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バイト先でムカつく奴と口論







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2004年 6月19日



今日も派遣のバイト。


山の中のケータイ工場でひたすら完成品のスピーカーが割れていないかのチェック。


電源を入れて「ファンファンファ~ン」というウェイクアップ音を聞いて、音が割れてなかったらシールを貼って電源を切って箱に戻す。



それだけ。



1日中。



頭狂いそうだった。









翌日も山の中のケータイ工場。


ベルトコンベアーの横に6人で立ち、次から次へと流れてくるケータイ電話に小さなパーツをはめこんでいく。


それだけ。


でも2秒に1回くらい流れてくるので気が抜けない。


1日中それをやってると、えーっと………俺何してるんだっけ?って頭おかしくなってくる。





それにしてもバイトに来てるやつら、みんな大学生なので恋人探し状態。


メンバーはいつもだいたい同じなので、すでに友達の輪が出来上がっていて、みんな、えー!カッコいいー!!可愛いー!!とかそんな話で盛り上がってる。


俺は1人で黙々と酒の本を読む。


こんな仮面友達なんかいらねー、とバリアを張ってる。




後ろのほうの席では田舎ヤンキーが大きな声で周りに聞こえるようにケンカ自慢をしている。



「この前俺カツアゲしてさー!!」



「トップクの奴らが来たっけー、顔面パンチだよ!!」



「あー、もう最近誰も絡んでこねーからつまんねー。」



俺たち悪いんだぜ!!って必死に周りにアピールしている。


可愛いなぁ。

からんできたら面白いのにな。











そんな感じの仙台でのバイトの日々。


銭湯「草の湯」(360円)には1日おきに入り、台原ってとこで見つけた「大もり食堂」で地元の人たちと仲良くなり、スーパー銭湯の駐車場で眠る。


朝は職務質問がモーニングコールだ。



バイトは相変わらずケータイ工場で謎のプラスチックをはめるやつ。






そんなある日、バイト先のいつも口うるさいバカリーダーにちょこっと文句を言った。


この謎のプラスチックはキチンと最後まではめ込まないといけない。


ちょっとでも浮いていたらそのケータイがキチンと塗装されなくて使い物にならなくなるから。


なので集中してパチっとはめ込んでいくんだけど、2秒に1回流れてくるのでみんなたまにはミスってしまう。





このリーダーってやつが、まぁダサくて鬱陶しくて、上から目線で、周りのやつに、「こうやるんだよ!!こうね!!」と指示を出してくるんだけど、こんなに何日も同じことやってたらそれなりに自分のやり方が見つかってくるもの。


俺はゼッテー他の奴らには負けないくらいのつもりでいつも仕事してるので、ちゃんとプラスチックが浮かないように自分のやり方でやっていた。


それをそのアホリーダーが、「君!!こうしてって言ってるよね!!」って指図してきたので、「いや、こうしたほうがミスらないですよ」とつい言ってしまった。



俺がそんなこと言ったもんだから、ベルトコンベアーに並んでる他の人たちみんな凍りついてシーンと静まる。


ムカつくもんはムカつくからしょうがない。



ていうかこんな単純作業で正解のやり方なんかねーだろ。


ミスらなければ問題ねーよ。








その日のお昼休憩。


ユウキと電話しながら食堂でカップラーメンを食べていると、さっきのアホリーダーがコバンザメのガキを引き連れて俺のすぐ近くに座ってきた。


周りにいくらでも席空いてるのに。



「いやぁー、ていうかさっきの奴マジでキレるよ。俺じゃなかったらキレてるね。」



わざと大きな声で俺に聞こえるように喋ってくるアホ。


コバンザメは横でビクビクしてる。



「ホントさぁ、何回言ってもわかんないヤツは派遣会社さんに言って替えてもらおうかなー。」



面白いなぁ。

俺が黙ってビクビクしてるような奴に見えたのかな。



ユウキとの電話を切り、アホのほうを見る。



「何かあるんやったら直接言ったらどうですか?」



「え…………あ…………ああ、君だったのー。」



めっちゃたじろぐアホ。



「わ、わかんないんだったらちゃんと聞かないとダメだよ。」



「いや、言ってる意味わかんないし。僕はちゃんとやってますよ。あんたのところから流れてくるやつ、何個も浮いてますよ。」



口論しているもんだから食堂にいる大学生たちがナニゴトだ?とこっちを見てる。



「いや、浮いてる浮いてないの問題じゃなくて………」



「いや、浮いてたらダメでしょ。」



さんざん言ってやったらおとなしくなってコバンザメ連れてどっかに行った。



後から他の社員さんに聞くと、そいつも長くいるだけの派遣らしい。


同じ派遣社員なのにリーダーになったことで偉くなった気になり、その猿山でイキがるバカっているよなぁ。


それで「俺のカミさんがさー!!」って結婚してる自慢してて、この日給で結婚とか……………


(あの、一応書いときますがこれはあくまで17年前の22歳のガキだった頃の僕の考えなので、そこをご理解いただけるとありがたいです。今はこんなトゲトゲしてませんので。)










そんな感じで全然友達できないままのバイトも最終日になった。


最後の日も同じケータイ工場でのプラスチックはめ。


あのアホリーダーは逃げたのかここ最近この工場にはきてなかった。



「彼上手いですよね。」



「うん、彼明日からこのラインのリーダーやってもらいましょうか。」



工場の社員さんたちが俺にそう言ってきた。



いや、明日から来ません。



ていうかこんな流れてくる部品にプラスチックのカケラはめ込むだけの仕事で上手いとか言われても全然嬉しくないよ。


仕事を終え、事務所で10日分のバイト代を受けとった。


72500円。

これでしばらく生きていけるぞ。











明日からまた移動を再開するので、最後に仙台市内でも歌っておこうと、東北の歌舞伎町といわれる国分町にやってきた。


さすがにかなりデカい飲み屋街。


歌える場所を探してると一番町アーケードってところがあり、1人そこで歌ってるやつを見つけた。



「向こうでやってるから、よかったら後で見に来てくださいよ。」



そう伝えて、離れたところでアーケードに声を響かせながら歌っていると、しばらくしてさっきの奴がやってきた。



「一緒にやろうか。」



ギターを始めたのも、路上を始めたのもまったく同じ時期の同い年のアベヒデと、スタンドバイミーやなごり雪なんかのメジャーな曲を一緒に5~6曲やった。

俺と同じくらい声が高く、歌も上手い。



「まだ?」



「もうちょい。」



一緒に来て来ていたアベヒデの彼女がふてくされてる。



「俺、仕事で結構全国行くんだよね。だから行った先で会えるかもしれないね。友達なろうよ。」



「ていうかもう友達やん。」




バイトでは全然友達出来んかったけど、仙台最後にいい友達ができた。


やっぱり音楽はいいよな。




さぁ、明日からガンガン周っていくぞ。





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