こんにちは!神田です。
日本にいるみんなも、私たちが旅してる2年の間にいろんな変化があっただろうなぁ。
結婚したり、子供を産んだり、長年勤めていた会社を退職したり、田舎に移住したり、病気になって手術したり、離婚したり、ほんとにいろんな話を聞きました。
いい変化にも、大変な変化にも、何をするにもパワーがいるもので、年齢を重ねるごとにどうしても体力的なパワーは落ちてしまうのはある程度は仕方のないことだけど、
内に秘めるパワーは衰えずにいきたいなーと思うわけです。
おわり
2018年3月6日(火曜日)
【中国】 桂林 ~ 陽朔
陽朔ってみなさん知ってますか?
僕は桂林に来るまで全然知りませんでした。
普通そんなもんやと思います。
でも中国好きの人からしたら陽朔は超メジャーどころみたい。
桂林観光に来た人の多くが足をのばす町らしくて、桂林に次いであの水墨画の風景を見られる拠点の場所のようです。
桂林ってマジで周囲数十キロの範囲に、絶景の山や世界屈指の棚田、舟下りポイント、大鍾乳洞や美しい村が散在していて、どれに行けばいいかホント迷う。
それぞれ結構遠いし、全部行こうと思ったら1週間くらいかかるし、どこも入場料がめっちゃ高いのですげぇ金が必要です。
ツアーで行けば楽でしょうけど、さらにお金かかるし。
逆にお金に余裕があってのんびり桂林だけ、っていう旅行ならめっちゃ見所満載の楽しいエリアですけどね。
陽朔は桂林から南に100キロくらい下ったところにある小さな町らしく、田舎なのでレンタサイクルして周辺ののどかな景色を楽しむことができるみたい。
田んぼの中を自転車こいで、周りにそそり立つあの尖った岩山たちを眺め、ってな感じ。
桂林はただの都会だったので、そっちでどんな景色が見られるか楽しみ。
このままじゃ桂林を出られない!!
せっかくあの憧れの桂林に来てるんだ!!
いいもん見せてくれよー!!
てなわけでお世話になった宿を朝7時に出発し、テキトーにそこらへんで麺を食べ、桂林北駅へ。
駅近に宿を取ると楽でいいです。
そんで昨日買っておいたチケットを見せ、8時の新幹線に乗り込んだ。
いやぁ、新幹線最高。
リクライニングする座席、広々足元、空調もバッチリ、清潔。
やっぱちょっと客質がいいのか、普通電車の田舎の人たちみたいに床に痰吐く人もいないし、連結部分も禁煙。
トイレもこの世の終わりみたいなことになってない。
時速240キロで突っ走り、あっという間に陽朔に到着した。
いやぁ、めっちゃ快適やわー。
地獄電車と天国電車、両方経験できて良かったな。
新幹線を降りると、いきなり目の前にズゴオオオオっとそびえるいくつものトンガリ山!!!
ぬおぅ!!!いきなりめっちゃ仙人系!!!
すげぇ!!目の前やん!!!ど真ん中やん!!
やべぇえええ…………陽朔めっちゃ期待高めてくれるやん。
いやああああああああああああああああ!!!!
俺も一緒に仙人と霞食べてみてえええええええええええ!!!!!
よおおおおおおおし!!!!とりあえず宿!!!
宿どこ!!!
ていうか見渡す限り岩山のみ!!!!
なにこのど僻地!?!?
え!??!無職はその岩山で寝ろと!?!?
ブラジャーでござる!!!!快適に寝かせていただきます!!!
「おい、陽朔へはバスでしか行けんぞ。このフニャチンが。」
「おっとおおうう!!そうきましたか!!回鍋肉大好き人間みたいな顔しちゃってこのオジサン!!確かに桂林でも新幹線は郊外に止まってそこからバスでしたもんね!!ブラジャーでござる!!このバスですか!?」
「あそこの建物でチケットを買ってこい。」
「オッケイです!!え?チケット?市バスじゃないんですか?」
「チケットは20元(340円)だ。」
「に、20元んんんんん!?マジでえええ!?」
「回鍋肉は最高だ。」
慌てて地図を見ると、まだ全然陽朔から離れた場所におるやん!!!!
しかも激山の中!!
なんつー場所に駅作ってんだ!!??
陽朔まであと25キロあるし…………
新幹線とバス乗り換えるなら、最初から桂林からバスで陽朔行ったほうが良かったんじゃない…………?
金もこっちのほうがかかってる気がする…………
後から調べたら実際バスのほうが値段は全然安かったです。
でも桂林からのバスだと2時間くらいかかるので、どっちを取るかって感じです。
ていうか景色すげぇ!!!!!
バスに乗って陽朔に走り出したら、いきなりこれもん!!!!
窓の両側にズゴオオオオオオオっと広がるトンガリ山の群れ!!!
うおおおお!!すげぇぞ!!!
なんか変な生き物みたい!!ウネウネ動き出しそう!!!
そんなトンガリ山の足元には緑豊かな農地が広がり、ところどころに集落が散らばっている!!!
牧歌的な風景なのに、その向こうにそびえる壮大な岩山の群れがめっちゃ異様!!!
これはすげぇ!!
これは仙人住んでる!!!
うおおおお、ようやく仙人の住処に近づいてきたぞおおお…………
バスはそんなテンション上がりまくる景色の中を走っていき、30分ほどで陽朔の町中に到着した。
バスターミナルの背後にもこれ。
マジでこのトンガリ山群の中に存在する町なんだなぁ。
陽朔の中心街はバスターミナルから歩いて30分くらいのところにあるみたいで、宿を探しながらボチボチ歩いた。
するといきなり面白い光景に出会った。
おお、マーケットやってるぞ。
野菜や魚、お肉などなど、歩道脇にズラッと様々な食料品が並べられ、お爺ちゃんお婆ちゃんがそれらを売っている。
昔ながらの器具を使って量り売りしており、とてもローカルな空気が漂う光景に胸が高鳴る。
いいなぁ、めっちゃ味あるやん。
こんな新鮮そうなとれたて野菜、めっちゃ美味しそう。
陽朔いきなりスタートダッシュかましてくれるわ。
道沿いにある宿にテキトーに値段を聞いて回る。
中国の宿には色々グレードの種類があって、それによって呼びかたも違う。
今まで回ってきた印象なので全然確かではないんだけど、値段の高い順に、大酒店、酒店、客桟、宾館、青年旅舎、招待所、といった具合。
あくまで俺の印象で。
中国の宿はプライベートバスルーム付きのツインルームが一般的。
まぁ日本みたいな感じ。
だいたい安いところが50元~100元(850円~1700円)ってところ。
酒店とかだと200元(3400円)を超えるところが一般的。
青年旅舎はユースホステルなのでドミトリーがあって、値段はだいたい40元(670円)くらいかな。安くて。
中国の宿は最低レベルが高いので、だいたいどこの宿にもバスタオルが置いてあるし、石鹸・歯磨きなんかのアメニティがついてるし、空調もついてるし、綺麗だし、ワイファイも確実にある。
途上国のボロ宿と同じくらいの値段だけど、比べ物にならないくらい快適。
この点では中国はすごく嬉しい。
どこの宿もだいたいクオリティが高いからネットで事前に探さなくても飛び込みで充分ってのも楽だ。
で、今日ゲットした宿はここ。
バスターミナルと中心街のちょうど真ん中くらいの脇道にあったんだけど、受け付けの若い女の子がスマホで英語翻訳してコミュニケーションを取ってくれるのですごく助かる。
これができるだけで格段に意思疎通ができる。
めっちゃいい子だし。
値段はダブルの部屋を68元から60元(1000円)にまけてくれて、このクオリティ。
いやー、めっちゃいいわー。
大きなダブルベッド、洋式トイレ、タオル・アメニティバッチリ、湯沸かしポット、エアコン、ワイファイなんでもあって1000円はいいよなぁ。
いやぁ、インドの廃墟みたいな宿とかなんだったんだろうなぁ…………
ムンバイのやつひどかったよなぁ。
ベッドがひとつギリッギリで入るだけの牢獄みたいな超狭い部屋で、あまりにも隙間がなくてベッドの周りに荷物が置けなくてベッドの下にバッグ入れてたよなぁ。
アフリカの宿では樽に入った濁った水をバケツでかぶってたなぁ。電気もなかったし。
それぞれの国にそれぞれのスタンダードがあって、それに戸惑いながら色んな見聞を広めてきた。
いろんなとこ行ってきたよなぁ。
さて、陽朔では自転車を借りて周辺の観光地をのんびり見に行く予定。
陽朔は漓江、そして偶龍河というふたつの美しい川の合流点に形成されており、どちらの川もめちゃくちゃ綺麗っぽい。
町から北西の方角に行くとのどかな田園風景、偶龍河にかかる古い石橋、連なる山々や素朴な村が点在するエリアがあるみたいで、そこに行ってみようかなって思ってる。
ぐるっと回って帰って来て25キロくらいなのでカンちゃんでも多分大丈夫だろう。
ただネットを調べていると、なにやら別ですごい絶景の写真が出てきた。
蛇行する川と、その両側にそびえる壮大なトンガリ山を一望する景色。
これぞまさに桂林っていう、あの水墨画のイメージそのまんま。
どこだこれ?
調べてみると、なにやらこの陽朔から30キロほど北に登った漓江沿いの山奥に相公山という山があるらしく、ここからその仙人の景色が見られるよう。
ただめっちゃアクセスが悪いみたいで、バスとトゥクトゥクと船を乗り継がなきゃいけなかったり、ツアーで車をチャーターしたりしないとダメらしい。
行ったという日本人の情報も少ない。
もちろん自転車なんかじゃ行けないし。
うーん、こんなすごい景色を本当に見られるなら是非とも行ってみたい。
かなりの山奥でアクセスが悪いなんて聞くと余計にそそられるし。
でもどうやって行けばいいかなぁ。
せっかく陽朔まで来たんだからこういう景色を見てみたいなぁ。
荷物を置いて早速町歩きに出かけた。
今からでも自転車を借りてどこか行ってもいいんだけど、もうすでに13時前なので明日にしようかな。
とりあえず自転車を貸してくれるところはどこにあるのかなーと思いながら歩いていると、お、あるある。
宿を出て車道沿いに出たら、いきなりそこら中にレンタサイクル屋さんがあった。それも無数に。
おお、レンタサイクルこんなに人気なんだな。
値段を聞いてみると、1日10元(170円)。
めっちゃ安いやん。
こんなに安いんだったら助かるなぁ。
そんでふと横を見てみると、自転車に並んでスクーターも置いてある。
あれ?これってレンタバイクか?
同じ柄のやつが何台も並んでいるのでそれっぽいぞ?
試しに値段を聞いてみると、なんと1日40元(670円)。
えええ!!めっちゃ安いやん!!!
外国人だけど普通に貸してもらえるし、なんならそこら中スクーター貸し出しの客引きまみれで、めっちゃ一般的なものみたい!!
自転車だったら20キロもまぁまぁしんどいけど、このスクーターなら片道30キロの相公山も可能な範囲!!!
行けるかもしれん!!!!
やべぇ!!楽しそう!!!
道順を聞こうと、そこら辺にあるツアーオフィスに入って相公山への行き方を聞いてみた。
するとなにやら現地の人でもどうやって行くのか要領を得ない答え。
グーグルマップでも相公山の正確な場所が出てこないし、場所がイマイチ掴めない。
スクーターで船渡し場まで行って川を越えて行くのか、それともクネクネの山道をひたすら走るのか。
どうやって行ったらいいのか不明すぎるなぁ。
バイクじゃ無理だよ、車をチャーターしたほうがいいよと言うツアーオフィスがほとんど。
そんな厳しい道なのかなぁ。
まぁきっとなんとかなるだろ!!
明日スクーター借りて行ってみよう!!!
明日天気予報100パーセント雨だけど!!!
楽しいことになりそう!!!
嘘!!!雨降らんで!!!!!
ていうか相公山、入山料60元(1000円)!!!
だから中国の観光地、チケット高え!!!!
ぐううう…………展望台で2000円飛ぶのか…………
キツイなぁ…………
でもせっかくここまで来たんだ。
おそらくものすごく綺麗な景色を見られるはず。
あの水墨画の風景を見ないことにはこの桂林からは出られない。
そしてこの桂林を終えたら大都会の深圳に行き、その後は香港からの韓国。
もうおそらく絶景的な場所はこの先ない。
きっとここが最後の絶景になるはず。
お金のことは考えず、このチャンスをものにしなきゃな。
つって、明日土砂降り&霧でなにひとつ景色見られなかったらどうしよ…………
ちなみにチケットを代行で取ってくれるツアーオフィスがあって、そこだと50元(840円)で買えます。
俺たちは明日の天気次第って感じなので、とりあえず今日は買わずに明日買ってから行くことにした。
土砂降りかもしれないけど…………
そうと決まれば今日は陽朔の町を散策することにしたんだけど、陽朔めっちゃ良い!!!!!!
桂林みたいな現代的な大都会じゃなくて小さな田舎町なので、慌ただしくなく、建物も人も少なくてとてもいい感じ。
そして何より町の周りにそびえ立つトンガリ山の数々!!!
キノコみたいなカルスト地形の山々が町のあちこちにズゴンズゴンそびえていて、すでにここはあの水墨画の風景の中だ。
これぞ想像していた場所やんか。
いやー、これぞ風流だー。
めっちゃいいわー。
とりあえずご飯。
中国って大皿文化なので、ひとつの大きなお皿に盛られたオカズをみんなでつまみながら食べる感じ。
でもここは少しずつオカズが盛られた定食タイプなので日本人にちょうどいい。
味も美味しい!!
そして安い!!
陽朔も観光地なので結構どこのご飯屋さんもいい値段するんだけど、ここは1人13元(220円)くらい。
いいとこ見つけた。
ていうかKFD出た。
中国のおじさんだからヒゲないし!!ウケる!!!
怒られるよマジで…………
そんな田舎の陽朔だけど、中心街の西街というところはめちゃくちゃ観光用に開発されていた。
町の真ん中をホコ天のお土産物通りがのびているんだけど、どのお店もド派手なことこの上ない。
アクセサリーやら服やら食べ物やら、カフェもレストランもバーもなんでもあるんだけど、とにかく装飾がとんでもなく派手。
大理はまだ歴史的な古民家を改装したものだからなんとなく風情があるんだけど、ここはもうこのためだけに作られたような雰囲気で、新しく建設されたテーマパークって感じだ。
庭園っぽい池や提灯のさがった石橋とか、一応歴史のありそうな、中華風の趣きにしようとしてるのは分かるんだけど、まぁモダン。
都会にしかないスターバックスやらマクドナルドやらケンタッキーなんかが目白押し。バーガーキングもある。
ドイツ料理屋さんなんてもんもあって、店先で欧米人のおじさんがソーセージを焼いている。中国ではめっちゃレアな光景。
こんな田舎町にいきなりこんな派手な通りが現れるもんだから違和感ありまくりだなぁ。
建物の後ろには桂林らしい岩山がそびえているのに、そのミスマッチがすごい。
バーやカフェの中にはステージが設置されていて、夜になったらライブが繰り広げられるんだろうな。
でもこんなド派手な通りではあるけども人通りはめっちゃまばら。
なんだろ、チャイニーズニューイヤーが終わって閑散期に入ったのかな。
一応パラパラと路上販売の露店さんもいるので歌えそうな雰囲気だけど、こんだけ人通りが少ないと厳しいかな。
いやぁ、それにしてもめっちゃ観光地。
そしてやっぱ中国人は観光地のプロデュースがあんまり上手じゃないなぁ。
お決まりのジャンベ屋さん。
ちなみにあっちこちに稗酒魚、ビールフィッシュって書いてあるけど、これはこの桂林の名物料理。
川魚をビールで煮込んでるんだそう。どこのお店にも必ずある。
タコ貼りついてるたこ焼き。日本でもウケそう。
でもそんな西街を抜けてもっと奥のほうにある陽朔公園に行ってみると、そこではすごくローカルな風景が見られた。
岩山の立つ足元に広々とした緑豊かな公園があったんだけど、もういたるところでオッさんオバちゃんが賭け事やってる。
カードゲームなんだけど、なんか見たことのない細長い形をしていて、そこに漢字が書かれている。
中国のトランプなんだろうなぁ。
お金を賭けながらそこらじゅうで輪を作っていて、みんなこの公園に集まって友達とゲームをするのが日課なんだろう。
中国人ギャンブル好きだなぁ。でも日本人もパチンコ行きまくってるか。
向こうのほうでは踊りの練習をしてるグループもいるし、健康体操みたいなのをやってる人たちもいるし、さっきからなんか謎の呪文みたいなのが公園の中に響いてるなと思ったら奥のほうで爺ちゃん婆ちゃんたちがカラオケの練習をしてる。
申し訳ないんだけど、全員とてつもなく音階を無視してるのでマジでめっちゃ呪文!!
それが大音量であちこちから流れ、人々はめっちゃギャンブルしてるし、向こうでは健康体操してるし、公園の中がちょっとしたカオスになってる。
面白いなぁ。
ローカルの風景がこれなんだから中国はたまらんなぁ。
なんか綺麗なワインボトル入れがあったから友達にお土産で買った。
喜んでくれたらいいな。
それからぐるっと町中を見て回り、一旦宿に戻り、ひと休憩。
そんで夜になって晩ご飯を食べようと、もう一度西街のほうに行ってみた。
まばらにしか人もいなかったし、のんびり夜の町を歩いて何か食べて明日に備えようかな。
あー、夜の陽朔とか雰囲気あるだろうなぁ。
岩山がライトアップなんかされてるかもしれないなぁ。
山の中の田舎町ってムードを感じられて、きっと旅情があるだろうなぁ。
静かで、歩く靴音が聞こえて、漓江の流れが聞こえたりして。
って、穏やかな気持ちで西街に向かったんだけど、これが大きな間違いだった。
西街の入り口にたどり着くと、そこには信じられない光景が広がっていた。
な、なにこれ………………
歌舞伎町…………?
昼間の光景が嘘みたいなとてつもない人の数。
半端じゃない数の人が、うじゃうじゃと蠢いて、通りを完全に埋め尽くしていた。
両側の店からは爆音で音楽が垂れ流され、客引きがマイクで叫び、とんでもない喧騒。
レストランやカフェやバーでは相変わらずの生ライブ、クラブのダンスミュージック、さらにはなんか戦車に乗る遊園地みたいなアトラクションやら、蝋人形館やら、氷の世界みたいなアミューズメントやら、もうなんでもあり!!!!
うるせぇ!!!!
なんだこれ!!!!
向こうの池のほうではもちろん有料の光のショーをやってるし、お決まりのジャンベ屋さんもあるし、お決まりのこいつもある。
臼で粉を搗いているんだけど、男2人でダンスミュージックを爆音でかけながらチャラく踊って、杵を動かしている。
これマジでどこの町でもやってる謎のパフォーマンスなんだけど、チャラすぎて見てられん。
9Dって何が起きるの!?手コキでもついてんのか!
あまりの大混雑と、ケバケバしさと、統一感のないなんでもありの軽薄さに一瞬で胸焼けおこしてきた。
1番ビビったのはこれ。
爆音のクラブの窓際で、スタイルの良い美人な女の子が水着姿やコスプレ姿で立って踊っていた。
踊っているといってもヤル気かなさそうにユラユラ揺れてるだけ。
まったく生気が感じられない。
俺を含め、それを写真に撮る中国人のオッさんたち。
中国でもこんなセクシャルな見世物をやってんのかよ…………ってかなり呆然とした。
ここなんだ?
水墨画のような、風流な美しい風景が広がる景勝地だよな?
古くから詩人、文人たちを魅了してきた由緒ある美観地区だよな?
それが周りを見渡せばクラブが爆音を垂れ流し、女が体を晒し、見世物まみれのテーマパーク。
ハリボテの町並みが作られ、スペクタクル的なショーが繰り広げられ、誰もが金を落としている。
雰囲気ぶち壊しもいいとこ…………
マジで萎えるよ…………
西江にしてもそうだけど、本当中国人って観光地のプロデュース間違いすぎやろ…………
路上やるか?と一瞬思ったけど、あまりにもやましすぎてこれは無理だ。
路上販売の人たちはめっちゃいる。
あちこちで品物を広げており、かなり自由な雰囲気。
大理みたいに締め付け厳しくないんだなぁ。
と思ったら、向こうほうから15人くらいの機動隊みたいな武装警察官たちがゾロゾロ歩いてきた。
そしてその瞬間、さっきまでワラワラいた路上販売の人たちが跡形もなく消え去った。
やっぱダメなんやん。
こりゃダメだ。あんな人たちが巡回してるなんて怖すぎるわ。
しかし、そんな俺をよそに機動隊たちが通り過ぎていった瞬間、すかさず店を戻して商売を始める路上販売の人たち。
中国だなぁ。
そりゃ人のことを気にしない国民性。
みんな懲りずにイタチごっこを繰り広げているんだな。
あまりにもすごすぎる光景に圧倒されてしまって、すごすごと西街を後にした。
そんでお昼も食べたお店でお持ち帰りして宿でゆっくり晩ご飯を食べた。
いやー、中国すげぇ。いろんな意味で。
今回の中国は貴州が良すぎたな。
こんだけ広大だったらあの貴州みたいにまだ観光地化されてない秘境が他にもたくさんあるんだろうけど、それに巡り会えたのは本当に良かった。
明日がおそらくこの旅最後の絶景になるはず。
長かったこの2人旅の締めくくりに、素晴らしい景色が見られたらいいな。