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志多らの洗練されたステージ








2006年7月26日 【北海道】





今日はいよいよ志多らの本番当日だ。


会場に向かう前にまずは鴇田君とラジオ富良野へ行き、鴇田君の番組の収録でゲスト出演させてもらった。


放送は今夜の19時だから公演の真っ最中だが、ラジオ聴いてからでも遅くないので来てください!!なんて無茶な宣伝をしまくって俺の曲を3曲流してもらって終了。














急いで会場の文化会館に向かうと、すでに準備に入っている実行委員と志多らのメンバー。


志多らの主要メンバーの数人は今、この近くにある北の峰学園という養護施設で、学園生たちと太鼓を通しての交流をしている。


これも中田さんの案。


集客にもつながるし、印象もアップする。

さすがだ。







会場の設営も完了し、実行委員メンバーは志多らオリジナルTシャツを着て受付にスタンバイ。


17時半をすぎると少しずつ人が集まり始め、うれしいことに行列ができだした!!


開場は18時。


まだ開場してないのに、バリケードを越えて堂々と入ろうとする爺ちゃん。



「別にいいべやぁー。」



この会場全体が高まる感じがすごく嬉しい。










開場と同時になだれ込む人々。


そして緊張の中、開演のブザーが鳴った。


静まりかえる会場に静かに太鼓の音が響き、やがて怒涛となって空気を震わせた。


篠笛と鐘、そして威勢のいい掛け声。


一糸乱れぬ振り付け、ダイナミックなアクション。


計算され尽くした舞台構成。


すばらしい演技に息を飲むお客さん。


体が動き出している人もいる!!


すごい!!

志多らすげえ!!!


ステージは初めて観たけど、一切の無駄がない洗練された演奏だ。


監督のチャボさん、経験が違う。


これぞプロ!!







太鼓の音の中に草原、海、山、祭り、人間の神秘、日本の美しさが鮮明に浮かびあがってくる。


バチで叩くだけなのに、こんなにも表現に幅のある楽器だなんて。


最後の曲が終わると鳴りやまないアンコールが会場を包む。



太鼓を抱えたメンバーが客席にまで駆け上がり叩きまくる。


いてもたってもいられなくなったお客さんたちが立ち上がって踊りまくっている。








1時間半におよぶ熱気溢れるライブが終わり、メンバー全員でお客さんのお見送り。



「いやー!!よかった!!」



「中田さん!!こんないいの教えてもらってありがとう!!」



「金丸君!!すごかったわー!!」



みんな大満足で帰ってもらえた。


紹介した手前、みんなが満足してもらえなかったらどうしようなんて思ってたけど、そんな心配、無用にもほどがあるよな。


志多らは海千山千の猛者グループ。


どこに行ったって最高のパフォーマンスだ。










さすがにプロは撤収も仕事が早い。


あっという間にきれいさっぱりトラックに荷を積み終え、メンバーは今日の宿、ペンション『ラベンダー』に帰っていった。


ラベンダーのママ、浅川さんのご好意により宿泊料金も破格の値段。


みんな本当にありがとう!!








すべてを終え、肩の荷が降りて、俺は山田親方の家にお邪魔した。


今日はバスの相談も兼ねて親方と飲む。


つーか毎晩飲み過ぎだな……………



「文武、ちょうどいい時に来てくれたなー。これから建て前が入ってるから1ヵ月ほど手伝いよろしくな。はっはっは!!ほれ、得意なところ。」



冷たいビールを差し出す山田親方。


すみません……………


もう飛行機のチケットとってるんで……………



あー、親方と建て前やりたかったあああああ!!!


ていうか公演が無事終わってよかったああああああ!!!!


いいコンサートだったああああああああ!!!!!











翌日。






「おい……………おい……………文武………………起きろ。行くぞ。」



山田親方の家で目をさまし、みんなで一緒にペンションラベンダーにやってきた。


昨日すばらしい公演を観せてくれた『志多ら』。


今夜は札幌での公演が決まっている。



「ありがとうございましたー!!」



「また来てねー!!」



晴れ渡る空の下、雄雄しくそびえる十勝岳。


走り去ったトラックに手を振る。




俺を介して人が出会い、そこで何かが起き、笑顔が生まれるってなんて素敵なことなんだろう。


これからもこうして人と人を繋げられる存在でありたいな。


志多らのメンバー、中田のおじさんをはじめとした実行委員会のみんな、来てくれたお客さんたち、



みんな本当にありがとう。












みんなを見送ったらすぐに行動開始だ。



今回の富良野はこれだけでは終わらない。


せっかく来たんだから出来る限り色んなことをやりまくるぞ。



山田親方の家に戻り、ダンプカーにミキサーや釘、丸ノコなどの工具を積みこんでいく。


今日は旅人バスにゴエモン風呂を作る予定だ。


1日付き合ってやるよと言ってくれている山田親方。


ホームセンターに土台を固めるためのセメントモルタルを買いに行くと、親方が半分お金を出してくれた。


親方、ありがとうございます!!!









バスに着き、風呂場を作る裏手に回ってみる。


あれ?


いや、っていうかもう出来てるやん。


そこには、雑だけどそれなりに形になっている風呂場があった。





ドラム缶をぶった切ってその上にゴエモン釜を乗せ、うまい具合に火が焚けるようになっている。


そしてすでに誰かが入った痕跡もある。


地主の佐藤さんが頑張ってくれたんだな……………






「あ、どうも……………金丸さんですか?」



バスの中から出てきたお兄さんは、この数日バスに泊まっているライダーさんだった。


このお兄さん、佐藤さんが風呂場を作るのをいろいろ手伝ってくれたらしい。


今日は雨よけのヒサシと風呂場を作る予定だったが、これなら風呂場はまた次回でもいいだろう。


ヒサシだけなら俺だけでも大丈夫です、と言うと、現場が立てこんでいる山田親方は自分の仕事に戻っていった。


親方、忙しいのにありがとうございます。











バイクで入ってきた時にカッパを着脱したり、雨の時でも水場で炊事が出来るように、雨よけの屋根があったらいいのになぁ、というライダーさんの声が1年の間に何度か聞かれたらしい。


たしかにカッパを脱ぐ場所は欲しいよな。


バスの横に佐藤さんが蛇口をひいてくれており、シンクまで運んできているので、そこも濡れないようにしたい。


さて、元鳶の腕の見せ所だ!!




泊まっているライダーさんたちが手伝わせてください!!と言ってくれたので、一緒に裏の農機具小屋から単菅パイプを集める。


そこに地主の佐藤さんと、別の女旅人さんがやってきて5人で骨組みの組み立てだ。


炎天下の下、焼けた鉄パイプを運んでくれる旅人さんたち。


もちろんボランティアで。


ありがたい。







「昨日6人、お風呂入りましたよ。星空の下でゴエモン風呂なんてサイコーです。」



みんなにコンビニのお弁当とジュースをおごって、お昼休憩しながらお喋りした。


ゆうべ6人もお風呂入ったんだ。


確かに星空の下で五右衛門風呂なんてめちゃくちゃ気持ちいいだろうな。


女旅人さんも目隠しなしで平気で入ったらしい。




「誰も見ないし、少しくらい見えたって平気ですよ。」



そう言う彼女。


旅人はこうでないとな。


でもまぁいずれは目隠しも作ろう。



お風呂に入って、ゆうべは佐藤さんの持ってきた鹿肉なんかでバーベキューをして、みんなでバスの中で雑魚寝したんだそうだ。


うー、旅してるやつらがたまたま集まって語り合いながら夜を過ごすなんて、この前の四国の善根宿みたいだ。


そんな場所になってくれてることがめっちゃ嬉しい。










午後の作業も順調に進み、15時にヒサシが完成した。





うん!!こりゃいい!!



「いやー、あんちゃん。これだけの設備だってのに1週間泊まって金入れていかない人もいてなぁ。そいつが北海道1周して戻って来た時にちょっと言ってやったんだぁ。」



佐藤さんの気持ちもわかる。


電気、水道、便所の汲み取り、微々たるものとはいえ、維持費は絶対にかかってくる。


風呂も入れて電気も使えてゆっくり寝られるんだからせめて寄付金ボックスに300円くらいは入れて行ってほしい。



しかしそれを言ってはいけない。


あくまで気持ち。

今、このバスの存在は口コミでかなり広がってきている。


稚内のライダーハウスでここの場所の情報を聞いた、というライダーさんもいた。




来年、さ来年、どんどん利用者は増えていくはずだ。


今の大事な時に佐藤さんが焦ってお金お金言ったら悪い噂が流れてしまう。


バスの中に置いてある雑記張には、



「有料にしないと鳥沼にいたようなケチなホームレス旅人が住みついちゃいますよ。」



と心配してくれるライダーさんの声もあった。


でも俺はこのままでいきたい。


気持ちで成り立つからこそ意味があるんだ。


壁に書きこまれている旅情報もかなり増えている。



これからもっともっと旅人同士がここで交流し、楽しんでくれた想いを次につなげていく。


助け合いの輪、ユイマールをここで俺が少しでも次に回せたらと思う。




「あんちゃん、いなくなるとまた寂しいなぁ。はははー。」



佐藤さん、ホントにお世話になります。


手伝ってくれた旅人さんたち、みんなの旅がより実りあるものになることを祈ってます。








17時半になり、急いで中田さんちに戻りシャワーをお借りし、迎えに来てくれた福永さんの車に乗って居酒屋『ふきのとう』にやってきた。





志多らのメンバーはいないが、今日は実行委員会のみんなで打ち上げだ。


全員は来られなかったけど、中田さん、山田親方、福永さん、鴇田君、俺の5人で乾杯。



そして決算報告。


この打ち上げ代も含めたすべての諸費用を差し引いても、当初『志多ら』が提示してきたギャラよりも5万も上乗せして渡すことができた。


しかもしかも、志多らは自分たちの食事、宿泊費をギャラの中から差し引くつもりだったのに、全部こっちで出してあげられた。


まさに大成功!!!!

もう、みんなが頑張ってくれたおかげすぎる!!!


あーー!!ビールが美味いーーー!!!







出会いってのは不思議なものだ。

あっという間に切れてしまう縁もあれば、こうやってどんどん広がっていく縁もある。


誰と、いつ繋がるかなんてホントにわかんない。


だから全ての出会いを疎かにしちゃいけないよな。



すべてのものに感謝。


ありがとうという言葉が痛いほど身に染みる。






それからスナックに2軒行き、ギターを持ってきて歌わせてもらったら、なんとおひねりが12000円にもなった。


もう…………北枕はダメだけど、マジで富良野には足を向けても寝られないよ。




リアルタイムの双子との日常はこちら





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