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波照間島のサトウキビ畑







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9時出港のフェリー、往復3900円で、波照間島に着いたのは11時だった。



波照間島。


有人島としては日本最南端のこの島。


本気の最果てだ。



ついにここまで来たぞ。



ていうかレンタサイクル6時間で1500円。


高い…………















晴れ渡る空の下、ひたすらチャリをこぎまくった。


道端でボーッとしている牛、ヤギ、牛、ヤギ…………


走り水の光る道の脇には背の高いサトウキビがどこまでも広がっている。



「のどかだなぁ。」



チャリをこぎながら大声で歌を歌った。


風に乗る歌声。




誰もいない。


見渡す限りどこまでもだーーーれもいない。


まるで俺1人だけがこの島にいるみたいだった。

















わかりづらい標識を頼りにやっとこさ日本最南端の碑にたどり着いた。





ギザギザした地面は溶岩が固まったものらしい。


はるか海の彼方に向かう日の丸の旗。


もうここからは日本の本島よりも外国のほうが近いんだよな。





しばらく丘の上から海を眺めていると、向こうのギザギザの間から人影が見えた。


こっちに歩いてくるインディアンみたいな格好をした兄さんは、さっきの俺と同じフェリーに乗ってきた人だった。



「こんにちはー。」



「きちゃいましたねー。最南端。」



インディアンジュエリーをたくさんつけた彼はこの前までアメリカのインディアンたちの部落に行っていたのだという。


俺のホピのピアスと腰のウィスキーフラスコの皮のケースをさんざん褒め、



「機会があったらまた。」



と、サトウキビ畑の向こうに歩いていった。

筋金入りの旅人って感じの人だったな。


やっぱりこんなところに来る人なんて多少変わった人が多いのかも。









崖の先から下を覗き込むと、波の浸食により深くえぐれた断崖絶壁になっている。


橋のように下がぽっかり空洞になっていたり、洞窟のようになってる岩もたくさん見られる。


結構深いはずなのに、何メーターも下の海の底が見えた。


透明度50mの海。


波照間の海はすごくキレイだ。




美香にメールしたら、



「好きな人は?って聞かれたら、日本の一番南にいる人って言うね。」



と返ってきた。


そうだ、俺は今日本で一番南にいる男だ。













        

それから島の集落に向かった。





数年前、波照間で起きた殺人事件のせいで、現地の人はよそ者に対し少し警戒してるような雰囲気がある。


そのせいで、他の島では全然OKな野宿がこの島では禁止すれており、必ず宿に宿泊しなければいけないらしい。


その決まりがあるから、波照間島では泊まらずに日帰りで石垣島に戻るつもり。












琉球王朝時代の見張り台であるコート盛、


西表島に強制疎開させられてマラリアで死んだ子供たちのために建てられた学童慰霊碑、



それらを回ってから波照間の一番の人気スポット、西の浜ビーチに向かった。





星砂の浜の先に、あるかないかわからないくらい透明な海が広がっており、ゆっくりと歩いて入った。


何百メーターも先まで珊瑚の浅瀬が広がり、色が変わるところで急に深くなっている。


深さによって色を変える海は、まるで外人さんの瞳のよう。










とてつもなく綺麗。


これ見たら九州の海がいかに濁っているのかがよくわかる。

海ってこんなにも透明なものなんだなぁ。


足に何かがまとわりついているので、あれ?ゴミかな?とよく見ると、それは原色の小魚たちだった。








すでにシーズンオフの季節なので他に海水浴客は誰もおらず、服も脱がずにジーパンTシャツのまま海に飛び込み、プカプカ浮いて空を眺めた。


1人で抜けるような空に抱かれた。




すると向こうから誰か歩いてきた。



「おーい、また逢ったね。」



さっきのインディアンだった。


波照間は本当に何もない島。

最南端の碑と西の浜ビーチ以外、目立つ名所はない。


旅人は大概の人が俺たちと同じルートをたどってるんだろうな。















びしょ濡れのままインディアンと別れ、チャリを返して港に向かった。


フェリーは月・水・金曜に各1便だが、高速船が1日に3便出ている。


ホントはもっといたいところだけど、16時半の高速船で石垣に帰った。













石垣島に戻ったら、下調べしていたダイビングショップに明日の体験ダイビングの予約をしに行き、それから請福酒造に預けてた荷物を受け取りに行った。


久しぶりの大荷物がズシリと肩にのしかかる。



たまらず1500円の安宿「あやぱに」に入った。



すぐに明日のダイビングで使う海パンを探しに町の中を歩き回ったんだけど、時間はもうすでに夜の22時。



どこも開いてねぇ。ちくしょう。






どうしようかなぁと思いながら仕方なく宿に帰り、ベットの上で日記を書いていると、酔っ払ったおっちゃんが俺のベッドの前を通りかかった。



「にいちゃん、目ぇ悪くするぞー。」



あ、だいじょーぶでーす、と言うと、おっちゃんは笑顔で通り過ぎて行った。




が、少しすると戻ってきたおじちゃん。



「おいっ!!飲み行くぞ!!おごってやる!!」



ラッキー!!と後についていき、スナックを2~3軒まわった。


路地裏の古ぼけたスナック。

やる気のなさそうなママ。


酔っ払ってるおじちゃんと周りの島人(シマンチュ)たちの相手をなんとかこなしながらビールを飲みまくった。



僕を誘ったおじぃ、おさむオジイはなんと宮崎の門川出身だった。


俺の地元の日向と隣町だ。




「おい!!息子連れてきたぞー!!」



おさむオジイは、行く店行く店でそうがなった。



「オヤジー!」



と俺も話を合わせて必死で演技する。


おさむオジイの目がうるうるしているのを見て複雑な気持ちだった。












夜中の2時頃に宿に帰り、泥酔しているおさむオジイをベッドに寝かすと、ベッドの周りにはものすごい量の荷物が積み上がっていた。


おさむオジイはこの宿にもう5ヶ月以上も泊まってるらしい。


もはやここが家かのように、ベットの周りに生活臭が染みついている。



「何かいるものあったら持ってけー。」




ふと見ると、ダンボールの中に無数の海パンを見つけた。

その中から良さそうなヤツを1枚もらい、安心して眠った。








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