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中田さんとの出会い







リアルタイムの双子との日常はこちらから






2004年 8月12日



今日は最近忙しくて全然書けていなかった日記をひたすら書いてただけの1日だった。


東北、毎日バタバタだったからなぁ。





ところでユウキのペンションバイトの仕事内容はこんな感じ。



★7時から宿泊客の朝食用意

★配膳、後片付け、シーツ交換

★昼飯用意

★13時~16時まで休憩

★晩ご飯用意

★後片付けして21時に終了




こんな楽な内容で3食付きの住み込み。


いろんな人に会えるし景色もきれい。


半端じゃなく楽勝と言うユウキ。


まぁその分バイト代もそんなに高くないみたいだけど、空気も美味しいし、毎日楽しいそうだ。



それなのにこの前までいたバイトの女子大生は、政治がどうとか、教育制度がダメだとか、たいそうなことほざくだけほざきまくって、トイレ掃除無理と言って1週間でネをあげて帰って行ったそうだ。


甘やかされすぎ。









ゆうべ美香と電話してたんだけど、こんなことを言ってた。



「店長が全然認めてくれんとよ。毎日残業までしてるのに。」



大学を卒業して就職した美香。


大学生から働く身になって頑張ってるみたいだけど、最近の美香は愚痴が多い。



「でも頑張ってるかどうかは人が決めることやとよ?いくら自分が頑張ってるって言っても意味ないんやから。」



「…………フミも店長と同じこと言うんやね。頑張ってるんやからこれ以上頑張れって言われたくない!!」



いきなりキレだした。



「ずっと黙ってたけど、私、ユイと2人で外国に行くと。仕事も辞めて、文武とも別れて、一切のしがらみを捨てて1からやり直すとよ。ごめん。」



はぁ、またか。


美香はよくこういう投げやりな状態になる。


仕事仕事で繰り返しの日々。


やらなきゃいけないことが頭に渦巻いて何も手につかなくなっているんだろう。


でもそんな時にこそ、頑張らんと!って自分を奮い立たせないと前に進むことはできない。


美香はそういう気持ちになる前に、もう嫌、死んだほうがマシ、といった方向に向いてしまう。


知るかボケ!!と何度怒鳴りたくなったことか。



でも俺が受け止めてやらないとな。












翌日。






ていうか寒すぎる!!!


この前まで同じ日本で暑すぎるー…………死ぬうううう…………って言ってたのがウソみたいだ。


今日から盆だぞ?


盆っていったら、盆踊りで汗だくになってかき氷を食う。

蝉がうるさい中、墓参り。だよな?


俺は今ジャケットを着ているぞ。



北海道すげえええ…………









溜まっていた日記をやっとのことでリアルタイムに追いつかせ、休憩に入ったユウキとドライブに出かけることに。


相変わらずファントムの調子は悪い。


マフラーから吐き出される黒煙はまるで煙幕状態で、後続車が事故らないか心配なくらい。


さらに昨日からセルが回らなくなってしまい、鍵でエンジンがかけられなくなってしまった。



やべぇなぁ、こりゃ。



「いくぞ文武ーー!!」



「おおー!!いいぞー!!」



ユウキが車を押し、エンジンを押し掛けでスタートさせてドライブに出発した。










駅の近くにある千石食堂ってとこで衝撃的に美味い醤油ラーメンを食べ、楽器屋で弦を買い、それから麓郷ってとこにやってきた。



麓郷ってのは富良野から山のほうに走ったところにある、開拓時代の名残がある集落。


ただの田舎なんだけど、北の国からの舞台になった場所ということで多くの観光客が来るエリアになっている。





まずはアンパンマンショップの駐車場に車を停め森の中を歩いていく。 


脇には、『五郎さんが熊と出遭った場所』という看板。


ドラマ見てないからわからんな。







森の坂道を登りきると見渡す限りの畑の丘が広がった。









真っ青な空はあまりにも広く、子供が無邪気に描いたような雲がプカプカと浮かんでいる。


畑に転がる牧草ロール。

小舟のようなトラクター。


目に見える風。









麓郷を一望する展望台を降りたとこにあるモノローグの木。


高地によく見られる白樺が富良野にはたくさん生えている。


白樺は群生してないと生きていけないというのだが、このモノローグの木は1本だけでぽつんと立っている。


青空に映える緑の葉と幹の白、広大な大地にただ1本。


なんてメルヘンチックな光景だろう。




あああ、綺麗すぎる。


緩やかな傾斜を描く丘陵地帯が広がり、色とりどりの畑がまるで風呂場のタイルのようだ。


どこを切り取っても絵になる。











メルヘンの木は一般的には展望台か車道からしか見えないのだが、ユウキが穴場スポットを知っているというので、ナビってもらった。


畑の中の農道をトコトコ進むと、木のすぐ近くまで来ることができた。









ニンジンと大根の葉が生い茂る広大な緑の絨毯の中に、2本の木が風にそよいでいる。


絵本のような風景に夢中になって写真を撮っていると、


「畑の中に入らないでー!」


とおばちゃんが遠くで叫んだ。



地球上にこんなに美しい景色があるんだと、その雄大さにしばらく動くことが出来なかった。












五郎さんの燃えたログハウス、石の家、最終話で廃材だけで建てた拾ってきた家を見て回った。













集落の中にはロケで何回も使われた旅館もあるし、地井武男がやってた会社、麓郷木材も町の中にそのまま存在する。


ちなみに本当の名前は中畑木材。




ドラマの中で地井武男演じる社長の奥さんが病にかかってもう少しの命といわれ、地井さんが涙を流すシーンがある。


実はこの時、現実でも地井武男の奥さんが病気で余命短い状況だったんだそう。


さらにはこの中畑木材の実際の社長夫人も同じ時に病気で亡くなっているんだそうだ。



20年続いた北の国からは富良野の人の暮らしをありのままに描いたドラマ。

他にもダブるところが何ヵ所かあるらしい。


どっちが現実かわからなくなるくらい、富良野に溶け込んだドラマだったんだな。














 
トウキビ畑の間を抜けて富良野に戻ってきたら、ペンション『ラベンダー』のパートのおばちゃんの1人、中田さんからユウキに電話がかかってきた。



「スパゲッティ作ったからうちおいでー。」



ハイランド富良野というホテルの風呂に入ってから中田さんちへお邪魔した。


役所勤めのおじさんとギターに夢中の中3のヒロコちゃん。

冗談をよく言う面白い明るいおばちゃん。


絵に描いたような幸せな家庭って感じだ。






スパゲッティでビールを飲んでると寿司が出てきた。



寿司いいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!






「住むとこは今探してるからな。心配せんでいいぃ。」



今度働かせてもらう大工さんを紹介してくれたのはこの中田さん。

さらにその間富良野で住む家もおじさんが探してくれているようだった。



めちゃくちゃ優しい…………


いくらユウキとちょっとパートが一緒だったからって、こんな何にもお互いのこと知らんようなやつのために優しすぎるぞ…………




「車の中で寝る?馬鹿言うなぁ?布団の首もとが吐く息でバリバリにしばれたりするんだぞぉ。死んじまうべや。」



北海道チャンピオンになるほどの卓球の達人であるおじさん。


流氷の上でアザラシを叩き殺したこともあるらしい。

(40年前の北海道北部の漁村では珍しいことではなかったそう。)



「あー、だからそんなアザラシみたいなお腹になったんだわー。」



おばちゃんの突っ込みで笑い声が響く。




バンプオブチキンという最近のバンドが大好きなヒロちゃんは、ギターにおやすみ・おはようを言うほどのギターっ子。


そんなヒロちゃんから、これ弾いて下さい、とバンプの楽譜を渡された。


難しくてよくわからないです、って。





よしよし、見せてみなさい。


これまで路上でずっと歌ってきて、ライブハウスでライブして、色んな楽譜買ってコピーしてきましたからな。



こんなもん楽勝で弾いてあげようじゃないか!!!


大人なめんなよ!!!!








と思いながら楽譜を見たらめっちゃ難しい。


ぬぅ………………

な、なんだこの動きは…………


ややこしい……………





次来る時までに練習しておくね、と楽譜を預かった。


めっちゃカッコ悪い。



23時くらいまで飲みまくり、いい気分で車に戻って寝た。











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