2004年 9月18日
仕事ばっかりしてるのも疼いてくるので、たまには周辺地域を回っておこうと、土曜日曜を使って帯広方面を探検しに行くことにした。
冬場になったら酒造りが始まるので、仕込みを見学させてもらえるような小ぢんまりした酒蔵と仲良くなっておきたいっていう狙いもある。
仕事を終えて早速南に向かって走っていく。
新しいファントム2代目、エスティマは快調快調!!!
運動しやすいし、坂道でも加速するし、車内も広いし、いきなりエンジンが4000回転まで跳ね上がって爆発しそうになったりもせんし、とにかくいい感じだ。
途中、かなり標高の高い峠道でとんでもない濃霧に見舞われた。
いきなり暗闇に白い壁が立ちはだかり、ぶつかる!!って思ったくらいだった。
真横のガードレールも見えない。
外灯のオレンジ色が照らし出すアーチがトンネルみたいだった。
ようやく峠を降り、帯広の町に入ってきた。
なかなか大きな町で、旭川くらいかな。
今日は土曜日。
少しでも稼ごうと路上スタート。
でも全然誰も立ち止まらない。
んー、なんでだー、結構喉の調子いいのになぁ。
30分くらいでようやく1人のオジサンが立ち止まった。
明らかに酔っ払ってる。
「よし!!!………………飲みに…………行くぞ!!!」
50歳くらいの土木屋の社長というこのオジサン。
小雨もパラついてきたし、路上はもうこの辺にしておくか。
「今夜…………俺んち泊まれ!!!……………俺んちは…………デカいぞ…………俺は帯広のドンだからな!!!!」
酔っ払ってるとはいえ、こういうことを言う人って普段よっぽど自分を抑えてる人なのかなぁって思う。
というわけで俺のファントムでオジサンの家に向かい、家の近くの居酒屋で飲むぞ!!ということに。
「俺は………汗水たらして……………働いてるから…………若い衆がついて……………くる。民間がいいんだ…………民間が……………俺の話わかんねぇだろうなぁ…………どこから来たんだ兄ちゃん。」
10回目くらいの宮崎ですって答えながら運転するんだけど、泥酔してるもんだからナビが全然できなくて、道に迷いまくって1時間くらいさまよった。
このままじゃ一生辿り着けなさそうなので、俺がコンビニで場所を聞いてなんとか家に到着。
「よし!!!!ソバ……………食うぞ……………」
近くのローソンのイートインでどん兵衛を食べる。
ひたすらずっと仕事の愚痴を喋ってるオジサン。
「学生時代に…………勉強を一生懸命…………しなかったやつは…………30代になって勉強したって……………無駄!!!!……………何の意味もない…………俺は◯◯大学だからね…………わかるか兄ちゃん?………兄ちゃんどこから…………来てんだ?」
30回目の宮崎ですと答えたころにはさすがにウンザリしてきた。
ていうか勉強なんて何歳からでもいいと俺は思う。
その時その時に自分のやりたいことを自分で決めて本気でやってきてるかどうかだ。
酔っ払って自分の自慢とか愚痴とか言う大人になるために大学行くのか?
そんなんゼッテーつまんねぇ。
さすがに面倒くさくなってきたら、オジサンも俺の態度に気づいたらしく、帰っていいよ、って言ってきた。
時間の無駄!!!!
ガソリンの無駄!!!!!
俺タクシーじゃねぇかボケ!!!
もう深夜の2時。
まだ歌ってやる!!!と帯広の飲み屋街に戻ってきたころに土砂降り。
クソろくでもねぇ。
むしゃくしゃしながら近くのコンビニの駐車場にファントムを止めて後ろにゴロンと横になった。
あー、広いな。
バンザイしてもつっかえないくらい広い。
車が快適なのでさっきまでのイライラも多少はおさまった。
これがこいつでの初車中泊。
よろしくな、2代目ファントム。
翌日。
広い車内で目を覚まし、まずは酒蔵の情報を得るべく酒販店を探し回った。
京都のように一条通り、二条通りといったふうに碁盤状に張り巡らされた帯広の道路。
市街地をちょっと離れると、砂利道にさびれた町工場や長屋が並んでいて、浅い歴史の年輪がそこかしこに見える。
「あー、帯広周辺には酒蔵はないんだぁ。」
ようやく見つけた酒屋で話を聞いたら1発で終了。
はぁ…………ろくに歌えなかったし酒蔵も見つけられんかったし、収穫ゼロやん…………
大人しく富良野にいたほうが良かったわ…………
でもひとつだけ収穫だったのは十勝平野の風景だった。
どこまでも広がる広大な平野に伸びる38号線。
多少雲はあるが、青空にいいアクセントになっている。
たまらず国道からわき道に入ってみる。
畑の中を突っ切っていく1本道。
緑一面の畑があれば、牧草を枯らす茶色の畑、
色鮮やかな草原に並んだポプラの列。
まるで幼い子供が想像のままに描いた風景画のようだ。
あと、ゆうべ濃霧で怖い思いをしたあの峠は、実は展望視野日本1っていう峠だったみたいで、こりゃ楽しみだとトコトコ登っていく。
どんな景色が見られるかなーー!!!
っていうところで土砂降り。
なんも見えん。
まぁ…………また帯広はゆっくり攻めるか…………
富良野に戻ってゆっくりしていると山田親方から電話がかかってきた。
「今日、上富良野の知り合いのとこで演奏会があるけど行かんべか?」
というわけで上富良野の山の中にある『ノルテポトシ』というコテージにやってきた。
ここのマスターがフォルクローレ好きな方で、今日はその演奏会とのこと。
広間に10人くらいのお客さんを前にして、アンデス音楽が奏でられる。
ガットギター、チャラン、ケーナ、すごく哀愁のあるいい音色だ。
「どうもありがとうございました。次はベリーダンスです。写真を撮られるかたは準備してくださいね。」
マスターのカルロスさん(日本人)のグループの演奏が終わると、音楽が流れだして奥のドアからかなり際どい衣装に身を包んだ女の人が飛び出してきた。
な!!なんてエロい人だ!!!!
なんだこのエロは!!!
これがベリーダンスだと!!!!
今すぐ襲いたい!!!!
ベリーダンスってのはインドの王朝の女の人たちが踊っていたダンスらしく、まさに男を喜ばせるためのダンス。
中指と親指につけた小さな小さなシンバルをカシャンカシャンと打ち合わせ、リズムに合わせて踊ってるんだけど、オッパイがこぼれそうだし腰振りまくってるし、しかもめっちゃ美人だし!!!!
土下座するからオッパイ触らせてください!!!
もうあまりのエロさに1番前に座ってた山田親方の息子のカッちゃんタジタジになってうつむいて、ついに俺たちの後ろに隠れた。
カッちゃん可愛いなぁ。
俺はもう脳裏に焼きつけるためにガン見。
写真もあるんだけど、エロすぎて載せるのは控えます…………
でもそんなエロさの中にも異国情緒が溢れてて、まさにシンドバッドの世界だった。
女性は美しいなぁ。
ダンスが終わったら案の定俺も飛び入りで3曲歌い、みんなでワイワイガヤガヤとお喋りし、早すぎる北海道の秋の夜長は、いつものように音楽に包まれて過ぎていった。
あー、悶々して今日は眠れんよ。
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