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入籍しました。金丸奈緒さん誕生



2017年6月4日(日曜日)
【イタリア】 アンコーナ ~ アルベロベッロ






「あ、おはよーございます金丸さん。」




「あ、どうも、おはようございます金丸さん。」




「きゃああああああああああ!!!!!私金丸さんーーーーーー!!!!!!」







記念日ウィーク、最終日。




6月1日、6月2日、6月3日、それぞれ出会った日、付き合った日、プロポーズした日と、3年連続で記念日を繋ぎ合わせてきたけど、





ついに今年は入籍した日。





うおおお……………こんなに上手くいくとは…………






去年の11月にオーストリアで結婚式はしたけども、婚姻届は提出していなかったので正式な結婚ではなかった。



そして今日。



アフリカのザンビアから日本に送っておいた婚姻届を、カンちゃんのお母さんにお願いして役所に提出してもらいに行っている。


無事受理されるはずなので、今日で俺とカンちゃんは法律上の夫婦。




え?夫婦?なにそれ?


カンちゃんの名字が変わるの?




ていうことは神田じゃなくなるからカンちゃんって呼べなくなるやん!!!!



コンちゃんやん!!それかキンちゃん!!!



うん!!どっちも呼ばれてきたあだ名!!!!




「すっご!!名字変わってもうた!!パスポートとかクレジットカードとか名前どうやったらいいんやろ!!!病院で金丸さーんって呼ばれても気づかなさそう!!!」



「いやー、もうあれですよ。これから僕がどんなサイコ野郎に豹変したとしても別れたらバツイチですからね。そこのところよろしくお願いします。あー、ウンコ食べようかな。」



「これからもどうぞよろしくお願いしますー。」



「カンちゃん大好き!!これからもよろしくね!!」





いやぁ、なんか夫婦になるって、さすがに一大イベントすぎて実感わかない。


これからカンちゃんと一生を添い遂げるという決心はあまりにも自然に心の中にあるけども、きっとこの日を境に変わることって色々あるんだろうなぁ。



税金関係とかどうすればいいんだろ?


俺、世帯主になったけどなにすればいいの?




家ないし。あ、家あるか。







車が。





どうも!!新居シュコダです!!






というわけで嫁最初のご飯!!!!!



デキる嫁っぷりがほとばしるインスタントヌードル!!!!







「いやあああああああ!!!!お義母さんにふつつかって思われるうううううう!!!!!」



「大丈夫だよー、うちのお母さんそんなこと気にしないから。あ、するのかな?初婚だからわからん。ショコンだって!!!ウケる!!!実はこれで初婚じゃなかったらどうする?」



「別にいいよー。フミ君はフミ君だから。」





というわけで車の中でラーメン食べてるのをイタリアーノにガン見されながら最高の夫婦初日スタートです。















車のエンジンをかけて今日も地味に南に向けて走り出したんだけど、相変わらず町が多すぎて快調に走れない!!!!!


しかも車もめっちゃ多いし、イタリア人運転が荒いから割り込みの嵐!!!



町の中で脇道から出てくるとき、こっちが優先道路なのにノーブレーキで入り込んでくる!!!


ぬぉう!!!危ない!!!!



向こうに一旦停止の看板があるところでも、平然とノーブレーキで合流してくるのでとりあえずピザ食っとけコノヤロウ!!!胸毛すごいんだよこのアントニオ!!!









さらに海沿いはひたすらビーチリゾートになっており、すべての町が観光地仕様。



その上、町じゃないところでも狭い道路の両側に海水浴客が強引に車を路駐しまくっており、大きい車が来たら離合できないくらいの混雑!!!!


海水浴客多すぎ!!!




「うわ!!カンちゃんすごい!!あそこの海、人だらけ!!!めっちゃパラソルとか立ってる!!!」



「あー、金丸さん。関西育ちなめたらいけません。須磨、これの10倍。」





須磨、怖ええええ…………













おかげで距離がまったくのびず、チマチマ走っていたらあっという間にお昼になってしまった。



まだペスカーラってとこやん…………


どうすんだよ…………








とりあえずアイス食べようかな。







だ、だからこんなのほほんしてるから進まない!!!






「カンちゃん、これどうしよう?今日中にアルベロベッロに着きたいのに、この調子だったら2日はかかりそうだよ。」



「ねー……………せっかくの結婚記念日にずっと車の中で移動ってもったいないよね…………」



「もう高速乗っちゃう?」



「ね、ゆっくり走ってたらガソリン代もかかるしね。」




よっしゃ!!もうそうと決まればさっさと高速乗ってすっとばすぞ!!!
























ペスカーラのインターから高速に入り、そこから100キロ以上でブッ飛ばした。


だいたいのヨーロッパの国はそうなんだけど、特にオーストリアってすごい田舎で、町と町の間はほとんど自然や農地ばかりでスンスン走れる。


制限速度も一般道で80キロとか普通だ。




それがイタリアは完全に日本。


町だらけの車だらけで、ここではマジで高速に乗る価値がある。








ていうかサービスエリアに寄ったらシャワーあったあああああ!!!!!!






















しかも無料!!!!!


久しぶりすぎるホットシャワー!!!!




「ああああああ!!!気持ちいいいいいいい!!!!」



「ヤバイね!!シャワーってこんなに気持ちいいの!?」




早く進める、ガソリン代も節約になる、そしてシャワーも浴びれるって考えたら高速に乗る価値、大いにあり!!!






最近これヨーロッパの子供たちにめっちゃ流行ってます。日本ではどうなんだろ?








カンちゃんみたい。



















かっ飛ばすこと数時間。


あっという間に南部の都市バーリを過ぎ、そして目的地最寄りのインターであるジョーイアデルコッレに到着した。


いやー、高速すげぇ。






さて、乗ったからには金払わんとな。





気になる値段は……………


















22.6ユーロ。2800円。

















ぐううう!!!オーストリアの高速、1週間乗り放題で8ユーロとかなのに!!!!


ドイツ無料なのに!!!!





まぁでもイタリアでは払うだけの価値あるわ。


高速乗らんかったらここまで来るのに2日くらいかかってるはずやもん。






















ジョーイアデルコッレの町を抜けたら農地の中の田舎道をトコトコ走った。


牧草ロールが散らばり、畑の石垣が乾いた白い色になり、独特な雰囲気だ。



ここはもうイタリア南部。


ブーツのかかとのあたりだ。


明らかに北部と景色が変わった。








そんな農地の中の一本道を走っていると、なにやら不思議な形の建物が見えてきた。





丸い胴体部分にとんがり屋根の変な建物。


細かい石を積み上げて作っているその変わった屋根は、まるで東南アジアとかどっか辺鄙なところの伝統家屋みたいな雰囲気だ。



周りの農村風景も相まって、絵本の中にでも迷い込んだようなメルヘンチックな景色。





うおおお、こいつか。



これがあの有名なトゥルッリか。




もうあのアルベロベッロのすぐ近くまで来ている。


















ところで宮崎市には若草通り商店街というものがあります。


宮崎市のど真ん中にあるアーケードの通りで、一番街アーケードに繋がるメインのショッピングエリアです。


今でこそ廃れて、シャッターストリート一歩手前みたいになってますが、僕が高校生のころは若草通りはオシャレなセレクトショップや古着屋さんが集まるファッションエリアになっていました。



アーケードから路地裏に入ると蜘蛛の巣みたいな小径が張り巡らされており、そこにいくつもの服屋さんが散らばっていました。


その頃の若者たちからしたら若草通りは宮崎で1番イケてるエリアで、そこに買い物に行ってるイコール、オシャレ度の高いやつってポジション。




これが宮崎市の人からしたらまぁ普通の場所だったんだろうけど、同じ宮崎県でも美々津なんてど田舎の港町の子供からしたら、若草通りを歩いてる人たちはそれはもう違う惑星の住人くらいの感じで、そんな人たちに混ざってる自分かっこいい!!って思える場所でした。



僕も頑張ってお小遣い握りしめてエイプなんかのノーウェア系の服を買ったりしてました。






ていうかセレクトショップの前ってなんでデカいバイクが止まってるんですか?










そんな若草通りにある日、高校の同級生のオシャレな友達と買い物に行った時のこと。


ひとしきりお店を回ったあとに、その同級生がご飯を食べに行こうとあるお店に入りました。



若草通りの路地裏にある小さな小さな隠れ家みたいなお店で、こんなレストランに子供だけで食事に来るなんて、とんでもなく大人になったような気分でした。




その当時はマクドナルドにも行ったことなかったし、吉野家も行ったことなかったし、ホカ弁も食べたことなかったし、コンビニでカップラーメンを食べることすらオシャレくらいの田舎モンでしたから、それはもう緊張しました。



金丸家はいつも家でご飯食べてましたし、そんなファストフードを食べる習慣はありませんでした。







薄暗いその店内はログ調の作りをしており、すげー………って思いながら、手慣れた感じで注文をする友達の真似をしてジンジャーエールを頼みました。


外食経験があんまりない僕でも一応ジンジャーエールの味くらい知ってましたからね。



しかしそのジンジャーエールを飲んでみると、吹き出しそうになりました。



めっちゃ辛い!!!



なにこのジンジャーエール!!俺の知ってる甘くてシュワシュワしたやつじゃない!!




もう完全に度肝抜かれて、脳内パニック起こしながらもここでキョドったら漁民だとバレると思って、いやー、このジンジャーって控えめじゃね?くらいの感じで超しらばっくれた顔してました。



辛いほうのジンジャーエールって子供にはしんどいもんです。





そして出てきたピザを友達と一緒に食べました。


懐かしい思い出です。








そう、あのイタリア料理店の名前こそアルベロベッロ。



今回イタリアに来て、初めてあの店名が実際のイタリアの町の名前から来てるものだってことを知った。






ほろ苦い青春の味を思い出させるあの店の名前の町にとうとうやってきたぞ。





はやる気持ちを抑えてゆっくりと町の中に入っていくと、中心部のすぐ裏側に静かな公園があり、その横にいい感じの駐車スペースを見つけた。





完璧。いい拠点見つけたぞ。





車を止め、なんか変にドキドキしながら歩いた。



そこにはすごい風景が広がっていた。
































うおおおおおおおおおおおおお!!!!!


すげぇえええええええええええええええ!!!!





さっき町外れで見た伝統家屋、トゥルッリがどこまでもズラーーーッと並んでいる!!!


白い壁に灰色の石が積み上げられた可愛い三角屋根の建物。



屋根の先っぽには丸い触覚みたいなものがチョンとくっついており、さらに屋根にはラピュタかなんかみたいな不思議なマークが描かれている。


なんだこの町!!!メルヘンチックにもほどがあるぞ!!!!





















これらのトゥルッリと呼ばれる建物はこのあたりの伝統家屋で、今現在も実際に人が生活している民家だ。



このアルベロベッロにはそのトゥルッリがもっとも密集しており、世界遺産に登録されている。



通りにはたくさんの観光客がひしめいており、お土産物屋さんもズラリと並んでおり、こりゃ一大観光地の風情。



まさかあの若草通りのお店の名前の町がこんなところだなんて!!!!












とにかくどこを見てもメルヘンチックが止まらない。





















裏路地も、生活通路も、どこもトゥルッリまみれで、町全体が真っ白で統一されている。


トゥルッリの教会まである。



お土産物屋さんもどれも可愛らしくディスプレイされており、素敵な小物ばかりでつい欲しくなってしまう。



店の前に座ってるオッちゃんたちの味のあること。


いやぁ、めっちゃ観光地だけどめっちゃ綺麗なところやん。






































トゥルッリが密集する坂道を下っていくと大きな広場に出て、そこから反対側に登っていくと、そっちはローカルエリアになる。



観光客の姿はあまりなく、地元の人たちがベンチに座ってお喋りしており、小さな田舎町であるアルベロベッロの本来の素顔がある。


















こりゃ綺麗だなぁと思いながら俺たちもベンチに座ると、通りかかった犬の散歩をしていたオジちゃんが気さくに話しかけてきた。



オジちゃんはイタリア人には珍しく英語が喋れるようだった。





「お前さんたちは日本人かい?」



「あ、そうです。おじさんはイタリア人ですか?」



「そうだよ。この町で生まれたんだ。」



「英語が喋れるんですね。」



「若い頃に色んなところを旅していたからね。色んな国の言葉を喋れことができるよ。フランス語、スペイン語、英語、ドイツ語、あとイタリア語が少し。」





ちょ!!爺さんのイタリアンジョークが渋すぎる!!




「この町は今ではとても有名だけど、60~70年代くらいから人が来るようになったんだ。それまでは誰もアルベロベッロのことなんか知らなかったよ。」



「そうなんですね。ところでオジちゃんの好きなイタリアのご飯ってなんですか?」



「そうだなぁ。パスタかな。でもブラショーレも好きだよ。トマトソースとミートボールの食べ物だよ。」




オッちゃんがイタリア語で何か言うと、犬がおとなしくペタンと地面に寝そべった。




イタリア人のオッちゃんって可愛いなぁ。


ニューシネマパラダイスに出てくるような、ずんぐりしたユニークな顔のオッちゃんがそこらじゅうでテクテク歩いてる。


友達とお喋りしながら。



イタリア人はみんな優しい。









トゥルッリとパグの組み合わせが無敵すぎる。









どっこいせ、つって。

















































よっしゃ、今日は結婚記念日。


というか結婚した日。


カンちゃんの姓が変わった日だ。




この数日、せっかくの記念日ウィークだったのに質素なものばっかりだったので、最後の結婚記念日くらい豪華に行こう。




結婚記念日って、子供を親に預けて、ホテルのラウンジレストランを予約して、夜景を眺めながらディナーってイメージ。



ホラ誰もが振り返るよ君のこと、今も変わらず俺君に恋してる、ねぇ1番綺麗な君を~~ウォウウォウウォ~、知ってるから~~、の日。



今日くらいは美味しいもの食べに行こう。








というわけでやってきたのは、トゥルッリにまみれた裏路地にあるこのレストラン。





イルピナコロって読むのかな?


町のレストランのレーティングを見ていくと、ここはかなり評価がいい。




「ここって値段高くないかな?大丈夫かな。」



「今日はお金のことは気にしないで好きなもの食べようよ。」



「えー、素敵旦那さんの発言ですか?カッコいい!!」























気持ちのいいガーデン席に座り、ビールで乾杯した。

冷えたビールがすごく美味しい。



周りの席はほとんど予約で埋まっていたので、座ることができたのは運が良かった。






まず頼んだのはお魚のカルパッチョ、そしてさっきオジちゃんが教えてくれたブラショーレってやつ。


まったく想像がつかないのでどんな料理が出てくるのかなとドキドキしてたけど、現れたのはトマトソースとミートボールのいたって庶民的な肉料理だった。





うん、味も優しい家庭料理って感じ。


きっとイタリアの人はみんなこれを家でお母さんに作ってもらって育ったんだろうな。



オジちゃん、いいの教えてくれてありがとう!!













カルパッチョもすごく美味しくて、カンちゃんと2人で悶えながら食べた。


気温は本当にちょうどよく、寒くもなく暑くもなく、夜風が最高に気持ちいい。


ああ、贅沢だなぁ。



ロマンチックが止まらないなぁ。





ちょっといい服を着て、ちょっといいレストランに行って、こうして結婚記念日を祝えているのがすごく嬉しい。



アルベロベッロで!!!!


イタリアのカカトのところにある田舎の小さな町で!!!!!




絶対行く。


宮崎帰ったらまた必ずアルベロベッロ行ってジンジャーエール飲んでやる!!!











ていうかこのピザ、6ユーロ。740円。





マジでピザ安い。


マルゲリータだったら4ユーロだよ?500円だよ?



宮崎のアルベロベッロでピザ食べたらいくらするの?


覚えてないけど、今度行った時にめっちゃ高かったら、いやぁ~、アルベロベッロでは500円だったんですけどねぇぇええええ~、あ、すんません、ここもアルベロベッロですね、いけないいけないって言ってやる。







ていうか日本のピザってなんであんな高いんですか?


小麦の生地の上にトマトソース塗ってチーズ乗せて焼くだけですよ?


ヨーロッパではハンバーガーよりも1番簡単なファストフードです。



イタリアにはラーメン屋さんみたいな感じでそこらじゅうにあります。




チーズとかトマトの原価が高いのはわかるけどなんで2500円とかするんだろう…………







はぁ、うっまい………………






マジで凹むくらい美味い……………


ゴルゴンゾーラチーズが激合う。



あああ、やべえええ……………















料理3品にビール2本、それにお通しみたいな感じでオリーブとパンがついてお値段は33ユーロ、4000円。


うん、安い。


いやー、大満足。

























めっちゃ幸せな気持ちでアルベロベッロの町を歩いた。


トゥルッリが淡く照らされ、夜の中に屋根を尖らせている。



石畳の路地に置いてある椅子。


童話の中に迷い込んだような不思議な町。





「あー、私超幸せ。幸せすぎてどうしよう。」



「俺もー。別々の人間なのに、同じシチュエーション、同じタイミングで幸せって感じられるってすごいことだよなぁ。カンちゃんが三つ星ホテルに泊まらないと不幸のどん底って思う子じゃなくて良かったなぁ。」



「今から車で寝るのが信じられないくらい楽しみでございます。車中泊最高です。」



「帰る前にもう1杯飲んでいこうよ。今日はお金のことは気にしないで。」



「よっ!大黒の柱さん!!」



「よっ!!金丸奈緒さん!!」



「違和感んんんんんんんんん!!!!!」









2人でニコニコしながらバーに行ってグラスワインを飲んだら、2杯で8ユーロでした。1000円。



たっけ!!!!なにそれバカなのたっけ!!!!


オーストリアだったら1杯1.5ユーロだぞコノヤロウ!!!






はっ!!金のことは気にしない………!!!







金のこと気にしないなんて難しいですね。

まだまだそんな男にはなれません。






あー、幸せ。

来年の記念日ウィークはどこで何してるんだろうな。


そして6月5日にはなんの記念日を繋ぎ合わせようかな。










~~~~~~~~~~~~~~~~~~


秋葉原のホテルをアゴダでとってくださったかたがいました!!


秋葉原ってなんかケバブ屋さんが多いイメージです。外国人観光客多いからかな。
日本でも今度ケバブ食べてみよ。


どうもありがとうございます!!

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