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南下の旅は幸先よし!!

7月22日 月曜日
【アメリカ】 ラーレー ~ ダーハム







寒い。

寒すぎる。

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東欧を彷彿とさせる極寒のバスだった。



冷房がききすぎて、一切眠ることが出来ずに、一晩中震えながら足をさすっていた。


アメリカの冷房の効かせ方は本当に過剰だ。


さらにバスだというのに乗り換えが2回もある。

夜中に荷物の積み直しはつらい。




そんな夜行バス。
寝たら死ぬぞ!!並みの極寒の中でウトウトしながら夜が明け、朝9時ころに、ノースカロライナの州都、ラーレーに到着した。


寝ぼけてひどい顔しながらバスを降りる。
むわりと熱い風。
どこにでもある古びたバスターミナル。
星条旗が風にゆれる。



うーん、ノースカロライナ。
一体どんなとこだろう?
皆目見当もつかない。

まぁ、地図を見る限りラーレー周辺にも街はいくつかあるみたい。
ここらを周って稼ぎながらテネシーに向かうとしよう。


さぁー!!やるぞー!!












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鉄拳を。

1プレイ50セントです。
日本と同じです。
ただスティックがぶっ壊れてて移動できなくて、棒立ちでキックとパンチを繰り出すしかない哀れな鉄拳でした。






さて、なんでこんな観光地も何もない謎の町に来たのかというと、ある人とお会いするため。


銃社会のアメリカで野宿はなるべく避けたいと思ってるんだけど、ありがたいことに北米に入ってからたくさんの方がウチに泊まりに来ていいですよと言ってくださり、そこまで野宿しないですんでいる。

そしてここノースカロライナでもウチに泊まっていいですよと言ってくださってる日本人の方がいるのだ。




僕のブログの読者さんで、息子さんがノースカロライナに住んでいる方がいらっしゃって、気にせず息子のとこに宿泊してください、とそのお父さんからメールをいただいていた。

もちろんこのお父さんともお会いしたことがなければ、息子さんなんてヨシキさんっていう名前だけで、あとは何も知らない。


お父さんはブログを読んでくださってるから僕のことを少しは知ってくれてるだろうけど、いきなり世界一周してるやつがそこにいくから泊めてやれと言われた息子さんにはなんのこっちゃ?って感じだろうな。





ドキドキしながらこのヨシキさんにメールを送ったところ、夕方に迎えに行きますねー、とフレンドリーな返事。



うーん、どんな人なんだろ?


俺だけならまだしも、カッピーとユージン君もいるからな。

もちろん3人だということはすでに伝えてはいるけど。


荷物の量とかビックリするだろうな。










よし!!

まずは夕方まで路上やろうかなってなんだこの素朴な田舎はああああぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああ!!!!!

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ま、街がねぇ(´Д` )


豊かすぎる。

緑が。

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え?開拓?開拓時代?





クリントイーストウッドみたいな爺さんが玄関先に置いた椅子でコーヒー飲みながら、なんだこのイカれたアジアンは?みたいな顔で俺たちを見ている。


50年前で時が止まったような町の中、呆然と立ち尽くす。

え?もしかして、これから先ってずっとこんなど田舎が続くのか?


………こりゃマズイぞ。

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でも、とりあえず人はスーパーフレンドリーです。

行き交う人がみんな声かけてきたり、笑顔で手をあげてきます。

もはや何も言わないで通り過ぎる方が不自然なくらいです。




夜行バスでろくに寝てない体で、重い荷物を引きずって、炎天下の中を歩く。

日差しが強くなった。
南の太陽だ。
ジリジリと肌に食い込んでくる。


アメリカ南部の人間が、ニューヨークなどの北部の人間に対してヤンキーと言ってバカにするのに対して、北部の人間は南部の人たちをレッドネックと言ってバカにするそう。


赤い首。


野良仕事で首が日焼けして赤くなってるからって意味みたい。

それくらい日差しが強い。












途方に暮れながら町をフラフラ歩いていると、かろうじてビルが並ぶメインストリートを発見した。

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なんだなんだ、ちゃんとあるじゃんか。

よっしゃ!!張り切って路上開始!!

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人マジで歩いてませんよね。

驚愕ですよね。


これ州都?
なんかゾンビ映画みたいに、フラフラと暇そうなオッさんとか黒人がうろついてるだけ。


絶対稼げネェ。




でもやる。やってみなけりゃわかんねぇ。

根性で歌う。

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2時間後。


あがりは5ドル。

切なすぎてそっとギターを置いた。

カッピーユージン君のほうに行くと、2人ももうとっくに楽器をしまっていた。


どうやらこの町の路上パフォーマンスを取り締まっている事務所が入ってるビルの目の前でやっていたみたいで、すぐに人が出てきて止められたんだそう。


ライセンス代金、40ドル。
しかも音量に制限があるみたいで、わざわざデシベルをチェックしないといけないみたい。

この町もやれない町かー………





意気消沈して、コンクリートに座り込む。

まずいなぁ。
このペースで稼げていけるかなぁ。

結構マジで悩んでいるのに、ユージン君はベンチの上で爆睡している。

初めて来た町で治安もわからないのによくベンチで爆睡できるな。

実はユージン君が1番肝が座ってるんじゃないかな。

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夕方になり、今日お会いする日本人のお兄さん、ヨシキさんからメールが入った。

どんな方なのかな?
お父さんの丁寧で知的なメールの文章から察するに、息子さんも真面目な文系のイメージ。




と思っていたら、全然違った。

古ぼけたワイルドなワーゲンに乗ってやってきたヨシキさん。

ワイルドやなー。
タトゥーが入ってるからではなく、オーラが。



でもすっごくフレンドリーで、接しやすく、なんだか地元の仲間みたいな気になって一瞬で馴染んでしまった。

ヨシキさんのワイルドなワーゲンに乗りこんで彼の家へ。















ノースカロライナはどこもかしこも森だらけで、町がどこにあるのかわからないくらい森に建物が隠れている。

工場や研究所もみんな森の中に作っているので、道路からは何も見えない。




ヨシキさんが住んでいる団地も森の中にあって、外からは全然見えないのに、ひとたび入り口を入ればどこまでも奥に広大なアパート群が続くという異様さ。




そんなアパートの一室にやってきた。

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広々とした綺麗な部屋にはふかふかのカーペットが敷かれ、余計なものが何もないサッパリとしたインテリア。


そんな部屋の奥にすごいものがあった。






これ。

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音楽の機材。
そして数えきれないほどのレコードの山。


「これでだいたい2000曲は作ってきましたねー。」


なんとヨシキさん、ヒップホップのトラックメーカーさんだったのだ。

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4歳の頃からアメリカに住んでいるヨシキさんはもう完全にアメリカ人として生活しており、もちろん英語もネイティブレベルで話すことができる。


そんな彼はアメリカ人、日本人問わず、様々なラッパーさんたちにトラックを提供しており、中では日本のかなり有名な映画のテーマ曲に使われてる曲も作ったりしている筋金入りのトラックメーカー。


その中のいくつかを聴かせてもらった。





カッコいい。
今まであまり意識せずにスルーして聞いていたヒップホップのビート。

しかし今こうして製作者を目の前にして聞いてみると、そのセンスや技術がどれほど音楽的な才能を必要とするものかがわかる。


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「アメリカ中のレコード屋さんを周りましたねー。そうやってレコードを掘って、いろんな音を遅くしたり早くしたり、重ねたりループさせてりして作るんです。インスピレーションがすごく大事なんですよ。」


世の中に無限にある音楽。ポップスだろうがロックだろうが、フォークだろうがボサノバだろうが、ブルース、ジャズ、テクノ、クラシック、果ては風や木々の揺れる自然の音までも、あらゆる音をインスピレーションのままにサンプリング、ミックス。

なんて気の遠くなる作業だ。

それでイカしたトラックを作り上げてしまう。

まさに芸術家だ。


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「やっぱこうやって聞いてみて、音の元ネタがばれたらトラックメーカーとして失格なんですよね。いかにわからないようにミックスするかがテクニックとセンスですね。」


「あれ?これアレじゃないですか?○○○の○○のイントロですよね?」


「え?!えええ?!ウソ!?なんで分かったんですか!?これで分かるんですか!!?」



一瞬で元ネタが分かってしまった(´Д` )


まぁ得意分野だったらわかるときもあるね。





そんなありとあらゆる音楽を掘りまくってるヨシキさんなので、とにかく音楽詳しい!!

全員それなりに詳しいので音楽話でまぁ盛り上がる。



「ヨシキさんはDJはやらないんですか?実際クラブで回したり。」


「あー、僕クラブ嫌いなんですよ。」


「え!?なんでですか?」


「だってうるさいじゃないですか。」



クラブで流す音楽作ってる人の言うことじゃねぇ(´Д` )

でも逆にカッコいいね(^-^)/














「よし!!じゃあご飯食べに行きましょうか!!お酒も買いましょう!!ウチの親父から頼むって言われてますからね。VIP待遇しないと俺が親父に怒られますから。」



そ、そんなVIPて………

俺たちただの貧民楽団ですから………






そして…………

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これの………

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これの…………

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photo:21













これです。

photo:22










もう神戸に足向けて眠れない。

親父さん!!帰ったら3人で土下座します!!

最高すぎる南下の旅の始まりだ。

そしてヨシキさんが持ってる凄まじい数のレコードの中で、一瞬でジャケ買いしてしまいそうなほどジャケがカッコよすぎる1枚がありました。



これです。










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マジかっけぇ。

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