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歩きお遍路同士、仲良くなる








2006年5月21日 【徳島県】




ゆうべ、善根宿で一緒に泊まったおじさんは、歩きながら鳥の羽を集めるのが趣味だった。





大きいやつ小さいやつ、色鮮やかなやつ、色んな羽をクリアファイルの中にコレクションしている。


ただひたすらに歩き続けるこのお遍路で、そうした小さな楽しみを見つける気持ちが理解できる気がした。







7日目。









『1に焼山、2に鶴林』といわれる難所、20番・鶴林寺に登り、門前で歌って金持ちお遍路さんからおひねりをいただき、お参りを済ませたらまた山の中を下っていく。





すると山の中に小さな小学校の廃校が現れた。



今日一緒に歩いた羽根おっちゃんの言うには、このルートはここからしばらく山が続くから、今日はここで寝たほうがいいという。


さすが25回目のお遍路だという羽根おじさん。

ルートを熟知している。










校舎の玄関でソーセージを1本口に入れ、寒さに震えながら眠った。








8日目。















これまた難所の21番・太龍寺を越えて歩いていると、ドレッドの若いお遍路さんを発見した。


話しかけると彼はまだ18歳。


横浜から来てるヒップホップ好きのジロー君。






「帰ったらクラブで般若心経をラップでとなえまくってやるんです!!」



若い笑顔でそう言う彼と一緒に歩き、22番・平等寺に到着。





この近くに善根宿があると聞き行ってみると、おとといのプレハブよりも設備が整った場所を見つけた。





おおお!!

テレビまである!!!


こりゃテンション上がる!!!



宿の中には今朝別れた羽根おっちゃんもいた。


だいたいみんな歩くペースは一緒だし、ルートも一緒なので、つかず離れず、別れては出会いを繰り返しながら歩いて行く。


歳もバックボーンも違う人間同士がこうやってひとつの場所で眠る、これもまたお遍路の面白さのひとつだなと思った。









翌日。







「シリトリしよーぜ。」



9日目はジロー君、アナイ君と歩いた。



ただひたすら歩いているので会話のネタも尽き、シリトリなんてもんでもいい時間潰しになる。



「えーっと……………ぷ…………ぷ……………」



「ほら、甘くて柔らかいやつだよ。」



「え……………あー!!プリ……………おっとその手には乗らんよ。えー……………釜山!!あ!!」



「馬鹿だこいつー!!」



「ダーハッハッハ!!」



鹿児島から来ているアナイ君の天然キャラはたまらん面白い。






3人で喋くりながら23番・薬王寺に到着。


ここが徳島最後の札所だ。


ここから次の寺まで80キロ以上というロングスパンになる。


少しでも稼いでおこうと薬王寺の門前で歌っていると、金持ってるツアーバスのばあちゃんたちが小銭を入れていってくれた。





俺みたいに金のない遍路が日々の糧を得るためにやる手段といえば『托鉢』だ。


街頭や門前に立ち般若心経を唱えていると、人々が「ありがたやー」と器に小銭を入れていくあれだ。



他にも『角付け』といって直接民家に訪ねていって般若心経あげさせてください、という強引な方法もある。


金のない遍路はそうして午前中に托鉢、午後に歩きといった風に巡礼していたようだが、今の遍路は金持ちの道楽だ。


托鉢してるやつなんて滅多にいない。








この日は薬王寺の近くにあるバスを改造した善根宿に泊まった。


ちょっと不衛生だが、ここの人気の理由は晩飯つきだというとこ。

もちろん無料。


このところろくな物食べてなかったので美味すぎる。






日が暮れたバスの中、ジロー君、アナイ君と3人でランプを点し人生について語り合った。





リアルタイムの双子との日常はこちら





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