2006年8月23日 【長野県】
これまで旅の中でたくさんの日本酒の酒蔵を巡ってきた。
最初のころは全部行ってやろうくらいの気持ちで手当たり次第に回っていたけど、現在日本には1800の酒蔵が存在する。
普通に全部なんて絶対無理なので、このごろでは厳選して行くようにしている。
で、長野県なんだけど、ここには約90もの蔵があるという一大酒造地。
さて、どこに行こう。
全国的に有名なところといえば『真澄』くらいのもんだが、これだけの蔵があるということは地元にキチンと根ざしているいい蔵があるということだ。
この中からチョイスして5つくらいを回るとしよう。
とにかく時間がない。
厳しい!!
まずは諏訪大社の本宮、前宮へ。
全国各地によくある『お諏訪さん』の総本社だ。
境内に入っていくと、樹皮がきれいに剥がされた太い木が立ててある。
あぁ、これがかの有名な奇祭、御柱祭で使用される丸太か。
御柱祭とは、崖の上から滑り落とされる丸太にたくさんの男たちがまたがり、最後まで振り落とされずに丸太にしがみついていた者が………………えっと……………カッコいい的な?
とにかく称えられるといった内容のお祭り。
あまりの過激さからよくテレビで中継されているよな。
次の開催は2011年だ。
それからのんびりと富士見町を走っていく。
八ヶ岳の麓、富士見高原の中を走りビュースポットを探すが本日は曇天なり。
美しい山の姿は皆無。
さて、電話予約の時間には少し早いが、長野県1つ目の蔵である茅野の『ダイヤ菊』の蔵元へやってきた。
蔵見学はやっていないが、中に入るとちょっとした展示コーナーと販売所があった。
冗談好きな気さくな奥さんはとてもお酒に詳しい。
当たり前のことだが、たいてい販売所にいる女の人は自社の石数すら知らないマニュアル通りというのが相場なんだよな。
試飲をさせてもらっているところに社長の宮坂さんがやってきた。
時間の許す限りお客さんにお酒のお話を聞かせてくれる熱い方だ。
普通酒でも美山錦65%精米という贅沢さ。
全体の底上げに余念がない。
「寝るところに困ったらウチに来なよ。蔵人さんの部屋いっぱいあるからね。」
本醸造を購入すると、お土産にダイヤ菊の酒名が入った首かけの升をいただいた。
これは御柱祭の時に首にかけて諏訪にある各蔵元の酒を飲み歩くためのもの。
宮坂さん夫妻、どうもありがとうございました。
酔い覚ましに茅野の町中をぶらつき、しばらくしてから出発。
今日は諏訪湖の南の町、辰野でストップ。
長野県は山が多いためちょっと隣の町に行こうとしても山を迂回していかなければいけないのでものすごく遠回りになる。
ガソリンがかかるよー!!
さぁー、まだまだ長野はでかいぞー!!
翌日。
木曽駒ケ岳の姿を横目に見ながら、伊那市、そして飯田市まで下っていく。
中山道、木曽街道の名残をとどめる宿場町を通りすぎ、脇道に入って与川地区に向かった。
全国各地にその土地土地の季節ごとの美しい風景が存在するが、その中でも有名なのが近江八景というものだ。
1年を通しての美しい風景や風物詩が厳選されている。
そしてそれを真似て江戸初期に誕生したのが木曽八景。
『与川の秋月』はその中の1つだ。
山奥の農村風景の中、狭い道を走っていくとほんの小さな看板があった。
一応、ビュースポットとなっている古典庵跡という場所があるようだ。
さんざん道に迷い、ようやくたどりついたのは超山奥の小さな集落。
周りの山々が月を引き立たせ、このあたりから見ると格別な趣があるという。
いいなぁ。
野良仕事の帰りにふと夜空を見上げたら山の上にお月様。
なんて日本らしい風景なんだろう。
土地土地にある美しい風景はその土地に住んでみなければわからない風情があるんだよなぁ。
八景の1つである木曽川随一の名勝『寝覚の床』。
奇岩が連なる渓谷美にしばし見入りつつ、次の場所を目指す。
日本三名山の1つ、御岳のすそ野を走り、361号線で九蔵峠へ。
うおーーーー!!!!
すげぇ!!
ここからの御岳すげぇ!!
でも情報では御岳はこの先の地蔵峠からの眺めの方が最高という。
あたりはもうだいぶ暗くなってきている。
急いで地蔵峠へ向かう。
しかし………………あーあ、まただよ。
また雲だよ。
長野来て何回山登ったよ。
まだ1回もきれいな山見てねーぞ?
ちくしょう。
山を降り、木曽福島の町に入る。
木曽福島ってなんか聞いたことのある町だな。
今日はここでストップだ。
あー、ホントは今日で諏訪まで戻りたかったんだがなぁ。
長野マジで時間かかるなぁ。
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