こんにちは!神田です。
いやーバンコク、安定の居心地のよさです。
ほんと、1度住んでみたいなーとも思います。
バンコクに数年住んでいて、今でも毎年数ヶ月はバンコクに滞在してるあゆむさん。
やっぱりそれだけの魅力があるんだろうなー。
毎日怒涛のスケジュールで、パソコン開く時間もないくらいのここ1週間です。
おわり
2018年1月15日(月曜日)
【シンガポール】
よっしゃああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!
飲んだくれウィークエンドも終わってこっから路上ラストスパートかますぞ、ウエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!
オエッ!!!オエエエッ!!!!
ウィッ!!!
ウイイイイイイイイ!!!!
ま、マジで死ぬ………………
気持ち悪いにもほどがある………………
この3日間、なんとかギリまぬがれてはいたけど、ついに二日酔いが来てしまった…………
しかもなかなかのビッグウェーブ…………
マジでベッドから起き上がれん………………
ピピピピピピ!!!!
ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピ!!!!!!!
容赦なく鳴りまくる目覚ましアラーム。
時間は9時。
今日はフッキーが日本に帰る日。
新年会のためにわざわざ日本からシンガポールまで来てくれたフッキーと最後にランチをしてバイバイする予定なので何がなんでも起きなければ。
でもキチィいいいいいい…………
このまま明日の朝くらいまで寝てしまいたい…………
風邪もほとんど治ってはいるけど、まだ咳はひどいし、体も本調子ではない。
そりゃ体調崩してるときにこんな連日連夜やりまくったら治るもんも治らんか…………
マジで体ズタボロにもほどがある…………
しかし今日はフッキーだけでなく、また別件で人と会う約束が入ってる。
路上を見に来て下さるかたがいるので、ゲロ吐きながらでも歌わないといけない。
あ、どうもどうもー!!って言いながらギターのサウンドホールにゲロ垂れ流しながらゲロの流れに身を任せ歌わないといけない。
あ、時の流れに身を任せか…………
上を向いて吐こうとか歌えるかな…………
あ、上を向いて歩こうか…………
新年会は終わったけど、こっから残りのシンガポール滞在の日々もかなり予定がビッシリ入ってる。
忙しいのはいいことおおおおおおおおお!!!!
根性で頑張るしかないいいいいいいいいいいいいいい!!!!!
というわけでiPhoneのアラームをものすごい勢いで止めてソッコー爆睡二度寝おやすみなさい!!!!
というわけにもいかず、ゾンビみたいな動きでフラフラと起き上がって歯を磨く。
オエッ……吐きそう…………
フッキーがチャンギに行きやすいよう、待ち合わせ場所は空港近くのベドックにしている。
ランチを終えたらそのままそこで路上して、会いに来てくださるかたを待つ、という流れ。
流れは完璧。
でもイケるかな…………
バスの中で仮死状態になりながらなんとかベドックに到着すると、駅前のベンチで1人待っててくれていたフッキーを発見。
「フッキー……もう今日でバイバイなんだねええええ…………寂しいなぁ…………」
「ちょっとフミ君大丈夫?なんか消化にいいものを食べて少しでも栄養入れないとダメだよ。」
フッキー優しいなぁ。
いや、もちろんカンちゃんも優しいんだけど、フッキーって本当安心感あるんだよなぁ。
ベンチでひっくり返ってそのまま寝そうになってしまったけど、なんとか起き上がってホーカーに行き、3人でランチタイム。
2人はラクサとかチキンカレーヌードルを食べてるけど、俺はお粥。
流動食しか入りません…………
でも中華料理ではお粥ってすごく有名で、シンガポールでも朝ごはんとかに一般的に食べられているもの。
体調が悪いときだけ食べるってものではない。
一度食べてみたいなぁって思ってたんだけど、こんなにベストタイミングないですね…………
ああ、優しい塩味がしみる…………
鹿児島出身のフッキーといると、なんかこう、九州男児が九州男児のままでいいような、不思議な感覚がある。
古巣な感じ。
カンちゃんといるのももちろん居心地はいい。
でもやっぱり育ってきた環境の違いでたまに意見が食い違うことはある。
これは違う人間なんだから当たり前のこと。
フッキーとだって、長いこといて距離が近くなったらきっとぶつかることもあるはず。
俺はカンちゃんのことがすごく大好き。
こんなに一緒にいて楽しくて気が合って、完璧にタイプの女の子、他にはいない。
でもそれでもやっぱりぶつかることはある。
そうした話をカンちゃんがフッキーにすると、分かるー!!って言ってるフッキー。
九州女子として、九州男児の生態をよく理解している。
「九州の男って基本、言わなくても分かれ、っていうのがあるんだよねぇ。アレ取ってとか、アレなんだっけ?とかってのも、アレだけで分かって欲しいんだよね。詳しく説明したくないの。」
「それ!!!!フッキーそれ!!!フミ君ってそうなの!!!私がフミ君にアレって何?って聞き返しても答えたがらないの!!」
「でしょー?本当そういう男が多いんだよねー。プライド高いっていうか。」
他の地域のことをよく知ってるわけではないので断言はしないけど、九州って多分、男尊女卑感は他の地域よりも結構強いんじゃないかなって思う。
昔、爺ちゃん婆ちゃんの家に行くと、そういうキツい場面をよく見ていた。
例えばお婆ちゃんが手元が滑ってお茶をこぼす。
すると爺ちゃんは、お婆ちゃんにお茶がかからなかったかを心配するんじゃなくて、お茶をこぼしたことに対して、なにやっちょっとか!!このバカタレが!!と怒鳴る。
そんな感じ。
でも逆に男がこぼしたら女には心配して欲しい。
そんな子供なところがある。
こういう亭主関白な風潮って九州の中でも南に行くほど強くなるらしくて、鹿児島なんてその最たるものってイメージだ。
かつて日本の端っこにありながら徳川幕府と対等にやり合うほどのパワーを持っていた薩摩人の国なので、男たるもの!!という高いプライドもあるかもしれない。
カンちゃんはといえば、これ以上ないほど仲のいい素敵なご両親のもとで育ってきた子。
今でもラブラブで、一度も喧嘩したことを見たことがなければ、一度もご両親が声を荒げたところさえ見たことがないという環境で育ってきたので、旦那さんが奥さんを怒鳴るなんて信じられないという感覚が、疑うまでもなくカンちゃんの中にある。
なので俺がたまに九州でよくあるような例を出すと、バッサリと切られる。
本当カンちゃんと過ごしてて、今まで意識したこともなかったようなことでカンちゃんに注意されて、え?これってそんなにダメなこと?って驚くときあるもんなぁ。
言わなくても分かれ、ではなくちゃんと穏やかに説明して欲しい。
些細なことでも、当たり前と思うのではなく、ちゃんとお互いありがとうと言葉に出して伝え合おう。
身近な存在だからこそ、ちゃんと感謝の気持ちを伝えるべき。
カンちゃんはこういう考えかた。
そりゃもちろん分かる。めっちゃ分かる。
それが1番素敵だと思う。
でも、やっぱりどうしても出会ったころのまんまというわけにはいかないし、人間は慣れていってしまうもの。
九州男児だからそう、って決めつけるのはなかなか乱暴だけど、でもそういうところも少なからずあるのかもなぁ。
うちの家族は、例えばみんなで歩いている時、小柄なお母さんは歩幅が小さいので少しずつみんなと距離があいていく。
男たちは待たない。
どんどん距離があいていく。
そうなった時どうするか。
お母さんは小走りになってみんなに追いついてくる。
そしてまた少しずつ遅れていき、また小走りで追いついてくるというのを繰り返す。
これに対してお母さんは不平を漏らすことはない。
私は女なんだからそんな先々歩かないで私のことを待って、気遣って、とは言わず、マイペースな男たちに対してお母さんはいつも笑顔だ。
実はこのことに気づいたのって、この前オーストリアの結婚式にお父さんお母さんが来てくれた時が初めてだった。
あ、お母さん定期的に小走りして追いついてきてる、って35歳にして初めて気づいた。
今まで九州の中で育ち、九州の女の子とばかり付き合ってきたから気づけなかったのか、たまたまだったのかは分からないけど、とにかくちょっとビックリした。
お母さんってこうやって俺たちに合わせてくれてたんだ、って。
これって俺がカンちゃんというお嫁さんをもらって、カンちゃんから女の子の扱いかたというものを教わったから気づけたことなんだと思う。
というのも、俺とカンちゃんはいつも手を繋いで歩くけど、たまに俺が先々歩いてしまうときがある。
人ごみにイライラして、ついスピードを上げて追い越していく。
それにカンちゃんはついてこれない。そしてその後もスピードを上げて追いつこうとはしてくれない。
俺は遅れるカンちゃんに対して、もうちょっと早く歩いて欲しいなぁと思う。
でもカンちゃんはカンちゃんで、私は女なんだから歩幅も違うし、立ち止まって私を待とうとは思わない?って言う。
お互いが、こっちに合わせて欲しい、と求め合う。
これがぶつかる原因になるのは分かる。でも育ってきた環境が人間性のベーシックな部分に与える影響ってなかなかデカい。
カンちゃんのお父さんお母さんは、今でもいつも必ず腕を組んで歩くんだそう。
男が先々行くなんことはまずないみたい。
さらにはお父さんは毎日毎食、必ずお母さんに対してご飯美味しいよー、ありがとうーって言うらしい。必ず。
すげすぎると思う。いや、すげすぎると思ってること自体がカンちゃん的にはダメなことなのかもしれんけど。
お婆ちゃんも、お母さんも、そしてカンちゃんも、みんな九州の外から嫁いできた人たち。
きっと九州外から嫁いだお嫁さんの、九州での処世術ってもんが少なからずあるんだろうなぁ。
お義母さんも最初は色々苦労したのかなぁ、お義母さんからいっぱい教えてもらう!!って言ってるカンちゃん。
1番近いところにお手本がいる!!って。それはたしかにそうやね。
「いやぁ、フミ君の出身地まで考えたことなかったなぁ。」
「もうねー、私鹿児島から出て関西に行ったときに男性がめっちゃ優しい!!って思ったんやわー。そして今度は関東行ってさらに優しい!!ってなって、欧米に行ったらもっともっと優しい!!ってなって驚いたもん。まぁ九州男児は九州男児でいいところいっぱいあるけどねー。」
勉強になります!!ってフッキーに言ってるカンちゃん。
いやー、俺がこんなもんだよ、って説明してもなかなか聞いてもらえないけど、フッキーから言ってもらえるとさすがにカンちゃんもフムフムって納得してるみたい。
カンちゃん、色々戸惑わせることもあるだろうけど、俺もなるべく努力するからね。
言わなくても分かれ感は…………うーん、直らなかったらごめん!!
いや、なるべく直す!!!なるべく!!
「それじゃあまた日本でねーー!!」
「フッキーありがとうオオオオッエ!!オオエッ!!」
改札をくぐるフッキーを見送る。
もう全部最高に楽しかったよー!!やっぱフッキー最高だよ!!
帰ったらまたゆっくり焼肉でも行こうね!!
フッキーありがとうー!!
はああ、新年会メンバーもみんな帰って、また日常が戻ってきたなぁ。
怒涛の4日間だったなぁ。
さぁ、早速今日から路上の日々に戻るかー………………
って体がしんどすぎる…………
とても歌える体調じゃねぇ…………
でも今日は知り合いが見にきてくれるからなんとしてもやらないといけない…………
でもマジでキツい…………
「か、カンちゃん、1回アパート帰らない?ちょっとでいいから寝たい…………」
「うん、そうしようかー、私も若干しんどいし。」
アンキモからベドックまでは1時間かかる。
せっかくギター担いでここまで来たのにまた戻るなんて時間がもったいなさすぎるけど、でもこのままじゃ間違いなく歌えないので、1回戻って寝ることにした。
またバスの中で仮死状態になってアンキモに帰り、アパートでベッドに倒れた。
目覚ましアラームで起きると16時。
体はほんの少しマシになってる。
よ、よし、これならなんとか歌えそうだ。
すぐにギターを担いでアパートを出て、またバスに乗り込んで1時間かけてベドックにやってきた。
そうしていつもの商店街の中の定位置に行き、路上の準備をしてるところだった。
いきなり目の前に1人の美人な女の人が立ち止まった。
「いたー!!会えたー!!」
「あああー!トモコさんー!!久しぶりー!!」
今日は九州の女の人に縁があるなぁ。
トモコさんは大分の人で、もとはブログの読者さん。
日本に帰った時に何度かお会いさせてもらって、一緒にカッピーの店にも行ったことがある。
トモコさんは前にシンガポールに住んでいたことがあって、その当時のお友達に会いに来るタイミングで俺の路上を見に来てくれた流れだ。
「ねぇねぇカンちゃん、シミ取りやってからその後どう?なにか大変なことあったりした?」
「えー、全然なにもないですー。皮がポロポロって剥けて、それからはすごくいい感じですー。」
2秒で仲良くなってるトモコさんとカンちゃん。
いや、2秒っていうか前からの友達だったっけ?ってくらいめっちゃナチュラルに会話してる。
トモコさんの柔らかい雰囲気、素敵だなぁ。
カンちゃんも、トモコさんの話しやすさすごい!!って感動してる。
「そうそう、これカンちゃん使ってー。」
「うわー!!これめっちゃ嬉しいーー!!」
そんなトモコさんが日本からたくさん差し入れを持ってきてくださった。
保湿パックにめっちゃ喜んでるカンちゃん。
わかめスープもめっちゃありがたい!!部屋で飲みます!!
お忙しいところ会いに来てくれて、しかもこんな差し入れまでもらって、いつもブログ読んでくれてて、こりゃもう下手な路上を見せるわけにはいかない!!!!
根性!!!根性振り絞ってやるしかない!!!
今俺にできる最強の演奏を見てもらうぞおおおおおおおおお!!!!
と、ギターを鳴らして歌い始めると、あれ?ジャイアン?ってなった。
やば!!なにこの声!!!
ガラガラやしむせそうになるし喉閉じまくってる!!!
おかしい!!
俺のものは俺のもの、お前のものは俺のものなの!?
まだ風邪が治りきってなくて喉がボロボロで、うまく声が出てこない。
うー…………こんな時にいいい…………
せめてもうちょいマシな時にトモコさんに見てもらいたかったー。
でもなんとか全力で声を出して、それなりに、それなりに聞ける演奏にはなったかな…………
「演奏を生で見るのは初めてだったけど、やっぱりすごくいい声してるね!いやー、会えて良かったー。」
そう言ってくれたトモコさん。今度はもっと完璧なシチュエーションで聞いてください!!
よろしくお願いします!!
こんなところまで来てくれて、お土産まで持ってきてくれたのに、たくさん路上のチップまで入れてくれたトモコさん。
ホントはご飯一緒に行きたかったんだけど、これから友達と約束だからーって帰っていった。
トモコさん、帰国したらカンちゃんの友達になってあげてねーーー!!!
本当にありがとうー!!
トモコさんが帰ってからも歌ってたんだけど、しばらくしてなんか体が変になり始めた。
体が内臓からビリビリ痺れ始めて、全身が振動してるような感じ。
声が出てこない状態で無理やり振り絞ってるのと、あと風邪も治りきってなくてしんどいのが合わさって意識が朦朧としてきた。
ストロークしていても意識が保てなくてリズムがキープできない。
ギター弾きながら後ろに倒れそうだ。
こ、こりゃいかん…………
もう限界だ…………
ボロボロになってギターを置く。
たった1時間半でもう1ミリも体力残ってねぇ…………
頼むよおおおお、シンガポールも残りわずかなんだから1日も無駄にするわけにはいかないのにー…………
「はぁ…………せっかく雨の降ってない中でやれてるのに…………人もまだこんなにたくさん歩いてるのに…………もったいない…………」
「しかたないよー、楽しんだ代償だよね。今日は早めに寝て、たっぷり寝て体を休めよう。」
本当、この4日間楽しかった代償だよなぁ。
マジで体ボロボロだ。
するとそこに、1人のおじさんが近づいてきた。
少し離れたところでずっと演奏を聴いてくれてたおじさんなんだけど、ギターケースにチップを入れてくれたかと思うと、さらに向こうのお店の中に入っていき、めっちゃ豪華そうな袋を持って戻ってきて、俺に渡してくれた。
えええ!?み、見るからに立派な品物!!!
笑顔で去っていくおじさん。
ちょ、これはヤバイわー…………
しっかりとしたカラフルな紙袋、金色の紐、チャイニーズニューイヤーのおめでたい飾りまでついている。
これはおそらく、よくチャイナタウンとかで見かける中国のビーフジャーキーみたいなやつの詰め合わせだと思う。
どんな体調でも、路上に出たら聴いてくれてる人がいる。
気を抜かずにしっかりやんないとなぁ。
あー、こんなすごいお土産いただいて恐縮すぎる…………ちなみにお茶も差し入れ…………
アンキモに戻っていつもの日本定食屋さんカツカレー食べてガッツリパワーをつけて思いっきり寝た。
もちろん酒はなし。
明日もなんだかんだ忙しい。
元気になって残りのシンガポール、最後まで駆け抜けるぞ!!!
と、この時はまだ次の日にあんな大事件が起こるとは思ってもみなかった。
久しぶりに心底焦った。
シンガポール、やっぱりナメたらいかんかったわ…………