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お遍路完了








2006年6月25日 【香川県】






42日目。



高松のオフィスビル街の道端で目を覚ました。


ううう…………昨日楽しかったな…………



汚い体を起こし、駅から始発で鬼無に戻ってきた。


すると駅のホームの待合所でテントを張ってる遍路がいた。


こ、こんな小さな駅舎の中でテントとかマジ豪胆なやつだな。


中から出てきたやつを見てみたら女の子遍路だった。


みんなここまで来るとだいぶ図太くなっている。









83番・一宮寺を打ち、高松市内を歩き84番・屋島寺へ。





小高い山の上にある屋島寺から夜景を見下ろす。

きれいだな。


ああ、お遍路ももうあと少しだ。


旅中、いつか必ずと思っていたお遍路。


それがもう少しで終わる。


辛かったけど、本当にいい経験ができた。






この日たくさんの遍路仲間から結願したとのメールが入った。


毎日数人が歩き遍路に出発し、数人が結願し四国を出て行く。


この夜景の中では、いたって普通の生活が営まれていて、明かりのない黒い部分をたくさんの遍路が歩いている。


同じ人間なのに、まるで別世界にいるようだった。



真っ暗闇の境内にロウソクを点す。


線香の煙が漂っては消えた。









43日目。














この日は85番・八栗寺、86番・志度寺と周り、夜に87番・長尾寺に到着。


ベンチに座って慣れた手順で蚊取り線香を焚き、自分を燻すようにカッパに包まる。



これがお遍路最後の野宿。

最初は体が痛かったけど、今じゃめちゃくちゃ快適に朝まで眠れる。


ついに明日、結願だ。










44日目。



いい天気だ。


途中、道の駅に遍路資料館なるものを発見し、昔の納め札や装束をみていると、館の人が「歩きですか?」と聞いてきた。


そうですと答えると、こんなものをくれた。




ここでは歩き遍路の人だけに認定の賞状とピンバッジが贈られていた。






お茶を飲んで体力を回復させていると、観光バスの爺ちゃん婆ちゃんがドヤドヤと入ってきた。


みんな爽やかな笑顔でパリッと純白の白衣を着ている。


それに比べて俺ドロドロ。


するとそのバスの添乗員さんで、初心者遍路を先導する『先達』さんが話しかけてきた。



どうやら道後温泉で俺が歌っていたのを見たとのこと。





先達さんが俺のことを紹介してくれると歌ってコールが始まり、30人くらいを前に演奏した。


ありがたいことに爺さん婆さんからたくさんおひねりをいただくことができた。


先達さん、ありがとうございました。

















ラストの山道、結構きつい!!


やけくそでかっとばし16時、ついに88番・大窪寺に着いた。





遠くで手を振っている人がいる。



「おーい!!金丸君ー!!いやー!!久しぶりー!!」



「え?姉さん!?」



「うわっ!!汚い!!!」



そこにいたのは、1ヶ月半前、同日同時刻、ほぼ同時に1番を出発した姉さんだった!!


まさか最後の寺で再会するなんて!!



色白だった肌が真っ黒になっており、ニッカリ笑ってとてもいい顔をしてる。



噂ではこの姉さん、遍路中に恋人ができたらしい。

そんなこともあるんだなぁ。


不思議な縁に、弘法大師のお導きを感じずにはいられなかった。















1人、本堂と太子堂に最後のお参り。



終わった……………



いや、まだここでは終わりではなかった。



この後、お礼参りといって50キロ離れている1番・霊山寺まで戻り、完全に一周の道を繋げるのが習わしらしい。


みんな最後はバスで繋げるみたいだけど、やっぱりここは最後まで歩きだよな。



こうなったら気絶するまで歩いてやる!!!!と真っ暗な山の谷間をもくもくと足を進めた。











45日目。



懐かしい道を歩いていく。


看板にある5番、6番、という若い数字がとても新鮮だ。


1ヶ月半前、まだこの辺りを歩いてる頃は右も左もわからない状態だったよな。




1番が見えてきたところで、向こうからまだまっさらな白衣を着た女の子遍路が歩いてきた。



「こんにちは!!」



「あ、あ、こ、こんにちは……………」



挨拶すると、ぎこちない返事が返ってくる。


まだ出発したばかりの初々しい白衣。


これから1ヶ月半色んなことがあるよ、と見送った。







そして霊山寺に到着。





「おめでとー!!さぁこれから結願の儀を執り行います!!はい!!記念品の贈呈です!!」



なんて労いの言葉があるのかと思いきや、お疲れ様の一言もなかった。



マジでなんにもない。


見向きもされないまま、寺を出る。




…………………え?これだけ?





え?な、なんかないの?





マジでなんもなかった。





まぁ…………そんなもんか。


歩いたということは俺の胸の中にある。

それだけで充分だ。














最寄の駅から電車を乗り継ぎ、四国を後にした。


中国地方2番目の大都会、岡山市のきれいなでっかい駅に到着。


行き交う人々の中、2週間風呂に入ってなく洗濯もしていない極限に汚れきったくっさい俺。



四国の人たちはみんな慣れっこって感じだったけど、普通こんな奴がいたらみんな驚くよな。



誰も彼も、なんだこの変人は?みたいな顔で見ていく。







本当はこの後、高野山の空海の御廟に行くのが好ましいということだが、俺は始める前にすでに御廟に手を合わせに行っているのでいいだろう。


壮絶な1ヶ月半だった。


岐阜の新長谷寺の住職が言っていた言葉を思い出す。



『宗教は信仰しなければその深さに触れることはできない。』



その通りだ。



信仰することによって超常現象みたいなことが起きるなんて事はないけど、超常現象を信じる力は身につく。


『信じる』という行為はどんな薬やトレーニングよりも効果的に心を力強く支るパワーの源だ。


仏像の姿は果てしない人間の精神の深みを具現化したものなんだ。


仏教はなんてスピリチュアルでいて科学的なんだろう。



深遠だ。








備中高梁に着いたのが23時。


ど田舎の駅に汚い遍路姿の俺。


いつもならとっくに寝ている時間なのにわざわざ車で迎えに来てくれていた爺ちゃん。



「こぎれいにしてから戻らんばぁおえんゆーたじゃろう。こげに乞食みとぅな姿してからに。人に見られたらオーゴトじゃあ。」



そう言う爺ちゃん。


笑いながらじゃなくリアルに嫌がりながら言ってくる。


それがめっちゃ面白い。


家に帰ったら婆ちゃんがさらに嫌がる顔するだろうなと笑えて仕方なかった。








さて、これにて俺のお遍路旅は終わり。


日記がなくなって絶望したけど、なんとか思い出しながら書くことができた。

 
ホント、5ヶ月前の話をよくこんなに覚えていたもんだ。


それくらい、1日1日が強烈に心に焼きついている。




さぁ、日本一周の中の大きなイベントが終わった。

まだまだ行く県はあるけど、最後までガンガン進むぞ。



四国の皆さん、優しくしてくれて皆さん、一緒に歩いた遍路仲間、

みんなみんな、本当にありがとう!!



ちなみに6キロ痩せたよ。





【四国お遍路編】



完!!!


















リアルタイムの双子との日常はこちら





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