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指を切断しかける







リアルタイムの双子との日常はこちらから






2004年 9月22日






「原野・荒廃地だったら土地に税金はかからないぞ。でも建物にはかかる。最近ではガレージにだってかかるんだからな。まぁそれくらいの建物だったら微々たるものだろうけどな。」



仕事を終えて中田さんの家で「あさ開」を飲みながらハンバーグをご馳走になっていたら、おじさんがそう言った。



北海道小屋建設計画をついに実行する時がきた。



日本一周、ただ回るだけじゃ面白くない。

旅の中で様々なイベントを計画している。



・東京CD製作

・津軽海峡泳断

・日本で1番高いところ富士山頂ライブ

・ギリギリ四国お遍路



などなど、いくつかは成功したし、ボツになったものもある。


しかし今回の野望だけは絶対に成し遂げてやる!!



麓郷のはずれ辺りの原野に赤い屋根の8畳くらいの小屋をぶっ建てる!!!



(貧乏旅人たちが雨風をしのいで眠れて、そしてすばらしい出会いに恵まれる場所をこの手で創りたい!!)



沖縄あたりからずっと練っていたこの計画。



でも…………まぁそう簡単にはいかないようだ。


土地の所有者さんとの交渉、税金、工法、無人で大丈夫なのか…………


荒らされたりしないだろうか…………


他にも課題は山積みだ。



「本気でやる気があるんだったら、うちの余ってる木材つかってもいいべし。」



そう山田親方も言ってくれている。


耐久性や材料のことを考えるとコンクリでもいいのかとも思うけど、冬場にセメント工事は無理。


固まる前にしばれてしまうからだ。


そうなるとやっぱり廃材や端材をかき集めて作るしかない。




土地の問題、そして建てる技術の問題。


今まで理想ばっかり描いてたけど、いざやるとなったら色んな問題に直面する。


本当に俺にできるのか…………?



でも山田親方の知り合いには、大工さんじゃなくても、内地からやってきて1人で家を作って生活してる人がたくさんいる。


きっと不可能ではない。



五郎さんだって廃材で家作ったんだ。


絶対に完成させてみせるぞ。



「まぁなんか分からないことがあったらおじさんに聞けぇ。色々調べてやるから。」



役所勤めの中田のおじさんがすごく頼もしい。


まずは土地探しからだな。








「あの…………フミタケ君…………えへへ。」



ご飯を食べているとヒロちゃんがモジモジしながら言ってきた。



「ん?なに?」



「カポ貸してください。」



今度、中学校の文化祭でライブをやるというヒロちゃん。


パートはギターボーカルで、曲はもちろんバンプオブチキンだ。


そんなの俺の使うより自分のがあったほうがいいよと、次の日に楽器屋さんで3000円の結構いいやつを買ってきてプレゼントした。


めっちゃ大喜びしてるヒロちゃん。


可愛いなぁ。


妹がいるってこんな感じなのかな。












小屋建設計画のためには土地探しも大事だけど、毎日の大工仕事を少しでも覚えることがとても大事だ。


ちょうど今は小屋を1から作ってる現場。

全ての工程をちゃんと覚えないとな。





美瑛の農家さんの現場はついに建て込み段階に入り、この日は足場の組み立てをすることに。


足場だったら鳶やってた俺の腕の見せ所だ!!!



山田親方も俺を信用してくれて他の現場に行っているので、今日はユウキと2人で美瑛に行って作業。



「これ壁にべったりでいいと?」



「いや…………300離しやが…………」



足場とか組んだことないユウキ。

壁にべったりだったらどうやって壁の作業すんだよ?



とかまぁ色々言い合いながらも息の合う2人なのでスピードは速い。


猛スピードで昼前に足場を組み上げた。





山田親方がいない間に任された作業をバッチリ終わらせておかないとな。



しかし、この後とんでもないことが起きてしまった…………









昼からは基礎の型枠の切断をした。


型枠が外れなくなってるところをサンダーでぶった切って解体していく。


早いところ終わらせて帰ろうぜ!!とユウキと2人急いで作業を進めていく。




サンダーとは風車みたいな形で刃が高速回転する電動工具。


使い慣れた道具だ。



そのサンダーを狭い隙間に突っ込んで型枠を切る。



んんん…………狭くて力が入らなくてやりづらいな…………



あああ、もう、届かない。



イライラしながら右手で持ったサンダーに左手を添えようとしたその時だった。






チュン!!






左手が弾き飛ばされた。




え?

なんだ?






パパパッ、と白い作業服に赤い液体が飛び散った。


見ると、手袋の人差し指のとこが縦に裂けている。


傷の深さを確かめる間もなく液体が溢れてきて、手袋を真紅に染めた。



短距離走者のように走り出すユウキ。



「ちょ、ちょっ待って!!」



「なんや!!」



「大丈夫やから。」



「大丈夫なわけねぇやろが!!手袋脱いどけ!!」



農園主さんが救急箱を持って走ってきた。



「早く病院行ったほうがイイネ。」



「いや、まだ終わってないんでやっていきます。」






左手を頭の上に上げたまま1時間くらいで残りの作業を終わらせて、それから富良野の協会病院へ向かった。













水で洗い流すと左手の人差し指がズタズタになっていた。


カッターみたいな鋭い刃でスカッと切れている感じではなく、目の荒い刃でギザギザにえぐれとんでいる。


グロすぎ…………



「あー、これかなりパックリいってるねー。指を曲げたり伸ばしたりする腱も切れちゃってるね。まぁ動くようにはなるから。縫合するね。」



自分の指を針と糸で縫い合わせるところなんて、さすがにジッとは見てられんかった。


麻酔は効いてるけど、あの引っ張る時の感覚がめちゃくちゃ気持ち悪い。


ていうか麻酔の注射が1番痛かった。




「また間抜けなことやったなー。」



作業を中断して駆けつけてくれた山田親方。



はぁ…………かっこ悪すぎる…………



「これからはもっと頑張ってもらわんきゃいかんべし。」



気を遣ってそう言ってくれた山田親方。


なんていい親方なんだ…………


でも…………はぁ、ギター当分弾けないな。



「まぁちゃんと動くようになりますから。まずは抜糸まで10日ほどかかりますから、絶対に動かさないように。」



お金は労災でやってくれることになったけど、はぁ………迷惑かけすぎだ…………










仕事を早く切り上げて帰りたかったのは、今日がヒロちゃんの中学校の学園祭だから。

そしてヒロちゃんの初めてのライブの日だった。



ホントはライブ見にいきたかったのに、病院に行ってたせいで見逃してしまい、中田さんの家に行っておばちゃんが撮ってたビデオカメラで見せてもらった。


体育館のステージで色んな学生バンドが演奏している。



オレンジレンジやらなんやら、知らん曲ばっかりでめっちゃジェネレーションギャップ。


俺のころはジュディマリとかグレイとかラルクだったよなぁ。




そしてトリでヒロちゃんのバンド登場。


演奏はまぁバラバラなんだけど、懸命に歌うその姿はピッカピカに輝いてる!!


最近では俺とユウキのことをお兄ちゃんと呼んでくるヒロちゃんの真剣な姿はマジで涙もんだった。



「◯◯君がね!!ギター負けたわって言ってきたんだよ!!」



嬉しそうに話してくるヒロちゃん。

青春だなぁ。


俺も一生懸命ギター練習してたよなぁ。



中学生の時、初めて文化祭でライブやることにやってローリングストーンズのアンジーをめっちゃ練習してたんだけど、学校の創立50周年イベントとかでライブできなくなってすごい悔しい思いをしたなぁ。



「ヒロちゃん、もしこうなってギター弾けんなったらどうする?」



「死んだほうがまししょ。」



ズキンズキンうずく指。



はぁぁぁぁ…………

ホントやっちまったなぁ…………








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