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そんなにキャンディクラッシュが好きなんですか?


2016年6月4日(土曜日)
【ブルガリア】 カザンラク





昨日、無事プロポーズをすることができてカンちゃんにはいって言ってもらえた安堵で心からゆっくり眠ることができた。




あぁ、プロポーズしたんだなぁ。

こんなにちゃんと結婚しようって言ったの初めてだなぁ。











ぐっすり眠れて気持ちよく目をさますと、すでに起きていたカンちゃんがベッドの横で何かをしていた。


後ろ姿で何かをやっている。



なんだ?と覗き込んでみると、俺のiPhoneをいじって何かしていた。




「ちょ!!何してるの!!」



「はっ!!見ぃぃぃいたああぁぁぁぁなぁぁぁあああ!!!」




おいおい!!プロポーズの次の日の朝にいきなり人のケータイチェックとかなにしてるんだよ!!そんなに人のことが信用できないのかよ!!と思ったらキャンディークラッシュ。





勝手に人のiPhoneのロックキーを開けてキャンディークラッシュをしてるカンちゃん。







「このジャムの面、超難しい!!」



「どれどれ。んー、難しそうだねー。はい、じゃあ次俺の番。」



「あ、もうライフないの。テヘペロリンチョ。」



「いつの間にそんなにやりまくったんだあああああああ!!交代ごうたいの約束やろおおおお!!!」





この前インドでiPhoneを盗まれたせいで、アップルIDがおかしなことになってて新しいアプリをダウンロードできないカンちゃん。


ていうかお互いにiPhoneのロックキーを知っててケータイの中身見放題、さらにはほとんどのアプリのアカウントパスワードも知ってるのでフェイスブックもGmailもチェックし放題というさらけ出し具合です。





怖っ!!!



あのメキシコでの夜、金丸さん、すごかったです………4回もするんだもん………また会いたいな………なんて恐ろしいメールが来たらマジでその瞬間iPhoneを地面に叩きつけてガソリンぶっかけてジミヘン並みのファイヤーパフォーマンスで証拠隠滅する必要がある。あ、アカウントパスワードバレてるからパソコンで見られる。




うきょおおおおおおああ!!!!!ネット怖ええええええええええええええ!!!!!!



















さて、朝からキャンディーイチャイチャをかまして今日も気合いを入れてアパートを出発。



町にやってくると、もうすっごいことになっていた。









ローズフェスティバル2日目なんだけど、今日は土曜日。


マジでものすごい人出で大混雑な上に、通りのありとあらゆるところに露店が出まくっている。


昨日だけでもかなり新しい露店を見たけど、今日はさらに倍くらいの露店が出てきており、隙間ゼロ。


しかしそんな隙間ゼロの隙間に根性で入り込んで音楽系のパフォーマーが演奏をしているというカオス状態。



おお、こうなることを予想して11時に出てきたというのにすでに場所取り合戦に超絶出遅れてしまっているようだ。









昨日見かけた、音に合わせて弾いてるフリをしている嘘バイオリン弾きのジプシーの兄ちゃんもいる。


やはり観客はその演奏がスピーカーから流れているものとは気づかずに、拍手してお金を置いていっている。













前にヨーロッパを回っている時に、面白いバイオリン弾きを見たことがある。


どこの国だったか忘れたけど、お城の下で観光客相手にバイオリンを弾いていたそのおじさん。


まぁ演奏は普通で、どこにでもいるレベルだなぁと思いながら横を通り過ぎる時にマジビビった。




なんとおじさんが持っていたのはただのシャモジだった。


シャモジを持って弾くフリをしている。



そしてバイオリンの音を口で出していた。





なんてイカしたパフォーマンスだ!!ってすごく感動したのを覚えてる。














路上パフォーマンスは町を明るくする。

それが使命みたいなもんだ。

そして何かしら心を動かされた人が気持ちのお金を置いていく。金額はもちろん自由。




この弾くフリをしてるバイオリン弾きとシャモジのバイオリン弾きの違いは、きっと誰でもわかる。

嘘は嘘でも、いい嘘と悪い嘘は必ずある。




でもネタバレさえしていなければ、町の人からしたらシャモジの人よりもこの弾くフリの人のほうがいいパフォーマーかもしれない。

プロ並みの素晴らしい音を路上に響かせているんだからお金も入る。

町の人からしたらそれが全てなのかもしれない。





でも、何をやっても良いわけじゃないよ。

指の動き合ってないよ…………


路上ってもんの在り方を考えさせられるなぁ。















まぁそんな兄ちゃんの秘密を兄ちゃんの目の前で大声で叫んだってしょうがない。

俺は俺の路上をやるぞ。



いつも俺がやってる場所にはすでにアコーディオン弾きのおじさんが陣取って演奏していたので、少し中心部から離れた静かなところまで行ってギターを取り出した。


広場から離れているので向こうの音もここまでは届かないし、他の露店もここまでは来ておらず俺の独壇場。

中心部に向かう人が必ず通る道なので人通りはバッチリだ。



ていうか今日から土日ということで、昨日までとは比べものにならないくらい大量の人が歩いている!!


はやる気持ちを抑えながら、ゆっくりギターを鳴らした。




























可愛すぎる!!









もうめっちゃフィーバー。

昨日までのペースがなんだったの?ってくらいのお金の入りかた。


お金が入るたびにありがとうって言うんだけど、ありがとうって言いすぎで歌えないくらい。







観光客も多くて、ユーロのお札やトルコのコインも入る。


周りのお店の人もお金を持って出てきてくれるし、目の前のアパートの住人もベランダに出てきてリズムを刻んでくれている。


うおお、こいつは楽しいぞ。






「ヘイ!めっちゃいいね!!よかったら一緒に演奏させてもらっていい!?」




そんなところにやってきたのはバッグパックにテントやマットをくくりつけた、いかにも旅してます丸出しの欧米人の若者2人組み。


ドイツから2人で旅してるという爽やかな彼らの名前はデビッドとティル。






もちろんだよ!と言うと、デビッドが旅用の小さなギターを出してきた。


う、うめえ!!


ブルーグラス系の奏法が得意みたいで、ディランの風に吹かれてを弾くと、めちゃくちゃいい感じで入ってきてくれて、マジで素敵な演奏になった。



曲を終えるとデビッドと固く握手。




「デビッド最高だよ!」



「いいね!!もっとやろうよ!」












何度も人だかりを作りながら2人でセッションを1時間ほど。


残念なことに雨が降り出してしまい、わたわたと荷物をまとめて軒下に逃げ込んだ。



デビッドとティルは本当に爽やかなやつらで、ヒッチハイクとキャンプで旅費を節約しながら旅してるところらしい。


これからトルコに向かい、中央アジアを抜けて中国に向かうとのこと。




「2人は今夜はどこで寝るの?」



「ローズフェスティバルのおかげで宿がどこもないからキャンプするつもりだよ!」



「そっかー。もしよかったら今夜俺たちの泊まってるアパートに来る?ベッドふたつ空いてるし。でも15レフ払わないといけないけど。今この町で15レフは相当破格の安さだと思うよ。」



「マジで!?うーん…………でもなぁ。それもなるべく節約したいんだよなぁ。まぁ俺たちテントあるし男2人だから問題ないよ!!」



「そうかー。まぁ俺もキャンプしてたから気持ち分かるよ。あ、これさっきの路上のデビッドの取り分。」



「おいおい!!そんなつもりでセッションさせてくれって言ったわけじゃないんだよ!!それ受け取ったら楽しかった時間が台無しだよ!!」




この謙虚でプライドのあるところが同じ旅人としてすっごく好感。


話していてすごく楽しくて、雨を眺めながらずっと喋っていた。




「ところで、そのダンボールの中、何が入ってるの?」




さっきからバッグパックの他にずっとティルがダンボールの箱を持ち歩いているので何かと思ったら、その箱の中にはまだ生まれて間もないくらいの小さな小さな猫が入っていた。




「ソフィアの道端でこいつを見つけてね。本当に死にかけててさ。ほっとけなくて連れてきたんだ。今はご飯も食べられるようになって元気だよ。」

















ニャーニャー言いながらティルの太ももの上で眠りだす子猫の名前はモモなんだそう。

でもこいつを連れて国境を越えることはできないので、ブルガリアにいるうちに飼い主を見つけないといけないんだって困った顔のティル。



なんて素敵なやつらなんだ。

親の顔が見てみたいわ!!


















今夜は町から5キロのところにある湖のほとりで寝るよと爽やかな笑顔で歩いて行ったティルとデビッド。


2人と別れて俺は夕方からもういっちょ路上に出た。








後半戦もめちゃくちゃ反応が良くて、いつまででも稼げそうな感じだ。



人だかりを作りながら歌っていると、少し離れたところからあの嘘バイオリン弾きの兄ちゃんがじっとこっちを見ていた。

めっちゃ稼いでやがるって思ってんのかな。


当たり前だ、弾いてるフリに負けてたまるか。




今日のあがりは240レフと6ユーロ、それと1ドル。計16000円。






いやー、やっぱりチンチクリンだなぁ。可愛い。
























「あー、お祭りに来てやっとマトモに稼げたー。疲れたー。」



「お疲れ様でした!!ありがとうねー!!」



「こちらこそいっぱいネット作業してくれてありがとうね。ていうか俺たち婚約してるの?」



「え?そ、そうなりますね………フィアンセなの?」



「フィアンセなのー!!!??!」





なんか口にするとビビるわ。

あの言葉だけで俺たちは婚約者なんだよな。



充実感に包まれながら手をつないでアパートに帰った。




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