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恐怖のアングライベント「独唱パンク」のメンバーとの出会い








2006年3月18日 【岐阜県】




次は奈良県にする予定だったんだけど、奈良には日本一といわれる吉野の桜がある。


滋賀県にも見たい桜がある。


まだ桜の時期には早い。







というわけで奈良は後回しにして別の県から先に行くことにした。


四国お遍路は5月からの予定。


長野・北陸もまだ行ってないが、山の多い県は残雪が多いので道がかなり閉鎖されているはず。


色んなからみを計算して考えると、次は岐阜県がベストという結論に至った。


よし、岐阜行くぞ。









というわけで岐阜に向けてアクセルを踏み、大阪から三重に入り、津が近くなってきたなぁーと思っていたところで、ふと道端に見覚えのある文字が見えた。




『ヤ○○○○ム』



やべぇ!!


迷わずハンドルを切った。


三重のどこかに、とある謎の宗教があると前に聞いたことがあった。


その噂では、特攻服のヤンキーたちがキャンプファイヤー囲んでギター弾きながら童謡を歌うらしい。



なんじゃそれ!!!!



そのすごい印象がずっと頭の片隅にあったんだけど、たまたまとはいえついに見つけたぞ!!!







恐る恐る敷地の中に入っていくと、そこはいたって普通の団地といった感じの雰囲気で、スーパーや病院などがありこの中で生活の全部が揃えられそうだ。


案内所と書いてある建物を見つけたので、車を止めてそーっとドアを開けて中を覗いてみたが誰もいない。


壁に貼ってあるいろんなポスター。


どうやらこの宗教のこうした団地は、日本中どころか世界中にあるようだ。


その土地土地に合わせた産業を展開し『お金のいらない社会』を作り上げてるとのこと。




基本は農業。


牛や鳥の畜産もやるようで、必要なものは自分たちで生産する、本来の人間らしい自由な生き方をしようという考え方みたいだ。


なるほどー、ヒッピー的な感じなのかな。


沖縄と北海道にこういう人たちいっぱいいたよなぁ。


現代社会に疲れた人たちが入りそうなとこだ。



噂で聞いていたようなヤバい雰囲気はなく、なんとなく拍子抜けして敷地を後にした。










暗くなってきたころに岐阜市に到着し、早速路上に出かけてみた。


タイミング悪くさっきからすごい雨が降り出したんだけど、ラッキーなことに岐阜市の繁華街はアーケード。





アーケードは楽だ。


雨も気にしなくていいし、声が響いて喉に負担がかからない。

反響がいいから上手くなった気分で歌える。




1番いい場所を探して歩き回っていると、さっきからガットギターと楽譜を持った背広の流しさんが何人も歩いているのを見かける。


やけに流しさんが多いな。


それにみんな正統派流しって感じで昔ながらのスタイルだ。


それだけレトロな文化が残ってるってことか。


この雰囲気のいい飲み屋街、名前を柳ヶ瀬というらしい。







良さそうな場所を見つけて早速路上スタート。


反応も上々でお金も順調に入り、13000円くらいになったころに喉も疲れてきたので、そろそろ引き上げようと思っていたら誰かが声をかけてきた。



「1番自信あるオリジナルやってよ。」



こういうお客さん好きだな。

ちゃんと歌い手として見てくれてる人だ。




よーし、気合い入れて歌おうじゃんかと顔を上げる。



そこには『萌え』とプリントされた上着を着た、モヒカン頭の変人が立っていた。



な、なんだこの変人は…………



なんて自己顕示欲の強い人なんだろう…………




軽く戸惑いながらも、ここは1発ガツンとかました。



「どーらーええやんー。いや、俺らもやってるもんでのー。独唱パンクって知ってる?チバ大三とか西ヤンとか、夜士郎とか。」



「え!!夜士郎さんって独唱パンクなんですか!?」



「なんや?知っとるん?」



「1回飲んだことあります。」



「なんやとー!!俺マブダチやで!!いやー、なんかビビッときたんよ。よっしゃ!!ちょ待ってろ!!」




ダッシュでどっか行ったモヒカンの彼。


名前をキヨマロさんというらしい。


そう、夜士郎さんといえば3年半前にテディーさんが出演していた大阪のイベントで出会ったぶっ飛んだ演奏する人だ。


まさかこんなとこであの人の名前を聞くなんて!!!







もう1人いた凄腕のギター弾き、玉井君としばらく喋ってると、ずぶ濡れのキヨマロさんがビールを買って戻ってきた。



「乾杯ー!!いやー!!縁やなー!!」






独唱パンク。



ギターの弾き語り、踊り、詩の朗読、とにかく『1人で型破りなことをする』という究極の集団がいるという噂は、各地のミュージシャンたちから聞いていた。


あまりにも過激で独創的で、出演してる人はみんなぶっ飛んだヤバい人たちだという話だ。


アンダーグラウンドのアンダーグラウンド、売れ線音楽から遠く離れた地下に蠢く猛者たちが集うライブだという。



まさかのこのキヨマロさんもそのメンバー。



独唱パンクのメンバーと実際に会えるなんて!!!


どうりで変人!!!!






1度独唱パンクのライブに行ってみたいと思っていたんだけど、なんと!!!


ゴールデンウィークに名古屋で独パンの中心メンバーが一同に会するすさまじく濃いライブがあるとのこと!!!!


もちろんキヨマロさんも出演するみたい!!!




す、すげぇ!!!!

行くしかねぇ!!!!!



絶対行きます!!とキヨマロさんとの再会を誓い、この日はビール飲みまくって別れた。




こりゃすごい出会いだ。


岐阜県、初日からこんないい出会いがあるなんて幸先良すぎだぞ!!!


よーし、この調子でジャンジャン行くぞおおおお!!!












翌日。









いつものようにマップルの地図を見て岐阜県の地形を頭にインプットしていくんだけど、それにしても岐阜県て広いなぁ。


しかも内陸で山が多いからガソリン食うはず。


それに見どころが山間部に集まっているので、山の中をくまなく回らないといけない。


あの有名な白川郷も飛騨高山も県の北部のあたりだ。


こりゃちゃんと稼ぎながら動かないとな。









ルートを決めたらまずは関市にやってきた。

刀鍛冶の町として有名なところだ。



市内を走っていると中心地に大きなお寺を発見した。


新長谷寺というお寺らしい。


木っ端葺きのいかにも古めかしい歴史を感じさせる寺院で、ウキウキしながら境内に入る。







曼荼羅の中に迷い込んだかのような不思議な空気のする境内。


撮影は一切禁止とある。


残念に思いながら目に焼き付け、最後に重要文化財の立派な本堂に向かった。






中に入ると、お坊さんとお婆ちゃんが何か作業をしていた。



「お参りやす。」



軽く会釈して本尊の前に立つ。


いつものようにじっと見つめる。


なぜ人はあの仏像を拝むんだろうって考えながら。


宗教ってなんなんだろう。

仏像ってなんなんだろう。





その時だった。



「何か御用ですか?」



お坊さんが言った。


真顔でこっちを見ている。



え?何?

なんか悪いことしたか?


たじろぎながらも答える。



「え、見学ですけれども…………」



「あのね、ここは博物館やないし仏像はお人形やないんよ。見学やったら来る資格はないんだよ。」











…………………え?









……………………………えええええ!?!?




な、なんで!?!?


見学の何がダメなの!?!?


お寺とか神社にみんな見学に行くやん!?



こんなこと言われたの初めてだ。


お寺に見学に来ることの何がいけないんだ?



「せめて合掌はしてな。合掌は挨拶やから。命ある人にはキチンと挨拶するやろ?仏さんは何も言わんっていってもこれ生きとるんやから。人間の子供と一緒で10月10日かけて命が吹き込まれとるんよ。合掌して心の中で、参拝させていただきましてありがとうございますって言わないとすごく失礼なことになるんよ。仏様にも、それを命がけで守ってるお坊さんに対してもね。」






………………ガーンと来た。




俺は今まで数多くの寺に行ったが手を合わせたことは1度もない。


神社にしても二礼二拍一拝なんてしたことなかった。


信仰してないから、その作法に則る必要もないと思ってきたからだ。


そしてそんな人たち世の中に無数に存在する。



しかしここまでハッキリ言われたならやらないのも失礼だし、むず痒さを覚えつつ手を合わせて仏像に向かってみた。



静かなお堂内。



手のひらと手のひらを合わせて、心の中で仏様に挨拶をする。









…………………









なんだろ。


なんだろな、この感じ。



寺に行くといつも感じていた、モヤモヤとした変な気分が治まっていくように感じた。


寺の中に同化したような気がした。



これか。

こういうことか。


これなんだな、お坊さんの言ってることって。




「例え信心がなくてもね、寺や神社に行ったら作法はキチンと守ってな。境内は結界内の神域なんやから、まず門で一礼、お堂に入る時に一礼、合掌して一礼、心の中で参拝させていただいてありがとうございますと感謝して、出来ればお経もあげる。そして帰るときも同じように礼をする。」



「はい。」



「きっと君は宗教がどういうものなのかっていう宗教学を知りたいんやろう?でもね、お寺の由緒を知って外観を眺める、それだけじゃ宗教を知ることはまったく出来ん。仏様に話しかけて心を開く。そして良い行いをする。それが徳になるし、少しずつ宗教の存在がどういうものなのかわかってくるよ。」



手のひらを合わせた時のストンと落ちたあの感覚も相まって、お坊さんの言葉がすごくすんなりと胸に入ってくる。


これまで、金さえ払ったらとっとと帰ってください、何も知らないやつがどうせ観光気分だろ?みたいな態度の神社仏閣ばかりを見てきた気がする。


それがここのお坊さんはなんて真摯に参拝の心構えを教えてくれることだろう。


ストーブの前に2人で座り、1時間あまりもわかりやすく説明してくれた。






「あ、これ持って行きなさい。覚えて、出来ればソラで唱えられるようになると一層ご利益があるからね。」



手渡されたのは般若心経の経典だった。



礼をしてお堂を出ると、境内が入る前とまるで別世界に見えた気がした。


仏教の奥深さ、人間の歴史がまた違う角度から見られるようになった気がする。


きっとまだまだ深い世界なんだろうな。


新しいスタートを切ったような晴れ晴れとした気分だ。



厳しくも優しい新長谷寺の住職、本当にありがとうございました!!










それから美濃市に移動してうだつの町並みを見ていたら雪がもさもさ降り出した。


岐阜、やっぱり寒いな。



明日から数日間は山入りになる。


まだ細い道は雪で閉鎖されているだろうなぁ。


気をつけないと。




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