こんにちは!神田です。
インドネシアに到着して以来、私がどんどんスケジュールを詰め込んじゃってフミくんに少し疲れが出てるみたいで少し反省してます。
もうすぐでまた1ヶ所に少し落ち着く予定だからそこで体調整えていこうね。
たくさん付き合ってくれてありがとう♪
おわり
2017年12月7日(木曜日)
【インド】 チェンナイ
ギードーサ美味しい。
香りのいいサクサクの生地を口に入れると、ほのかな甘みと塩味がして、脂の旨みが広がる。
これと一緒にサンバルやココナツチャドニーを食べるとすごくいいコンビネーション。
タミルのご飯は本当に美味しい。
インドでは確かに毎日毎日カレー祭りだけど、それに慣れたら、次第にその中でのバリエーションを楽しめるようになってくる。
最初インドに来た時はどれもカレーで全部一緒やんって思ってたし、メニューも分からなくていつも同じのばっかり食べたりしてた。
無難に外国人が集まる店で高いハンバーガーばっかり食べてたよなぁ。
それがもうすっかり自分たちで色んな組み合わせを選べるようになった。
日本に帰ってからも、たまに無性にドーサが食べたくなったりするかもしれんなぁ。
日本にタミル料理屋さんがあったら行ってみたいな。
ギードーサは1人80ルピー、140円。
このベジレストラン、オススメです。
バスに乗ってコルッククペットに到達。
通い慣れた道を歩いていく。
みんな無視して遮断機をくぐりまくる踏切。
路上の下着屋さん。
ジャスミンの花飾りを売ってるおばさん。
バス停にいる髪の毛が音符みたいに固まってる幽霊。
いつもの見慣れた風景、見慣れた町の人たち。
これからもここでは、今までと何も変わらない日常が繰り返されていく。
変わったことといえば、俺とカンちゃんの中で、チェンナイの片隅に知った町ができたってことだけだ。
この広い世界の、無限にある人の暮らしの中に、ひとつまた新しい町を知ることができた。
今まで俺たちの知らないところで進行していた物語。
遠い世界の、一生交わることのない人々の人生。
そこにほんの少しでも触れることができたとき、この地球の広さを感じ、人間の深さを感じる。
知らない人生への憧れはどこか遠い郷愁に似てる。
人生って短い。
この地球上のすべての町に行くことなんかできん。
そんな限られた時間の中で巡り会えた縁って、やっぱりすげぇことだよな。
人でも、町でも。
俺も、あいつも、生きててよかった。
ふと拓郎の詩が浮かんだ。
おいらもひらひら
お前もひらひら
あいつもひらひら
世界中ひらひら
チルドレンホームに着いて、まずは最近の恒例の縄跳びからスタート。
「フミイイイイイイ!!!ミーミーミー!!!僕が最初!!!」
「違うわボケ!!!最初は僕だ!!ねぇフミ!!!こいつは頭が悪いんだ!!!」
「お前らあああ!!フミを困らせるな!!ホラ!!フミが困ってるだろ!!!ちゃんとしろよバカ!!!さぁ、じゃあ僕が最初だね!!」
「消えろボケがああああ!!!!」
「なんだとコノヤロウオオオオオオオオオ!!!!」
相変わらずエネルギー全開の子供たち。
順番の奪い合いで揉みくちゃになりながら喧嘩して、でもすぐに仲良くなって一緒にジャンプしてる。
子供たちがカンちゃんのカメラで撮ってた写真。
ていうかいつも思うのは、普通こんだけ激しく喧嘩したらどっちか泣きそうなもんだ。
彼らはまだ小学校低学年くらい。
ギャン泣きして親に言いつけて甘えるような年頃。
ギディオルやダルーシュにおいてはまだ6~7歳。
それなのに、年長組に手足をつかまれて振り回されたり頭を思いっきりひっぱたかれたりしても、彼らは一切泣かない。
これはどういうことか。
彼らには泣いたところで、あーよしよしってあやしてくれる親が、大人がいないからだ。
周りには暴れん坊のインド人坊主たち。
泣いたところで、ウッセーンだよ!!って叩かれて終わりだ。
泣いても甘やかされない、それを彼らはこんな小さな頃から心得てる。
強くなるしかない。
この環境で育ち、彼らはきっと簡単なことにはへこたれない人間になる。
それともうひとつ気づいたのは、最近になって子供たちが最初のころのようにカンちゃんを舐めてこなくなったこと。
最初の5日間くらいは、女性のカンちゃんにも激しくぶつかったり、言うこと聞かずに髪の毛を触っておちょくったり、セクシャルな態度をとったりしていた子供たちだったけど、今ではそんなことひとつもない。
みんなカンちゃんのことを大事にして、リスペクトしてるのが伝わってくる。
クソガキどもめー………って最初は怒ってたカンちゃんだけど、今では子供たちが可愛くて可愛くて仕方ないって言ってる。
ホームの決まりでハグしてあげられないのが寂しいって。
「フミは僕たちのブラザーだよ!!ナオは僕たちのシスター!!!」
みんながそう言ってくれて胸が熱くなる。
最初があんな感じだったからこそ、今のみんなとの距離が嬉しくてたまらない。
本当に、この子たちと出会えてよかった。
まぁ、何かお願いをするときはフミじゃなくてナオに言わないといけない、フミは厳しいからナオに言えば強引にいける、みたいな感じになってるのはご愛嬌だけど。
そういう子供らしいところはあってもいいよな。
縄跳びをして、リコーダーを吹いて、みんなで遊んでいるとしばらくしてバサンタさんがやってきた。
今日のお昼にヘッドオフィスのマザーに電話をかけて、寄付の品はバサンタさんがいる時に渡したほうがいいですよね?とジャブを入れておいたのが効果あったかな。
マザーはしっかりした人だけど、バサンタさんは結構マイペースなところがあるので、今日はホームに行くと言って来なかったりする。
なのでマザーからしっかり言ってもらうのが1番だ。
さぁ、オフィスの中に積み上げた品々をどうやってお渡しするのか。
これどうぞ、はいどうも、はいさようなら、ってなってもおかしくはない。
別にそれでもいいけど、できるならもっとちゃんと渡したい。
と思っていたら、意外にもものすごくしっかりした授与式を行ってくれた。
オフィスの中にある、ほとんど起動してるところを見たことのないパソコンでワードの書類フォームを作り、そこに何の品をいくつ寄付するというのを入力していく。
そしてオフィスのデスクを外に出し、床にマットを敷く。
子供たち全員が床に座り、キチンと集まってくれた。
俺たちが持ってきた品をテーブルいっぱいに並べると、みんなソワソワわくわくしている。
バサンタさんがみんなにお話をし、それから子供たち1人1人に品物を手渡しした。
アートセット、サッカースパイク、ファイル、スクールバッグ、肌着セット、玄関マット、チェスボード、その他のたくさんの物を、1人1人と握手しながら、記念写真を撮りながら。
みんなちゃんとアリガトウって言ってくれる。
英語の授業の合間にほんの少しだけど日本語も教えていたので、それをみんなしっかり覚えててくれていた。
みんな、こっちこそありがとうな。
パルティバンと何人かの子供が外出していていなかったのは残念だったけど、ほとんどの子供にこうして手渡しできたのは本当によかった。
寄付の品を施設のスタッフさんだけに渡してスタッフさんが配布するっていうのは味気ないよな。
いつの間にかなんか物が増えてるなぁ、ラッキーっていうのと、これだけ一緒に過ごした俺とカンちゃんから直接手渡しっていうのじゃ全然違うはず。
きっと彼らの中に俺たちのことが強く残ってくれるはず。
授与式を終え、子供たちみんなに見送られてウーバーに乗り込んだ。
とてもいい時間だった。
大きなやるべきことを終え、カンちゃんと晩ご飯を買いに町を歩いた。
もうすっかり地元感があるこのあたり。
どこに何があるかもだいたい分かってるし、気分によってお店を選んだりできるようになった。
よく行くお店の人たちも俺たちの顔を覚えてくれていて、みんな笑顔で挨拶してくれる。
俺たちもそれに挨拶を返す。
「よかったね。みんな喜んでくれたね。」
「そうだねー。みんな可愛いなぁ。なんか世の中の養子をもらう人の気持ちがちょっと分かる気がするなぁ。」
「これからもずっとあのホームと関わっていけたら素敵だよね。きっと新しい子供たちは年々来るんだろうしね。」
本当の本当は、ホームなんてもんが存在しないことが1番理想的なんだと思う。
あんなところに保護される子供がいないような、そんな社会をインドがこれから作っていけたらそれがベストだ。
でも、きっとまだしばらくはいなくならない。
ストリートチルドレンやワーキングチルドレン、捨て子や迷子の子供たちは今も深刻な社会問題だ。
まだまだこうしたチルドレンホームは役割を終えることはない。
だとしたら俺たちができることは、そうしたホームで暮らす子供たちを応援して、彼らが自立することを手助けすること。
やれることはいっぱいあるはずだ。
世界を旅して、俺が見つけたやりたいと思えることはこれだったんだって、今強く思える。
それを一緒にやりたいと思ってくれる人と巡り会えたことも、奇跡みたいに嬉しいよ。
カンちゃん、マジでカンちゃんに会えて良かった。
「毎年あのホームに行ってさ、支援しながら子供たちの成長を見ていってさ、もしできたら定期的に何人かを日本に招待して、色んなことを体験させてあげられたらいいなぁ。」
「それいいね!!外国を見るって、子供たちからしたらすごく刺激になるはず。必ず視野が広がるはずだしね。」
「ね。それくらいのことが出来るようになるためにも俺たちがまずある程度稼いで行かないとね。あああー!!金持ちなるぞー!!」
なんか、これから打ち込めること見つかった気がしてやる気が湧いてくる。
本当、稼がないとなぁ。自分の飯を削ってまでやってあげることなんて出来ないもんな。
あー!!金持ちなるぞー!!