こんにちは!神田です。
リアルタイムはラスト2カ国の香港です!!!
中国の深圳から目と鼻の先の香港なのに、人の感じとか街の雰囲気も一気に変わって不思議な感じです。
異国感満載の中国から、日本をすごく感じる香港。
やっぱりこの旅最後の冒険は中国だった気がします。
おわり
2018年2月23日(金曜日)
【中国】 大理 ~ 夜行電車
「ワンモアタイム、ワンモアチャンスはできますか?」
中国人の若い女の子がスマホの翻訳機にそう書いて見せてきた。
中3くらいのころに覚えた山崎まさよしの懐かしい曲。
印象的なギターのイントロは初心者にはちょうどいいくらいの難易度で、練習してあれが弾けるようになって当時の彼女に気分よく歌ってた。
夏祭りの夜にギター持ってって、夜店や人混みを離れて防波堤の前でみんなで集まって弾いてたよなぁ。
それを今、中国の奥地にある白族の自治区で歌ってる。
中国の人たちを前に。
歌詞もコードももうほとんど忘れてしまっていたけど、あのイントロだけはしっかり覚えてたな。
歌いながらあの頃の彼女のことをちょっと思い出したのはカンちゃんには内緒の話。
1番だけ歌うと、若いカップルは嬉しそうに100元(1700円)を入れてくれた。
時の流れに身を任せをあなたと一緒に歌いたいです!!っていう女の子もいて、日本語と中国語でデュエットするという面白いコラボレーションなんかも。
旅の日本人と中国人観光客の歌に、たくさんの人が拍手してくれた。
素敵な路上ができたと思う。
大理最後の路上は30分だけやって気持ちよくフィニッシュ。
たった30分で段ボールにはたくさんの紙幣が入ってた。
大理はヨーロッパ並みに稼げるな。
これからの町が楽しみだ。
宿に戻り、置かせてもらっていた荷物を担ぎ、スタッフのみんなに挨拶して外に出た。
人の数はだいぶ減ったけど、今日も賑やかな古城。
3年半前と色んなものが変化して、流行り廃りを繰り返してはいるけど、その容れ物は同じままだ。
何千年前から銀の産地として栄えたこの古の町。
城門と楼閣と、水路と古民家。
新しい店が出来て、古い店がなくなり、新しい人がやってきて、また今日も誰かが去っていく。
またここに戻ってくることがあるかな。
きっとない。
カンさんがいない以上、また来る理由はない。
古城に賑わいに背を向けて歩いた。
車道に出ると、ちょうどいいタイミングでバスがやってきて、乗り込んだ。
カンさん、縁があれば、強い縁があれば、またいつかどこかで。
この地球に生きてるんだもん。
奇跡が起きることを願ってます。
本当に本当に、あの時僕のことを助けてくれてありがとうございました。
カンさんのおかげで、カンちゃんと今幸せにできています。
どうかお元気で。
大理駅に到着し、昨日買っておいたチケットを見せてゲートをくぐる。
そして荷物チェックを通り構内に入り、待ち合いスペースへ。
とりあえず電車前にカップラーメン。
8元(135円)。
駅の中にお湯があるので、水筒にお湯も補充できる。
カップラーメンの味は…………まぁ日本のものにはほど遠いかな。
日本ってカップラーメンですらめちゃくちゃ美味しいよなぁ。
夜の21時が近づいてくると、どんどん構内に人が増えてきた。
椅子が埋まり、通路が塞がり、どんどんどんどん増えて、やがて駅の中はアリの巣みたいな状況に。
あまりにも人が多すぎて、プラットホームに向かう人波におされて、もはや軽くパニック状態。
小さな子供が親とはぐれそうになってマァァァァ!!!と叫んでいる。
戦場か?
チャイニーズニューイヤー終わりの帰宅ラッシュで、マジで人民大移動だ。
とてつもない人ごみがプラットホームに止まっている電車に群がり、吸い込まれていく。
そりゃ天座までチケット完売の電車。
15輌もあるのにすべての車両がパンッパンになっている。
俺たちももれなく天座組。
これはなんとしても連結部分に良いスペースを確保しなければいけない!!と電車に乗り込むと、もうすでに座席スペースにも立ち席の天座組が溢れており、身動きが取れないほど。
お、終わってる…………
これはひどい…………
通路にも荷物が溢れているので、カンちゃんのキャリーバッグを肩に担ぎ上げ、根性で連結部分までやってくると、すでにそこには天座組がうじゃうじゃ吹き溜められており、それぞれに場所を確保して座っていた。
ぬううう!!場所がない!!!
と思ってしまうのは日本人的感覚!!!
ここはインドを経験してる俺たち!!!
この程度の混み具合、インド人にとっては爽やかな草原の同じようなもの!!
よっこいせ、つってなんの躊躇もなく通路のど真ん中で自宅のリビングのように寝始めるあの人たちのソウルを思い出すんだ!!!
え?あっちに行きたい?あ、どうぞどうぞ、私の顔の上をまたいでください、踏まないでくださいね、ところでサモサ食べます?というあの人たちの心の強さを思い出せ!!
うおおおおおおお!!!!ビリヤニそんなに美味しくねぇえええええええええ!!!!
オラァァァァ!!!トイレ横に強引にスペース確保!!!!
うん!!!背もたれがトイレのドアなので人がトイレに来るたびに背中を浮かせないといけないので眠れないこと確定!!!!
これで夜行7時間!!!!
拷問!!!!!!
ていうか俺たちなんてまだまだラッキーなもん。
周りを見てみたらスペースがなくて立ちっぱなしの人もいる。
座席スペースの通路に座り込んでいる人もいるし、折り重なってハムスターみたいなことになってる家族もいる。
これで7時間の夜行電車か…………
昆明に到着するのは早朝の4時。
いやぁ…………旅っぽくなってきた…………
走り始めた電車。
最初は元気だったんだけど、時間が経つにつれてどんどんどんしんどくなってくる。
今日の移動に向けてカンちゃんのキャリーバッグの中身を柔らかいものだけにして上に座れるように仕込んでいるのでかなり楽ではある。
でもやっぱり徹夜で移動はなかなか体にくる。
「ウーピンチーピンリャンピン~~!!チンイツ~~!!!」
こんなウルトラ混雑してる難民電車なのに、向こうから移動販売のおばちゃんがカートを押してやってきたからさぁ大変。
通路で座り込んでる人たち、通路に置かれた大量の荷物、溢れかえる人たち、
そんな中を轢き殺すぞコノヤロウ?くらい感じで突き進んでくるカート。
おいおい、もういいよ、もうその座席スペースまででいいよ、こっちの吹き溜まりまでは来なくていいよ、うん、大丈夫だから、こっちまでは大丈夫から、ね、うん、そこで引き返して、こっちまで、こっちまで来よった。
難民で溢れるスペースに突撃してくるカート。
これどうするの?もう身動きとれんやん。
こんなところまで入って来てこのあとどうするの?
するとトイレのドアをガーーー!!っと開けてカートをトイレの中に突っ込み、うまい具合にUターンさせてまた、イーペーコー!!ツモー!!と戻っていくおばちゃん。
う、うまい………………
しばしの平穏が訪れたかと思ったら、また今度は何やらわめきながら向こうから近づいてくるおばちゃんの声。
そして手に大量の飴の袋を持ったおばちゃんが俺たちのスペースに突撃してきた。
「さぁ~!!寄ってらっしゃい見てらっしゃい!!ここにとりいだしたりまする甘~い甘い飴!!!この量と甘さで今ならなんとこのお値段!!買わないわけにはいかないよおおおお!!さぁ!!そこのダンディな舘ひろし!!買った買った!!」
中国の電車名物、車内の口上販売です。
陽気な車掌さんが色んな商品を持ってお喋りしながら客席を回り、みんなを笑わせながら楽しく販売するやつ。
「ホラ~!!そちらのうら若きお嬢ちゃん!!あなたなんか私の若いころにそっくりねぇ~!!この飴をなめたらもっと肌が綺麗になること請け合いよ!!さぁ買った買った~!!」
まぁいい加減なこと言ってそうな雰囲気なんだけど、おばちゃんのお喋りが楽しくて、みんな笑顔になりながら飴を買っている。
おばちゃんやり手!!
そして横にいた俺たちにも、チートイツ!!モウパイ!!と言ってくるので、カンちゃんがイングリッシュプリーズと言ったら、はい謎の言語出た~みたいなそぶりをするおばちゃん。
周り爆笑。
うなだれムードの車内を明るくしてくれる口上販売、いいイベントだな。
それからもひたすら木と同化して熊を待つマタギのごとく心頭滅却して時が過ぎるのを待つ。
トイレに来る人たち。
背中を上げる。
タバコを吸いに来るオッさん。
おい、ここは禁煙だぞと壁の禁煙マークを指差すと、仕方ねぇなぁみたいな顔してトイレに入って吸っている。
おい、トイレの中も禁煙だぞコノヤロウ?
中国人、本当喫煙マナーに関してゆるゆるだよなぁ。
ヨーロッパとか言ったら禁断症状出るんじゃねぇか?
とは言っても俺もタバコが吸いたくなってきた。
俺たちがいる場所は禁煙スペースだけど、向こう側の連結部分は喫煙スペースになってるはず。
しかし、目の前に立ちはだかるのは、しかばねの山みたいな座席スペース。
もう時間も遅くなってみんなそこら中で寝まくってる。
こ、ここを突っ切らないとタバコを吸えないか…………
頑張って座席スペースに突入し、オッさんたちをまたいで乗り越え、足伸ばして寝てる人を避け、なんとかして連結部分に到着。
そこはマジでインド超えてた…………
な、なにこれ…………
もう笑えてくるんやけど…………
めっちゃ狭い連結部分に何十人も男たちが密集して、みんなブカブカとタバコを吸っている。
足元はタバコの吸い殻やら飲み物の空き缶やらゴミやらカスやらが散乱しまくってるし、煙が充満して息苦しいし、臭くてしょうがない。
そんな連結部分にスペースを陣取ってしまった天座組がいるんだけど、こんな中で7時間とか地獄すぎる…………
中国すげえええええええ…………
いやぁ、こりゃなかなかのもんだわ…………
インドのジェネラルもひどいもんだったけど、インド人ってみんな人懐こいので、外国人が立ってたりすると席を詰めてくれて、おいでおいでして座らせてくれたりする。
ここでは俺たちは見た目、中国人。
外国人だからって甘やかしてもらえるような特別扱いは発生しない。
根性で乗り切るしかない。
あああ、腰痛い…………
目がしばしばする…………
頭フラフラする…………
あと昆明まで2時間くらい…………かな…………
ていうかこれで終わりじゃないと思うとマジで絶望的…………
早朝4時に昆明に着いてから、6時間駅で過ごし、それから今度は11時間の天座で夜の21時に凱里に到着です。
せ、精神が崩壊するかもしれない…………
いやー!!中国の旅ハードだわあああああああああ!!!!
オラァアアア!!!トイレから出たらちゃんとドア閉めろやボケエエエエエエ!!!!