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ちょっと足をのばして白川郷の結へ








2006年4月8日 【福井県】





車の中で目を覚ますと、窓の外が変な色になっていた。



な、なんだこれ?



まるで色メガネをかけたように全てが黄色い。


朝がたに寝たせいで夕方まで寝てしまっていたのか?


でも時計を見るとまだ昼。


なんだなんだああ!?!


寝てる間に天変地異でも起こったのか!?







日本三大松原の気比の松原に行ってみたが、やはりそこも海の向こうまでまっ黄色。





色あせたセピア色の写真の中のようだ。



これたぶん………………黄砂ってやつか?


日本海側だし。



それにしてもこの色は尋常じゃない。


どこかの国のお嬢さん、これは君の村の砂なのかな。








狐につままれたような気分で敦賀半島の方へ走っていくと、道路沿いにお化け屋敷のような洋館がポツンと建っていた。


黄砂のセピア色とあいまって、なんとも幻想的な光景だった。


思わず柵を乗り越えて写真を1枚。





後から聞いた話ではあそこは検疫所だったらしい。


屠殺場だ。

怖い。












国宝の梵鐘がある常勝寺の境内には枝垂桜が咲き誇っており、それはそれは見事なものだった。


黄色い空を眺めながら敦賀市内に戻り、金ヶ崎の桟橋にやってきた。


日本海側の交易の良港として栄えたこの敦賀。


レンガ倉庫なんかが残っており、ノスタルジックな気分でしばらく海を見ていた。





ここは第二次世界大戦の引き揚げ者を受け入れていた港だったらしく、戦地から戻る息子を待つ桟橋の母のエピソードがとても悲しかった。




地元の人たちから絶対行くべきと勧められていた敦賀のソウルフード、ヨーロッパ軒のソースカツ丼。





めっちゃ美味しい。

ボリュームもすごくて大満足。









夜になり、いつもの銭湯に入って金太郎ラーメンを食べてから、この日も敦賀の飲み屋街へ。


いつもの公園の角で歌っていると、スナック「Hen」の窓からマキちゃんが手を振ってきて流しに入った。


顔馴染みができると、その街に溶け込めたような気がしてすごく嬉しい。


今日のあがりは15000円。




そしていつものようにフォークバー『ひろき』に行き、ちょこっとだけお喋りして夜中に店を出た。


明日は岐阜の白川郷で、合掌造り民家の屋根の葺き替え『結』がある。


ここ福井から白川郷まではそこまで遠い距離ではない。


朝7時30分から作業は始まっているとのことなので、気合いで夜通し走ってやるぞ!!!!!



ヘッドライトが照らし出すアスファルト。



眠い目をこすって山の中に突入した。











翌日。






 

目が覚めると朝9時。




やっちまった……………



ゆうべ途中で力尽きて爆睡してこれ。



あーあ…………………


まぁ無謀だったか……………











とにかく途中からでも見られればいいか。


158号線で大野市から白鳥に抜け、北上。


途中腹が減ったので白鳥にある行きつけの中華料理屋『みんみん』でミソラーメンを食べる。


ここうまいわー、なんて余裕かましてる場合じゃない。







ダッシュでとばし、白川郷に着いたのは13時だった。


4月だというのにまだまだ雪の残っている山深い白川郷。


日曜なので観光客の数もすごい。






あああああ!!!


やってるやってるううううう!!!!





国道沿い、農協の向かいの1棟だ。



どうやら午前中で片面は葺き上がったようで、ベテランっぽいいなせな爺ちゃんがチェーンソーのような道具でワラの飛び出した部分をカットし、きれいに仕上げていっている。









もう片面の方に回ってみると……………





おーーー!!!!!


これだこれだ!!




もうウジャウジャ。


屋根の上に50人くらいの人間がラインを組んで並んでおり、地上から萱を手渡しでせり上げている。





地上にも同じほどの人数がおり、あわただしく萱の束を運んだり掃き掃除をしたりしている。



屋根に上がった萱はきれいに敷き詰められ、藁紐で骨組みに縛り付けられていく。


屋根の上にいる者と屋根裏の中にいる者が息を合わせて針となる棒を突き刺し、固定していくのだ。


爺さんばかりではない。


もちろん若い兄ちゃんもいる。






これが『結』。


古くなった民家の屋根の葺き替えは里の人間で行う、もちろん無償で。


深い深い山に囲まれた、外界と隔絶した山里だからこそ残っている、隣人同士が家族のように助け合うという心。


こういった伝統も含めて世界遺産なのだと村の人が話してくれた。







休憩に入ると向かいの広場に男たちが歩いていく。


待ちうけているのは割ぽう着姿の女衆。


おにぎりやお茶を配って回り、男衆の労をねぎらう。


白川郷の掟で、女は屋根に上がることは出来ないんだそうだ。








15時、休憩も終わりもうひと踏ん張りだ。


威勢のいい掛け声とともに萱が受け渡され、カケヤ(木槌)が振り下ろされる。


1番上部にいるのは30歳くらいの若者。

爺さんたちは地上からワイワイと指示を飛ばしている。





つーか100人くらいいるんだけど、半分は遊んでるんだよな。


村外からの参加であろうボランティア大好き風の若者たちも何人かいるが、チャラチャラして全然動かない。


俺も朝から来てればお手伝いできてたんだろうな。


悔しい………………







17時を過ぎたが仕上げまでは終われず、シートをかけて明日の作業になった。


広場に敷かれたゴザに萱クズまみれの男たちが座る。


そして家主の挨拶。



「みなさん、今日は本当にありがとうございました。先人が残してくれたこの合掌造りを後世まで大事に残していきたいと思います。」









号泣してる女将さん。


1人1人にビールを注いで礼を言って回る家主さん。






人のつながりの大事さがこれほど身にしみる行事見たことない。


素晴らしいなぁ。


人間の生活ってのはこれだよな。

狭いコミュニティーで仲間と助け合いながら暮らす。


白川郷の人々の笑顔を見ていると、人間って元から優しい心というものを確実に持っているんだ、とヒシヒシと感じさせてもらえる。


ここまで車とばして来てよかった。











と、人間の素晴らしさにジーンと感動しているところに、いつもの田辺のミキさんマユミさんから電話。


今感動してるとこなんですけど…………



「金だろ?結局は?って言われたあああああああ!!うえええええええんん!!!」



って号泣してる。


相手がついに着信拒否してきたからもうこの際知ったことかということで実家に電話してやったそう。



「金丸君は関係ないのに少しでもお金出してくれるって言うてくれてんねんで!!あんた男として恥ずかしくないん!?」



と、まぁ………詳しくは書けないんだけど、白川郷で感動してたところにヘドが出そうな内容の話を聞かされてマジげんなり。



もうホント……………


精神的に削られるからこれ以上聞きたくないよ……………


でも俺の他に話すところないみたいだからしょうがなく聞くけど……………




はぁ、明日もがんばろ………………





リアルタイムの双子との日常はこちら






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