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中国がヤバすぎて楽しすぎる


こんにちは!神田です。


今、中国でも女性の中で韓国人顔がかなり流行のようです。


メイクとかヘアスタイルとか韓国人を真似ててる若い女の子をよく見かけて、
もうもはや顔で何人か判断できなくなってます!!!


街にも、韓国人の顔になれますよ。みたいな形成外科の広告とか見かけます。


韓国人女性の顔はアジアの憧れなんですね。

色も白くて髪もきれいで確かにかわいい!!!



でも、中国人も目指すその韓国顔っていうのは整形後の韓国人の顔なんですよね。


どっちかって言ったら私は整形肯定派です。

かわいければすべてよし!



おわり









2018年2月16日(金曜日)
【ラオス】 ルアンナムタ ~【中国】 モーハン





昨日の夜、早めに寝たんだけど、夜中にいきなりとんでもない爆音がしてビビって目を覚ました。




ババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババ!!!!!!!!!




静まり返った田舎町に轟く凄まじい爆発音の嵐。


それは爆竹音だった。


そう、日付が変わって2月16日の新年になった深夜に、外でものすごい数の爆竹が破裂しまくっていた。



爆竹音はしばらく止まず、ババババババン!!!!!と鳴り響き続けていた。


そうだよな。俺たちだってカウントダウン花火をやったりするもんな。


こんな田舎でこれもんなんだから、北京とか上海なんかじゃどんな凄まじい爆発が行われているんだろ。


恐ろしいわ…………


眠くて外に様子を見に行く気にもならず、しばらくしてようやく音が止んでくれたので、また眠りについた。












それよりもカンちゃんがちょっと風邪気味になってる。


喉が痛くて体がダルいみたい。


この前まで俺がひいてた風邪がうつってしまったのかな。


今日はこれから中国に突入するので、今までみたいに楽勝の東南アジアではない。

言葉も英語が一切通じなくなるし、みんなそれに何の疑問も持たずにひたすら中国語オンリーで話しかけてくるし、様々な習慣が一気にガラッと変わる。


そんなにノホホンとヨユーをこける国ではないので、初っ端から体調不良で大丈夫かな。




「カンちゃん大丈夫?いけそう?」



「うんー、まだ大丈夫ー、薬飲むー。」




今日の目的地は国境を越えて少し先に進んだところにあるジンホンという町。


漢字では曼景と書く。


この辺りはタイ族という人々の自治区らしく、まだ中国の中では東南アジア寄りの文化と混合している地域らしい。


広大の中国からしたら辺境の地といった具合なのかな。


昆明、ラオス、バンコクに続く交易の道として古より栄えた地、というロマン溢れる町らしい。


なんとかそこまでたどり着いたら、宿に入ってゆっくりしよう。なんなら2泊してもいいし。











気持ちをまとめて宿を出ると、ひんやりした空気にぶるっと震えた。

朝霧がたちこめ、田舎町が白く閉ざされている。





うおおお…………めっちゃ寒いやん。


これからさらに北の内陸部に入っていったら、もう冬服のコートが必要になってくるはず。

寒い中国かー。いやー、ワクワクしてくるわ。





宿のすぐ横にあるトラベルエージェンシーに行くと、すでに欧米人バッグパッカーたちが集まっていた。

みんなこれからルアンパバーンやビエンチャンに南下するみたい。


中国組は俺たちともう1組、欧米人カップルのみ。


やっぱり欧米人は中国にはあんまり興味はないのかな。






集合時間の朝7時半になると乗り合いトゥクトゥクがやってきて、みんなで荷物を積み込む。


するとトラベルエージェンシーの兄ちゃんが俺たちに声をかけてきた。



そしてなかなか衝撃的なことを言ってきた。




「ラオスからのバスは中国には行けない。」



「は!?ええ!?なんで!?」



「チャイニーズニューイヤーだから入れないんだ。」




いやいやいや、そうだよね。


そうだよ、分かってるよ?


だから昨日チケットを買うときに、明日から中国はチャイニーズニューイヤーだけどちゃんとジンホンまで行けるの?って念を押したよね?


そしたらヨユーの顔で、大丈夫ノープロブレムだって言ったよね?


だから買ったんだよ?

分かってたことだよね?

なんで確認してないの?

アホなの?



すると兄さんは昨日払った15万キープ(1930円)のうちの10万キープ(1300円)を返してきた。


これで国境から中国側のバスに乗り換えればジンホンまで行ける、10万キープで行けるから大丈夫だ、と言う兄さん。


うーん、まぁ金を返してきただけまだ良心的か。


これがインドとか中東だったら、国境まで行ったところでいきなりバスから放り出されて、は?ここまでだよ?次の町?そんなの知らんよ?バカなの?ホーケーなの?ハナクソ食う?って言われて金を返してもらえずトンズラっていうパターンだ。



大人しく金を受け取ると、トゥクトゥクは霧に閉ざされたルアンナムタの町を走り出した。












びゅうびゅう吹く風に凍えながらバスターミナルに到着。

















待ち時間の間に可愛い地元の女の子と遊んだりして、それから国境行きのバスに乗り込んだ。









おおお、久しぶりのクオリティーですね。


なかなかのオンボロ具合に逆にテンションが上がってくる。


そして乗っているのはチベットで見てきた肌の黒い黒髪の人々。

インドのテイスト、東南アジアのテイスト、中国のテイスト、それらがミックスしたあのチベット顔だ。


笑顔が少なく、不思議な雰囲気がある。





ていうかさっきから俺の隣のオッさんがバスから何度も乗り降りしてるんだけど、乗り降りするたびに俺のギターのヘッドに手を置いて立ち上がったり掴んで手すり代わりみたいにしてきやがる。



おい、これギターって分かるだろ?

力かけたら壊れるやろ?



あまりにも毎回してくるので、毎回オッさんが手を置いてくるたびにバシッてその手を叩いてどかす。


しかし驚くことにそのオッさん。

俺が毎回手を叩いているのにそのことにまったく気づいていないかのごとく無反応。


なかなかの勢いで手を叩かれてグイッて動かされてるのに、平然と人と話をしているし、こっちを見もしないし、また手を置いてくる。無表情で。


中国怖ええ…………

全然動じねぇ…………


あまりにも感情が読めなくてこの人たち同じ生き物なのかなってふと思ってしまうわ…………


いやー、そんなとこも含めてこの中国はとことん旅を楽しみまくってやるぞ。






「エクスキューズミー?このバスって中国の国境まで行くのよね?そこから昆明まで行くバスってあるのかしら。チャイニーズニューイヤーで休みなんてことないかしら。」



もう1組の中国組の欧米人カップルが声をかけてきた。

彼らからしたらみんな同じアジア顔。


でもここで英語を話せるのは俺たちだけだ。




「エージェンシーのスタッフが国境で乗り換えればいいからって言ってたから、多分バスがあるとは思うけど、わかんない。俺たちもあることを願ってるんだよね。」



「私たち、明日の夜に昆明からの電車チケットを取ってるから今日のバスがないと困るのよね…………」



いやー、ベトナムにしても中国にしても、この時期にこのエリアに旅しに来た人たちはなかなかの勢いで計画がブッ潰れまくってるだろうな。

















オンボロのバスは辺鄙な田舎道を走っていく。


もうここはほぼ中国。窓の外に見える看板も、もはやラオス語より漢字のほうが多い。


車内には大音量でラオスの音楽が流れているんだけど、日本の演歌にとても似ている。

そこに特徴的な節回しと、絶妙にキーを外した不思議な音が入ってきて、たまらなく外の景色とマッチしていた。


旅情を演出するためにわざとやってくれてんのかな?っていうくらい、旅ど真ん中だ。









ガタゴト道に飛び跳ねながら走ること1時間ちょい。


道の先に金色の大きな建物が見えてきた。

あれが国境だ。




これぞラオス、といったカスタムの中でラオス出国スタンプをもらい、外で待っててくれていたバスに乗り込むと、そこから中国側のカスタムまで運んでくれる。



国境間の道は無機質な景色で、何もないだだっ広い道の脇にこれまた無機質な、巨大な建物が並んでいた。












巨大だけどデザイン性がまったくない、ただの箱を置いたようなそのコンクリート作りの建物は、あの東チベットでよく見ていた建物とすごく似ている。

窓が多く、なんとも味気のない建物なんだけど、どこな異様な迫力がある。


あれらは免税店の建物のようだったけど、半分くらいが廃墟になっているみたいだ。


忘れ去られたような中国の果て。












そして道の先についに中国への門が現れた。





この先に、あの巨大な国が広がっている。


あの何にも揺るがない、混じりっけのない文化と価値観。


この現代社会でこれほど未知の国って他にあるかな。

サウジアラビアとかそんなレベルだよ。


いやー、痺れるなぁ。



実は60ヶ国以上行ってるカンちゃんが1番良かった国はどこ?って聞かれた時にいつも答えているのは中国。


俺もカンちゃんもこの他に類を見ない強烈な個性にどっぷりハマっている。

今回はどんなものを見に行けるかな。







バスを降りるとまずは外のカウンターで荷物チェックがあった。


台の上に荷物を乗せると、無表情な公安の兄さんが機械のようにバッグを開けて中をのぞいている。


ドキドキしながらニーハオって挨拶したら小声でニーハオって返してくれた。



うおおお…………怖え…………


ニーハオがマジで使われてる国やし…………







荷物検査が終わったらイミグレーションカウンターへ。


入国カードを書き、列に並んだんだけど、まぁ入国審査官の顔が怖え。


マジで怖え。

超無表情。


そしてなんかあったら超キレた顔で、アアアアンン!?ってデカい声で怒ってる。


マジソッコーでカンフーで撲殺されそうな勢いなんですけど…………




ラオスのお婆ちゃんの番になったんだけど、ラオス人のお婆ちゃん、中国語わからない。


しかし中国語で質問し続ける審査官。


はぁ?って言うお婆ちゃん。


どんどん声を荒げて叫ぶ審査官。


はぁ~?っていうお婆ちゃん。



建物の中に怒鳴り声が響き渡る。



ただの恐怖映像。



今にも立ち上がってホアタァァァァ!!ってお婆ちゃんの頭を回し蹴りで蹴りちぎりそうな怒りに満ちた顔をしてる審査官。


ただの修羅場。



中国人、超絶怖えぇ…………





めっちゃ逃げたかったんだけど、とうとう俺の番になってしまった。



「ニ、ニ、ニニ、ニ、肉便器、じゃなくてニーハオ。」



勇気を振り絞ってニーハオと言いながらパスポートを出すと、ニーハオと小声で返してくれる審査官。


そこは真面目。




「おい貴様、ノービザか?ああ?」



「ヒイイイイイ!!!すみません!!!ノービザです!!!僕マジで万里の長城とかホント意味わからんくらいデカくてウケるっていうかパンダとか超可愛いくて、あれ?なんとなくあなたもパンダに似てますね!!なんつって!!!」



「貴様は中国のどこに行くんだ?あああ?」



「はああああああ!!!目が超怖い!!!大理です!!!10日くらいでベトナムに行きます!!!やっぱ僕は三国志だと呂布派ですけどあなたは誰派?」



「貴様はなんのために中国に来たんだ?ああ?」



「サイトシーイングです。麻婆豆腐マジリスペクトっす。チュっす。」





結構普通でした。


ちょびっと英語が喋れる審査官で良かった。


俺の後のカンちゃんはひとつも質問されることなくスタンプゲット。


中国はビザなし15日間。










つーわけで久しぶりの中国入国ヤベエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!





全部漢字いいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!


歩いてる人みんな中国人の顔おおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!






「神田さん!!ヤバい!!!食堂が中華料理ばっかりです!!!カオソーイ屋さんとかパッタイ屋さんがないです!!!!めっちゃ麻婆豆腐と火鍋を食べさせようとしてます!!!」



「火鍋マーボーマーボー!!ご飯がススムくんー!!!はぁ…………でも体ダルい…………」



風邪でしんどそうなカンちゃん。


カンちゃん、もうちょっとだからね!!


ここからバスを乗り継いだら4時間くらいでジンホンに行けるから、そこでゆっくり過ごそうね!!





ていうかお店が全閉まりですね。




食堂と商店は開いてるけど、他のお店は全てクローズ。

ただでさえ寂れた僻地の田舎町なのに、マジでゴーストタウンみたいになってる。


そう、チャイニーズニューイヤーです。

今日は元日ですからね、そりゃみんな仕事を休んで里帰りして家族と過ごしています。



なのでもちろん銀行も開いてません。



そう、つまりお金の換金ができません。



中国って町の中に換金所ってやつがまったくなくて、銀行に行くしか方法がないというめっちゃ面倒な国。


日本でも町中に換金所なんかないですよね。よほどの観光地でもない限り。

中国もそんな感じです。


東南アジアとかインドとか、外国から人がたくさん来る国にはそこらじゅうにありますけど、中国はそんだけ外国人に優しくない国ってことです。


中国は中国内で全て完結している。




こんな山の中、僻地の町、チャイニーズニューイヤーで全てのお店が全閉まり、


お手上げです。

マジ終了。



でもご心配なく。


そんなこともあろうかとルアンナムタの銀行で前もってスイスフランを中国元に換金しておきましたからね。


マジ天才すぎ!!!

なにこの卓越した先読み能力!!!


なんでこんなに先が読めるのにあの時大学に行かなくて低学歴なの!?



低学歴でもとりあえず旅はできます。






というわけでご飯食べるぞおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!


テキトーに食堂に入って回鍋肉とご飯!!!!


注文して2分くらいで運ばれてくる回鍋肉!!!

早すぎ!!!





お米はおひつに入ってくる中国スタイル!!

懐かしい!!





テーブルの上のヤカンには暖かいお茶!!!


と見せかけて白湯!!!


そういうとこ好き!!!!











もうマジで美味しい…………


ビビる…………


なにこの生姜のきいた濃い味付け。


豚肉の旨味が濃厚で、ご飯がススムくんにもほどがあるよ…………



前回の中国は最初から最後まで下痢で死ぬほど体調壊してて、油っこい中華料理を思いっきり楽しむことができなかった。

大好きな中華料理の本場にいるのに色々試したりできなかったよなぁ。


今回は今のところ体調万全。


思いっきり油っこいの食べまくってやるぞ!!!


お会計は全部で44元(730円)!!


換金してきといてよかったー!!!











が………………



嫌な予感がするのは僕だけでしょうか。


チャイニーズニューイヤー元日。


町は静まり返ってゴーストタウン。


これはまさかとは思うけど…………



まさかなのでは…………




バスも全部運行してないんじゃないか…………




い、いや!!あのルアンナムタのトラベルエージェンシーの兄さんがチャイニーズニューイヤーでもノープロブレムでジンホンまで行けるぜ!!ってめっちゃ堂々と言ってたもん!!


国境から乗り換えれば大丈夫だって!!!


あんだけ、心配すんなよチアーズブローメーンみたいな笑顔でノープロブレムメーンって言ったんだ。


大丈夫大丈夫!!!


元日って言っても移動する人はいるんだし、そういう人たちのためにバスもきっと走ってるよね!!


ヨユーヨユー!!




そこらへんの人にバス?ジンホン?と聞いて回り、このモーハンの町のバスターミナルに到着。





さあああああああああああてええええ!!!


遥かな中国の旅の始まりだぜえええええええええええ!!!!



「ジンホン!?ホニャララホニャララ!!メイヨー!!!メイヨーメイヨー!!!!バンリノチョウジョウ!!」



「え?なんて?」



「ミンティエン!!!ジンホンミンティエン!!!」




え?なにを言ってるのでしょう?この坊主でイカついおじさんは。


メイヨーって無いって意味だよな?


ミンティエンって明日ってことだよな?






















あのルアンナムタのガキ殺す!!!!!!


なにがノープロブレムだ!!!鼻の穴にもち米詰め込んでケツにラープぶち込むぞボケええええええええええええええ!!!!!!!!





終わった。

この超山の中の国境の町に監禁です。




ちょ、もおおおおおおおお………… 


せっかくチャイニーズニューイヤーになんとか間に合ったのに、こんなど田舎のゴーストタウンじゃイベントとかパレードどころか何にもやってねぇし…………


あるのはさっきからあちこちで破裂している爆竹の音くらいやし…………


ていうか地面も爆竹のカスまみれ。









ゆうべの年越しの瞬間とか凄まじいことになってたんだろうな…………















とにかくもう全ての交通機関が停止してるっていうか、町唯一の交通機関であるバスがストップしている以上、この町から出ることは不可能。


なんも無い町で明日まで過ごさないといけない。


宿はまぁそこらへんにあるのでとりあえず寝るところには困らなさそうだけど、ワイファイなんかは期待できないよなぁ。



カンちゃんがバスターミナルの中にあるちょっと立派な宿に値段を聞きに行ってくれたんだけど、ダブルが1泊150元(2500円)。


高い…………


バスターミナルの前でご飯食べてるさっきのイカついオッちゃんにどっか安い宿ないか聞いてみた。




「ホテル、マネー、チープチープ?」



「ハアアア?!!スィスィシィースィースゥー!!!」




なに言ってるか1ミリもわからない。


そして5人くらいいるけど誰1人として1ミリも英語がわからない。


ホテル、もわからんし、イエスノーもわからん。



うおおおお…………中国の実力パネェぜ…………




「スゥスゥシィユイ!!!スシスキスギ!!!!!スシスキスギ!!!スーアンコウ!!!タンキ!!!!」




ていうか声がデカすぎて、お前殺すぞ!?くらいの感じでキレてるようにしか思えん。


ああああああもう!!!もどかしい!!!


ホテルなので眠るジェスチャー、お金が低い低い、周りを指差してどこにある?っていう謎の踊りを飯を食べてる中国人の前で披露する猿が1人。


全員茶碗と箸を手に持ったままポカーンとこっちを見ている。



するとようやく、ようやくホテルというのは理解してくれたオッさん。


次にケータイのメモに、安、という字を打ち込んで見せる。


アン?アンってなんだ?ってなってる。


安だけじゃわからんか。


なので安価って書いて見せると、あああ~!!はいはい!!って全員がついに理解してくれ、あそこの宿安いんじゃない!?!?ってみんなで話しだした。



「スゥスゥシィザイ!!!イーペーコー!!テンパイ!!!」



するとオッちゃんが立ち上がって、こっち来やがれこのクソども!!!みたいな声のデカさで歩きだした。


慌ててついていくと、バスターミナルの少し先にある安そうな雰囲気の家族経営っぽい宿に入っていく。





そして宿のおばちゃんにこのボケどもを泊めてやってくれ!!みたいなことを言ってる。


えっと、ちょっと待って、先に値段はいくらか教えて…………




ハウマッチ?なんだそれ?辛いの?みたいな1ミリも英語がわからないおばちゃんにジェスチャーで聞くと、電卓に150元と打ち込むおばちゃん。


さっきと変わらんやん!!!



ごめんなさい…………他のところ探しますー…………と宿を出ようとすると、オッちゃんが、安くしたれー!!2人だからダブルの安い部屋にしたれー!!と言ってくれ、値段が一気に80元(1300円)に。


やったー!!おじちゃんシェイシェイ!!と言うと、グッと親指を立てて腹をかきながらコオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!というパワーゲージを溜める声を発し、豪快にぷへえええぇぇ!!!と痰を道路に吐き捨てるおじちゃん!!


粋なおじちゃん!!


でも痰はやっぱりカッコよくない!!!










かくして宿を確保したんだけど、すごく広い部屋で布団も毛布もあるし、お茶っ葉と湯沸かしポットもあって中国っぽい。









部屋の中に灰皿が置いてあるのもめっちゃ中国。


そりゃ東南アジアの宿の壁に中国語でタバコ禁止って書いてるわ。
中国人からしたら部屋の中でタバコなんて超当たり前のことだろうし。


ていうかシャワーちゃんとお湯出るかなぁ。





うん、めっちゃ熱いって書いてる。これでお湯出らんことないか。






しかもなんと!!!!


ワイファイあるじゃねぇか!!!!


ぐおおおおお!!奇跡!!絶対なさそうな宿なのに!!!!




でも…………あれなんですよね…………



中国ってネット規制が半端なくて、フェイスブックもグーグルもグーグルマップも、ユーチューブもブログもラインも、


普段俺たちが使ってるアプリたちがほぼ使えないというネット鎖国なんですよね…………


ワイファイに繋いだところでなにひとつ見られません…………


そう、もうこれから中国にいる3週間くらいブログも更新できず、ブログランキングもガッツリ下がり、誰とも連絡が取れず、音信不通になって、夜な夜なゆまちゃんを見ることも叶わないですね…………



ネットのない生活バンザイ…………







と、みせかけて2秒でVPN接続完了。


中国インの前にカンちゃんが全てのデバイスのVPN設定を完了させてくれております。


VPNとは海外のサーバーを経由するネット接続方法で、これによりネット鎖国の中国の中でもいつも通りグーグルやフェイスブックが使えます。


スムーズにもほどがある。

僕とカンちゃん2人だとなかなか旅スキル高いと思います。



今日バス乗られんかったけど。



バス乗られんかったけどおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!






でもこれはこれで良かったかなとも思う。


部屋に入るとすぐにベッドに倒れたカンちゃん。

風邪で相当しんどかったみたい。


最近夜行バスとか早朝バスとかの移動続きでちょっと疲れがたまってたのもあるし、ここでゆっくり休めてちょうどよかった。


スースー寝息を立て始めたカンちゃんの横に俺も座り、ゆっくりネット作業をした。















一応ひと通りこのモーハンの町の中を歩き回ってみたけど、なんにもなかった。
















お店はほとんど閉まってるし、見どころもないし、本当にただの小さな国境の町。


ただ久しぶりの中国の風景はとても新鮮だった。

















漢字の看板、無機質なコンクリートの建物、食堂でご飯を食べる家族。


野外のビリヤード場もあって、渋い中国のおじさんたちがカッコよく玉突きをしている。


その表現のひとちひとつが、日本人のようであって完全に日本人ではない。





大陸の奥地、様々な文化が混ざり合うこの地域は、顔は似ていても島国の日本とは根本が違う。

秘めている人間性が明らかに違う。



人々の顔には笑いがあまりない。

みな無表情だったり、怒っていそうな雰囲気。


言葉が1ミリもわからないので彼らの心が見えず、探ることができない。


ヨーロッパでも東南アジアでも、人々は目があったらニコッと笑う。

知らない人同士でも、ニコッと笑って挨拶をするのが普通だ。


でも中国ではそれがない。

目があっても怒ったような顔で見てるだけ。

そして関心がなさそうにぷいっと目をそらす。


距離と壁をすごく感じてしまう。





でもたまには感情を見せてくれることもあって、ビリヤード場のおじさんが俺たちに向かって何か言ってきた。

お前たちもやったらどうだい?と誘ってくれているようだった。


まだ中国に入ったばかりで戸惑ってしまうけど、ここにはここにしかない不器用な優しさがあることを俺はよく知っている。



俺を助けてくれたあの人に会いに行かないと。












































夕方になって宿のすぐ横にある食堂でご飯を食べた。


いやああああああああああああああああ!!!!


待ちに待った青椒肉絲と麻婆豆腐!!!









美味すぎるにもほどがある!!!!


青椒肉絲のピーマンの香りと肉の旨味!!!


舌がビリビリするほど山椒のきいた麻婆豆腐!!!



「カンちゃん美味しいよおおおおお!!体調万全で食べる中華料理は最高だよおおおお!!!!あ、ごめん、カンちゃんが体調万全じゃないよね。」



「うんー、今日は結構しんどいかも。早めに寝るね。でも美味しいね!!」



ビールは初めて見るこんなやつ。





アルコール度数は3.3パーセントだったかな。


中国のビールってアルコールが低くて味も薄めなんだよな。


青椒肉絲も麻婆豆腐も25元(410円)。


ビールがなんと5元(90円)。安いなぁ。





ご飯を食べていると、町のあちこちから爆竹の音が散発的に聞こえてくる。


町のみんな一斉にってわけじゃなくて、それぞれのタイミングで勝手に爆竹を鳴らすんだな。


そんな音を聞きながらビールを飲む。


目の前の車道のすぐ先には国境の建物が見える。


あそこがこの広大な中国の出口なんだよな。


すげぇところにいるんだな。







念願だったチャイニーズニューイヤー。

なんとか間に合うことは間に合ったけど、すげぇ地味な1日になったなぁ。


でもそれも旅かな。


いやー、中国最高だな。




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