こんにちは!神田です。
日本に帰国して早3週間が過ぎようとしています。
少しずつだけど友達に会ったり、お世話になっている人に挨拶に出かけたり、ばたばたな日々を過ごしています。
この2年間、初めての出会いっていうものに溢れていて、徐々にましにはなっているものの人見知りの私としてはある程度の気の張りっていうものが常にあって、それが当たり前のようになっていた気がします。
昨日、気の知れた大阪の友達と飲んで、なんて楽で、言いたいことなんでも言えて、一緒に爆笑できて、でもちゃんとお互いを尊重してる関係って楽しくて幸せなんだろうと改めて実感しました。
おかえりー!!!!て言ってくれる友達がいるってほんとに幸せ。
大事な人をちゃんと大事にできる人でいよう。
おわり
2018年3月25日(日曜日)
【宮崎県】 日向市
ベッドの上で目を覚ました。
えーっとここは…………インドの安宿?
エジプトの砂漠?
東南アジアのビーチリゾート?
窓のカーテンを開けたらヨーロッパの石造りと石畳の街が広がっている?
大きな大聖堂がそびえ、土曜マーケットで賑わっている?
いや、いきなりアザーンが大音量で流れてくるかもしれない。
窓の外にはムスリムの人たちが溢れ、シーシャと香辛料の匂いが立ち込め、アラビア文字が踊っているはず。
三日月のモニュメントが空に浮かび、ミナレットがそびえ、ケバブ屋が肉を削いでいる。
はたまたアフリカの大地かもしれない。
野生動物と黒人たちが闊歩する広大な地平線が、この窓の外に雄大に見えるはず。
カーテンを開けた。
そこには青い水平線が見え、灯台が小さく浮かんでいた。
世界一周が終わった。
体を起こすと、そこは子供部屋。
部屋の中を見渡すと、出発した時とさほど変化はないんだけど、ヨーロッパとか海外から送っていた荷物が置かれて散らかっていた。
寝ぼけながらそのダンボールを開けると、オーストリアから送っていた衣類やお土産なんかが大量に出てきて、あの懐かしいバッハウやクレムスの風景が目に浮かんだ。
あぁ、俺たちあんな遠いところにいたんだなぁ。
それらの衣類を整理し、押入れの中に入れようとしたら、そこにも昔の日本を回っていた時の思い出ボックスがあったりして、片付け心に火がついてしまった。
20歳から始まった旅の中の思い出の品が次々と出てくる。
服だけじゃなく、日本一周中に47都道府県すべての情報をまとめた袋、昔履いてたウェスタンブーツ、レコーディング機材、
まぁ出てくる出てくる。
全部のものにエピソードと想い入れがあって、色んな旅先の場面が浮かんでくる。
これはねぇ、何歳のときにどこどこにいた時に履いてたズボンで、これはあそこの島で漁師さんと飲んだ時にもらったものなんだよ、
なんて話をカンちゃんにしながら、どんどん仕分けしていく。
懐かしいなぁ、大阪で働いていた時に喧嘩してる先輩を止めに入って血まみれになった服とか、ウケ狙いで買った全身タイツとか、昔ライブでよく着てた服とか、誰かも覚えてないけど、いつか女の子からもらった手紙とか。
36年生きていたら、そりゃ思い出もたくさんできる。
その思い出を振り返るための品々は、やっぱり簡単には捨てられないし、残しておくべきだと思う。
それを見るだけで、パッとあの頃の自分を思い出せるもん。
もうずいぶん歳を重ねたけど、俺にも若々しくて輝く青春があった。
振り返る思い出があるだけ、人生は豊かになる。
60~70年代のロックに憧れていたころ。
カントリーに憧れていたころ。
古着きてたころ。
お遍路やってたころ。
北海道で仮装大会に参加したころ。
メキシコいたころ。
これかぶってメキシコの路上でイマジン歌ってたよな…………
アホだなぁ…………
「おー、帰ったかー。飯食い行くぞー。おっ、懐かしいなこの服。これ着て合コン行ってたなぁ。」
片付けをしていると、幼馴染のゆうきが遊びに来た。
中学生のころからつるんでるやつで、俺のことはまぁ親以外ならこいつが1番知っている。
幼馴染とはいえ、人間的に合わなきゃこんなに長いこと付き合えないけど、こいつとはずーーーっと一緒だよなぁ。
多分、1番何も考えずに発言できて、1番何も考えずに遊べるやつ。
そんなやつが小さいからから近くにいたってのは幸運なことだ。
「おー、もう片付けやらいいが。格ゲーやろうや。久しぶりにボコボコにしてやるから。あ、カンちゃん久しぶりー。」
そこに大輔もやってきた。
いとこの大輔とも本当に小さなころから一緒に遊んでる。
親族なので強制的な付き合いになるけど、大輔とはそういう堅苦しい枠を超えていつもバカなことばっかりやって遊んでた。
大輔がベースを弾き始めてからは一緒にバンドをやったり。
友達って、選べるようで実はそんなに選べない。環境次第だから。
選べない中でこんなに仲のいいやつができてるんだから、俺は恵まれてる。
ゆうきの運転する車で日向の町に向かった
美々津を出て、平岩を抜けると、パッと視界がひらけて金ヶ浜が眼下に広がる。
少し前まで、この海岸線には木々が茂って何も見えなかったんだけど、それらを切って整地して、素晴らしい展望がひらけていた。
パームツリーが植えられ、開放的な砂浜が一望できて、きっとここはこれからちょっとしたビューポイントになるんだろうな。
去年、アジア初のサーフィンの世界大会が開催されたこの日向。
地味で目立たない田舎町だけど、実はサーファーにとったら日本屈指のポイントで、シーズンにはこの10号線は全国から押し寄せたサーファーで大渋滞がおきる。
南国宮崎も、2020年のオリンピックに向けてそれなりに開発が進められているようだ。
「何食べるー?」
「天領うどんかなぁ。」
「えー、天領はいいわー。他のとこ行こうぜー。」
「なんでやー。天領最高やん。」
海岸線を車を走らせる。
10代の頃にみんなで遊んでいたときみたいに。
天気が良くて窓を開けると、潮風の匂いが鼻をくすぐった。
で、やってきたの五碗堂。
うめー………………
やっぱうめー………………
五碗堂最高だー………………
日向人のソウルフード、五碗堂のあんかけ焼そば。
これを食べずして日向に来たとは言えません。
て、ていうか!!!!
おとといまで外国にいたんだよなぁ…………
なんか信じられないなぁ。
キムチ食べて、キンパ食べて、少し前まではインドでカレー食べてたよなぁ。
もう何も考えなくてもそこらじゅうに日本食があって、安くて美味しいものが溢れてる。
カンちゃんも美味しいねと言ってくれて嬉しい。
俺が高校生のころからほとんど変わらない日向の町を走り、ユニクロに行き、スーパーで買い出しし、美々津に戻り、ウチの庭でバーベキューをした。
昼から太陽の下でビールを飲み、肉を焼き、昔の話や今の話をしながら、みんなで大笑いする。
誰々に3人目の子供が生まれた、あいつが仕事を辞めた、あそこの婆ちゃんが死んだ、あそこの空き家に県外からのサーファーが移住してきた、
そんな話。
大阪という、地方から人が集まる都会で生まれ育ったカンちゃんからしたら、俺たち田舎者が県外という言葉を何度も口にすることが不自然に感じられるよう。
まぁそうだよなぁ。
大阪の人は、あの人は府外の人だから、なんて言わないわな。
宮崎みたいな、人が出て行くばかりの田舎では、外から人がやってくることは珍しい。
そしてそれが村気質となって、よそからの人とは多少なりの壁がある。
田舎はそんなもんだと思う。
カンちゃんは俺と結婚して、これから宮崎が第2の故郷となるわけだから、こうした村気質にこれからたくさん直面していくことになるはず。
あの人は県外の人だから、と言われてもしかしたら寂しい思いをするかもしれない。
これはもう田舎に嫁ぐ女性の避けて通れないところで、努力して馴染んでいかないといけない部分なんだろうけど、俺にもできることはきっとあるはず。
俺もまだまだ未熟で世間知らずだから、絶妙な人付き合いの仕方ってやつを学んでいかないといけない。
日本で、濃密な人間関係を築いていく中での礼儀や慣習やバランス感覚を、ちゃんと養っていこう。
カンちゃんが寂しい思いをしないよう、守っていかないとな。
夜になり、他の友達も集まってきて、みんなでしこたま飲み、バーベキューを切り上げて家の中でウチの親も交えてガヤガヤとおしゃべりした。
息子の友達が集まって、俺のお父さんお母さんも楽しそうだ。
中学生のころのサッカー部の時の話なんかで盛り上がる。
そしてもうちょっといこうぜ!!ということになり、みんなふらふらしながら美々津で2軒しかない飲み屋のおでん屋さんに行き、そこでも大騒ぎ。
あー、中学生のときにおでん買いに来てた金丸君やねーっておばちゃんも覚えてくれていた。
小さな町はひとつの家族になる。
俺にも、そうした家族がここにいる。
色んな人生と交わりたくて日本を、世界をずっと旅して来たけど、この場所に俺が生まれた瞬間から、俺はずっとここの一員だ。
旅に出れば見聞は広まるかもしれない。
でも人生勉強や人間の心の機微を深く学ぶには、ひとところで暮らすことが1番なんだろうなってふと感じた。
それこそが俺の新しい旅の形なのかもしれない。うん、きっとそうだ。
それが俺が求めていたものなんだと思う。
故郷、先祖、思い出、
様々なものをひっくるめて、そこで生きていく。
人の心はとてもシンプルでいて複雑で、やっぱりシンプル。
でいてやっぱり複雑だ。
攻めの帰郷。
旅をしたからこそ、見えてくる故郷の大事さがある。
人生はこれからまだまだ面白くなるよな。
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福岡のホテルをアゴダでとってくださったかたがいました!!
韓国から福岡に着いたときダッシュで元祖長浜行きたかったあああああああああ!!!!
でもこれから行き放題!!
福岡のみなさん!!近いうちに飲み会やるのであそびましょうー!!