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ついにランチスタート

こんにちは!神田です。



おとつい、淡路島からいとこが二人お店に来てくれて、大好きな常連さんもいて、
ついつい楽しくて飲みすぎてしまって、結構酔っ払って、あの箱階段からついに滑り落ちました。

下から3段目くらいだったからよかったものの、一番最後の段で腰を強打して、
床に倒れ込んでた私をフミくんは笑って見てました。



最近は、自分が酔っ払ってる自覚がないのが危険なところです。



おわり





ついに迎えたランチスタートの日…………







「眠いね…………」



「たしかに眠いね…………あんま寝てないね…………」



「なんの夢見た?」



「もちろんカレーでございます…………」




夜の居酒屋営業を終えるのがだいたい23時半くらい。


そこから片付けして晩ご飯ちょっと食べて、シャワー浴びて寝る前に少しスマホいじったら寝るの2時くらいです。


そんでいつもなら8時半くらいまで寝るんですけど、ランチ営業となると7時半くらいに起きないといけない。


朝起きてソッコー準備してお昼やって、ランチ終わりの14時から17時の間に買い出し行って夜の仕込みして、さらに日曜日の分のカレーの仕込みもやって居酒屋営業して夜中に寝る。



しょ、正直ハード…………



でも世の中こんな昼夜営業してるお店なんていくらでもあるし、1日3時間くらいしか寝ずに仕事頑張ってる人とかもいっぱいいるわけじゃないですか。


僕らはまだ30代なんだし健康体なんだからバリバリ働ける時期です。


なのでこんくらいで弱音なんか吐けないです。

めっちゃ頑張ってる人からしたら、そんなんで何を甘えてんだ?って感じですよ。


もっと自分を追い込んで寝る間も惜しんでガンガン働いて経験と知識と技術を積み上げて積み上げて過労で信じられないくらい頭がハゲあがってウンコ踏んでコケて泣くくらいじゃないとダメですよ、男として生まれたからには。



命使い切りたいじゃないですか。

もうマジでなんも出んってくらいの出がらしの出がらしになるまでエキス出し尽くして命使い切って死にたいもんです。





というわけで今すぐエプロン投げ捨ててベッドにダイブ&布団にもぐりこんで夢の世界にロングジャーニー!!!




「こんにちはー。3名ですけどー。」



「キエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!来た!!!カンちゃん来た!!!人類が来た!!!ええ、えーっと!!えええ!!カペペッ!!!ケペピッ!!!あー、なにかのセールスの人ですか?とりあえず外壁は大丈夫だし電気料金もこの前違う業者に乗り換えたしアプリ系もウチは遠慮してるし僕らマジで出がらしなんで何も出ないからお引き取りくださいませ。」



「いらっしゃいませー。お好きなお席にどうぞー。」



「いやー、ステキな雰囲気ですねぇ、前からずっと気になってたんですけど、ランチ始めるってことでやっと来られたんですよー。」



「そ、そ、そ、そそ、そうなんですね!!お、おお、奥さま3人だとやっぱり夜に出かけるのはなかなか難しいですもんね!!」



「ご注文よろしいですか?」



「あ!!は、はい!!どうぞー!!」



「チキン南蛮3つお願いします。」













まさかのチキン南蛮3。



3人ともカレーじゃなくてチキン南蛮という予想外すぎる展開。





い、いや、そりゃメニューにチキン南蛮あるんだもの、そんなこともありますよ。

チキン南蛮だって僕らなりに研究を重ねた自信のある1品。


で、でもこれで大量にカレーが余ったらカレー地獄の毎日に…………




「こんにちはー。2名ですけれどもー。」



「おーう、文武、6人やけどいいー?」



「3名ですけどいいですかー?」




しかしその後にパタパタとお客さんが入り、カレーの注文が!!!!


どんどん出ていくカレーたち!!!


めっちゃ忙しい!!!

ランチの忙しさめっちゃ怖い!!!



しかもランチってアレですね、夜みたいに世間話してちょっとコミュニケーションを取るって感じじゃないし、みんなこれといって感想も言ってくれない。

なので満足していただけたのかが分からなくてすごい不安になる。


うーん、たしかに俺もお昼食べに行ったとして、めっちゃ美味しかったとしても別に美味しかったですーとかそんなこと店員さんにあんまり言わないもんなぁ。


こ、怖えええええ…………










ランチを終えてそのままダッシュで買い出しに行き、帰ってきたらご飯作ってる暇ないのでカップラーメンをソッコーで流し込んで仕込み。からのそのまま夜の営業開始。


土曜日という週の1番忙しい日なので、この日もドタバタと動きまくって疲労困憊で23時半くらいに暖簾を下ろす。


つ、疲れた…………

夜だけでもなかなか疲れる土曜日なのに、昼もやってるとなるとちょっとめまいする…………














そしてバタンキューして明けて日曜日。




いつもはとても静かな美々津の町なのに、朝からガヤガヤと賑やかな声が聞こえてくる。




そう、この日は美々津の一大イベント、お雛祭り。

美々津の町の中にある古民家に雛壇が飾り付けられ、それらを自由に見学することができるという春のお祭りです。









この日は普段空き家となっている古民家も活用され、戸が開けられ、通りに面した座敷に色鮮やかな雛壇が飾られます。


僕はここ数年海外にいることが多かったので見てませんでしたが、年を重ねるごとに観光客の数も増えていっており、町並み保存会としても人を呼ぶための肝いりイベントとなっているそう。


僕らもこのイベントを盛り上げるために店内に雛壇を飾りましたし、ランチもなんとかこの日にぶけられるように大急ぎで準備してきたというわけです。

























「うおおおおおおおお!!!気合いだぞおおおおおおおお!!神田さん!!今日はおそらくものすごい数のお客さんが来ることが予想されます!!とりあえず気合いを入れるためにBGMはヴァンヘイレンをカマしてもよろしいでしょうか!!??」



「許可します!!でも営業が始まったら雰囲気のいい音楽にしてください!!」



「うふおおおおおおおおおおおおお!!!パナマアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!人すげえええええええええ!!!!」



「えええ!?そんなに!?」



「カンちゃん!!人の数がすごい!!あいにくの天気だというのにすごくたくさん人が歩いてる!!写真では一見どこが?ってなりそうだけど美々津では奇跡的な大混雑!!!」



「うそー!!ヤバイー!!怖いー!!」



「暖簾かけるぞおおおおおおおお!!!!」













結果………………














マジで1人バイトの人欲しいって心から思いました…………


すぐに満席になったんですけど、このキャパを2人はマジでキツイです。


カンちゃんはひたすら料理のみ。


僕はホールなので、席の案内から水とセットを出して注文受けて上げ膳、会計して下げ膳からの片付け。

ソフトドリンクやコーヒーとかのドリンクも僕担当なのでマジでパニックです。



「カンちゃん!!あそこの席結構待たせてる!!なんとか料理同時に出せない!?」



「無理!!どうしても時間差出る!!あああ!!卵足りないかもー!!」



「カンちゃん、これドレッシングかけてる?!」



「あああ!!忘れてる!!」



「カンちゃん、これ卵乗ってないよ。焦らずに手順を確認してね。」



「あああ!!はいどうぞ!!」




カンちゃんもパニック。


お互いパニックだけど、料理を出すときは僕とカンちゃんダブルチェックでちゃんと出来てるか確認して慎重に配膳。

焦って雑なもん出したらそれこそ終わってる。



「あ、すみません、スプーンいただいていいですか?」



「にへええええええええ!!!すみません!!頭カチ割ってください!!!」



とか言ってカレー屋さんでスプーン出し忘れるという暴挙をおかす僕。



結構たくさんお皿類揃えたんです。

これくらいあったら充分足りるだろうという数。



しかし甘かったです。

僕1人だとお皿を下げてきて洗って拭いて補充、というところまで手が回らなくてスプーンとかが足りなくなってくる。


なので注文を聞いてから必要なものを出す形にしよう!!とするんだけど、あれが足りないこれが足りない、回収に行って洗わないと、でも注文入ってる、あそこ水出さないと、カンちゃんからお願いしますー!の声、



そうしてるうちに、どのテーブルにどれが出たのかわからんなってきてチョンボ。



そんなウルトラヤバイ時にさらに3人組のお客さん来店。



「あのー、3人ですけどいいですかー?」



「申し訳ありません!ただ今満席でして!」



「あらー、そうですかー。」



「あ、こっちいいですよ、席つめますから。どうそどうぞ。」



「あ、よろしいですか?どうもありがとうございます。」





つめないでえええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!
!!!!!


出来る限りゆったりとあからさまにスペース占領して遮ってえええええええええええええええええええええええええええええ!!!!




「申し訳ありません、ただ今結構混雑してまして、2人でやってるものですからご提供に少しお時間いただきますけど、よろしいでしょうか?」



「大丈夫ですよー!ゆっくりで大丈夫ですからね。」



みんな優しいお客さんで良かったぁぁぁ…………


ランチ時間って、いつまで待たせんだよ!っていうお客さん結構見たことあるから怖いんだよなぁ。


お待たせしましたーって料理が出てきたら、は?こんな遅く持ってきて何考えてるの?もういらないよ、って言って出ていくおじさんとかいるよなぁ。




前にラーメン屋さんでラーメン食べてたら、横の席の兄さんにラーメンが運ばれてきたんですよ。


そしたらその兄ちゃん、



「あ、俺肉食べられないからチャーシュー抜いて。」



こう言いました。

店員さんは、あ、わかりましたーとラーメンを下げ、そこからチャーシューを抜いてもう一度持ってくる。


そしたらその兄ちゃん、




「あ?これもうチャーシューのエキスがラーメンに入ってるじゃん?普通考えたらわかるでしょ?作り直して。」




って言ったんですよ。


ていうかだったら最初からチャーシュー抜きで注文すればいいじゃんこいつ、って思いました。

マジで嫌がらせレベル。


でもそんな人もいずれ来るんだろうなぁ。




夜の居酒屋営業って、みんなだいたいお酒入ってるからご機嫌さんになってます。

アットホームなお店づくりを目指してるので、僕もカンちゃんも堅苦しくなくフランクな感じで接客するようにしてます。


お酒の席では程よくフレンドリーなほうがいい、というのをこの3ヶ月、肌で学んできました。



でもランチって全然種類違うからどれくらいの感じで接客していいかわかんねええええ…………


どちらからお越しですか?って話しかけたら、は?なんでそんなことお前に言わなきゃなんねーんだよこのクソフナムシ野郎ってキレられるかもしれない…………







とにかく、この日はいいお客さんに恵まれました。

お祭りのお客さんも、インスタを見て来てくれたかたも、美々津の町のおばちゃんたちも来てくれ、バッタバタしたけど14時になった時には仕込んでいたもの、全部空っぽ。


あまりの忙しさにカンちゃんとギスギスしながら、ソッコーで買い出し行ってカップラーメン食べたら夜の営業スタート。


そんなこんなでやっと、やっと週末を乗り切りました。



毎日昼夜営業してる人マジで尊敬します…………

これ体もたんぞ…………




いや、やれんことはないけど自分たちの時間がかなり削られてしまって仕事漬けの生活になってしまう。


仕事仕事ってのもいいけど、やっぱりある程度自分たちの時間は確保したいよなぁ。


慣れて来たらもっと色々スムーズなんだろうけど。















「うどんをやらんね、うどんー!」



「生姜焼き定食とかあったらみんな食べるっちゃがー!!」



「カレーって日本のカレーじゃろ?外国風のグリーンとかレッドとかわけのわからんカレーはやめてくれよー。」



「うどんが間違いなく流行るっちゃが。」



「うどんやね。」



「うどんにしようか。」





どんだけうどん好きなの?


もうホント宮崎人って四国に負けんくらいうどん好きです。



こんな感じで地元の人たちは僕らにアドバイスをくれます。


しかし残念ながら僕らはうどんはやらないし生姜焼き定食もやらないし、日本風のものではない外国風のわけのわからんカレーをやるわけです。



そんなもんやったってここらへんの人間は食べんが、誰も来んぞ、って言われます。



そうなんです。

でも僕らも馬鹿じゃないです。


この高齢化の進んでる美々津の町で近所の爺ちゃん婆ちゃんターゲットでインドのスパイスカレーなんか出しませんよ。

そりゃうどん出すのが正解って誰でもわかります。


僕らが狙ってるのは、新規の人々。


美々津に観光に来た人目当てってわけじゃありません。


観光ついでのウチ、ではなくて、ウチついでの観光、を作り出さないといけない。


このあまり有名じゃない美々津の観光力を頼りに商売してたらすぐに行き詰まります。






古民家とスパイスカレーという程よいギャップ。

美々津という町場から離れた穴場的立地。


そういった要素を武器にして、インスタやネットを駆使して、わざわざ行きたいレストランというブランディングをしていくことが、これからの地域活性の肝だと思います。


レストランだけじゃなく、イベントにしても、町自体にしても、そこに出向く価値を高めていかないといけない。


ありがちなものに迎合してたら町は廃れていく。



でもそれがハリボテのいい加減なものだったら余計価値は下がりますけどね。


あくまでホンモノであることが最低条件。


今の時代、人々はホンモノに時間とお金と労力をかけます。




だから頑張らないと。

妥協せず美味しいカレー作って、地元の人にでも、あそこのカレーは美味しいって言ってもらえるようにならないと。


あぁ、あそこはなんかわけわからんことやっちょるよねぇ、なんであんなカレーにお客さんが入るかわからんわ、最近の若い人の趣味はわからんねぇ、って言われないよう、ホンモノを目指します。







だ、だからとりあえず居酒屋の定休日、火曜と水曜の2日にしようかな…………


平日の夜ほとんどお客さん来ないし…………



とにかく頑張ろ!!倒れない程度に!!!