2005年8月14日 【青森県 後半】
さて、ゆうべ三沢で稼いで懐も温かくなったところでどこからどう回っていこうか。
酒蔵、祭り、名所、
北海道に比べ面積が狭い分、一県ごとの密度が濃い。
あてもなく車を走らせる。
お盆の帰省の家族連れでごった返している奥入瀬や十和田を通り過ぎ、青森市内に入やってきた。
繁華街にはイスラエルのアクセ売りのみんなの姿はない。
そういえばむつ市にも三沢市にも誰もいなかった。
去年の今頃、よく遊んだイスラエルのみんな。
もう1年経っちまったんだよなぁ。
リゴンもリタも、どこか遠い国でまた行き交う人々に声をかけているんだろうな。
マクドナルドを買い、マックスバリューの駐車場で日記を書き、ギターを弾く。
いつも新しい県に入った最初は気分が沈む。
この町に俺の居場所がどこにもないって思えて寂しくなってしまう。
ダメだ。
落ち込んでる場合じゃないんだよ。
故郷に戻りたい?
早く光ちゃんやタカフミのいる東京に行きたい?
美香に会いたい?
だったら進むしかない。
少しずつ着実に進むしかないんだよ。
いまさら手抜きで回ることなんでできない。
明日から本格的に青森県攻略だ。
うう…………でも辛い…………
翌日。
コンビニで青森県のマップルを買い、ババっとルートを決めたらいざ出発。
まずは浅虫温泉だ。
ひなびた温泉地の多い青森県の中で唯一、街の近くにある巨大温泉街、浅虫。
商店街の中を歩き、穴場の食堂、浅虫食堂に入った。
ここは青森の家庭料理を500円という安さで食べさせてくれるとのこと。
他のお客さんは地元の人ばかりなので、津軽弁で何しゃべってるのかまるでわからん。
じゃがいも水団定食、ヘルシーでうまい。
青森市の東側、夏泊半島をぐるりと回り、野辺地町に入った。
この町でももうじきでかい祭りがあるようだが、もう青森の祭りは充分だ。
とっとと先へ進もう。
千曳にある日本中央の石碑を見学。
地元の人が雑木林の中で偶然発見したでかい岩に刻まれた【日本中央】の文字。
胡散臭さがほとばしるこの石碑にもいわれはあるようで、征夷大将軍の坂上田村麻呂が矢じりで彫ったという逸話がある。
うん、この上なく胡散臭い。
発見したのは農家のおじいさん。
半分地面に埋まっていた巨石を掘り起こしてみるとなにやら文字らしきものが見える。
木の葉で土をこさいだところ【日本中央】という文字が出てきて村大騒ぎ。
俺もこんなの見つけたらめちゃくちゃ興奮するだろうなぁ。
七戸城址は1335年に南部政長が築城したお城だ。
城跡はたいしたことないが、ここは城下町の風情を残す町並みが見所。
ぷらぷら歩いていると「駒泉」の酒蔵を見つけてすかさず中に入る。
明治5年創業の年季の入った蔵で、造りも800石と手造りにこだわった量より質派。
見学は無理だったが、蔵人さんたちの笑顔がとても気持ち良かったな。
特別純米『作田』の300mlを購入。
東北の田舎の老舗蔵元で直接酒を買う。
んー、旅してる感じだ。
本屋さんで日本酒の本を買って、今日も三沢に戻ってきて路上をやった。
ネイビーさんたちと一緒に『Leaving on a jet plane』を歌うとみんな大喜びしてくれる。
やっぱり故郷を離れて暮らす米軍さんにはこの歌の内容が沁みるらしい。
1万円ほどになり、雨も振ってきたのでそろそろ終わりかなと思っていたら、いきなり関西弁のおばちゃんが話しかけてきた。
1曲歌うと、まさかの1万円札がギターケースに置かれた。
ぐおおおおおおおおおおお!!!!
マジか!!!!!
「これで今日はもう稼いだやろ。ウチと一緒に飲みいくで!!」
大阪に嫁に行って、今里帰り中というおばちゃんと一緒に居酒屋へ。
食べてみたいなぁと思っていた青森の郷土料理、ほたての貝焼き味噌を、これまた飲んでみたいなぁと思っていた地酒『豊杯』でやる。
うますぎるううううううううう!!!!!
「これは投資や!!若いモンは応援したらなアカンでぇ!!」
泥酔してフラフラになってるおばちゃんに肩を貸してお店を出て、タクシーに乗せたら俺もぼちぼち車に戻った。
あー、美味しかった。
それにしても三沢稼げるううううう!!!!
三沢最高!!!
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