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那須のキツネ祭りに飛び入り







リアルタイムの双子との日常はこちらから






2006年 5月22日 




マジで金がやばい。


朝起きてパンをかじり、ガソリンを入れたら残り3千円。


金欲しいよー。






というクソ貧乏人ごときが那須高原に到着。



貧乏でも那須を観光いたします!!


金のかからない観光地であってくれ!!!!





走っていると、阿蘇や日光のように、ファミリー向けの観光地によくあるわけのわからない怪しげな店が草原のところどころに建っている。


『アメリカンスーパースターミュージアム』、『バリ島雑貨』、『3Dホラー館』。


それこの観光地となんの関係あるの?っていつも思うけど、この雰囲気は大好きだ。







だいぶ高地まで来ると温泉郷が広がっていた。


窓を開けると強烈な硫黄の臭いが鼻をつく。





名所である殺生岩はごつごつとした岩場が広がる荒涼とした奇怪な光景。


江戸時代に、ここで湯の花・ミョウバンを採取して年貢として献上していたらしい。


湯の花は漢方薬に使われるのだ。








あ、ちなみに最近その観光地のことについて詳しく書いているけど、これはパンフレットとか由緒書きとかを読んだことを参考にして書いてます。



ただ回るだけではなく、なるべくちゃんと勉強して、理解しながら見学していこう。










そうそう、この殺生岩にはものすごい伝説がある。


丘の上に一際デカい岩があるんだけど、その岩は九尾の狐の岩。



昔々、中国やインドで美女に化けては王室に潜り込みその国を滅ぼしまくっていた、白い顔、黄金の毛、九本の尾を持った狐がいた。


そしてついに1200年代に日本にやってきた九尾の狐。


国の大ピンチに立ち上がったのが1人の陰陽師。


激闘の末、この那須の地で狐を封印することに成功。



しかし石になっても毒気を出し続けていたので、ぶっ壊そうと念をかけたところ3つに割れて飛び散った。



そのひとつがあの丘の上の岩なんだそう。



漫画『うしおととら』で読んだ物語がここにある。

ちょっと感激。




ちなみに毒気というのはここら一帯に噴き出ている火山性ガスのことで、曇天の風のない日が1番危ないとのこと。

気分が悪くなる人、倒れる人もいたりして、ガスが出てるところにライターを近づけるとボッと引火もするほどだそうだ。


人を殺すほどの毒気を出すので殺生岩っていうんだって。









そこから山道を登っていくと温泉神社に出る。


900年代の文献にも登場する歴史ある神社。


狩人が鹿を追っかけてたら鹿が湯治をしているのを発見したことでこの温泉が見つかったそうで、神社には狩人さんも祀られていた。




観光案内所で安い湯を探していると、向こうでおばちゃんたちの話す声が聞こえてくる。



「今日のお祭りって参加できるらしいですわよ。」



「あらまぁ!」



なに?


それは聞き捨てならない。





聞くと今夜、松明行列が行われるらしく、それに一般人も参加できるらしい。


150名限定の受付19時から。

やるしかねぇじゃん。















南ヶ丘牧場ってとこで手作りのハムやらソーセージやらをこの世のものとは思えない顔でここぞとばかりに試食しまくって空腹を満たし、きのこの湯の露天風呂に入り、高原を探検してから早めに神社に戻ってきた。



霧雨の振る中、すでに社務所の前には白い集団が集まっている。



「すみませーん!!参加したいんですけどー!!」



「はいはーい!!じゃあこれ着てください!!」



受付で渡される白いカッパ。


これが衣装のようだ。



「えー、みなさんにはこれから狐役をしてもらいます!そのカッパはプレゼントなので田植えにでも草刈りにでも使ってください!」



「おじさーん、神事ってなーに?」



「神事?シンジらんない。うひょひょ!」



お茶目な神主さんのダジャレで真っ暗な境内に笑い声が響く。














19時半になり、ついにお祭りが始まると、本堂でお祓いを受け、1人づつ松明を手渡される。


一斉に火がともされ、山の中に白いカッパ集団が浮かびあがった。


殺生岩のほうからは、笛と語り部の声がマイクで拡大され、夜空に響き渡っている。




松明行列出発。





裏の山道をたどり殺生岩まで降りていく約200m。


暗闇に曲がりくねる炎の行列がなんとも神秘的で、不気味でもある。













山道を出て岩場にたどり着くと、そこには木を積み上げた大松明が組み上がっていた。


それを取り囲む狐の集団。


よく見れば周辺には数え切れないほどの観客たちが固唾を飲んでこっちを見てるやん!







笛の音が止んだ途端、一斉にそれぞれが手に持ってた松明を投げ込み始めた。


みるみるうちに燃え上がる大松明の火柱は10mは超えている。


その途端、和太鼓が勇壮に打ち鳴らされ、狐の面をかぶった鼓手たちが炎を背に狂ったようにバチを振り回した。








あまりにも現実離れした光景に興奮していると、俺の20倍くらい興奮したおっさんが頭のネジが飛んでしまい、ロープをくぐって中に入ってきて必至にシャッターを押しだした。



みんなそれを我慢してロープの外から写真撮ってるのに
、1人飛び出してみんなのカメラの前に立つその根性を他のことに使ったらきっとおじさんの人生はもっと豊か。



「こらー!邪魔だぞー!」



「常識知らねーのかこのやろー!」



嵐のように飛び交う罵声。


しかし罵声に負けないおっさんの根性あふれる背中がまぁまぁたくましい。






それほど幻想的で神秘的だった。








太鼓の演奏が終わるとともに大松明が崩れ落ち、火の粉が夜空に舞い上がって森の精霊たちと踊っていた。














祭りの事務所に行き、どっかおいしい食堂はないかと聞くと1人のおばさんが言った。


「私の車についてきて!」


やってきたのは町の中にある居酒屋だった。


中に入るとすでに出来上がってる地元のおじさんおばさんたち。



「おー!姉ちゃん!あれ?兄ちゃんか?どっちでもいいや。一緒に飲むっぺや!」



栃木最後の夜に食べた生姜焼き、美味しかったなぁ。





「あーーーーーー!!!俺もう………こんなだけど…………聞いて!!!あんたは美人だねぇ。」



「はい、ね、私も高橋さんのことは人間的に好きよ。男してじゃないよ!!!男としてはもう終わってるんだからね!!」



横で一生懸命おばさんを口説いてるオッちゃんが、おばさんからなかなかひどい言葉を浴びせられてて焼酎吹き出しそうになった。








早かったけど、栃木はこれで終了。


最後の日にこんないい祭りに参加して、こんないい人たちに触れ合えて、本当にうれしいかった。



明日からは福島県。


22年の人生で最北の地に突き進む。


ここからは知人なんかいない。


体1つだ。





【栃木編】

完!!!!





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