2005年 8月7日 【北海道一周】
ううう……………
気持ち悪い……………
めちゃくちゃ二日酔いだ……………
タカシさんの家で目を覚まし、ゲロ吐きそうになりながらシャワーをお借りし、フラフラで居間に行くと朝ご飯が用意してあった。
皿いっぱいになんか黄色いのが入ってて、なんだこれ?とよく見たら、なんと全部剥きたてのウニ。
ウ、ウニって普通木箱にちょこっとだけ入ってるやつですよね…………?
丼全部ウニて…………
これだけ店で食おうと思ったら一体何万円かかるだろう。
さすがは北海道の田舎。
でもウニってのはちょびっとだから美味いんだろうな。
こんなにいっぱいは胸焼けおこしそうで食べられなかった。
タカシさんは現在、大阪からの里帰り中で、明日愛知に戻るとのこと。
今夜は函館で久しぶりの友達と再会するらしく、一緒に函館までドライブすることに。
途中、浜に寄ってみると、今日も昨日のメンバーがバーベキューをしていた。
ゆうべあんなに飲んだのにもうビール飲んでる。
「おう!!フミ!!これ持ってけ。頑張れよ!!」
ヨシオさんからティッシュの包みを手渡されて、中の金額は確かめずにポケットに入れた。
ヨシオさん、みんな、ほんとにありがとうございました。
松前、めちゃくちゃ楽しかったです!!!
松前の隣町、福島町は千代の富士の故郷。
その次の知内町は北島のサブちゃんの故郷。
途中、サブちゃんの実家の前を案内してくれたりと楽しいドライブで函館に到着した。
「昨日のナナたち呼んでみるか?俺まだ時間あるし。」
タカシさんが電話番号を聞いていたようで、連絡をとるとノリのいい2人はすぐにやってきた。
相変わらずすごい露出の服装。
目のやり場に困るわ………
4人で函館山に登り昼の函館を眺めたり、ナナたちお勧めのメシ屋『一文字』に行ったりと、地元民3人に色々案内してもらいながらの楽しい時間。
「お前ら今夜の飲み会来るか?」
そう言ってお友達との飲み会に誘ってくれるタカシさん。
んー…………全然知らないところに俺たちが混じっていいのか?
なんか気まずいことになりそうな予感をかかえつつ、バイトのリエを送っていき、3人で待ち合わせ場所の五稜郭へ。
函館の飲み屋街は街から少し離れた五稜郭にあるのだ。
待ち合わせ場所にやってきたのは、小学校の先生をしている良也さんとパティシエのさゆりさん。
みんなで居酒屋へ行ったものの、同窓生3人で盛り上がっていて俺とナナは混じれずに気まずい感じ。
俺はこんな状況慣れっこだからいいけどナナが1人でしょぼくれてる。
それでもまぁなんとか酒の力で場は和み、いい雰囲気になってきたところで台風の目、リエがバイトを終えて参戦。
「イエーーイ!!カラオケ行こーーー!!!」
一気にギャルモードになり、大人なさゆりさんはここで退散。
カラオケでさんざん飲みまくって、さぁもう帰るだろうと思ってると、今度はリエたち行き付けのショットバーに行くことに。
ここまで来るとみんなすでに壊れており、タカシさんはヤザワを熱唱してるし、リエは口にすることの9割が下ネタになり小学校の先生という聖職者の良也さんのズボンを必死でおろそうとしている。
俺は俺でマスターと一緒に化粧をしてものすごい顔。
めちゃめちゃな状態で朝まで飲んで店から締め出された。
ああああ、疲れた…………
タカシさんご馳走さまでし…………あれ?
「あー、お前らもう帰っていいから。」
え?何?
なんだか怒っているタカシさん。
怒ってスタスタと歩いていく。
え?どういうこと………?
何が起こってるのか一切わからず、俺と先生の良也さん2人でどうしたんですかね?と話ながら、タカシさんの後をついていく。
ナナとリエも怯えた顔をしている。
駐車場に着き、女2人をタクシーに乗せて何も言わずに走り去ったタカシさん。
取り残された俺と良也さん。
良也さんを見送って俺も車に戻り眠りについたのは朝の5時をとうにすぎたころだった。
一体最後のあれは何だったんだ?
まぁ………いいか。
あぁー、それにしても飲みすぎたー…………
そうして車の中で爆睡してる時だった。
電話が鳴っている。
んん……………だ、誰だよ…………
ケータイを見ると知らない番号。
「ナナだけど…………さっきは変なことになってごめんね…………」
タカシさんに俺の番号を聞いたらしい。
なんでナナが謝ってんだよと聞くと、どうやらタカシさんはナナのことを気に入ってたようで、ナナが俺と仲良くしていたのがムカついたみたいだったよう。
いちゃついたりした覚えはないんだけどなぁ…………
タカシさんは今ごろ大阪に着いているころか。
ろくに挨拶できずじまいだったな。
「そっか…………今日一緒にドライブ行くか?」
「うん。」
というわけで今日はナナと一緒に函館を回ることに。
言われた住宅地に迎えに行くと、やっぱり露出狂みたいな格好のナナがいた。
目のやり場に困りすぎだよ。
さて、まずは恵山方面から攻めることに。
ひなびた漁村をいくつも過ぎ、恵山を眺めながら北上。
このあたりは養殖昆布の一大産地らしく、通りすぎる民家の軒先にはどこも昆布がぶら下げてある。
砂原町に入り、煙を吐く駒ケ岳の見事な姿を眺めながら走りつづけ森町へ。
町に入ると何やら祭囃子が聞こえる。
車を止め、お囃子の聞こえる方向に歩いていくと、たくさんのお神輿が練り歩いていた。
今日はこの町で歌う予定。
ナナも今夜は何もないようで終わってから送っていくことにした。
夜になり、祭りの熱気増すメインストリートにやってきたんだけど、肝心の飲み屋街がねぇ。
そのかわり町は祭り屋台で人はごった返していた。
いけるかなぁと思いつつも路上開始。
案の定、ヤンキーや暇なギャルがたむろし始め目の前でタコ踊りしたり酒飲み出して大騒ぎ。
歌なんか全然聴いてねぇ。
もうこの時間はナンパ目的のガキしかいない。
それでもフェリー代のため頑張ったが結局2000円どまりでフィニッシュ。
22時を過ぎると町は静まり返り、人もいなくなってきた。
あー、チクショー………
フェリー代ヤベェ…………
「フミ、すごいね。色んなとこ行って、色んなこと知ってて。ナナ、バカだし1人じゃなんにも出来ないし、すごいと思う。」
別にやりたいこともないしお金稼ぐのも面倒だからいつも実家でゴロゴロしているというナナは22歳。
早く結婚して子供が欲しいと言っている。
男はかっこつけだ。
結婚したらカミさんと子供を自分の稼ぎで養っていきたいと大半の男は思っているはず。
女は家庭に入って主婦をやってもらいたい。
こんなことを言ってる俺は古い人間だ。
でも一方で自分のやりたいことをしっかり持っている女に魅力を感じたりもする。
自立してて、男に依存してない女性。
女の喜びは子供を産むことかもしれないが、人生にそれだけしかみてないとなると、今の俺からするとそれで楽しいのかよと思えて仕方ない。
もっとやりたいこととか、野望とか、人生かけて成し遂げたいこととかないのかな。
男と女は根本的に違うのかな。
函館でナナを降ろし、コンビニの駐車場で寝た。
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