毎日忙しいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
イトヨリの子育て、kokageの管理、ひなた屋の営業、それだけでもめっちゃ忙しいのに、最近来客が重なって何もできん!!!!
さらに赤ちゃんたちがスクスク爆育ちしているので、もうひなた屋の中で子育てするのが難しくなってきた。
ありとあらゆるインテリアの骨董品の破壊しようとするし、おもちゃ投げ散らかしまくるし、砂利をぶちまけまくるし、もう大変!!!!!!
このままでは店を破壊されるし、なによりあれしちゃダメこれしちゃダメばっかりだとイトヨリにとってよくない。
というわけで引っ越し決定!!!!
といっても同じ美々津町内なんですけどね。
そう!!!!!
コロナも落ち着いてお店が忙しくなってきてるのに、さらに引っ越し!!!!!
やること多過ぎて頭パンクするうううううううううううう!!!!!!!
そして新居構えるって尋常じゃなく金かかるうううううううううううう!!!!!!!!
冷蔵庫もエアコンも、ジャーもレンジも布団も、子供の諸々も、全部買わないといけない!!!!!
そもそも新しい家の家賃光熱費がプラスでかかってくる!!!!
もっともっと稼がないといけない!!!!!
子供ができるって頑張って働かないといけないってこと!!!!!!
というわけで仕事と育児しながらブログとユーチューブを両立するのは不可能です。
ちょっと更新の頻度落とします。
てなわけで、また更新が途切れることがあるかもしれませんが、その時はイトヨリが元気に育ってる証拠というふうに思っていただけたら幸いです。
これからもよろしくお願いします!!!!!!!
リアルタイムの双子との日常はこちらから
2003年、11月13日。
「よっしゃー!行くぞー!!」
「よっしゃーー!!」
俺、美香、そして友達の由ちゃんの3人で、ハイテンションでファントムに乗り込んだ。
大阪から戻ってあれから数日経ち、今日は楽しみにしてた栃木旅行の日。
楽しむぞー!!
栃木といえばってことで、まずはやっぱり日光東照宮にやってきた。
川と山の間にある密やかな町、日光。
その中心にあの東照宮は存在する。
緑豊かな森の中、小雨の降る境内を歩く。
平日の雨の日だというのに、たくさんの観光客の姿。
さすが世界遺産だ。
日光東照宮は、徳川家康を奉る神社。
もともとは豊臣秀吉が天下統一したときに自分を神とする神社を造ったんだけど、それを徳川家康がぶち壊して自分のを造らせたのがこの東照宮。
今でも18代目徳川家の人々が年1回お参りに来るらしい。
東照宮の見所は、まず三猿。
有名な見ザル、言わザル、聞かザルだ。
世の中の不浄なものは見たり聞いたり言ったりしちゃだめだぞ、という教え。
境内の中にある建物のどこかに彫刻されているので探すべし。
次、陽明門。
これが一番の見所かな。とにかくすげー。
京都の東本願寺の唐門もすごかったけど、これはあそこの5倍はすごい。
とんでもなくきらびやかすぎ。
今日は雨だったので、俺のデジカメではこの写真が限界だった。
次に眠り猫。
江戸時代の伝説の宮大工、左甚五郎による彫刻で、東照宮の雰囲気を象徴する究極だと書いてあった。
確かにあの小さな猫が東照宮の心臓のような印象があった。
ほんで最後の見所、鳴龍。
天井一面に描かれた巨大な龍の真下で、坊さんが機械の様な無表情で説明をした後、持っていた拍子木を打ち鳴らした。
「カーーーンンンンン、ウィンウィンィィィィィィィーー……………」
「カーーーンインインインィンィンィン……………」
天井と反響して長い余韻を残すその音は、聞いたことのない、とても神秘的な音だった。
「はい、お足元にお気をつけて、しずしずと前へお進みください。はい、次のかた、こちらへどうぞ。皆様天井をご覧ください。えーこの鳴龍と申しますのは…………」
次から次へとやってくる爺ちゃん婆ちゃんに、ひたすら同じ説明を繰り返すお坊さん。
年がら年中こうやって観光客の相手をしてたらそりゃ機械みたいな顔にもなるわな。
東照宮をしっかり回り、次のいろは坂へ行こうとしてたら、途中でキャッチのお婆ちゃんに捕まってご飯を食べることに。
日光は湯葉が有名。
でも高い。
湯葉がちょこっと入ったそばが1000円もする。
由ちゃんと美香が湯葉が入ったものを頼んだから、俺はカツ丼を注文した。
日光まできてカツ丼。
でもカツ丼が一番おいしかった。
湯葉?なんじゃこりゃ?
これをおいしいね、と食べるやつは見栄っ張りの嘘つきだ。
左手に枯れ木と化した山を見送りながら、いろは坂。
ここは栃木というか関東屈指の紅葉の名所らしく、まさにミミズの這いつくばったような曲がりくねりまくった坂道を登っていく。
坂のカーブの1つ目が『い』の坂。
次のカーブが『ろ』。
その次のカーブが『は』。
紅葉で燃えるように赤く染まっておりものすごく美しい………と言いたいところなのに霧で何も見えん!!
標高1100mまで登りまくった所に現れる中禅寺湖。
鏡のように静まり返った湖岸に車を停める。
由ちゃんは車の後ろでバクスイしていたので、美香と2人で桟橋へ歩いた。
振り返ると、はるか山の頂上を雪が白く染めていた。
日光に戻る途中に見た華厳の滝はすごかった。
日本3名瀑の1つだけあってめっちゃビビりまくった。
駐車場の端っこの手すりに近づいた瞬間、目に飛び込んできた凄まじい光景。
ドドドドドーーー!!と、はるか下まで続く白い柱が吹き上がる水しぶきで見えなくなるほど。
「すごーい!!」
「うぉーー!!」
滝の砕ける着地点の目の前にまで降りられるエレベータがあったので、1人500円払って乗り込む。
「…………あっ!!」
登ってきたエレベータから降りてきた人たちを振り返る由ちゃん。
「ほらあれ!ジャストの彦マロやったよ、彦マロ!!」
「…………誰?」
ヒコマロって誰?って思いながら散々変な写真を撮り、お次は鬼怒川温泉郷へ。
やっぱりいいなぁ、温泉街は。
500円の鬼怒川公園温泉に入って冷えた体を温めた。
夜道を走って宇都宮へ行き、腐るほどある餃子屋の中でも元祖っていう店、『みんみん本店』でギョーザをテイクアウト。
そして西方町という田舎町にやってきた。
めっちゃ田舎。
ここには高校からの仲良し、センジくんが住んでいる。
ブラックサバスとかアークエネミーとかのデスメタルを聞きながらヴォー!!って叫んでたセンジ君も今や三味線作りという匠の世界の一員だ。
「ひさしぶりー!!」
「おひさしぶり。」
田舎のばあちゃんちって感じの一軒家に1人で住んでいたセンジ君。
ガラガラガラと玄関の戸を開けると、まずお香のいい香りが漂っている。
畳にふすま、お香の香りとセンスのいい和の小物たち。
「よし!飲もうか!!」
まずはビールでカンパイ。
つまみと小皿をお盆で持ってくるセンジ君。
「次これも飲んで。それぞれグイ呑み選んで。」
センジ君、特選の日本酒。
台所に行くと、古い木の棚に並ぶ様々なグイ呑み。
益子焼、笠間焼、あるいはたたきあげの銅製のもの。
棚の下には陶器に入ったウメボシ。
食事は毎日自炊だそうだ。
こだわってるなぁ。
「恐くない?1人で。」
由ちゃんの質問に、全然。と答えるセンジ君。
家のすぐ横を流れてる小川にはカッパが住んでいるらしく、夜中たまに泣き声と泳ぐ音が聴こえるらしい。
それ以外は全くの無音。
外灯もほとんど無いこのあたりは、夜になれば真っ暗闇。
北関東の田舎町の寒さは、九州の寒さとは全然違う歴史の香りがする。
三味線工房に面接に行った時、
「長男なんだろ?田舎も遠いんだし、やめとけ」
と言われたのに対して、
「どうして長男だとだめなんですか!!」
と食い下がり、今や日本の邦楽器職人業界で最年少で頑張っている。
時間があれば琵琶とか三味線とかのラジオを聴き、毎週日曜は歌舞伎や邦楽器のコンサートなんかに1人で行き、買い物と言えば焼き物やお香など。
終いには通販で激レアな邦楽情報誌を1年間契約するという徹底ぶり。
あんなにエレキギターを弾いてたセンジ君からのギャップがすごい。
「やりたくてやってるのと、自分はこれなんだ、って言い聞かせてやってるのと半々だよ。」
そっかぁ、俺と同じだな。
みんなそうなんだよな。
センジ君が焚いてくれた伽羅の香りが、休まず運転してきた体の力を抜いてくれた。
翌日、センジ君の家で目を覚ました。
昨夜は酔いつぶれてみんなより早くギブアップしてしまったらしい。
11時ごろにセンジ君の家を出て、栃木市内へ向かった。
今日は5年に一度の栃木祭りの日。
今年は5年ぶりではないらしいんだけど、なぜか行われるとのこと。
110周年らしい。
栃木市内に入ると、電線が1本もないことに驚いた。
「蔵の街」というキャッチフレーズで売ってる街だけあって、昔ながらの古民家がたくさん残されており、景観を守るために電線を地中に通してるらしい。
さすがにすごく魅力的な街並み。
レトロなものばかり売っている古めかしい木造の商店街がまた渋すぎる。
駄菓子屋から和紙屋さん、金物屋さん、ちょうちん屋さん。
こりゃワクワクしてくるなぁと散策していたら、いきなり目に飛び込んできたのは巨大な山車。
栃木祭り最大の呼び物、人形山車が何体もズラッと並んでいた。
高さ7mのきらびやかな山車のてっぺんには、神武天皇の人形。
栃木市は県の名前がついてるような町なのに高い建物が全然なくて、晴天の空に唐色の色彩がものすごく鮮やかだ。
いいなぁ、栃木。
屋台の食べ物は安いし、人がみんないいし、そしてこのレトロな街並み。
センジ君の行きつけのお香のお店もまためっちゃレトロ。
ガラスケースに並んだ様々なお香。
タバコの箱ぐらいの大きさで6000円のものとかある。
伽羅はやっぱり高い。
「これ、聞かせてください。」
「はーい。」
慣れた感じでおばちゃんに声をかけるセンジ君。
お香ってのは「かがせてください」じゃなくて「聞かせてください。」というんだって。
俺も白檀の2000円のものを買った。
店を出るとお祭りが始まっており、太鼓や鐘の音の祭囃子が街を包んでいた。
巨大な山車が車輪をギシギシ言わせながらすれ違う様は大迫力だった。
これだけ勇壮な祭りなのに、観光客はイマイチ少ない。
まぁ平日の昼間だからな。
明日、明後日はすごく賑わうんだろう。
今日ゆっくり堪能できて良かった。
15時に西方町のセンジ君のとこに戻り、三味線工房に見学に行かせてもらった。
「すみませーん。」
「おー来たかー。センジー、お客さんだぞー!!お茶かコーヒーでも入れてやれ。」
中には、親方と先輩とセンジ君の3人。
匠の仕事場らしく、木の削りカスやいろんな工具が並んでいる。
三味線は旅芸人が持って歩いていたもんらしく、持ち運びに便利なように太鼓と棹と頭の部分が3つに分解できるようになっている。
そして三味線職人はそれぞれが各部位の製作を受け持つのが一般的とのこと。
棹を創る人は棹ばかりを創り、太鼓を創る人は太鼓しか創らない。
3つ全部を創れる三弦師と呼ばれる人は、日本でも数人しかいないらしく、ここの親方がその1人だ。
ここで創ってる三味線は、安くて50万円ぐらいかららしい。
高いのは300万円もするそうだ。
「センジはこの業界で最年少だろうなぁ。この若さでなぁ、やめろって言ったんだけどしくこくてなぁー。まぁ手もきれいな手してるし、器用やし、我慢強いし、センジはこの世界に向いてるなぁ。」
匠の世界に入ってわずか1年半のセンジ君。
俺達の目の前で大胆に、繊細に、彫刻刀のゴツいやつで棹を削っていく。
かっこいいよ、センジ君。
親方に奥の部屋に連れてってもらい、太鼓に張る皮を見せてもらった。
三味線の皮は猫か犬。
ケンカしたときにできたわずかな傷や、子どもを生んだために広がってしまった乳首の部分など、ほんの小さなところから破けてしまうので、一番適したのは子どもを生んでないメスの猫の皮らしい。
「三味線を作る木は、インドのすごく堅い木を使うんだけどね、中には突然変異でね、こういう波のような柄ができた木があるんだぁ。んー、この木で三味線作ったら200万はするね。この小さいのをあげるよ。」
大変貴重な木材を2片もらい、美香と由ちゃんはべっこうで作られた小さなバチのキーホルダーをもらった。
「早く仕事を見つけて、若いうちから頑張って打ち込むことだよ。」
親方、とても気さくでいい人だった。
つくばに帰る道中はもう真っ暗だった。
こんな片田舎で九州の地元の仲間が1人奮闘している。
俺はセンジ君のように、古い仲間たちにこんなにも焦りを感じさせることができるのだろうか。
もっと頑張れるのはわかってる。
もっと頑張らないと。
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