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庄内地方から山形県スタート







リアルタイムの双子との日常はこちらから






2005年9月7日 【山形県】





酒田市の寂れた商店街で楽器屋を探し、とりあえず1番安いゴムのカポを買ったら全財産が1700円になった。


腹が減ったけど、なんとか夜までドンベエひとつでしのがないといけない。





それにしても酒田の飲み屋街はいい感じの昭和のネオン街ですごく味がある。













こう言う町大好きだ。

今夜はここで歌うぞ。








車で日記を書いていると、時間が経つにつれ風が強くなってきた。


今回のこの台風。


すでに宮崎では観測記録を塗り替え、すさまじい被害を残していったようだ。


町は歩行者信号が浸かるほど冠水し、家はもちろん車もお店も全部おじゃん。

製材所からは木材が流され、山では土砂崩れラッシュ。



ユウキのセドリックも廃車になったらしい。



今日あたりからそんな台風がこの山形にも上陸するらしいのだが、とはいっても今日歌わなかったらかなりやばいんだよな…………








夜22時になった。


すさまじい風が吹き荒れている。


ザバー!!っと降っては止み、また突然ゴバー!!と降る雨。


こんな日に路上やる馬鹿がどこにいるんだよ。



ここにいるぞ。






雨の合間を見計らって飲み屋街の銀座通りにやってきた。


廃墟寸前のような雑居ビルの前で歌い始めたが、風が強すぎて譜面は立てられないは、埃は舞い上がるは、髪はぐちゃぐちゃになるわでひどい状況。



よろめきながら歌っていると、そんなところに同じくよろめきながら酔っ払ったおじさんたちが歩いてきた。


俺もそうだけどこのおじちゃんたちもこんな日によく飲みに出てるなと思っていると、声をかけてくれ、2~3曲歌うと飲み屋に連れて行ってくれた。







『極楽鳥海人』ってNPO団体の理事長とそのメンバーのおじさんたち。


みなさん音楽やっている人らしく、聞くと自分のスタジオにものすごい機材を揃えていて、結構有名どころのミュージシャンのCDも作ったりしてるという。


音楽業界人を前にかなり緊張しながら数曲歌う。



「うーん、もっだいない。なしてうまい奴はプロになりたがんねで、下手ばっかりプロになりたがっでぐるんだハァ。」



ベタボメしてもらい調子に乗って飲みまくってたら泥酔してヘロヘロになってしまった。



「うち泊まってくが?」



飲み屋のママさんがそう言ってタクシーに乗せてくれた。


いつもならワクワクするお誘いなんだけど、酔っ払いすぎてとても何かするような気になれなかった。


今日の稼ぎは3000円。



うぅ…………やばいいいいい…………



ママさんエロいいいいいい………………



そんな山形初日の夜だった。











翌日。







「おはよー。」




目を覚ますとそこはママの部屋だった。


起きてすぐにママにファントムまで送ってもらった。


もちろん何にもしてない。

ただ布団で寝ただけ。



エッチなスナックのママに泊めてもらって、こんな美味しいシチュエーションラッキー!!ってなとこなんだけど、何にもしなかったなんてもったいな………いやいや、何もしないよ。



車の中で酒田のいい情報をたくさん教えてもらった。


ママ、ありがとうございました。



いやぁ、もったいないことした…………







ゆうべ頑張ったご褒美にと、ちょっといいものを食べに入ったのは港の近くにある『ルイーズ』というログ風の食堂。


安くてうまくてボリューム満点。


から揚げ定食680円はびっくりするほどの量でしかもご飯おかわり自由。


最高!!!





お腹満タンになり、それからフェリー乗り場に行って、島に渡る料金を調べた。


酒田から飛島に渡るフェリーは1日1便で土日だけ2便。


料金は片道2000円。


うえっ!!

高い!!!!


こりゃ気合で稼がないと先に進めないぞ。








ゆうべ飲ませていただいた『極楽鳥海人』の理事長が、余目町の鯉川酒造に行けと言っていた。


そこの蔵元も『極楽鳥海人』のメンバーで、かなりの音楽のやり手なのだそうだ。


そういうことなら行くしかない。



こ汚い格好ではいけないので、余目町にあるお城の形をした温泉(350円)でじいちゃんたちと一緒に汗を流す。


山形県は日本で唯一、全市町村に温泉がある県なんだそうだ。








地図を見ながら住宅地の細い道を入っていくと、やがて漆喰壁の蔵が見えてきた。


古めいた木の塀がずっと先まで続いている。





この中全部が蔵の敷地なのか。


こりゃ立派な蔵元だぞ。




「ごめんくださーい。」



からくり屋敷みたいな広い玄関に入ると、後ろから「ただいまー。」の声。


ちょうど中学生の息子さんが学校から帰ってきて、たたきを上って奥に入っていった。


こんな時代がかった屋敷、資料館とかでしか見たことないけど、これが実家ってすげぇなぁ。






残念ながら社長は出かけているようで、あさって少しだけ蔵に戻るという。


忙しいところだろうけどアポを取って車に戻った。











今日は酒田からちょっと下ったとこにある鶴岡の飲み屋街にやってきた。


市内を流れる川は街路樹ときれいな橋で風流に整備されている。


こりゃ風情のあるいい町だ。





が…………飲み屋街、静まり返りすぎ。




結構住宅が混じってるし、苦情くるかなぁ。


不安に思いつつも強行で歌ってると30分もしないうちにパトカー到着。


今日の稼ぎはかろうじて入った1000円のみか…………


こりゃきついなぁ。


庄内地方は酒田にかけるしかないか。







風が冷たい。

長袖を2枚、重ね着する。

さらさらした肌。

夏の間はいつもじっとりと汗ばんでいたのに。


夜風に髪がなびく。


夏が終わった。





秋の夜は心がきしむ。


この時期のために1年は巡っているような気さえする。


あっという間なのに、去年この風を受けたあの大間での夜がとても遠い昔のように思えるから不思議だ。



また冬がくる。







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