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ファントムがマジでいつ爆発してもおかしくない







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2004年 8月15日



今日は麓郷よりもさらに丘の景色がきれいといわれる美瑛町へ行ってみることにしたんだけど、もーーーーいよいよファントムがやばい。


今朝とうとう完全にセルが回らなくなった。


押してスタンドまで持って行き、ブースターでエンジンをかけてもらったんだけど、走ってる途中でうっかりエンストこいてしまった。


もうエンジンかからない。


交差点で立ち往生。



「ヤバいヤバい!!ユウキ押してくれええええ!!!!」



「おう!!いくぞーーーー!!!」



渋滞の真ん中でユウキと気合で押し掛け。


運良く少し下り坂だったから押せたけど、これが上り坂だったらもう絶対エンジンかけられない。











ファントムはヤバいけど美瑛はマジですごかった。




果てしなく広がるつぎはぎの海。


ところどころにポツポツと立っている童話のような木。


まさに北海道だー!!






丘の中をトコトコ走って写真を撮りまくり、次は秘湯と有名な吹上温泉に行こうと、上富良野から十勝岳高原へ向かう。


標高1000メートルまで登る長い上り坂なんだけど、アクセルが空回りしてしまってもはや1速でしか登らない。


時速20キロしか出ないので後ろには長い列。



さらにとんでもない黒煙を吐きまくっているので、それが目くらましになっているのか追い越しをかけてこないという笑える状況。




ウイイイイイイイイイイイィィィィーーーーン!




ブオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーン!




な、なな、な、何だ!!!!


何だ何だ!?



アクセルを踏み込んでないのに、いきなり回転数が4000まで跳ね上がった!!!!


ものすごい音がして、バックミラーが黒煙で何も見えなくなる!!!!



あー怖いよー。


いつ爆発してもおかしくないよー。







そんな恐ろしい状態で、なんとか秘湯『吹上温泉』へ到着。


駐車場の空き地は平坦なので、押し掛けできるように下り坂になってる道路にファントムを停める。





森の奥に歩いていくと、屋根も何もない丸出しの露天風呂が現れた。

もちろんタダ。


熊や猿が入ってそうな秘湯中の秘湯だ。



明治に発見され、昔は湯治客で賑わっていて宿なんかもあったそうだが、次第に廃れ、宿も潰れ、温泉はほったらかしの雨ざらし状態になり、人々の記憶から消えた。


しかし昨今の温泉ブームと、十勝岳の火山活動の活発化による湯温の上昇により再興。



今では結構有名な温泉となってるそうなんだが、




うん、確かに観光客が多い。





たぶん地元の人は1人もいなかったんじゃないかな。


チャリで4~5人で北海道旅行をしてる大学生グループや、各地の秘湯自慢をしているオールドバイカーたちできぜわしいことこの上ない。


いい温泉だけど、ゆっくりはできなかったな。









さぁ問題は帰りだ。


エンジンかかってくれよ……………




車に戻り、ドキドキでサイドブレーキを解除!!!



坂道発進!!!



しかしかからない!!!



やばい!!!!


下り坂が終わった瞬間レッカー決定だ!!!


こんな山の中でレッカーなんてシャレにならん!!!!



うわああああああ!!!

頼むかかってくれええええええええ!!!!



パニックになりながら1速でダメならと、2速でクラッチをつないだ!!!!





ブゥゥゥーン!!!!





勢いよくエンジン音がうなりを上げた。




よっしゃあ!!!!!




なんとかエンジンがかかり、そのまま下り坂を滑り降りていく。


エンジンブレーキを使ったらまた4000回転に跳ね上がり、気が狂ったように震えるファントム。



マジで怖えええええええええええ!!!!






極限に神経を集中させ、ようやく富良野の町までたどり着いた。


1秒後に爆発してもおかしくないような状態なのですぐに整備工場に持っていきたい。


頼れるのは中田さんだけだ。



「何だってぇ!?すぐ役所来い。」



おじさんを乗せて知り合いの整備工場にやってきた。


もちろん盆休みなのだが、そこはおじさんの顔でわざわざ社長に来てもらった。



「こりゃエンジンオイル固まってんじゃねぇか!!だめだこりゃ!!詳しく見るには時間かかるから、また明後日来い。」



「あの、カギは付けっぱなしでいいですか?」



「おう!!どうせかかんねーよ!!」



とうとうこの日が来てしまった。


ファントム、何とか生き返ってくれ……………








「おい、このままうち来な。ジンギスカンやるからよ。」



またも中田さんファミリーと晩ご飯をご一緒させてもらった。


ジンギスカンうますぎる!!!


羊の肉で多少臭みがあるが、それもまたいい。



「あああ、もうそんな気遣わないで下さい!!」



「なーに言ってんだぁ、気なんて遣わないよ。お金は使ってるけど。」



「アハハハハー。」



「うちはお母さんが社長でヒロコが課長で、お父さんがヒラだからな。」



「えー、お父さん、私が社長だよー。」



「おっ、そうだったな!!ハッハッハッハ!!」



「えへへへへー。」



「ウフフフ。」



ハウスのクリームシチューのCMのような温かい中田さんファミリー。



それからおばちゃんがお小遣い稼ぎにやっている菓子箱組み立ての内職を手伝った。


折り目をパタンパタン折って箱型に組み立てて1箱8円。1人1時間で100個がやっとくらい。



24時過ぎまでお喋りしながら手を動かし続けた。
















翌日。






いつもの北雪の塔の駐車場で寝ていたら、ちょうど起きたとこに、中田のおばさんがやって来た。


ファントムを修理してる間、代車を貸してもらったんだけど窓にスモークを張ってないから外から丸見えだ。



「昨日の箱折り、ちょっと手伝ってくれないかい?」



朝ごはんとお風呂をいただいて昼まで箱折り。


今までケータイ工場やらなんやらのバイトで、手先を使う単純作業はお手の物だ。


神速で折りまくる。



「はい、これ2人の分。」



1500円を差し出してくるおばちゃん。



「え!!いいよいいよ!!ご飯ご馳走になってるんやから!!」



「だめ!!こういうのはちゃんとしないと!!」



もう……………


何か恩返しせんといかんと思って手伝ったのに。






それから『北の国から』で宮沢リエが飲みに来ていた喫茶店『北時計』で日記書きに耽った。


店の中には北の国からの当時の台本や出演者の写真が飾ってある。



カウンターでママと誰かが話している。



「また撮影で何かとご迷惑おかけしますので。」



「いーえー、よろしくお願いしますね。」



「それでは10月にまた。」



また何かの撮影があるのかな。









今夜もお呼ばれして中田さんちで晩ご飯をごちそうになってしまった。














次の日。




麓郷の奥にある原始ヵ原を走った。






やっぱり代車は快適だ。

というかファントムがボロすぎたんだけども。



手付かずの原生林が残る湿原地帯。


原野の中を走り、デコボコの山道を入っていく。



脇に立っている看板には、


『熊目撃 6月××日』


と書いてある。

時には町にまで下りてくるときもあるという。





富良野、なんてのどかなとこなんだろう。


遠くの丘の上でトラクターがゆっくりと進み、広い畑の中で牧草を巻いてる人影。



はるかな空に雄々しくそびえる十勝岳。


広い空。


どこを切り取っても絵葉書になる。









17時になり、面接の約束をしていた大工の山田親方の家にやってきた。


「あー、どうもどうも。2人ともお酒は大丈夫?」



いきなり飲めるかどうかを聞いてきたお酒好きな山田さんはギタリストのchar似のダンディなおじさん。



「んー、まぁこっちは冬は大工仕事出来ないから、11月いっぱいくらいまでお願いするよ。2人だからね、なんとかやりくりして月20日は出れるようにするから。」



中田さんの紹介で雇ってもらうことにはなっていたものの、俺とユウキ、2人ということに渋っていた山田親方。


1人で充分のところを2人なんとかすると言ってくれてるのは中田さんの顔を立ててのことだろうな。


実際はいらないはず。


ちゃんと頑張って働かないとな。






「カレー作りすぎたから処分しに来てー。」



中田さんから電話がかかってきた。


これで4日連続のご馳走。


カレーと塩サバと味噌汁という、最高にホッとする晩ご飯。


近所の人も遊びに来たりして、みんなでビールを飲みながらオリンピックを見た。


日本、今日で6個目の金だ。











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