってお泊まりのお誘いをしてくれるなんて。いや、たまにこうしてシチュエーションはある。でもやっぱり毎回驚いてしまう。今俺たちは寝床には困っていない。車の中で快適に寝られる。なんならゆうべメグミ姉さんの家でシャワーも貸してもらったし電子機器の充電もさせてもらった。お泊まりをさせてもらう必要はない。でもそういうことじゃない。困ってる時は、確かに助けてもらえることは嬉しい。でもそうじゃないときでも、今夜この紳士のお宅にお邪魔させてもらったら素晴らしい出会いが待っているかもしれない。もう2度と出会えないであろうこの一期一会を無駄にするか、素敵な会話の時間をお互いに楽しむか。旅をしているなら断る理由なんてない。こうして意を決して声をかけてくださったおじさんの優しさに感謝。住所を教えてもらい、後でお伺いしますと伝えて別れた。さーて、スーパーボール91個もとっちゃう神の凱旋ですよー、ヒレフセロこの野郎!!フハハハハ!!とアジアンフェスティバルに戻ると、248個取ってるゼウスがいました。こいつゼウス。あんたナニモンですか……………在住の2世の男の子でした。アジア人ってこういう細かいの得意なんだろうな。キリンビールを飲みながら会場を散歩していると、さっき路上で声をかけてくれたアジアンフェスティバルの主催のタイ人女性がやってきて、あなたの歌素晴らしいからステージで歌ってくれない!?とお願いされた。やらせてもらいまラドーナ!!ステージに上がると夕方の会場にはかなりの人が集まってきており、目の前にたくさんの人が座って興味深げにステージ上のアジア人を眺めていた。「みんな飲んでますかー!いやー!やっぱりデンマークのビールは最高だネ!!ヒョウ!!あ、ごめん、これ日本のビールだ。」というさっきから頭をフル回転させて考えていたジョークで会場の笑いをさらったところで2曲。久しぶりのマイクにちょっと力加減がわからなかったけど、大きな拍手をもらって、運営側からももっとやってくれ!と言われたけど今は2曲がちょうどいいのでこの辺にしといた。アジアンフェスティバルは20時に終了し、みんな一斉に店舗を片付け始めた。どこの屋台でも食べ物をガンガンビニール袋に放り込みまくって捨てているのでいらないならちょうだい!と春巻をゲット。やっぱり食中毒の関係で食べ物の管理は厳しいみたい。さすがは先進国。食べ物を捨てるなぁ。ちょっとだけだけど日本人ブースの片付けのお手伝いをさせてもらい、また明日遊びにきますと別れた。メグミ姉さん、楽しい時間をありがとうございます!!それから車を走らせてさっきの紳士の家に向かった。郊外に走っていくと、なにやらものすごい数の車が路駐してたくさんの人が歩いているところがあった。道が閉鎖されており、ガードマンが立っている。その閉鎖された道の向こうに歩いていくちょっとイカつめの人々。あぁ、これが音楽フェスの会場か。4万人以上が集結してるんだもんな。きっと町のホテルとか値段が跳ね上がっているんだろう。遠く公園の中からワー!!という人々の大歓声が聞こえてくる。うー、混ざったら楽しいんだろうな。でも俺たちのほうもきっと同じくらい楽しい出会いがあるんだからこっちを思いっきり楽しむぞ。「ハーイ!よく来たわね!入って入って!!」さっきの紳士、ジョンさんの家に着くと、奥さんのコニーさんが出迎えてくれた。とても優しそうで、これまたジョンさんと同じく賢そうな人だ。家に入って驚いた。マジで図書館ですか?ってくらいの蔵書の数だった。3つの部屋に分かれて様々な本が棚に並んでおり、フワッと古い本の匂いが鼻をくすぐる。しかもどれも難しそうな専門書ばかりで、やはりこの2人は知識人なんだなと思った。「よく来てくれたね!何か飲もうか?白ワインはどうだい?」ちょうど犬の散歩に行っていたジョンさんが帰ってきて、ヤンチャ盛りの犬が飛びかかってきた。家の中のインテリアはとにかくオシャレ極まりないもので、本当自分たちでこれはオシャレだと分かってやってるんですか?って聞きたくなる。陶器とか銀細工、ガラス食器がポイントごとに配置され、古いパイプなんかが壁にぽつんとぶら下げてある。リアルなケーキの形をした置物が台の上にさりげなく置いてあり、たまらなく可愛い。北欧の人のインテリアセンスはマジで全人類トップ!!!!照明ひとつとってもめっちゃイカす!!「このカールファベルジェのエッグをフミたちは知ってるかい?とても貴重な美術品でね、あと2~3個が世界のどこかに散らばっているんだ。田舎の田舎の村の民家でね、食器棚の中に置いてあったなんてこともあるんだよ。」ジョンさんは大学で働いており、コニーさんは美術館の学芸員。2人ともほぼネイティヴというかネイティヴよりも綺麗な英語をしゃべり、穏やかで知的で、教養溢れる話がテーブルを滑り、白ワインがすすむ。室内の明かりはどれも間接照明の柔らかいもので、日本みたいにこうこうと照らしたりはいてない。どこか秘密の会議のような、そんな雰囲気すらある。2人の話にはどれもロマンが溢れており、聞いていると心がフワッと踊りだす。テーブル越しの2人の笑顔がとても素敵だった。この素敵な夜がとても嬉しかった。車で旅してると地元の人とのコンタクトは多少減る。ゲストハウスに泊まらないので他の旅人にもまず会うことはない。旅の最大の喜びは絶景を見ることよりも、心の機微を感じることよりも、やはり出会いだ。人と出会うことは、本当に楽しいこと。ジョンさん、コニーさんと夜遅くまで色んな話に花を咲かせた。~~~~~~~~~~~~~~~~~バンコクの宿をアゴダでとってくださったかたがいました!!カオサンの宿だったら盗難に気をつけてくださいね!!どうもありがとうございます!!