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オンザロードアゲイン 7章







街路樹は寒々しく枝を伸ばしている。


冬も本番となり、全ての色が褪せ、空だけが抜けるように青い。

ベンチには枯葉が積もり、人々はモコモコと厚着をして白い息を吐きながら歩いている。



いい加減にこれ以上寒いのは耐えきれない。

早いところ南に下らなければ。






そんな思いでリヨンを抜け、かじかむ親指を温めながらヒッチハイクを続け、ようやく地中海沿いまでやってきたときには解き放たれたような気分だった。

プロバンスの風、美しい南フランスの海は内陸に比べてずいぶんと暖かく、野宿をするのにまったく困らないくらいだ。


そして、この海の向こうにはアフリカ大陸が広がっている。




サハラマラソンが開催されるのは4月。

参加費はすでに支払っているので、あとは期日までにモロッコに着きさえすればいい。


トレーニングはしなくていいのか?というところだけど、これだけ毎日大量の荷物を抱えて歩き回ってるんだ。

ウェイトをつけてのウォーキング状態みたいなもの。

さらに野宿をしていることで、体力的にも精神的にもずいぶん鍛えられているはず。



現在のヨーロッパには昔と違ってシェンゲン協定というものがあり、このシェンゲン協定加盟国には180日間を通して90日しか滞在できなくなっており、それを超えると不法滞在ということになる。

昔はそんな面倒な協定もなく、好きなだけヨーロッパを周遊できたんだけどな。


マラソンまではまだあと2ヶ月。

どうやらバルカン半島の方はシェンゲン協定に加盟していないようなので、そちらを回っていけば上手く3月ごろにスペイン方面に向かえるし、それにもう寒すぎるのはごめんだ。


地中海沿岸で暖かく過ごしたい。


そうと決まれば、東に向かう道路沿いで親指を立てた。










昔の旅の足跡を辿るようにイタリアに向かい、スロベニア、クロアチア、ボスニアを巡り、懐かしい町を周りながら路上で歌った。

あの頃の俺も、こうして同じ町で歌を歌っていたのかと思うと時間が経つのは本当にあっという間だ。


飛び去るようにあっという間だったというのに、その間にやってきたことは意外と多い。

たくさんのことをやって、たくさんのことを経験して、人間としてそれなりに成長もしてきたと思う。


後悔はしていない。

その時その時のベストの判断をしながら毎日を過ごしてきたはずだ。



しかし振り返ってみるとあまりにも時間は早く、まるで小説の本をパラパラと指でめくったかのように味気なく過ぎ去ったかのようにも思える。

人生の時間を無駄に過ごしてこなかったのか、ふと怖くなる。





全てにカンちゃんがいた。

俺の人生のほとんどを知ってくれていた人がいなくなったことで、俺という人間が存在した証明が頼りなく風に消えてしまいそうに思えてくる。


人間は、誰かにその存在を認めてもらっていないと立っていられないほど脆いのかもしれない。




















クリスマスが終わり、新しい年になり、ようやくスペインに入った頃には体はすっかり旅仕様に鍛えられていた。


持ってきていたバッグパックやギターケースもずいぶんと傷がつき、くたびれ、それがいっぱしの旅人のように見える。


バッグの中には毎日の路上で稼いだ5ユーロ紙幣や10ユーロ紙幣が厚みを増しており、この調子で稼いでいけばスペインを南下し、海峡を渡ってモロッコに行き、サハラ砂漠までたどり着けるはずだ。


日付は2月。

シェンゲン外であるクロアチアを回ったこともあってシェンゲン滞在可能日数にも余裕が出ている。



さぁ、もうモロッコも近い。


おそらくマラソン参加にあたり、シューズやウェアなどの装備が必要になってくるはずなので、それなりにお金を用意していかなければいけない。

あとは稼ぎながらスペインを下っていくのみだ。
















「うおおおお…………こいつがサグラダファミリアか…………」



海沿いの道をヒッチハイクで繋いでいき、スペインの大都市、バルセロナに入った。

かの有名なサグラダファミリアは、大都市の住宅街の中に異様なまでに巨大にそびえ立っていた。


まるで不思議な植物かのように、はたまたお菓子で作られたファンタジーかのように、とても人工物とは思えない複雑きわまりない造りをしている。

世界中から訪れた観光客たちに混じって、内部を見学して回った。


造形、光、そして本質である信心。

どこを見ても目を見開くほどの異空間。





まだこのサグラダファミリアが作られ始めたころは、建物の周りは何もない荒地だった。

それが今やこうして大都市に発展し、建物が密集し、そして数多くの観光客で溢れかえっている。



未だ未完成のサグラダファミリア。

実は若い頃の旅で、どうしてもタイミングが合わなくてサグラダファミリアを見られなかったことをずっと残念に思っていた。

あんな有名な建築物を見ないまま世界一周を終えるなんて、と当時はげんなりしたものだった。


しかし、1秒のタイミングで変わってくる人との出会いが縁であるように、町や観光地との出会いもまた、同じように縁だと思う。


ふと乗り継ぎで降りた小さな名もなき町、

夕日が綺麗だったことで印象に残った町、

食堂のおばちゃんが優しかったことで好きになった町、



通り過ぎる町があるからこそ、たどり着く町がある。

その一瞬一瞬ですれ違う無数の人がいるからこそ、出会う人がいる。


今俺はあの時来ることができなかったサグラダファミリアの前にいる。

あの時やり残したことをまたひとつクリアできたぞ。






それからグエル公園も見に行ってみたんだが、不思議なことにものすごくたくさんの路上パフォーマーたちが公園の中に散在して観光客たちを楽しませていた。

ガウディ設計のこの不思議な公園。


そのアートの世界に、個性豊かな路上パフォーマーたちの姿。


まるで路上パフォーマーたちそれぞれもガウディの作品のようだ。


透明人間、銅像、サックス吹き、最近流行りのハンドパンなどなど、観光客たちもそれぞれ自由に楽しんでいる。


俺も面白いパフォーマーに1ユーロを放り込む。

どうやらバルセロナは路上パフォーマーに寛容な町らしい。


さぁ、歌うぞ。













バルセロナの街の中心街に行くと、そこは都会の喧騒にあふれていた。

歩行者天国のショッピングストリートにはモダンなお店が連なり、現地の人、そして観光客が入り乱れてものすごく賑やかだ。


こいつはいい。ストリートミュージシャンとしての腕も鳴る。


さぁどこでやろうかなと通りを吟味して歩いて行く。





すると、そんな通りのどこからかサックスの音が聞こえてきた。

お、ここにも路上ライブをしているやつがいるみたいだ。


なかなか上手いな。

イパネマの娘か。

ヨーロッパの街によく合っていて、さすがって感じだな。





………………ていうか…………




あれ……………………?





この音、この吹き方の癖、どこかで聞き覚えがあるような…………




え…………?どこで聞いたことがあるんだっけか?


思い出せないけど、なぜか知ってる気がする。




不思議に思いながら歩を進める。



すると人ごみに混じって信じられないものが目に入った。



「え、えええええええええ!!!!お、おい何してんだ!????!!」



バルセロナの街の中、路上でサックスを吹いていたのはまさかのカッピーだった。


出国前に東京の三軒茶屋で再会したのが9月。

あれからすでに5ヶ月が経っていた。



「おう、そろそろだと思ってたよ。」



「なんで!?!?なんでここにいるんだよ!!?」



「路上ミュージシャンのフミ君だったら見つけてくれると思ってたよ。」



横に置いたバッグの中から何かの紙を取り出すカッピー。

それはまさかのサハラマラソンのエントリーシートだった。



「しょうがねぇから付き合ってやるよ。今回だけだけどな。」



「……………………この野郎!!!!」



「ちょ!!やめろおい!!!汚い!!!」



メインストリートのど真ん中でアジア人のストリートミュージシャンのオッさんに抱きつく汚いアジア人のオッさん。


でもそんなの関係ない。

あまりの出来事に胸が熱くなってたまらなかった。



「ううう…………カッピー…………嬉しいよ…………この数ヶ月マジで1人っきりで…………何度もゲイに襲われるし…………」



「積もる話は後回しだよ。さ、ニューシネマでもいくか。」



「…………よし!!」



ギターを取り出し、ニューシネマパラダイスのオープニングを弾いた。

それに合わせてカッピーがサックスを吹く。


もうずっとずっと昔、アメリカを旅してた頃に2人でいつも演奏していたこの曲。


あんなに昔のことなのに2人ともお互いの手の内を未だに忘れてなくて、息がピッタリと合った。

俺がカッピーに合わせ、カッピーが俺に合わせ、お互いに微妙な間を読みあいながら拍を取る。


横で吹いてるカッピーへの信頼感が、俺のギターを安定させてくれる。



この数ヶ月ずっと1人で演奏してきて、誰かと演奏することがこんなに楽しかったのをすっかり忘れていた。

自然と笑いがこぼれてくる。


通行人たちもパラパラと足を止め、次第に人だかりとなり、たくさんの人が俺たちの演奏を聞いてくれる。

体を揺らしている人、目をつぶっている人、親指を立ててサックスケースの中に5ユーロ紙幣を入れてくれるスーツの兄さん。



ああ、めちゃくちゃ楽しい。

まさかカッピーがこんなところまで会いに来てくれるなんて。

カッピーへの過去の負い目もきっとある。

そうした負い目が心の中を暖かくしてくれていた。








演奏を終えると観衆から拍手が起きた。



「さて、じゃあ次は何行く?」



「そうだな、あの頃よくやってたのっていったら…………」



「ヘイヘイヘーイ!!!インポの老いぼれどもにしちゃなかなか良い演奏しやがるじゃねぇかこのインポども!!!」



その時、人混みの中から1人の男が近づいてきた。


目の前に立ったその男は…………なんとショータ君だった。



「えええええええええ!!!!しょ、ショータ君まで!?!?!?」



「そろそろ日本の女に飽きた頃だったからな。ムスリムの美人と恋に落ちるのも悪くないぜ。アラビアのロレンスフォウ!!!」



そう叫びながらポケットから紙を取り出すショータ君。

それもやはりサハラマラソンのエントリーシートだった。



「お、お前らあああああ………………チクショウ………………すまん…………ありがとう…………ありがとう…………」



「まぁ東京の生活も代わり映えしないもんだからさ。俺はケジメなんてどうでもいいけど、またあの頃みたいな旅をしてみるのも面白そうだから遊びに来ただけだよ。飽きたら日本帰るから。」



「ん~~~?ハッ!!!!おいおい!!!このクソ貧乏人ども!!!たったこれっぽっちしか稼いでねぇのか!!!」



サックスケースの中のチップを覗き込んでそう言うショータ君。


カッピーのそれまでの稼ぎとさっきのニューシネマのチップで、ケースの中には100ユーロ近くは入ってる。

路上ライブにしては結構いいほうだ。



「て、ていうか2人は金持って来なかったの?そんなに困ってるわけでもないやろ?」



「まぁ、せっかくだからフミ君の旅のスタイルに付き合ってやろうかと思ってね。俺も久しぶりに路上やってみたかったし。どうせアフリカまで路上の稼ぎだけで行くつもりでしょ?」



「うん、まぁ。じゃあショータ君はお金持ってきたの?」



「ハッ!!!舐めてもらったら困るぜ!!俺を舐めていいのは女だけだ!!こいつがあれば俺は無敵さ。」



ショータ君が背中に回していたものを手に取る。

それはカメラだった。



「あ、ショータ君、まだカメラやってたの?」



「IT社長はただの趣味みたいなもんさ。俺は今でも写真家が本業だからな。」



「そっか。でもカメラでどうやって旅先で稼ぐの?」



「フフフ、テメーら貧乏人に俺のテクってやつを拝ませてやろうじゃねぇか。付いてきやがれ!!!」







そうしてカッピーと2人でショータ君の後から少し距離を置いてついていってみた。


どこに行くんだろう?と思っていると、何やら少し高級感のあるカフェの中に入っていくショータ君。

な、なんだ?お店の広告写真でも撮りますよっていう営業でもするのか?



店内をグルリと見渡したかと思うと、ひとつの席に座るショータ君。


そして何やら前をじっと見つめている。


その視線の先には綺麗な女の人が座っていた。

本を読みながらコーヒーを飲んでいる女の人。


じっとその女性を眺めながら指で画角をとったりしているショータ君。


ど、どう見ても怪しい変人にしか見えないんですけど…………

ここからどうするつもりだ?



「お、おい、カッピーあれ何してんだ?セキュリティにつまみ出されるぞ?」



「まぁ見ときなって。」




するとようやくその変態の存在に気づいた女の人。

怪訝そうな表情を向けて警戒している。


当たり前だ。カフェで変なロン毛のアジア人のオッさんが自分のこと指で画角とってくるとか怪しいことこの上ない。


すると席を立ったショータ君。


ツカツカと女性の席に近づいていく。


うおお、緊張する……

どうするんだ?



「ブアナスタルデス、チカ、あまりにも寂しげな女性に見とれてしまいました。」



「…………寂しげ?私が?なんで?どうしてそう思うの?」



「瞳の奥の寂しさが美しさを引き立たせている。僕にはそう見えたよ。」



「ちょ、なんて!?なんて言ってる!?よくわからん!!」



「俺もよく聞こえん!!」



「ていうかあいつスペイン語も喋れるの!?」



「あいつ英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、中国語いけるからな!!」



「あ!!笑ってる!!なんかショータ君が笑わせてる!!なんて無害極まりないみたいな爽やかな表情作ってやがるんだ!!あんな害しかないような男のくせに!!!」



「これがヤツの手口ですよ。カメラを見せて写真を見せて、写真家だってことを説明して、あなたの写真を撮るよって流れですな。」



「ああ!!!立ったよ!!ショータ君がお金を払って一緒にお店を出ていく!!!なんて野郎だ!!あのスケコマシ!!!」











そして3時間後。











ショータ君の手には200ユーロ。






「まぁ俺の手にかかればこんなもんよ。」



「ど、どうやってそんなお金もらったの?ドラッグ売りつけたりしてないだろうね?」



「今の君の本当の美しさを写真に残してはみないか?心の奥に眠るさまざまな感情が君を美しくしているって言って撮ってあげるのさ。そしてその場でパソコンで修正して仕上げてスマホにデータ送信してあげて仕事完了ってわけよ。」



「はぁ…………」



「女ってもんは寂しげとか影があるって言えば、あ、この人本当の私を分かってくれてるって思うもんなのさ。」



「なんて野郎だこの男…………」



「ヤクザですよ。ヤクザの手口です。ちょっと撮った写真見せてよ。」



ショータ君が撮った写真を見せてもらった。

そこには物憂げな表情をして川辺に佇む女性や、優しく寂しげで絶妙な表情をした女性が写ってる。



「ぬぅ…………う、うめぇ…………」



「確かにめちゃくちゃ綺麗だな…………」



「ははは!!!この天才の腕にかかればザッとこんなもんよ!!お前ら貧乏人たちはチマチマと演奏して稼いでな!!」



「にへえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!」



するとそこに突然、小汚いホームレスが襲いかかってきた。


ボロボロの服、ぐちゃぐちゃの髪の毛と伸びたヒゲ、破れまくったギターケース、しかしよく見るとそれは若いアジア人だった。



「う、うわぁ!!な、なんだこいつ!!」



「お!!なんだこのレベルの低い生き物は!!」



「やっと会えたああああああああああ!!!!」



「はぁ!?」



「金丸さん!!俺っす!!!!ドイツ!!ドイツで会いました!!!」



「は?………………え?だ、誰だ?」



「ドイツの安宿で会った大学生です!!!俺あの時金丸さんと出会って、金丸さんの路上を見て、心臓撃ち抜かれたんです!!こんな生き方があるんだって衝撃だったんです!!!そんであれから日本に帰ってからもずっと金丸さんのことが気になってて、俺このまま大学卒業して社会人になって平凡に生きていくのかと思ったらなんかずっとモヤモヤしてしまって…………それで金丸さんのこと調べたんですよ!!そしたら昔めっちゃすごい旅をしてきた人ってのが分かって!!!俺こんな人に旅のこととか語ってたのかと思ったらマジ恥ずかしいことしたってなりましたもん!!!」



「えーっと…………」



「そんで俺、取り寄せて金丸さんの本読んだんですよ!!!!そんで本の中のマジヤベェ言葉読んだ瞬間キめたんです!!!」



「な、何を決めたのかな…………」



「就職の内定蹴りました!!!!!」



「な、な、内定を………?」



「また1人の若者の人生を狂わせたねフミ君。しっかり面倒を見てあげるんだよ。」



「嫌だよこんな怖いやつ!!カッピーなんとかしてあげてよ!!」



「えええ!?!?カッピーさんなんですか!!!!あ、あの伝説のアメリカ横断のカッピーさんですよね!?!?て、ていうことはこちらのかたはもしかして、ショータさんですか!?!?ヤベェ!!!伝説の3人揃い踏みじゃないですか!!!!お願いします!!!俺もサハラ砂漠までお供させてください!!!!」



「あーあ、変な奴がまた1人増えたやん。」



「ダメダメ!!やめろ、ちゃんと日本戻って就職してマトモに仕事しろ。そんでそのうち他のことしたくなったらそれからでも遅くないんだから。今はちゃんと就職したほうがいいから。」



「ダメっす!!!もうキめたんす!!!男が一度キめたら突き進むのみっす!!!金丸さん本の中に書いてるじゃないですか!!」



「な、なんて書いてあったの…………?」



「人生は一度きり。それは絶望でもあり、背中を押す勇気でもあるって!!」



「名言だね。」



「そ、そんなこと書いたことあるような気がしないでもないような…………」



「あれ読んで俺キメて、ソッコーヨーロッパ戻ってきて、それでモロッコに向かってればいつか金丸さんに会えると思って追いかけてきたんですよ!!!でも、お金もないし、どこにいるかもわかんないし、とりあえず金丸さんみたいにギター弾いて稼ごうと思ってリサイクルショップで安いギター買って路上やってみたんです!!でもいくらやっても全然稼げないし、窓からゴミ飛んでくるし、警察に止められるし、ホームレスに笑われるし…………」



「え?ぎ、ギター歴はどれくらいなのかな…………?」



「え?ないっす。買って初めて弾きました。コード5個くらいしかわからなくて、日本の曲しか知らないです。マジで全然稼げなくて3日間ご飯食べられなくて、そろそろ死ぬかもしれないっていうところでやっと5セントコイン入ったんですよ。俺演奏やめてその5セントコインずっと見つめてましたもん。」



「い、今所持金は…………?」



「あ、それは全然ヨユーっす!!8ユーロもあるんで!!あ、とりあえずビール買ってきますか!?」



「ハハハハハ!!!面白い奴じゃねぇか。おい小僧、名前なんていうんだ。」



「イクゾーっす!!」



イクゾーの肩を抱くショータ君。



「ところでイクゾー。コカインは好きかな?」



「え!?こ、コカイン!?や、やったことないですそんなの!!」



「ちょっとショータ君、悪いこと教えちゃダメだよ。」





それから不思議な4人旅が始まることになった。



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