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ローズフェスティバル最終日は日本人まみれ

2016年6月5日(日曜日)
【ブルガリア】 カザンラク





昨日めっちゃ稼げたことで気持ち的にもかなり楽になって、さぁ今日も気合い入れて歌うぞーー!!というところで、デンマークの友達からメールが来ていた。





あ、荷物届いたのかな。






そう、今回のヨーロッパ路上の旅のために、日本から俺のCDを送ってもらっていたのだ。
それが無事届いたようだ。



よっしゃ!!やったぜ!!と思ってメールを開くと、こんな内容が。





「文武君………送ってもらった荷物に関税がかかって28000円払ってくださいって手紙が来たよ。どうする?」




もうメール見た瞬間、楳図かずおの漫画みたいな顔になりましたよ。



ぎゃあ!!っていう吹き出し出たわ。












ぬあんだとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!

関税いいいいいいいいいいいい!!!!!!




どういうことだ!?だいたいなんでそんな高額な関税がかかるんだ!?荷物の値段とかわからんやろ!!!と思ったら、どうやら実家のお母さんが荷物を送る時に、ウルトラ正直に中身のCDの合計金額を送り状に書いていたみたい。



しょ、正直者!!

親が正直すぎてなんか嬉しいのか悔しいのかわからん!!










この関税ってやつ。


海外に住んでる人ならみんな避けて通れない道だと思うんだけど、日本から荷物を送ってもらったらかなりの確率でかかってしまう。


例えそれを売ってお金を得ようという商用でなかったとしてもかかる。友達にあげるプレゼントでもかかる。






これを逃れる確実な方法はない。



ではみんなどうしてるのかと言うと、中身の価値の値段を低く書く。

そうすることによってかけられる関税の金額も低くなるという寸法だ。





しかし、これには落とし穴があって、もし金額を低く書いたら輸送の途中で荷物が紛失してしまった時に、補償してもらえる金額もその金額になってしまうのだ。




例えば10万円のものを送るときに、中身の値段を1万円ですと書く。

それなら関税は3000円くらいになる。

でも万が一紛失した時に1万円しか補償してもらえないってこと。






ほとんどの人が低く書くやり方で荷物を送ってるのが現状だと思うけど、まぁ美々津のお母さんがそんな技を知ってるわけもないですね。


もうこうなったら大人しく28000円払うしかない。









それで心配になったのがオーストリアのほう。



デンマークと同時にオーストリアの友達のところにも同じ数のCDを送っていたんだけど、そっちも関税かかったらかなりの金額になるぞ?とビクビクしながら、友達にメールしてみた。

するとそっちは関税のことは何もなく荷物だけ届いたようだった。





なるほど、つまり関税がかかるかどうかってのは検査官のさじ加減ひとつってことみたいだ。






正直に書いて高い関税を払うか。

低く書いて紛失しないことを願うか。


海外と荷物のやりとりをする人はこの出来事をひとつの参考にしてみてください。



















さて、関税のおかげで昨日の稼ぎが余裕で吹っ飛んで、顔が神の左手悪魔の右手になりながら今日も頑張って歌いましょうか。

フェスティバル最終日だぞ!!気合い入れろ!!ぎゃあ!!



町に行くともうウルトラ半端ないことになってやがる!!





露店がひしめいて人出はごった返してカフェはどこも中まで満席で、特にビビるのはアジア人の数!!!!この1週間ほとんどいなかったのに、今日だけめっちゃおる!!!


アジア人にとってはローズフェスティバルはこの最終日が1番のメインのようだ!!

ツアーの日本人もめっちゃおるぞ!!!







よおおおし!!上を向いて歩こうをエンドレスリピートして、なんだったらバラが咲いたも歌いまくって日本円ゲットしまくってやるぞおおおおおおお!!!!!!




















おい。



おい、おのれはどこでやっとるかわかっとるのか?








嘘バイオリン弾きが俺が昨日やってたベストポジションでやってやがる。



そうだ。昨日俺がめっちゃ稼いでる様子をじーっと見つめていたこの兄ちゃん。


ここめっちゃ稼げるやんと踏んで朝早くから場所取りしてやがったのか。






この場所は露店の人も目をつけないような中心部から外れたポジションだ。

俺の他には誰もいないのでゆっくり歌うことができた。


完全に俺がやってたのを見て場所を横取りしに来てやがる。





路上場所は基本早い者勝ちだ。


でもこうしたお祭りの時ってのは、露店も含めてみんなそれぞれのポジションに固定で陣取るもんだ。


ここはあいつの場所、あそこはあの人の場所っていう暗黙の了解がある。


ギター弾き語りの兄さんも、アコーディオン弾きのおじさんも毎日定位置で演奏しているので、俺もそれを分かった上で離れた場所を選んでやっている。


あそこのほうが稼げそうだからっていって、その人がいないうちに陣取って演奏を始めたら、そりゃいさかいも起きる。





しかしこのジプシーの兄ちゃんはそれを平気でぶち破ってきている。




てめぇー……………演奏してるフリという路上パフォーマーの風上にも置けないような舐めたことしてる上に場所横取りかこの野郎。


どうせライセンスも取ってねぇだろう。








さすがにムカついて、こいつの前に立ってじっと演奏のフリを見つめる。


なんとしても俺と目を合わさないようにしている兄ちゃん。


しかしやはり通行人たちはスピーカーから流れる音源の演奏をこの兄ちゃんのものと思って拍手してお金を置いていく。


いやー、いい演奏だね!!僕はフミ!君は!?って握手求めてやろうか?








この野郎ーと思っていたら曲が終わった。



すると顔を上げて俺に声をかけてきた兄ちゃん。


遠慮気味に、ここでやりなよって言ってきた。俺はどくからって。



ふーん、一応後ろめたさみたいなものはあるみたいだ。




すると、場所は譲るけど何時までやる?と聞いてきた。

どうしてもここでまたやりたいみたいだ。




路上場所での時間のやり取りはよくあること。

俺は1日ここでやるからどっか行きやがれ!!っていう人も多いけど、基本は時間を決めて交代するもの。




路上パフォーマーの風上にも置けないやつではあるけど、こうしたところはキチッとしてんだな。


ここでは今から2時間演奏するよ。そしてその後3時間空けてまた16時から再開するからそれでどうだい?と言うと、グッと親指を立ててきた兄ちゃん。


交渉成立。







ミュージシャンはみんな長年の練習や経験を糧にして技術を身につけて、それを披露して観衆に対価をもらう。

この兄ちゃんはそれをやってきていない。


ただ曲を覚えて、それに合わせてそれっぽく指を動かしてるだけだ。

寿司を食べたことない中国人が寿司ですーって言ってヨーロッパの中華料理屋でそれっぽいものを出してるような感じだ。


日本の職人が血ヘド吐きながら修行する時間をすっ飛ばして寿司っぽいものを作っているけど、本物を知らないヨーロッパの人はそれで満足してる。



でも、結果満足してもらったら、実はそれでいいのかもしれない。


いや、ダメだよ。ダメだけど、路上ってのはそんな一面もあるんだよな。


この兄ちゃんは上手いところに目をつけたっていう、アイデアで稼いでいるわけだ。


もちろん本気でやってる人間からしたらムカつくけど、それもまた路上の本質なのかもな。


















というわけで路上スタート。






スピーカーから流れるプロの演奏よりは上手くないけど、生の演奏にはそれ以上のものがあるものだ。


生きてる音楽にはきっと伝えられるものがある。


向こうの方ではバイオリン弾きの兄ちゃんがジプシー仲間たちとバルーンを売っている。綿あめ屋もやってるみたいだ。

物販の片手間に負けてたまるか。



休憩を挟まずがっつり2時間、思いっきり歌った。








と、そんなところに日本人のおじさんがやってきた。



「おー、久しぶりやなー。元気にしとったかー。」



「あああー!カトマンー!!!久しぶりーー!!」




やってきたのは70歳手前くらいの初老のおじさん。

手にブルガリアの旗を持って、いかにも観光客といった感じだけど、実はこの人、すでに98ヶ国を回っている旅の達人。


カンちゃんの大阪の友達で、俺も何度か会ったことのある旅人さんだ。









「いやー、ツアーはええなぁ。なんもせんでええわ!ぜーんぶ連れて行ってくれるでー。」



すでに98ヶ国も回ってる達人なのに、あえてのツアーで今回ローズフェスティバルに来ているカトマンさん。

もうなんか逆にチョイスが渋い!!






実はカトマンさんがこのローズフェスティバルにツアーで来るということがわかってから、今日落ち合う約束をしていたのだ。


カンちゃんが日本から折り紙を持ってきて!とお願いしていたこともあって、この人でごった返す町の中で会えるか不安だったんだけど、さすがに旅の達人。


見事見つけ出してくれた。





「ええなぁ!ストリートライブかー!!カモーン!みんな聞いてやー!!ヘイヘーイ!!」



行き交う人に陽気に声をかけまくるカトマンさん。

いいなぁ、海外をめっちゃ楽しんでるのが分かって見てるこっちまで嬉しくなってくるわ。











日本から持ってきてくれてるという折り紙たちはバスの中に置いてきたそうなので、またツアーでお昼ご飯を食べるレストランに取りに行きますよと言ってカトマンさんとはひとまず別れて路上再開。



2時間みっちりやって13時にバイオリンの兄ちゃんにバトンタッチ。



荷物をまとめたら、今回のフェスティバルのメインイベントであるパレードを少しだけ見た。












車道を閉鎖して様々な種類のグループが通りを練り歩く、なんともローカル色溢れるほのぼのとしたパレードに観光客たちはみんなカメラを構えているんだけど、面白いのはこのパレードで有料の観覧席を占領してるのがビビるほどアジア人ってところ。


中国人率が半端じゃない。

みんなどデカいカメラで写真を撮りまくっている。




俺もさっき歌った2時間でマジで余裕で100枚くらい写真を撮られた。
中国人は写真は撮るけどお金は置かない。

中国本土ではみんなめっちゃ入れてくれるんどけどなぁ。





すると上空を変な乗り物が飛んでいった。

見ると、それはなんていう名前かわからないけど、1人乗りの簡単なヘリコプターみたいなやつだった。

まるで風の谷のナウシカとかに出てきそうな、ファンタジックな乗り物がバタバタバタバタ言いながら空をかけている。


うおー!ヨーロッパっぽいー!って思ったらその乗り物に乗ってる人が何かを空にまいた。


それはどうやらこのフェスティバルのチラシのようで、風に舞いながらその無数のチラシがハラハラと空から降ってくる。






なんてイカしたことしてるんだよ……………


もう、本当映画の中の世界だよ。





















それからカトマンさんがランチを食べるというレストランに向かった。




そのレストランは中心部から結構離れた丘の上にあるらしく、坂道をハァハァ言いながら登ったんだけど、その分高台から見渡すカザンラクの町はとても綺麗だった。

山に囲まれた中にささやかに広がる緑豊かな小さなこの町。


町の中にはほとんど見られないけど、郊外にある村々には広大なバラ農園があるらしく、一面に咲き誇るバラが見られるんだとか。


さっきカトマンさんに聞いた話では、それらの農園に訪れてバラの花を摘むローズピックが観光の目玉らしいんだけど、マジで、マジで日本人まみれだったらしい。


やっぱりどこの旅行会社もこの日曜日に合わせてフェスティバルに来るみたいだ。







本当にそんなに日本人だらけなのか?って半信半疑だったんだけど、カトマンさんがいるレストランに着いてそれが真実だとわかった。




丘の上の広いガーデンで、バーベキュースタイルのブッフェを食べるこのツーリスト向けのレストラン。

マジでそこにいる半分以上が日本人という脅威の割合。

飛び交う日本語、日本語、日本語。


ツアーコンダクターさんたちも大忙しだ。











おかげで俺たちが中に入る時も完全にツアーの一味と思われてノーチェック&バーベキュー全て食べ放題。

誰も顔なんかわかりゃせん。





い、いや、俺たちツアーのメンバーじゃないんですけど………って思いながらそこらへんのテーブルのオカズをつまみ食いしながらウロウロとカトマンさんを探していると、ひとつのテーブルにカトマンさんを発見。




「いやー!すごいやろー!日本人の数!!ここでご飯終わったらすぐにルーマニアに出発やで。ツアーは楽でええなぁ。あ、ワイン飲むか?なんでも飲み放題やでー。」



さすがに飲み物まではアレなので遠慮して、カトマンさんにお願いしていた折り紙を受け取ると、その中にはチーカマとかの日本のおつまみがたくさん入っていた。




「懐かしいやろ?これで酒のアテにしやー。」



























しばらくカトマンさんとお喋りし、いきなり始まった観光客向けの伝統的なダンスなんかを見たりしていると、移動の時間になり、ズバァァって動き出した日本人の波に乗って俺たちもレストランを後にした。


カトマンさん!!マジでありがとうございました!!

これで子供たちにまた折り鶴を配っていけます!!


100ヶ国目突破してガンガンいってくださいね!!























無事荷物を受け取ることができ、また町に戻ったらちょっと気になっていたローズワインエキスポの建物に行ってみた。

















たくさんのワイナリーがブースを並べローズから作ったワインの試飲会をやっており、好きなだけ飲み放題というワイン好きにはどうぞ吐いておくんなさいと言わんばかりの大盤振る舞い。


ここでしこたまローズワインを飲みまくってふわふわになったところで、さぁ路上後半戦いってみようかあああああああああああああ!!!!!










豪雨。





すっごい豪雨。








蜘蛛の子散らすように人々はカフェに逃げ込み、町から人がいなくなった。



しかしこの雨ももう慣れたもんだ。
この1週間ずっとこんな感じだったので焦ることもない。


そしていつものように1時間ほどで雨はあがった。


よっしゃ気合い入れていこう。

















「ハーイ!フミ!!調子はどうだい?」



順調に歌っていると、そこに昨日のドイツ人バッグパッカーのティルとデビッドがやってきた。




「そっちこそ!ゆうべの湖ではちゃんと眠れた?」



「めっちゃよかったよ!!静かで綺麗で、地元の人がいて仲良くなってみんなで夜遅くまでラキアを飲んだよ!!今夜も湖で寝る予定だよ!」




今日も爽やかな笑顔の2人の手にはやはり段ボール箱。

中にいる子猫のモモがニャーニャー鳴いている。



2人もまた今回の旅のブログをやっていて見せてもらったんだけど、ドイツのブログって結構質素な感じだった。


日本人のやってるブログって洗練されてるんだ。

2人もアフィリエイトやってみたら?と言うと、それ考えてるんだよねー!と笑っていた。











今日でお祭りも最終日ということで夕方には人手がぱったりとなくなってきて、祭りの後の静けさの中、今日もデビッドとセッションをした。


1年間の名残を惜しむように帰り路の人々が足を止めて、周りに座って演奏を聴いてくれる。

これからまた町は田舎の静けさを取り戻し、そして来年のローズフェスティバルに向けて新たな準備が始まるんだろうな。







訪れた町でたまたまやっていたこのローズフェスティバル。

どう考えてもこれは縁だったんだろうな。



ミレナたちとの出会い、そして今回のフェスティバルとカンちゃんへのプロポーズ。



ブルガリアの小さな田舎町が、俺の人生にとってこんな大切な町になるなんて思いもよらなかった。


出会いは人だけではない。

町との出会いもまた旅の喜びだ。



今日のあがりは183レフ、5.5ユーロ。計12200円。


















充分な稼ぎを得たであろう露店の人たちが充実した表情でゆっくりと屋台をたたむ中、町を後してミレナのレストランに戻ると、まばらなお客さんたちがテーブルに座っていた。


そんな中に疲れた表情のミレナがいた。



「はぁー、疲れたわ。これだからお祭りは苦手なのよ。店の上に遺跡があるおかげで日本人の団体がトイレを使いに来るわ。また明日からゆっくりできるわー。」



前までのミレナだったらただの明るいジョークと思うところだけど、今のミレナの体調を思うとフェスティバルが疲れるだけのものだというのもよく分かった。


今は病気も良くなったみたいだけど、再発しないのかやはり心配してしまう。




「フミ、初めてフミがこの店にやってきた時のことを覚えてる?」



そう聞いてきたミレナ。

もちろん覚えてる。


3年半前のクリスマス。
寒い夜中の町をさまよって、たまたま見つけたこのレストランにふらっと入った。

閉店前で、そこには片付けをしていたミレナとパパがいた。




「あの時ね、なぜかフミの周りに天使が見えたのよ。不思議な話だけど。私たちにとって運命だったように感じたわ。フミにはそういうものがあるのよ。」




天使が見えたなんて、邪悪極まりない背後霊じゃなかったのは嬉しいけど、さすがにこっぱずかしくなる。


でも、やっぱりそんなこと言われるとこっちこそ運命を感じるよ。





俺がこのカザンラクにたどり着けたのも、きっと運命のひとつなんだろうな。


この世界中に、そうした場所があといくつ散らばっているんだろうな。







ミレナ、パパ、イザベル、本当に本当にありがとう。

本当に大好きです。






さぁ、明日出発するぞ。









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大阪の宿をアゴダでとってくださったかたがいました!!


大阪で飲み会したいー!!天満で!!


どうもありがとうございます!!


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