どうもおはようございます。
金丸文武です。
皆さん2022年いかがお過ごしでしょうか?
僕はといえばとても元気です。
カンちゃんもイトヨリもみんな元気です。
この前カンちゃんとテレビを見ていたら、芸能人が「ドーピングやったでしょ!!」みたいなことを言ってました。
ふーん、とか思いながら聞いていたらカンちゃんが、「土瓶蒸しがどうしたの!?」と聞いてきました。
いやぁ、ドーピングが土瓶蒸して。
未読スルーとかあるよねーって話してたら、ミドックスって何?とか聞いてきます。
もう最近では「そこ閉めて」とか言ったら、「ソコシメテ?」って聞き間違ってないのに謎の言語に変換したりしてます。
怖いです。
でももっと怖いのはウチのお母さんで、この前、
「ほらほら、ペグっているでしょ?ペグは鼻が潰れてるから旅行行く時に預かってもらえなかったりするらしいのよー。ペグは毛が抜けるしねぇ。」
ってずっとパグのことをペグって言ってました。
平和です。
というわけで今日の記事で福島県編も終わり。
日本一周もここからどんどん未到の地に突き進んでいきます。
よろしくお付き合いくださいー!!
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2004年 6月5日
朝方、猪苗代湖から戻って、ファントムの中でごろんと寝っ転がってほんの1時間。
……………うおらああああああ!!!!
暑いいいいいいいいいい!!!!
あまりの暑さに飛び起きた。
上半身裸でパンツ1枚なのにドア全開。
めちゃくちゃ恥ずかしいはずなのに、そんなんどうでもよくなるくらいとにかく寝たい。
が、結局昼まで頑張ったけどまったく眠れず。
寝不足でウトウトしながら湯野上の河原風呂に行ってドボン。
無料の野天風呂ってのは旅人にはめっちゃありがたいものなんだけど、ひとつネックなのが体を洗ったりシャンプーするのに気が引けること。
そのまま川に垂れ流しなのでなんか自然を汚してる気分になってしまう。
まぁ田舎の温泉地の公衆浴場なんてどこもバンバン垂れ流してるんだけど。
「泡を湯船に入れなきゃいいよ。」
と地元のオッちゃんは言うんだけど、やっぱりなんかなぁ。
というわけで人がいなくなったら洗おうとずっと待ってるんだけど、今日は土曜なので観光客まみれで10人以上で湯船につかっている。
結局2時間くらい粘ったけど体を洗うことはできず。
頭が汗かいて気持ち悪い。
コインランドリーで日記を書き、夜になってから若松最後の路上をやりに栄町にやってきた。
俺の定位置はいつもの串焼き屋さんの前。
「今度は彼女も連れてきなよ!」
『串ぜん』のご夫婦、ほんとに素敵な人だった。
3時間ほどで1万円が足下にたまった。
順調順調。
今日は少しは喉の調子がいいので2時くらいまでやってやるぞ!!!!
「日本一周してるんですか?」
するとそこに話しかけてきたのは福島のなんとか新聞の記者さん。
面白い旅してますね!!取材させてください!!と言うことになり、いくつかの質問を答えているところだった。
いつものクラブ『おぼろ月』のメンバーがドヤドヤとやって来た。
「えー、旅を始めようと思った動機は何で…………」
「ああああ!!!おめーまだいたのかよー!!おめー俺のことババセンパイって呼べよ!」
「おめー、俺のことをババセンパイって呼べよ。」
「えっ?…………ババセンパイ?」
「うるせーよ!おめー!」
みんな酔っ払っててわけわからんことになってて、路上で大騒ぎ。
ていうかアキちゃんかわいい!!
オーナーのタクマさん怖そう…………
みんながワーワーたかってきたもんだから、記者さんは諦めて帰っていってしまった。
「おめー、そんな貧乏なのかよ。今日うちに泊めてやるよ。」
「おめー、そんなこと言って、ぜってー後から泊めっちくねーって言うべ?」
「うるせーよ!おめー!おめーはまちゃんに似てんだよ!」
「スーさーん、スーさーん、って馬鹿か!」
めちゃくちゃなノリで飲みにいくことになり、もうこうなったら今夜は路上は諦めてとことん行くことに。
ワルいイケイケな兄さんたちについて行くと、なんとも怪しげな看板の店に入っていくみんな。
「あっらー、いらったーい。」
女の人たちがなんか変だ。
インリンより際どい服を着てやたら筋肉質。
「あ、こいつらおかまだから。でもヤレんべ?フォーイ!」
兄さんが服をめくると作りもんのおっぱいが丸出しになる。
隠さないで上目遣いしてくるニセインリン。
マジ怖い。
とんでもなくどんちゃん騒ぎをして、ニューハーフの人たちのショータイムなんかも拝ませてもらい、ベロンベロンで店を出るとすでに朝。
そんな朝でもやってる『ジェントル麺』っていうラーメン屋さんに行き、みんなでクールダウンしながら麺をすすった。
さっき触らされたアキちゃんのお尻、柔らかかったなぁ。
みんな若松では有名なワルらしいのだが、面倒見のいい優しい人たちだった。
会津、本当に大好きだ。
住んでもいいとさえ思える町はここが始めてだ。
日本一周っていう目的がなくてただ流れてるだけだったら間違いなくとどまっていると思う。
店を出ると、泊めてくれると言っていたシンタローさんがめっちゃ眠そうな顔をしていたので、察して車で寝ますとそこで別れた。
翌日。
とうとう会津を出て郡山へ向かう。
福島県は今いる会津地方、郡山とかがある中通り、海沿いの浜通りと3分割するみたい。
ああ、会津いいとこだったなぁ。
歴史あるし、自然たくさんだし、文化も豊かだし、ホント最高だったな。
郡山に到着し、安いパーキングにファントムを止め小雨のぱらつく街中を歩く。
今日はここでなんかのお祭りをやってるという情報を入手してるんだけど、どこでやってるのかなー、と駅前の大通りに出た瞬間、すごい光景が広がっていた。
通りにぎっしりと並んでいるのは和太鼓と鼓手。
小太鼓から2人用の大太鼓まで。
とんでもない人数がバチを構えていた。
「いくぞー!雨なんか吹き飛ばせーー!」
はるか向こうの巨大太鼓の上で貫禄のある親分が激を飛ばす。
ドン!ドン!
演奏が始まると鼓膜が割れそうなほどの衝撃だった。
なんせ500人!!!!
県内の和太鼓グループを全部召集し、総勢500人による500発の太鼓打ち。
すさまじいエネルギーの塊が市内を揺らす。
こりゃすげぇ!!!!
駅前のステージでは福島の路上出身のシンガーソングライター、エイブって人がライブをやっていた。
あまり同年代を褒めたくないけど、悔しいが彼の歌はすごくよかった。
雨の中、酒の町、二本松に到着。
さぁ、福島ももうすぐ終わりだ。
さて次の日。
二本松に来た最大の目的『大七』の大七酒造へ。
燗酒部門で全国1位をとる日本を代表する生モト造りの蔵だ。
福島の蔵見学のメインと考えてたとこなのに、今ちょうどタンクの取替えやなんかで入ることができず、丁重にお断りされてしまった。
結構食い下がったんだがやはり無理。
そこから山方面にズンズン走った森の中にある「奥の松」の八千代蔵にでもやってきたんだけど、ここも見学はやってなかった。
そこをなんとかお話だけでもと食い下がったところ、奥にいた頑固そうなオジサンに中に招かれた。
接待ブースみたいなところのソファーに1対1で向き合う。
め、めっちゃ緊張するんですけど…………
「で、何が聞きたいんですか?」
あまりの緊張にろくな質問もできず15分ほどでお話は終了。
「将来お店を?そうですか、その時は是非ウチのも置いてください。」
相手をしてくださったのは杜氏の殿川さん。
奥の松なんて大きな蔵の杜氏さんとお話をさせていただけただけで価値のある時間だったな。
別の場所にある販売所で試飲をさせてもらったけど非常に美味しい。
生も本醸造も、吟醸も。
その中でも特に美味しかった「サクサク辛口」ってのを買った。
駐車場で日記を書きながらしばらく酒が引くのを待って、次に智恵子の生家へ。
智恵子とは高村光太郎の『智恵子抄』の智恵子。
造り酒屋だった生家の裏にある記念館には、女性芸術家だった彼女の作品や光太郎直筆のラブレターなんかが展示してある。
壁中にかけられた額縁には、入院中の智恵子が作り続けたという紙絵が。
シンプルで素朴な紙絵に、彼女の繊細な命の輝きを見た気がした。
旅人が山で宿を見つけて泊めてもらうと、夜中、ばあちゃんが隣の部屋で包丁研いでたって昔話は日本人なら誰でも聞いたことあるはず。
その鬼婆が住んでたという安達ヶ原の岩屋にやってきた。
あの話には元になった話があるらしい。
京都で病にかかった姫に仕えていた乳母。
姫を治すために、病に効くという妊婦の心臓を求めて乳母は旅をする。
そしてこの安達ヶ原にまでやって来たときに、ちょうど妊婦を見つける。
しめた!とぶっ殺すと、その妊婦の首には、昔自分の娘にかけてあげたのと同じお守りが…………
気が狂って鬼婆になった乳母は、やってくる旅人を次から次に殺して食ったらしい。
近くには出刃包丁を洗った池や鬼婆の墓が残っている。
んー、恐ろしい話だけど、鬼婆ってのは今の時代にもいるよなぁ。
さぁ、二本松はこれにて終了。
250円の土湯温泉に向かうが月曜定休。
マジかよおおおおお!!!
今日入らないとキノコ生えてくるぞ…………
汗が気持ち悪い…………
毎日こんなに暑いのに…………
仕方なく長距離移動して飯坂温泉へ。
2000年の歴史を持つ東北を代表する一大温泉郷だ。
町の中心に鯖湖湯という100円風呂があるはずだが…………
月曜定休!
仕方なく鯖湖湯の駐車場で今日はストップ。
今日から全国的に梅雨入りしたとラジオから流れている。
うー、体がべとつく。
気持ち悪い…………
翌日。
朝イチでソッコー鯖湖湯へ。
奥の細道の道中で松尾芭蕉も浸かったというエピソードを持つきれいな共同浴場。
平成5年に改築する前までは日本最古の浴場建造物だったそうな。
でも前の建物をキチンと再現していて風情はしっかり残ってる。
スミからスミまできれいに洗い落として飯坂の温泉街を見て回る。
川沿いにでっかいホテルがそそり立ち、さながらコンクリートの峡谷。
歓楽街温泉としても知られていて、さびれたストリップ劇場が昭和の温泉ブーム時代を偲ばせてくれた。
福島市内をぶらついて、霊山を過ぎ、相馬市へ。
ここは宇多川や小泉川などの流す砂によって砂州となり、入り潟湖という地形を作っている珍しい名所。
入り潟の湖に何本も浮かぶ海苔養殖のいけすを眺めながら113号線を北上。
さぁ、東北2県目、宮城県突入だ!!!
いつもいつも宮崎と間違えられやがって!!!!
どんなとこかしっかり見てやる!!!!
川下りで有名な阿武隈川を上流に向かって走り続け、白石の町にやってきた。
新しい県に入ったらまずは情報収集だ。
いつものように県庁に電話して祭り・イベント情報を聞き出し、酒蔵の位置チェック。
でも、なぜかいつもこの段階でブルーになってしまう。
知らない土地にいるという疎外感。
外は雨が降ってるし、心細くなる。
この空しさはどういう心理からくるものなのか。
いかんいかん、いつものパターンにはまってしまう。
バイト情報なんかも調べつつ、とりあえず今夜は七ヵ宿の材木岩という天然記念物の駐車場に車を止める。
ケータイの電波なんて微塵も入らない真っ暗闇の山の中。
雨が叩きつける車内にはリトル・ウォルターのブルースハープが流れ、助手席にはお気に入りの『栄川』の本醸造。
ファントムがちょっとした洒落たバーに変身だ。
東北攻め、順調だ。
【福島県編】
完!!!!
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